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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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Lashweed Lurker (8) U

クリーチャー・エルドラージ、ホラー

5/4 現出(5)(G)(U)

〜を唱えた時、あなたは対象の土地でないパーマネントを、そのオーナーのライブラリのトップに置いても良い。

 現出クリーチャーって多色もあるのかよ。いや、無色だけど。開発コメントで「無色クリーチャーはあんまり入れない」って言ってたけど、トータルで何枚くらいあるんだろう。さて、こちらは「行方不明」内蔵のエルドラージ。一応土地が戻せない点は微妙に違うが、あまり関係ないだろう。「行方不明」も含めてこの手のトップバウンスは3〜4マナくらいのソーサリーのイメージなので、現出を使った場合にこのクリーチャーのコストは差し引きやっぱり3〜4マナくらい。それで5/4ならそりゃ強いだろうよ。例えば3ターン目「裏道の急使」からこれに繋いだ場合、質的にアドバンテージロスを防ぎつつ相手のクリーチャーをトップに戻してドローを1枚止め、さらにこちらには5/4が。ほら、どう考えても勝ってるやん。このムーブが「ブン回り」というほどでもなくそこそこ日常的に起こりそうなのが次の環境のこわいところだ。現出をキーにしたデッキは7マナ8マナのクリーチャーが多めに入るだろうからかなり引きムラが出ると思われるが、そのあたりを克服するサポートってあるもんかね。

 

Deploy the Gatewatch ゲートウォッチ配備 (4)(W)(W) M

ソーサリー

あなたのライブラリを上から7枚見る。その中から、最大2枚までのプレインズウォーカー・カードを戦場に出す。残りをあなたのライブラリの下に無作為に置く。

 プレインズウォーカーによるプレインズウォーカーのためのプレインズウォーカーなソーサリー。なんとあの「書かれざるものの視認(KTK)」のPWバージョンである。クリーチャーよりもPWの方が1枚あたりのインパクトがでかいのは自明なわけで、それが一気に2体もコスト踏み倒しで出せてしまうというのはかなりエッグい。なんで招致するのに3マナもかかってたんや、って話だ。サーチ枚数が7枚と絶妙で、そして同じカード2枚ならハズレという制限はあるものの、PWコントロールにとっては福音となる1枚だ。ここからナヒリ・ソリンの因縁コンビをぶつける、ジェイス・リリアナの同伴出勤、ウギン・ボーラスの怪獣大決戦など、夢の共演が思いのままだ。せっかくこのカードと一緒に登場したのにリリアナさんはわずか3マナと相変わらず空気を読んでないな。6マナまで待ってナーセットやニクシリスを展開していくエスパーコンは充分結果を出しているのだから、この制圧力は構築クラスでも案外面白い爆弾になるのじゃなかろうか。統率者戦でPWデッキを組んでた人には必須の1枚だ。ちなみにイラストでは本来仲が悪いはずのギデオン・リリアナの共演が楽しめる。お互いまだ見解は一致してない(not see eye to eye)けど、今は協調して戦っている(fight side by side)。元のフレーバーが韻律を合わせているので、日本語も「共感せず」「共闘する」で合わせてあるのは芸が細かい。

 

