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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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この記事は4本で1セットになっています。

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第3位 

‘05「かみちゅ!」 ’06BLACK LAGOON」 ‘07sola」 ’08「喰霊--」 ‘09「ささめきこと」 ’10「刀語」 ‘11「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」 ’12「黄昏乙女×アムネジア」 ’13「有頂天家族」 ’14「月刊少女野崎くん」

‘15「えとたま」

 残るはベスト3だが、ここから先はもう当ブログを読んでる人なら予定調和だ。まずは春クールからこちらの作品。問答無用の「たのしー!」をめいっぱいに提供してくれた痛快ドタバタアニメ、えとたま。もう、「楽しい」という記憶が残っているだけだが、とにかく好き放題に走り抜けたオリジナル1クールアニメのお手本のような作品。「干支をモチーフにした女の子が僕の回りにやってきてドタバタギャグ(ポロリもあるよ)」とか地雷作品の匂いしかしないコンセプトのはずなのに、ここまで御陽気愉快な作品に登り詰めたのは、ひとえに制作スタッフのよく分からないくらいの愛情のおかげである。映像良し、テンポ良し、中の人のやらかし具合良し。ギャグを作りあげるのに充分なものが揃っているのです。そして、そんな作品が想像以上に私に響いたのは、1つに「小動物好き」という属性が大きい。デフォルメバージョンのCGモデルは決して「動物」にはなってないので「あにゃまる探偵キルミンずぅ」とはカテゴリが違うのだが、それでも猫が可愛かったり猪が可愛かったり(牛乳がでかかったり)するのは抗いようのない事実ですからね。ちっちゃな動物たちのハートフルファンタジーだと思えば、心も温かくなるじゃないですか。それに加えて、タブリエが監修し、追崎監督が作劇するという心に届くサトジュンイズムの系譜。ギャグなんてもんは、古くさくてもいいんだよ。王道には王道の良さがある。そして、にゃ〜たんにはそんな王道をぶっ壊してくれるだけのエネルギーがある。余計なことを考えずに、ただ元気をもらえるアニメってのは最高じゃないですか。

 レッツ、もう一回。

 

 

準グランプリ

‘05「魔法少女リリカルなのはA’s」 ’06「コードギアス〜反逆のルルーシュ〜」 ‘07CLANNAD」 ’08「コードギアス 反逆のルルーシュR2」 ‘09「獣の奏者エリン」 ’10STAR DRIVER 輝きのタクト」 ‘11「花咲くいろは」 ’12「人類は衰退しました」 ’13「銀河機攻隊マジェスティックプリンス」 ’14「四月は君の嘘」

‘15「昭和元禄落語心中」

 これまた毎週たっぷりと思いの丈は書かせていただいたので今更語るべき言葉もありませんが、冬クールからは「落語アニメ」で一席。

 改めて確認すると、この作品は「落語」がすごい。そして「アニメ」がすごい。だからこそ「落語アニメ」がすごい。1つずつ分解していくと、まず「落語」部分は中の人の尽力もあり、本当に寄席で聞けるプロの落語ににじり寄ったものになっていた。台本の段階でアニメの尺、アニメの流れをくみ取った「落語らしい台詞」が用意され、これをその道に詳しいプロの中のプロである声優が音声として作りあげる。そこから、アニメーションが「どうやったらこの落語の真意を伝えきれるか」を考えて肉付けしていく。並大抵の労力ではないのは間違いないし、本当にセンスが問われれる部分である。単に高座の様子を淡々と映していては全く持って面白くないし、だからといって完全に語りの世界の中身を描くようになってしまっては、それは「落語アニメ」ではなく「アニメ落語」になってしまうのである。このさじ加減が本当に絶妙。2期が始まったら、もっともっと聞いてみたい演目がたくさんありますよ。

 そして、この落語シーンに代表されるように、畠山守というクリエイターは1つ1つのシーンの切り出し方がべらぼうに巧いのである。何を持ってそのシーンの核と成すか。どの部分の見えが一番心情描写に効果的か。あらゆる可能性を検討し尽くしたかのように、全てのシーンがぐさりと刺さる破壊力を持つようになる。氏のアニメは心が弱っている時には見られないくらいに、何かを迫る説得力を持っている。そして、このアニメと落語は別々に存在するわけではなく、「落語を用いてキャラを描き」「描かれたキャラによって落語の中身がより高みに昇る」というサイクルを形成する。これが実現して初めて「落語ドラマ」、ひいては「落語アニメ」を作る意味がある。

 アニメにはまだまだ可能性がある。そう感じさせてくれる、温故知新の一本。お見事。

 

 

