4月22日 ドラフト模様(SOI×3)
ピック順 【Sangriter】→【Thraxi】→【Sea-chicken】→【Serra】→【Mei】→【Alessi】→
環境第3戦目。前回はカラオケボックスドラフト、そして今回は深夜1時の青空ドラフト。昼間は汗ばむくらいの陽気だったから大丈夫だろうと思いきや、やっぱり深夜は冷えるね……。みんなしてカードとかピックよりも寒さとの戦いの方がメインだった感すらある。全員体調は大丈夫だったのだろうか。まぁ、ほら、イニストラードも基本的に寒い次元だから、リアルにその空気を感じたってことで。ジェイスですらコート着込んでるのにお前らときたら。
世間的にはカードの評価も次第に固まりつつあり、環境がどのように変化したかがしっかり現れる時期。リミテッド戦術についてはどのような動向があるのかは知らんが、構築シーンもなかなか興味深い動きが多いようだ。個人的にはガラッと世界が変わる方が好きなので、なんとかバントカンパニーが駆逐されるシーンになればいいな、とは思う。最近全然構築には絡んでないのだが、「紅蓮術士のゴーグル」絡みはデッキリストを見てて久しぶりにデッキが組みたくなったわ。ま、青赤だとジェイスをあと2枚(相場なら2万弱!)買わなきゃいけないけどな……。
AL SE TH SA ME CH
AL ー × ◎ ○ ◎ × 3ー2 3
SE ○ ー × × × × 1ー4 6
TH × ◎ ー × × × 1ー4 5 ○
SA × ◎ ○ ー ○ ○ 4ー1 1 ○○
ME × ◎ ○ × ー × 2ー3 4
CH ○ ○ ◎ × ◎ ー 4ー1 2
1位 【Sangriter】 白緑 <内陸の木こり 裏道の急使 町のゴシップ屋>
環境が変わって、確実に時代を掴んだのがこの男。現在15戦やって12勝。圧倒的勝率で我が世の春を謳歌している。その秘密は何といっても熱心な情報収集である。リミテッド・構築を問わず特にカードを触りもしないのに手広く情報を集めており、1戦目で優勝した青緑調査なんてその端的な表れであった。そして今回も、下馬評通りの緑狼男のサイズゲーをしっかり理解しており、1引き欄にはズラリとコモンが並ぶあまりに堅実過ぎるピック。普通、環境序盤なんてカードの強さもよく分からんし派手なレアなんかにフラフラするものなのだが、この男は一切そうしたブレがなく、「緑の人狼強い」「信条の香炉強い」というバリバリの実績主義なのである。私なんかは特に人狼に弱いデザインのデッキを作ってしまったので飛び抜けて地獄めいた展開を見せつけられ、「忘れられていた家宝」→「薄暮見の徴募兵」→「装備」の流れで4ターン目にして6/6先制攻撃を相手にする羽目になった。いや、これでもまだチャンプブロック出来るからマシな方だよな。「内陸の木こり」だったら7/5先制トランプルだもんな。何このクソ環境。他にも「スレイベンの検査官」が香炉握って3/3で殴ってくるだけでもウザイし、「剛胆な補給兵」はトランプル持ちだから香炉で5/4警戒トランプル。今回は「香炉」と「家宝」に加えて「グリフの加護」なんて禁止レベルのカードも入っているので、余裕で「武器庫の開放」を積んでいるっていう……そりゃ強いわけよね。さらなる悲報として、この男、ついにMagic Onlineに登録して課金プレイを開始したという。この状態に加えて経験値でまで差がついたらどうなるのだろう。せいぜい8人ドラフトにまみれて6人ドラフトの勘を失うことに期待したい。
2位 【Sea-chicken】 黒 <グール呼びの共犯者 悪意の調合 歯牙収集家>