Providence 神の導き (5)(W)(W) R

ソーサリー

〜がゲーム開始時に手札にある場合、あなたはそれを公開しても良い。そうしたなら、司書のアップキープの開始時に、あなたのライフの総量は26点になる。

あなたのライフの総量は26点になる。

 突如現れた、力線システム搭載の謎呪文。「Providence」とは神の導き、神の御業を表す単語らしいのだが、どんな神様が6点ばかりのライフをくれたというんだろう。いや、ありがたい、ありがたいけども……もうちょっとなんか、ゴッドなご加護を。とりあえず、これが初手にあればパワー3のクリーチャーの攻撃2回分がチャラに出来る。「治癒の軟膏(8ED)」換算でカード2枚分だ。そりゃ馬鹿にならんだろうが、その代わりに当分使い物にならないゴミカードが初手に入っていることを相手にばらしてしまうことにもなる。この取引を損と見るか得と見るか……。もし構築戦で使うなら、当然初手に引き入れる確率を高めるために4枚投入だ。それならそこそこの確率で26点スタートだが、7マナで盤面に全く影響しないソーサリーを4枚デッキに入れる気が起こるかどうか。まぁ、相手が普通のビートだった場合、万一7マナに到達されて3回も4回も26点にカムバックされたんじゃたまったもんじゃないが。もう、いっそ「過ぎ去った季節」コンボに入れて延々回し続ければいいんじゃないかな。まぁ、デッキの質がピーキーなリミテッドなら、1枚入れて置くと案外救世主になるかもよ。ちなみに、26点という数字がなんで出てきたかといえば、当然イニストラード数(13)の倍だからである。ご丁寧に、イラストには13本の蝋燭が2セット描かれているのだ。十三恐怖症2枚で対抗しても無駄だから注意だゾ。

 

Selfless Spirit 無私の霊魂 (1)(W) R

クリーチャー・スピリット・クレリック

2/1 飛行

〜を生け贄に捧げる:あなたのコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで破壊不能を得る。

 今やあらゆる化け物がエルドラージ化しており、人間・吸血鬼・狼男はすでに手遅れの状態。そんな中でリリアナが己の長所として取り出したのが、精神支配を受けず変質もしないゾンビ軍団だったわけだが、もう1つの希望が残っているとするなら、それはすでに物言わぬ人間の魂、スピリットだ。すでに肉体を持たないスピリットはエルドラージ化する心配が無いし、相変わらず人間の味方であり続けてくれる。そんなありがたみの極致がこの1枚。懐かしの「不屈の随員(ARB)」能力を持ち、いざというときには味方全軍の死を肩代わりしてくれる。「衰滅」を避けられないのはご愛敬だが、「光輝の炎」ならかわせるし、コレ1枚が見えているだけで戦闘のコントロールは段違い。また、スピリットは「鎖鳴らし」という手軽なトリックメイカーがいるのもポイント。あいつ1枚でディフェンスは割と安定していたが、支援を受けてこいつが瞬速で出せれば、手軽にインスタントの「アジャニの存在(JOU)」のような運用が可能になるのだ。まぁ、現時点でスピリットの抱える課題は画一的なサイズで、2マナ2/1ばっかり増えるのもどうか、って話はあるが。もちろん、こいつの能力はスピリット以外にも適用されるので、トークンをずらずら並べるタイプの白デッキなら何に入れても問題無いんだ。つまり、緑白トークン……まだ強化すんの?

 

Mind’s Dilation 意識の拡張 (5)(U)(U) M

エンチャント

対戦相手が各ターンに1つ目の呪文を唱えるたび、そのプレイヤーは自分のライブラリのトップを追放する。それが土地でないカードであるなら、あなたはそれをマナコストを支払うことなく唱えても良い。

 なんだそれ枠。いや、でもマジでなんだこれ。エムラクール様のおかげで人々の意識は一つに統合され、わったしーもエムラクール、あなたもエムラクール〜♪(火曜日版サザエさんの節で)である。笑う声までおんなじである。その様子を再現したのがこのエンチャントで、お前のものは俺のもの、でも、俺のものはお前のものじゃない。やられた側からすると、こんな理不尽な取引もないだろう。何がめくれるかは運次第なので一切役に立たない可能性だってあるにはあるが、ひょっとしたらカウンターがめくれるかもしれないし、「面晶体の記録庫」を唱えて次のターンに備えようとしたら相手が「世界を壊すもの」を唱えちゃうかもしれないのだ。なんだそれ。是非とも構築で実現させたいドリームが詰まっているのだが……。「全知(M13)」なんかと違って張ったら勝ちじゃないところが悩ましいなぁ。いっそのことこれを張った状態でエムラクールも唱え、完全に相手ターンに同化を図ってみたい。もう、見たこともない世界がそこにあるぞ。

 