グランプリ

‘05「ぱにぽにだっしゅ」 ’06「うたわれるもの」 ‘07「電脳コイル」 ’08SOUL EATER」 ‘09「空中ブランコ」 ’10「けいおん!!」 ‘11「へうげもの」 ’12「ヨルムンガンド PERFECT ORDER」 ’13「凪のあすから」 ’14「ユリ熊嵐」

‘15「響け!ユーフォニアム」

 やぁ! 良い子のみんな! 京アニ大好きおじさんだよ! まぁまぁ、このグランプリのベスト3ではまだ3作品目だし、思ったほど多くはないよ(P.A.Works作品は去年の時点で3作品だし)。やっぱり、京アニの作劇ってのはド直球でぐさぐさ心に刺さるな。

 一言でまとめてしまえば、今作は「ベタベタな青春ドラマ」である。友情で努力で勝利な構図は変わらないし、弱小吹奏楽部がそんな短期間で勝てるわけないやろ、みたいな突っ込みだって当然出てくるだろう。ヒロインの久美子が特殊な能力をもっているでもなし、彼女が経験する部活ライフに見たこともないような大事件が待ち構えているでもなし。本当に、「どこかで見たかもしれない情景」に溢れた作品だ。

 しかし、そんなベタな中にも様々な「ならでは」が隠されているのが本作最大の魅力。それは例えばあすか先輩のようなエキセントリックなキャラクターに表れるかもしれないし、麗奈が突如久美子と魂の交感を果たしてしまう衝撃的百合コンセプトににじみ出ているかもしれない。しかし、そうした部分はあくまでも末端でのあらわれ。本作最大の「ならでは」は、そうしたエキセントリックなほとばしりに表れる感情の動きを生み出す原動力となる、青臭い高校生たちの心情そのものにある。部活で「勝ちたいか、遊びたいか」と言われたら回りの意見にながされて何となく「勝ちたい」と多数決で決めてしまう空気、そこで先生がマジになると一気にやる気が失せて文句を言い始める身勝手さ。麗奈との関係性がなんてことない事件で壊れてしまったと思う久美子の卑屈さ、それを修復出来ない臆病さ。そうした様々な局面に、「確かに、こういうことするよな……」という共感が混ぜ込まれている。「どうしてこうなるんだろう」という些末な出来事が重なって、何とも奇妙な末端部分に「事件」として花開くのである。この「ちょっとの事件からドラマが動く」というギミックが全編に張り巡らされているために、今作は大きな流動がとても魅力的に映るのである。

 このギミックを成立させることが可能なのは、京アニに生まれ、京アニとともに生きる石原立也というクリエイターがそこにいるから。彼の病的なまでのこだわりはキャラの1人1人に息吹を与え、肉薄した描写を可能にする。もちろん、生中な映像ではそこまでの再現性を持たない恐れもあるが、それが実現出来るのが京都アニメーションという化け物スタジオなのである。京アニ大好きおじさんは、「京アニだから好き」なのではない。「京アニはすげぇものが作れるから好き」なだけなのだ。今作は、そうした「京アニの作ったすげぇもの」の中でも、特筆すべき「すげぇ」が詰まっている。

 そして、次の曲が始まるのです。

 

 

 

 

 

 

<サブタイトル部門>

 各作品の1話1話ごとのエピソードを評する部門。実はここが一番難しい部門で、1年近く前の作品ともなると個々のエピソードの記憶まで引きずり出すのはなかなか大変。毎年、「これはノミネートしそう」と思った時にはメモしていくのだが、それでも見直して当時のテンションで観られるかどうかも違うしなぁ。そういう意味では、思い出補正も多く入ってしまうし、他と比べても新鮮な最近の作品が有利になりがちな部門である。ちなみに、例年通りの制限として1話目と最終話は選考から外すことにしている。最近は「1話目は別にいいんじゃないか」という気もしているのだが、過去に「1話目だけ完全に別作品」みたいな事例もちょいちょいあったので、選ぶ事を躊躇してしまう。そういえば、今期もそんな作品がありましたよね。1話目のサプライズに全てを賭けている作品が。