ファンに見守られながら、「らしい」戦いをしなければという強迫観念と戦う男。前回は苦肉の策で単色デッキを組むも、同卓には緑単がいたせいで特に目立たなかったし、どう見ても無理矢理組まされた感のあるデッキだったために結果も伴わずに不完全燃焼に終わった。こんなことではシーチキニズムも発揮出来まい、と鼻で嗤っていたものだが……なんと、そんな苦渋の黒単の道行きはあくまで伏線だったのだ。ここでまさかの2週連続の黒単デッキ。流石の所業には私も草不可避……いや、驚愕させられた。まぁ、ぶっちゃけピックの最序盤は赤黒を狙いたかったみたいだし、今回は黒がそこそこ充実していたにも関わらず残りの5人が頑なに拒否したため、やっぱり「やらされた」感はあるのだが、1引きで「シガルダ」流しで「グール呼びの共犯者」はやっぱり鉄の意志の所業である。幸い、まとまったカードプールの恩恵もあり、前回と比べれば1段も2段も上のデッキになっている。まず前提条件である除去については「殺人衝動」「絞首」に加えて「悪意の調合」が加わり、さらに値千金なのは2枚の「死の重み」。これだけで序盤のモーションがかなり違ってくる。クリーチャーの布陣は一番後ろに「モークラッドの屍蛞蝓」が控えているのは前回と同じだが、今回は「療養所の骸骨」を使うシナジーの扱いが上手くなっており、骸骨が様々なリソースとして繰り返し運用されていたのが印象的。手札破壊も前回の「悪意の器」から「知恵の拝借」にグレードが上がっており、各方面からこちらのリソースを的確に潰すことが可能。その結果が、4勝という環境自己ベスト記録である。さぁ、ここから時代を駆け上がることが出来るのか。そして、新たな時代の「黒いシーチキン」はどんな完成形を見せることになるのか。……まぁ、流石に次は黒やりたくないだろうけどな……。
3位 【Alessi】 赤緑 <火の猟犬 ケッシグの鍛冶場主 上弦の月の教団>
上がってきた、というならこちらも負けてはいない。先週は1勝6000円で課金して手に入れた2勝。今週は無課金で3勝。コストパフォーマンスは圧倒的(ただし、寒さに震えて身体はボロボロよ)。1戦目に続いて今回も赤緑でバリバリの人狼スタイルだが、こちらも当然1戦目の時の「とにかく両面カードを集めればええんやろ?」なんて頭の悪そうなデッキとはひと味もふた味も違っている。本人曰く、「狼男デッキではなく狼デッキ」ということで、「変身しなきゃいけない」というもっさり感を忌避した結果、変身せずともフルスペックを発揮出来る狼をフィーチャーしたクリーチャーラインナップが組み上がっている。その代表は2ターン目からの素早い動きと無駄のない相打ち性能を持つ「燃えさし眼の狼」×2。今回は特に「吠え群れの復活」が2枚も回収出来ているためにトランプルはほぼ常時付いている状態なので、終盤以降に土地が並んだとき、この狼が相当量のライフを削り取っていくことになる。他にも「吠え群れの狼」「茨隠れの狼」と単にサイズのでかさで勝負出来るし、これら全軍が+1とトランプルだ。ここに「狙いは高く」「放たれた怒り」「悪意ある動機」といったトリックを交え、真正面から突き進んでいくことが可能なデッキに。今回唯一、優勝した白緑人間を正面から打ち破ったのだから、そのポテンシャルはかなり高かったといえるのだろう。まぁ、「狼関係はもっさりしててあんまり魅力が無い。吸血鬼マッドネスがやりたかったんや」ということで本人は今ひとつ盛り上がりきらなかったようだが……結局、この環境も勝とうと思ったら肉肉押す押すの世界だからな……。
4位 【Mei】 青緑 <もう一人の自分 容赦無い泥塊 もう一人の自分>
上の3人とは打って変わって、1引き欄にズラリとレアが並ぶ。しかもそのうち2枚が「もう一人の自分」という、もう、お前誰なんだ状態。いやーでも分かるよ。そうだよな、レアだよな。なんやねん、木こり1引きスタートって。夢も希望もないやんけ。もっと華々しく派手なことがしたいんや! ……とこのデッキを組みながら思っていたかどうかは知らないが、そんな動機からのシミック決め撃ち。例によって同じタイミングで上が緑の人狼を引いていたのを見てげんなりしたらしいが、どっちかっていうとこのデッキの基盤は青になったし、そこまでダメージというほどでもないか。ぶっちゃけ、今回は上位3名のまとまり方に比べて、下3人のデッキはパッと見にデッキデザインに失敗している。このデッキにしても、ある試合ではせっかく登場した「忘れられた作品」が1度も能力を起動することなく3/3バニラとして死んでいったり、「容赦無い泥塊」も単なる肉の塊だったり、各所から勿体ないおばけが溢れ出てきそうだ。緑青といえば調査ギミックの色だが、残念ながらそういうタイプのカードも集まる気配はないし。その上で何とか2勝が拾えたのは、ひとえに「もう一人の自分」が単純に強かった、というのがあるだろう。そういう意味では多少無理してでも青緑に恭順したことは間違いではないわけだが。なかなか明るい未来は見えてこないが、明日はどっちだ。