Summary Dismissal 即時却下 (2)(U)(U) R

インスタント

他の全ての呪文を追放し、全ての能力を打ち消す。

 なんか私のまわりではフレーバーテキストの方ばっかり話題になってるんだが……なんでこんな一文だけで淫猥な妄想に飛ぶんですか、信じられません。私も同意です。さておき、見ての通りにレアリティ高めの圧倒的カウンター呪文。あまりに適当に色んなものを打ち消してしまうので、これまでの常識を吹き飛ばせるシチュエーションが多い。まず、全ての呪文の打ち消し。過去の例では「精神壊しの罠(ZEN)」や「狼狽の嵐(CMD)」あたりが務めていた枠で、いわゆるストーム対策である。一応ストーム以外にも使えるが、相手がまとめて沢山の呪文をスタックに乗せるっていう機会はあんまり無いだろう。カウンター合戦なんかでも自分の呪文も全部打ち消しちゃうから良いか悪いか分からんし。とりあえず、4マナ確定カウンターとしての運用ならリミテッドでそこそこ。そして最大のポイントである能力の打ち消し。起動型能力を打ち消す呪文はそこそこ存在しているが、誘発型能力を打ち消せるカードはあまり多くなく、その道のプロである「もみ消し(SCG)」、それに「時間停止(10ED)」があるくらいだろうか。この呪文は「時間停止」のような圧倒的オプションはないし、「もみ消し」のような軽さもないため、真正直にカウンター呪文として運用する必要がある。しかし、現在の環境には唱えた時に誘発型能力をたたき込んでくるエルドラージという問題児がおり、この呪文ならばエムラクールさんを打ち消した上で、精神ものっとられずに済むわけだ。果たしてその辺にどの程度対策を施すべきかは未知数だが、普通のカウンター呪文として構えつつそうした窮状をしのげるなら、案外悪くないのかも。個人的には「ウェストヴェイルの修道院」が5体の生け贄を平らげたところにぶち込んでオーメンダールさんに沈黙を守ってもらうっていう鬼畜プレイが一回くらいやってみたい。

 

Cryptbreaker (B) R

クリーチャー・ゾンビ

1/1

(1)(B)(T)、手札を1枚捨てる:2/2で黒の、ゾンビ・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。

あなたのコントロールするアンタップ状態のゾンビを3体タップする:カードを1枚引き、あなたは1点のライフを失う。

 「戦いは数だよ兄貴!」、そして「ゾンビは数だよ(リリアナとギサの)姉貴!」ということで、つまりは「戦いはゾンビよ!」ということになる。ゾンビがゾンビを産むゾンビ算は、旧イニストラードでも「終わり無き死者の列(ISD)」なんて夢のあるカードが再現してくれていたので、ようやく今回のイニストラードでもエンジンがかかってきた感じだ。やっぱりリリアナさんが本格参戦してくれたおかげですかね。こいつを1ターン目に出しておくと、後は延々ゾンビトークン1体が保証される。もちろん毎ターン呼ぶ必要はないが、さっさと数を揃えてしまえば下の能力によって兵糧の補充まで始まるのだから、他のカードを展開する作業よりも優先するのは間違った行動ではないはずだ。最終的にこいつ以外のゾンビが3体になれば、その時点で「ライフ1点がゾンビ1体」というトレードが成立するようになり、さらに6体まで増えればドロー能力がどんどん膨らんでいく。さらにマッドネスまで絡めて黒らしさをアピールしていけば、もうゾンビ・カーペットが作れちゃうレベル。ゾンビを愛する諸兄には欠かせないゾンビ満喫カードである。これで1マナ域に「墓所這い(DKA)」とならんで基盤を成すクリーチャーが手に入り、統率者デッキの「グリムグリン」なんかが楽しそう。もちろん、今回登場した「ギサとゲラルフ」でもばっちり噛み合う。捨てるカードは当然「ギサの召集」で決まりだ。リミテッドでも当然鬼畜の強さを見せる。ライフは有限なので、適宜「奇怪な突然変異」あたりで補充を。

 

Liliana, the Last Hope 最後の希望、リリアナ (1)(B)(B) M

プレインズウォーカー・リリアナ

<+1>: 最大1体までの対象のクリーチャーは、次のあなたのターンまで−2/−1の修正を受ける。

<-2>: あなたのライブラリを上から2枚墓地に置く。その後、あなたの墓地にあるクリーチャー・カードを1枚手札に戻しても良い。

<-7>: あなたは「あなたの終了ステップの開始時に、2/2で黒の、ゾンビ・クリーチャー・トークンをX体戦場に出す。Xはあなたのコントロールするゾンビの数に2を加えたものである」という紋章を得る。