 さて、まずは素直に単発で盛り上がった話数を振り返っていこう。ベスト3に入った作品に「えとたま」があったが、全てのエピソードでテンションMAXだった本作の中で不思議と印象に残っているのは、意外にも総集編エピソードだった第7話「縁縁長蛇」。普通、コスト削減や時間稼ぎの総集編エピソードってのは本当にいらない話のことが多いのだが、今作は「間に総集編を挟むよ」っていう昨今のアニメ界のお約束までもネタにしてしまい、「総集編設定」という訳の分からない展開を見せた。干支神の中でも最もミステリアスなシャアたんを案内役に起用し、まるで「人生というなのSL」のごとき不可思議な幻想を楽しませてくれた。いつもと違う雰囲気というなら、意外なところから印象に残ったのは「ルパン三世」第13話「ルパン三世の最期」。ルパンが死ぬ、なんて展開はおそらく過去のシリーズを探せばいくらもあった話なのだろうが、こうしてしっかりと見せてもらったのは初めてのこと。無体な厳重警備をルパンがどのように出し抜くかという脱走もののテイストの楽しみもあったが、何と言っても凄絶な銭形のとっつぁんの覚悟と、本人の意思に反して一番の「理解者」になってしまっているという矛盾した熱意を暑苦しく描いた中盤のクライマックス。コテコテの画で描かれた銭形の寂しそうな顔がやけに印象に残った。

 このまま悲劇へと繋げてしまおう。死と言うテーマで今回外せないのは「機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ」より、第16話「フミタン・アドモス」。理不尽な死がたくさん描かれた本作だったが、その中でも一番のやるせなさは、一人の不器用な女の最期にあった。彼女の犠牲が報われることになるのかどうか、現状でもまだ判断出来ないのがなんとももどかしい。さらに、個人の死の大きさを1話まるまる使って描いたのは「灰と幻想のグリムガル」第5話「泣くのは弱いからじゃない。耐えられるのは強いからじゃない」。マナトの死をどのようにパーティが受け入れていくのかを丁寧に描いた一本で、「死」が残された人間にどう影響していくのか、色々と考えさせられるお話だ。

 「死」以外の悲劇でいうなら、毎回がクライマックスとも言える「昭和元禄落語心中」からは、「第八話」。ざっくり言うと菊さんがみよ吉を振るエピソード。この話で救われないのは、菊さんの方が全てを分かっていながら、あまりに不器用だったためにみよ吉につれない態度を取ってしまっていたこと。菊比古・みよ吉・助六の三角関係が、どうしようもない泥沼にはまっていく決定打となった、あまりにも鮮烈すぎるエピソードだ。そうそう、「沼」繋がりで強引に悲劇(?)を持ってくるなら、「Fate kaleid liner プリズマ☆イリヤツヴァイヘルツ!」より、第3話「命短し腐れよ乙女」。遅すぎたんだ……腐ってやがる……。本当に、美々ちゃんはどうしようもなかったんだ……救えなかったんだ……彼女の人生は、今後一体どうなってしまうのか、百合好きとしては全力で応援していくしかないな……。

 もうちょっとポジティブに、全力でいい話になって泣ける展開では、「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」より、第6話「理由(リリルカ・アーデ)」。至極まっとうな「勇者が姫を助ける」展開ながら、そこで苦しむリリの心情面が丁寧にクローズアップされ、どん底からの救済が一際映える佳作。やっぱり、ピンチの女の子を颯爽と助けに行くっていうシチュエーションは、いつの時代にも男の子の憧れである。そして、そんな女の子の最大限の克己の物語といえば、「Go! プリンセスプリキュア」より第39話「夢の花ひらく時! 舞え、復活のプリンセス!」。女児向けアニメで絶対やっちゃ駄目だろ、という、根本から徹底的に夢を打ちのめされる展開。あまりの衝撃に大きなお友達も泣きそうになってしまったが、落ちた奈落が深かっただけに、そこからの復活劇もあまりに劇的。全てに打ち勝ったキュアフローラの迷い無き眼に、真のプリンセスの姿を見た。プリプリは良すぎるエピソードが多くて選ぶのが大変ですわ。

 個人的な趣味や不思議な懐古を刺激されたエピソードだと、たとえば「長門有希ちゃんの消失」より、第3話「涼宮ハルヒ!!」。スピンオフの世界に飛び込んできた「正ヒロイン」涼宮ハルヒ。彼女の持つエネルギーの大きさは時代を経ても変わることなく、我々の前に容赦無く踏み込んでくる。全く違うデザインでまったく違う文脈なのに、ハルヒがいい女だってことに変わりはありませんでした。そして、郷愁の誘い方で不思議な魅せ方を提供してくれたのは、「干物妹!うまるちゃん」より、第7話「うまるのお兄ちゃん」。オムニバス形式だが、その中でも最後のお兄ちゃんが会社から自宅に帰るだけのお話がものすごく刺さったの。なんだろうね、日々の生活に疲れたサラリーマンが、ちょっとだけ現実を抜け出して、楽しかった頃の記憶にぼんやりと風景を重ねている哀愁。哀しいわけじゃないし、懐かしさは他人にはわからない。それでも何か、ふと共感する風景ってものがあるのだなぁ。

