4月15日 ドラフト模様(SOI×3)
ピック順 【Thraxi】→【Sangriter】→【Sea-chicken】→【Mei】→【Serra】→【Alessi】→
環境第2戦目。今回は事前に麻雀で負けこんだ様子のお大尽が「浪費したいんや」と謎の発散行動に出たために、久しぶりにカラオケボックスに場所を移しての試合となった。普段と違う場所、そしてまだ慣れぬ手探りの環境。もうどうしていいやら。さらに、前回の通信の影響もあり、固定ファンがついた人間は「何とか期待に応えなあかん」と気持ちを新たにし、他の人間も「魅せるプレイをしないとお客さんは付いてくれへん」と、ついに視聴者の目線を意識した試合が始まるのであった(?!)。いや、この通信読んでる部外者なんて世界中でも3人くらいしかおらんで……。
まだまだ寄る辺なきこの荒れた世界を制するのは誰の信念か。ファンの期待に応えることは出来たのか? やけっぱちの浪費の結末とは? 無理矢理盛り上げつつ、とりあえずごちそうさまでした。全然歌えなかった鬱憤はこの週末に個人的に晴らします。
AL SE TH SA ME CH
AL ー × × ○ ◎ × 2ー3 5
SE ○ ー × ○ ◎ ◎ 4ー1 2
TH ○ ◎ ー × ◎ ○ 4ー1 1 ○
SA × × ◎ ー ○ ○ 3ー2 3 ○
ME × × × × ー × 0ー5 6
CH ◎ × × × ○ ー 2ー3 4
1位 【Thraxi】 青赤 <果敢な捜索者 証拠の痕跡 ただの風>
すまんな、ワシや。まー、どう考えても優勝は出来すぎで、実際、某氏が自軍クリーチャーの潜伏能力を忘れてさえいなければ、私は3勝2敗で5位まで転落していたはずなので、本当にたった1点のパワーが明暗を分けたんだ。早い段階でネタばらし出来るので助かるが、今回のデッキははっきりと決め撃ち。前回ぼんやりと書いていた「初回決め撃ちでやりたかったデッキ」というのが、このイゼットデッキだったのだ。個人的に第一印象以上に強いんじゃないかと目していたのが「火の猟犬」で、それをフィーチャーしたデッキを組みたかった。今回、ギャーギャー騒ぎながら「驚恐の目覚め」を2引きしていたのも、別にライブラリを削りたかったわけではなく、両面カードの青を2連続で引いて色主張を明確にするため。以後のピックを見ればライブラリ削りをやろうなんて気は欠片も無かったことが分かるはず(まぁ、一応ソーサリーなので、23枚目に入る可能性はわずかながらあったが)。結果的に「火の猟犬」は1枚しか引けなかったが、デッキの決め手となる「証拠の痕跡」と「潮からの蘇生」を1枚ずつ確保。幸運なことに今回「集中破り」が大量に出たおかげでカウンター呪文4枚を含む総勢14枚のソーサリー・インスタントを集めることが出来た。クリーチャーラインナップは「薄暮のニブリス」が1枚も出なかったのは誤算だったが、むしろある程度凌ぐスタイルのデッキだしマナカーブを埋める意味で「苛虐な魔道士」×2の方がありがたかった。「狂気の預言者」のマッドネスもフル回転し、インスタントで構えられる「血狂いの吸血鬼」×2とロスがほぼゼロになる「ただの風」×2,そして圧倒的パフォーマンスとなる「集中破り」×3で大活躍。これに「証拠の痕跡」が絡んで「ドロー呪文の存在価値とは」と問われるレベルの爆裂ドローが実現した。ガチの人狼デッキとぶつかっても全てを正面から処理しきり、アドバンテージの量の差で押し切れたのは嬉しい誤算だった。前回の優勝者と同じく、こんなに勝てるとは思ってなかった。やっぱ環境初期は無茶でも決め撃ちやな。
2位 【Serra】 緑赤 <癇しゃく ウェストヴェイルの修道院 月夜の狩り>