 さぁ、ついにこのセットの主役のご登場だ。「ジェイスの元カノ」「デーモン4体に輪姦おばさん」ことリリアナ・ヴェスその人である。いわゆる「初代プレインズウォーカー」5人の中では一番種類が少なかったリリアナだが、これでようやく他の2人(ガラク・アジャニ)に並んで5枚目。なお、1人だけ7種類もカード化されてるクソダサフードマンのことは気にしない。かつてのリリアナというと初登場時の「リリアナ・ヴェス(M15)」がコントロールで採用実績を持つ他、「異端の癒し手、リリアナ(ORI)」が細やかな心遣いで活躍しているし、何と言っても下環境にまでその名を轟かせた「ヴェールのリリアナ(ISD)」のインパクトが強烈だ(あと1枚はしょうがないので忘れよう)。そんなリリアナが「ヴェリアナ」同様に古巣のイニストラードに戻り、同じく3マナで登場するというのだから期待は高まるばかり……だが、うーん?

 初見で悩んでしまうのは、マイナス能力の微妙さだろう。やっていることは「屍体の攪拌」の下位互換。墓地を肥やすことに大きな意味を見出せればいいのかもしれないが、それでも−2というコストに見合った活躍かと言われると微妙。損はしないのだが、墓地から直接引っ張り上げていた「反抗する屍術師」時代に比べると見劣りするし、軽さを活かすデザインが作りにくいのが悩ましい。プラス能力の方は、なんとカウンターを乗せながら敵軍を除去出来る可能性があるというナイス設定。まぁ、タフネス1しか除去出来ないのが辛いのはチャンドラさんが証明済みなので除去としての信頼性は低いが、そのついでにパワーが減るため、自身を守る盾としては優秀。今後の活躍は、このプラス能力でどれだけ相手を押しとどめられるかにかかっているだろう。つまり、横に並べる戦術が強い間は微妙かもしれない。奥義については「撃てば勝ち」なのでそこを目指すためには何とかプラス能力を維持していきたいところだが、正確には「撃ってしばらくすれば勝ち」なので油断は禁物だ。なんか、全体的にもっさりしてるな。なにか手軽に墓地から回収して強いクリーチャーがいるならなぁ、って思ってたら、まっさきに浮かぶのはどこぞのテレパスなんだよな。もう、ずっといちゃいちゃしてればいいと思うの。

 




Oath of Liliana リリアナの誓い (2)(B) R

伝説のエンチャント

〜が戦場に出たとき、各対戦相手はクリーチャーを1体生け贄に捧げる。

各終了ステップの開始時に、このターン、あなたのコントロール下でプレインズウォーカーが戦場に出ていた場合、2/2で黒の、ゾンビ・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。

 半年ばかり遅れて誓っちゃったリリアナさん。初代ゲートウォッチでは5色あるうちの4色しか誓わなかったために「流石に黒はアウトローだよなー、そう簡単にこんな仲良しグループに加わってたまるもんかよ」と思っていたのに、なんだこの即堕ちっぷりは。おじさんは哀しいよ……。でもまぁ、ここで入っとかないとしばらく加わるチャンスもなさそうだしな。5色揃ってこそのMagic。やっぱりリリアナさんは良い人なんだろうけど、ギデオンやニッサと仲良く出来るかどうかは微妙だよな。ジェイス・ギデオン以外の連中、つまりニッサ・チャンドラは初対面なわけだが、友好色といってもチャンドラと仲良くしてる図が浮かばないのはどうしてだろう。タミヨウさんとは案外無難に交流しそうな気はするんだけど。さておき、そんなリリアナさんの誓いはシンプルに「布告」だ。置いておけばとりあえず無駄にはならないけど、それだけの役割だとやや割高というのは他の誓いサイクルと一緒。チャンドラとどっちが強いかは微妙だが、彼女が「溶岩の斧」(2マナ)と大体同じでこっちが「残酷な布告」(2マナ)なんだから似たようなもんか。そしてPWサポートの方は、「反抗する屍術師、リリアナ」の登場効果であるゾンビトークンをここでもフィーチャー。PWが切望する壁役が出てきてくれるのは素直にありがたく、除去効果も合わさって守備力のかなり高い誓いだ。もちろん「反抗する屍術師」に変身させてトークン2体が手に入れば芸術点を加算で。ギデオンとか、ゾンビ連れ回すの嫌がりそうだけどなー。