 少しずつ下世話な方に話を振っていくと、いわゆるハーレムアニメの中で「お当番回」が楽しみだったのは、「対魔道学園35試験小隊」より、第6話「うさぎにだって牙はある」。もう、タイトルからしていいよね。うさぎちゃんのここ一番での活躍を描く分かりやすいお話。エロくて、可愛い。まぁ、それでいいのです。ヒロインの見事さでいうならば「終物語」から第4話「そだちロスト 其ノ壱」。やっぱり物語シリーズのエースといえば羽川さんなんだよなぁ。羽川VS扇という緊迫感溢れるバトルと、それを彩るいかにもシャフトらしい幾何学的な画面配置。たまにこうしてがっちり演出がはまる回があると嬉しくなります。全ヒロインがかっ飛んじゃったお話としては「グリザイアの楽園」第8話「ブランエールの種Ⅳ」ってのもある。かっ飛ぶヒロイン、飛び交う銃弾。女の子&重武装はいつでも僕らの心を躍らせる。セーラー服と機関銃じゃなくて、メイド服とライフル銃な。

 どんどん世界が歪んでいく。最後の一本の糸が切れたお話といえば、たとえば「戦姫絶唱シンフォギアGX」より第11話「へいき、へっちゃら」。サブタイトルが表してるのは立花親子の和解の部分なんだが、それより大事なのはそんな父娘の関係を見てブチ切れたキャロルさんの方ですよね。世界を壊す、歌があるぅ! 世界の理屈が反転するエピソードならば「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」より、第5話「下ネタテロは誰が為に」。アンナ先輩、超えちゃいけないラインを軽々と超えていく恐ろしい女……放送コードなんて飾りです。歪んだ女の真骨頂といえば「六花の勇者」より第12話「解明の時」。まぁ、最終話だからエントリーからは外れるんだけど、やっぱり「ミステリもの」の「解決編」は外せないよね。今になって見直すとギリギリまで疑われ続けるモーラおばちゃんがマジ不憫。

 残りは全て馬鹿エピソードで固めてしまおう。今期最後の馬鹿だった「この素晴らしい世界に祝福を!」からは、悩みに悩んで選ぶなら第6話「このろくでもない戦いに決着を!」。デュラハンの打倒成功。その裏には、頭のおかしい爆裂魔法使いと、頭の悪いダ女神と、倫理観のユルいクルセイダーがいるのです。そりゃデュラハンさんだって「ファッ?!」ってなるわ。個人的にはトラウマレベルだったエピソードといえば、「てさぐれ!部活ものすぴんおふプルプルんシャルムと遊ぼう」より、第8話「人狼と百合で遊ぼう②」。もう、自分の洞察力なんて何も信じられない。そして、普通に放送されるアニメシリーズで平然とこんな企画をやってしまうスタッフのイカれた判断も信じられない。いいぞもっとやれ。

 自分の常識なんて全く無意味であることを教えてくれるシュール過ぎる世界、「ヤング ブラックジャック」より第10話「無残帳その2」。人間、ハンディキャップなんて気合い次第でどうにでもなるもんやな……いや、そっち方向の解決はおかしいだろ……。そして今年度最大の馬鹿といえば当然「おそ松さん」だな。どのエピソードを選んだらいいのか見当も付かないが、最大級のカオスと言ったらやっぱり第18話「イヤミの逆襲」かな……。最終話でリリーフカーのくだりがまさかの伏線回収とか、神か。あったけども! そこはあったけども!

 さて、あと3本いきましょう。

 

 

 

第3位

‘05 「魔法少女リリカルなのはA’s」第4話「新たなる力、起動なの!」

‘06 「×××HOLiC」 17話「ジショウ」

‘07 「ARIA The ORIGINATION」 第9話「そのオレンジの風につつまれて…」

‘08 「かんなぎ」 第七幕「キューティー大ピンチ! 激辛ひつまぶしの逆襲(後篇)」 

‘09 「獣の奏者エリン」 第48話「リョザの夜明け」

‘10 「侵略!イカ娘」 第5話Cパート「飼わなイカ?