2戦続けての2位で悔しさがにじみ出るのがこちら。しかし、前回の赤黒吸血鬼といい今回のこの狼男といい、まさに下馬評通りに理想的なデッキを組み、それぞれの部族の質を最大限に発揮しているのは、お見事である。前回の試合では狼男があまり奮わなかったので世間の評価である「緑が強い」がピンと来てなかったのだが、今回はこのデッキと下のデッキのおかげで「緑ヤバい」が嫌と言うほど理解出来た。こちらのデッキは特に人狼要素をはっきりと押し出しており、「吼え群れの復活」のサポートを受けた狼軍団は理不尽の一言。特に1ターン目「村の伝書士」からスタートしてしまうパターンはまさにワンサイドゲームであり、つづけて「薄暮見の徴募兵」→「吼え群れの復活」→「群れの守護獣」とか、訳の分からないサイズになっている。そこまでブン回らずとも「狂気の一咬み」「月夜の狩り」、「癇しゃく」×2「アヴァシンの裁き」で除去性能も安定しており、「吼え群れの狼」程度でも充分ビートは可能なのだ。この世界の緑は「上がやってない」ことが分かりやすいから決めやすい色になっており、カードの強さにさらに拍車をかけている気もする。こうしてみると、2戦連続でとにかくコンセプトを貫いてピックを抜けた人間が勝ってる環境であるな。
3位 【Sangriter】 緑 <貪欲な求血者 ガツタフの放火魔 忘れられていた家宝>
こちらも狼がフィーバーしているが、コンセプトは全然違っている。というか1引き欄だけを見るととても緑単色になるようには見えないのだが、上が思いがけず赤へ進んだためにマッドネス絡みの収穫が乏しくなってしまい、脇道として緑を集めていった結果、必然的に「触る程のレベルの他の色のカードが引けなかった」デッキ。緑の除去が上記のデッキに集中してしまった上に結局赤から「癇しゃく」が引けなかったために、除去など考えずにとにかく押しの一手で緑を貫き通すことになった。こちらの緑が推し進めるのは装備品による手厚いサポートと、一瞬で達成出来る昂揚ギミック。「発生の器」の仕事人っぷりはやはり想定通りで、1枚使えば確実にリーチ、2枚目までいけば100%昂揚達成。そこから繰り出される「黴墓のゴミあさり」「偏執的な皮剥ぎ人」「秋の憂鬱」「魂を飲み込むもの」などはなかなかの理不尽。そして、「内陸の木こり」×2に「孤独な狩人」というお手本通りの狼男と噛み合うのが、これまた下馬評通りの強さだった装備品「信条の香炉」×2。今回はこれに加えて「忘れられていた家宝」×2なんて嘘みたいな装備品ラッシュになっており、ぺたぺた張ってるだけでターンが終わると、一切マナに無駄がないのに人狼が変身している謎。私なんか打ち消す対象にすべき呪文が出てこないもんで本当にどうしようもなかった。さらには「不屈の追跡者」とかいう訳の分からないレアまで飛び出し、相手の盤面に触れないという弱点をほとんど感じさせない圧倒的なラッシュであった。途中から舵を切ってもどうにでもなるこの強さよ。
4位 【Sea-chicken】 黒 <銀毛の援護者 ファルケンラスの過食者 親切な余所者>
ファンの声援に応えるためのチャレンジだろうか、久しぶりに単色デッキだ。でもまぁ、今回単色デッキが2つあるのであんまり目立てなかったけども。そして、この単色も「満を持して」というよりは「やらされた」という印象が強いのがちょっと辛いところ。1引き「銀毛の援護者」で虎視眈々と狼を待ちたかったところだが、残念ながら上が緑へ舵を切り、流れてきたのは「マルコフの戦慄騎士」という何とももっさりした黒いレア。いや、強いよ、強いんだけどね。なんかね。そこからさらに「殺人衝動」→「悪意の調合」→「トロスタッドの死騎手」と、圧倒的に黒い流れ。充分過ぎるラインナップには違いないのだが、なかなかデッキの中心が見つけづらいピックが続き、クリーチャーの基盤が揃わない。