 

Collective Resistance 集団的抵抗 (1)(R)(R) R

ソーサリー

増呪(1)

次のうちから1つまたは複数を選ぶ。

「対象のプレイヤーは手札を全て捨て、その後同じ枚数だけカードを引く」

「〜は対象のクリーチャーに4点のダメージを与える」

「〜は対象の対戦相手に3点のダメージを与える」

 赤のレア増呪。ちなみに増呪は白・黒・赤の3色に分布しているとのこと。何でマルドゥなのかは謎だが、一応バランスを崩すことで色ごとの特徴を出していく方向なのかね。そしてこちらは分かりやすく「キッカーを払うと強くなっていく火力」だ。基本はクリーチャーに4点。今をときめく「極上の炎技」と同じスペックなんだからこれだけでも十二分。環境最強生物であるアヴァシンを落とせるかどうかってのが最低限の部分なので、そこはOKだ。そしてわずか1マナの追加で本体に3点もおまけ。本体だけを狙う場合には「炎技」よりも若干割高だが、両方狙えるというオプションには代え難いだろう。そりゃま、上を見れば怒涛コストの「巨人の陥落」みたいなもっと効率の良い呪文もあるが、こいつの利点は一切デッキの性質や状況を選ばず、純正オプションとして追加要素が積めるところなのだ。そして最後に使うモードは手札の総取っ替え。これでさらに1枚引ければそこそこチャンドラの領域だったのだが、それは高望みしすぎか。普通はこの「トレイリアの風(7ED)」効果にカード1枚を費やすのは勿体ない、という判断になるのだが、例えばなにかクリーチャーを除去ったついでにそれができるなら悪くないって状況は割とありそうだぞ。レアの貫禄は充分。あとは火力の選択は環境次第ね。リミテッドならとりあえず引いとけ。

 

Falkenrath Reaver (1)(R) C

クリーチャー・吸血鬼

2/2

 ザ・バニラ。しかし、この些細な1枚のバニラが、Magicの歴史をついに塗り替えたとしたら、その尊顔も凛々しく見えてくるのではないだろうか。そう、ついに、赤は「熊」を手に入れたのだ。クリーチャー品質格差を端的に表す指標となる「熊」の存在。元来、2マナコモンに2/2を許されたのは緑と白のみだった。黒と赤は、3マナ以上に2/2バニラを配置し、2マナ2/2にはなんらかのデメリットがついたのだ。時代が流れ、黒が先んじてこの悪しき風習を打ち破ったのは、奇しくも旧イニストラードである。「歩く死骸(M15)」の登場により、黒はついに「スケイズ・ゾンビ(10ED)」のアップグレードに成功し、赤を出し抜いた。その後も赤は「ブロック出来ない」「攻撃強制」「死んだらダメージ」などの制限をずっと抱えたままであり、やはりこの紙一重は大きな大きな差なのだと痛感させられることが多かった。「ゴブリンの勇士(6ED)」が、「諦めて俺を使うんだ」と幾度となく脳裏をよぎった。しかし、この記念すべき日に、このイニストラードの地で歴史を刻んだ。デメリット一切為し、それどころか吸血鬼だから事実上メリットみたいなもん、赤に熊が、赤に熊が!! さぁ、これで「針毛の狼」や「ムーアランドの流れ者」との相打ちも余裕だぜ! ……ん? 別に「燃えさし眼の狼」でいいって? あんた、歴史に対する敬意がないねェ。

 