5位 【Thraxi】 青白 <ハンウィアーの民兵隊長 鼓舞する隊長 アヴァシン教の宣教師>
前回の優勝ですっかり腑抜けた感じの駄目駄目ピック。前回決め撃ちしたらたまたまそれなりの結果が出たことで非常に安易な逃げ道を見つけてしまった感がある。これまで割とのらりくらりとしたデッキを組んでいたので、今回は正面から攻める肉デッキが組みたい、という願望があり、1パック目を開けたら「ハンウィアーの民兵隊長」というおあつらえ向きのレアが出たことで、「お、もう今回は白でクリーチャー並べるデッキにしたろ」という安易な決定。サブカラーは多少悩んだが、空いている色ということで青に決まった。今回唯一正しかったことといえば、この「青は空いてるから引いとけ」という部分だけ。そこからもう一歩進んで「白はアカン」にまで辿り着けなかったのは、まだ環境序盤で考えることを減らしたかったという甘え、そしてレアを切りきれない弱さ故。上がしっかり白のクリーチャーを引いているので、待てども待てども「人間を横に並べて……」なんてカードは回ってこない。青いカードはそれなりに収穫があるが、青に肉を望むことも出来ず、「たたみ込むビート」なんて理想型からはどんどん隔たっていくカードプールに絶望しかない。それでもピックの方向性を変えなかったせいで、最終的には1引きの「鼓舞する隊長」がサイドボードに落ちるなどという笑えない結果に。決定力が一切無いせいで負け続け、後半の試合は開き直って殴らないデッキにフォームチェンジ。それまでも序盤の壁(+民兵隊長のための頭数)としてデッキインしていた「躁の書記官」×2に勝ち手段を絞り込み、ライブラリアウトだけを狙うデッキにした。具体的には「鼓舞する隊長」×2が抜けて「束の間の記憶」と「疑惑の裏付け」をサイドインした形。ほんで皮肉なことにこのデザインにしたら最終戦で辛うじて1勝はするっていうね。なんか、色々ひどかったです。「倒し霊」+「本質の変転」とか、それなりに楽しそうなギミックも色々あったんだけどなぁ。まぁ、今回は赤と黒を切った時点で無理だったわ。来週はもう少し冷静にピックします。
6位 【Serra】 白緑 <ナッターノールズの隠遁者 群れの守護獣 永遠の見守り>
栄枯盛衰、こちらもこれまでの2戦は調子が良かったが、一端落ち着いてこの位置に。デッキの反省としては、やはり私らと同じように全体的なまとまりに欠ける、というのが大きな要因だろう。1引き緑の人狼から、2引きで上家がぶん投げた「シガルダ」というのは僥倖の流れ。天使好きの氏にとっては天啓とも言えるもの。ただ、そこから決まった緑白という色合いを考えたときに、今回優勝デッキが「現実的な緑白」をビシリと決めたのに対し、こちらはカード個々の姿を見るに留まり、全体的な掴みが弱かったということなのだろう。……ただ、そうは言っても具体的に何がどう悪いのかは私にはさっぱり分からないのだが。見えないなぁ、この環境の勘所はまだ全然見えない。このデッキだって決め技の「永遠の見守り」があるし、個々のピックを見ても特に悪いとは思えないんだよね。まぁ、パックの巡りはあるので、ほしいカードを先に抜かれている部分はあるのだろうが、別に並びじゃなくて対面だしなぁ。うーむ。誰か環境に自信ニキが分析してくれないもんだろうか(丸投げ)。
今回のピック表
【Sangriter】(白緑)→ 【Thraxi】(青白)→【Sea-chicken】(黒)
↑ ↓
【Alessi】(赤緑) ← 【Mei】(青緑) ← 【Serra】(白緑)
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