2パック目「ファルケンラスの過食者」1引きで赤黒の吸血鬼を見込めるかとも思われたが2パック目からの参入だと共鳴者の数に不安が残り、2パック目2引きの時点で「手に負えない若輩」流しで「絞首」という何とも及び腰のピック。これでは流石に充分なクリーチャー陣容は揃わない。結局「悪意の器」×2に「忍び寄る驚怖」など、やたらハンデス要素が際だつ黒単という歪な完成形にいたり、押す要素が少なかったために勝ちに到るまでにやたらと心労を重ねる結果となった。まぁ、でも「悪意の器」は使われたら割と鬱陶しいし、終盤に「モークラッドの屍蛞蝓」でビートしていくデザインも面白かった部分はあるのだが。次こそは、理想のデッキに辿り付きたいところだが。
5位 【Alessi】 白青 <秘密の解明者、ジェイス 永遠の見守り 薬剤師の霊>
会場となったカラオケボックスの6人分の料金(+諸々の食費)で1万2000円也。これを一手に支払うお大尽行為の結果の2勝。「1勝6000円か……まずまずやな」と恐ろしいことを言っていたので、来週突然カニ料理屋の予約とか取ってるかもしれません。まさかドラフトにまで課金勢が現れることになるとは……。さておき、課金という意味では1引きのプレインズウォーカーもなかなかの貴重品。勝った試合はやっぱりこのおっちゃんがブイブイ言わせることが多かったようだ(私の試合ではあんまり回ってなかったのでよく知らない)。今回白が独占色になっているのだが、例によって独占になるにはそれなりの理由があるパターン。とはいえ、「永遠の見守り」は流石に卑怯な1枚であり、これを置いた状態で適当に「眠れぬ者の使者」が殴っているだけでも割と勝てる試合はある。「不屈の聖戦士」×2がスピリットトークンへの接続を容易にするし、「縫い翼のスカーブ」「嵐乗りの精霊」など、航空戦力が充実しているので地上を「セルホフのランプ灯し」なんかでごまかせば空が手薄なこの環境はどうにかなるのである。個人的なハイライトは、墓地が4枚しかないのに昂揚を達成してた瞬間かな。まぁ、本人も流石にそんなことが起こるとは思ってなくて全然気付いてなかったんだけど。「ムーアランドの流れ者飛んでたやんけ!!」
6位 【Mei】 青黒 <無情な死者 逸脱した研究者 氷の中の存在>
環境が変われば旗色も変わる。我が世の春を謳歌したゲートウォッチを後にし、哀れ転がり込んだこのイニストラードでは割とあっさり全敗エンド。どこぞの重課金勢に「どうしました? あぁ? どうしました?」と分かりやすく煽られるが、まぁ、まだたまたま1回負けただけだからな。あまり煽りすぎると次に返り咲いた時のドヤ顔を育てる結果になりかねないので注意しましょう。今回のデッキは「無情な死者」からスタートした青黒の決め撃ち。ただ、上記の通りに黒はいささか「やらされた」感の色になっており、上家が真っ黒なのでちょっと取りにくい。青も3人いるし、現時点では「ゾンビデッキ」というものの明確な理想型が見えていないので、「無情な死者」は「割と強い2マナ域」程度に留まった(まぁ、それでも充分やばいんだが)。流石に「秘蔵の縫合体」が墓地から戻ってきてハッピー、なんてことはそうそう起こるはずもないし、他のパーツを見るとあんまり変身しない「逸脱した研究者」、単なるフライヤーの「鎖鳴らし」、やっぱり変身しない「招かれざる霊」など、それぞれスペックを発揮するのにもう一歩の精進が必要な印象。いや、でも何がその「もう一歩」なのかがよく分からないんだよな。ゾンビデッキもスピリットデッキも、どうなったらゴールなんだろう。
今回のピック表
【Thraxi】(青赤)→ 【Sangriter】(緑)→【Sea-chicken】(黒)
↑ ↓
【Alessi】(白青) ← 【Serra】(緑赤) ← 【Mei】(青黒)
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