‘11 「ベン・トー」 #10それは昔祖母の家で食べた温かで優しい味わい。心にも体にも優しい和の料理。梅とちりめんじゃこご飯と季節の野菜たっぷりの煮物弁当 480kcal

’12 「戦国コレクション」 COLLECTION-19 「Vengeful Fang-IS

’13 「ワルキューレロマンツェ」 第7話 「風車の下で

’14 「ユリ熊嵐」 第9話 「あの娘たちの未来

‘15OVERLORD」第9話「漆黒の剣士

 秀作ながらここまであまり名前が挙げられなかった「OVERLORD」より、モモンガ様が張り切って魔王を演じちゃった記念すべき1話をピックアップ。基本的に嘲笑の対象として用いられることが多い「俺ツエー」という言葉であるが、こういうお話みたいに「俺ツエー」と思っている敵キャラを圧倒的な実力差でぶっ潰す「俺ノホウガツエー」があるからこそ、この設定は長い間人気を維持しているのである。そういう意味では、クライマックスで用意されたシャルティア戦より、こちらのクレマンティーヌ戦の方が、より作品の魅力が分かりやすいエピソードということが出来るのではないだろうか。

 そんな俺ツエーを見るという目的において、このエピソードほどぴったりな回も無い。なにしろAパートでナーベの俺ツエー、そしてBパートでモモンガ様の俺ノホウガツエーをたっぷり堪能出来るのである。魔王設定、エルダーリッチっぽさなんかも勝負に関わってくるし、時として残忍さを見せてしまうモモンガ様の殺害方法もチャーミングだ。そして何より、クレマンティーヌさんの信じられないくらいみっともない悪あがきが本当にたまらない。こういうシーンでゾクゾクすると「リョナもありかもしれんなぁ」とか思ってしまうわけだが、まぁ、多分本道の人たちはこんなもんじゃピクリともしないんだろうなぁ。クレマンティーヌさんの絶望、悲鳴、醜態。それらが全て僕の明日への活力になりました。そして締めはハムスケとのおとぼけ。可愛いし格好良いしみっともない。よいお話です。

 

 

第2位

‘05 「かみちゅ!」 第11回「夢色のメッセージ」

‘06 「BLACK LAGOON」 #15「Swan Song at Dawn

‘07 「らき☆すた」 22話「ここにある彼方」

‘08 「とらドラ!」 16話「踏み出す一歩」

‘09 「とある科学の超電磁砲」23話「いま、あなたの目には何が見えていますか?

’10 「けいおん!!」 #20「またまた学園祭!

’11 「BLOOD-C」 第11話「たれをかも

’12 「中二病でも恋がしたい!」 EpisodeXI 「片翼の堕天使

’13 「げんしけん二代目」 第11話 「いい最終回だった

’14 「少年ハリウッド HOLLY STAGE FOR 49」 第5話 「エアボーイズ

’15 「ハイキュー!! セカンドシーズン」第24話「極限スイッチ

 シーズン終了間際のエピソードからこの一本。もうこれは説明不要でしょう。圧倒的な動画のクオリティ。語る言葉すら出てこない見事な構図の取り方と、熱くてアツいスポ根演出の極致。これが出来るからこそのアニメーション。これが見たいからのアニメファン。いやお見事。

 

 

 

第1位

‘05 「フタコイオルタナティブ」1話「コロッケとヘリと地下ボクシングと私」

‘06 「涼宮ハルヒの憂鬱」 12話「ライブアライブ」

‘07 「CLANNAD」 第9回「夢の最後まで」

‘08 「喰霊--」 第9話「罪螺旋-つみのらせん-

‘09 「CANAAN」 第11話 「彼女添

‘10 「探偵オペラミルキィホームズ」 第4話「バリツの秘密

‘11 「花咲くいろは」 第十七話「プール・オン・ザ・ヒル

’12 「スマイルプリキュア!」 第23話「ピエーロ復活! プリキュア絶対絶命!!

’13 「有頂天家族」 第六話 「紅葉狩り

’14 「四月は君の嘘」 第6話 「帰り道

’15 「響け!ユーフォニアム」第8話「おまつりトライアングル

 そして、こちらは精神感応の極致。今年はとにかくこの一本。黄前久美子と高坂麗奈が山へと向かい、互いを探りながら少しずつ高みを目指す暗がりの登山道。二人の女子高生の会話は他愛ないものから少しずつ精神の深奥へと向かい、辿り付いた高みで、二人は互いの精神を共有し、完全なる合一を果たす。これが百合だ。これが「特別な存在」になるということだ。何気ない対話の一言一言、細やかな仕草、ふと漏らす吐息の末端にまで、2人の関係性を表し、結びつけ、深めるための因子に満ちている。少しでも道を外れたら、2人はすれ違いそうな、そんな凜とした緊張感にあふれている。そんな中で麗奈が指をさし出し、久美子に触れるその一瞬。もう、本当に神々しい存在に成り果ててしまった。極まった百合は、既に隔世の存在なのかもしれない。

 

 

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