Incendiary Flow 焼夷流 (1)(R) U

ソーサリー

〜は対象のクリーチャーかプレイヤーに3点のダメージを与える、この方法でダメージを与えられたクリーチャーがこのターンに死亡する場合、代わりにそれを追放する。

 「虚空の接触」が色を取り戻し、1マナ軽くなった。当然アンコモンではあるが、最近の火力の品質で考えれば悪くないスペックだろうか。現在、スタンダードで使われる火力というと、1マナの「焦熱の衝動」、3マナの「極上の炎技」はかなり固いが、2マナはドラゴンがいれば「龍詞の咆哮(DTK)」、そうでないなら「焙り焼き(DTK)」くらいで、なかなか決定的なピースは存在しない。このカードも残念ながらソーサリーなのでスタメン確定というほどのスペックには届いていないのだが、プレイヤーにも届く3点火力ならば汎用性は高く、検討には値するはずだ。追放効果もあればあったで助かるわけでね。特に3つ目のカウンターがのってしまった「搭載歩行機械」を処理出来るというのはかなり大きなアドバンテージになっているはずだ。さて、赤いデッキの趨勢はどうなるものか。ちなみに、フレーバーではチャンドラとギデオンという対抗色のお友達2人の会話を聞くことが出来る。白と赤、どちらも速攻の色なんだけど違うところといったら、統制なんだなぁ。

 

Mirrorwing Dragon 鏡翼のドラゴン (3)(R)(R) M

クリーチャー・ドラゴン

4/5 飛行

プレイヤーが〜ただ1体を対象とするインスタントやソーサリー・呪文を唱えるたび、そのプレイヤーはその呪文の対象に取ることが出来る、自分のコントロールしているクリーチャー1体につき1つ、その呪文をコピーする。各コピーは、それらのクリーチャーをそれぞれ対象とする。

 毎度お馴染み、神話ドラゴン枠でございます。ただまぁ、イニストラードはドラゴンが元気な次元ではないので、残念ながらここまで大した成功例は報告されていない。いやいや、だからといって今回も諦めるのは早計だ。まずなにより、イラストが綺麗。その名の通り鏡面のような煌めきを見せる翼が実に幻想的。イニストラードは本来、幻想的で、どこか愁いを帯びたような美術で見せてくれる世界でもあったはず。多元宇宙モンスターに襲われボッコボコの現状でも、ドラゴンの翼にその矜恃が感じ取れる。そして、実際にこの能力は割とエグい。この能力はどのプレイヤーでも使えるわけだが、相手プレイヤーがこのドラゴンに対して打ち込みたい呪文ってのは、普通に考えたら除去だ。それが相手側にコピーされる。そして自分が撃ちたい呪文があるとしたら強化だ。それはこちらにコピーされる。もちろん、相手が何らかの強化呪文をこいつに撃つ展開も無いわけではないだろうが、ドラゴンをデッキに入れている人間以上に「はまる」シチュエーションを用意出来るとは考えにくい。そんなレアなケースを警戒してこいつを過小評価してしまうのは勿体ないことだろう。ごく稀に相手に大量の塩を送ってしまう場合を考えなければ、この能力は立派な除去耐性であり、さらに自軍を増大させる武器なのだ。ご丁寧に「衰滅」に引っかからないタフネス5をキープし単体で無視しにくい存在になっているし、「龍詞の咆哮」「シルムガルの嘲笑」「雷破の執政」といったサポートもまだまだ使える。タルキールの最後の一花、見せてやっちゃぁどうですか?

 

Ishkanah, Grafwidow 墓後家蜘蛛、イシュカナ (4)(G) M

伝説のクリーチャー・蜘蛛

3/5 到達

昂揚 - 〜が戦場に出たとき、1/2で到達を持つ、緑の蜘蛛・クリーチャー・トークンを3体戦場に出す。

(6)(B):対象の対戦相手は、あなたのコントロールする蜘蛛1体につき1点のライフを失う。

 マロー曰く、「レジェンドをつくって欲しいと言われていたクリーチャータイプ第2位」がついにカード化を実現。それがこの蜘蛛であったらしい(ちなみに1位は熊だ)。そうか、伝説の蜘蛛ってまだいなかったんだ。「アラクナスの紡ぎ手(M12)」はレジェンドじゃなかったんやな。とりあえず、蜘蛛のアイデンティティである「タフネス偏重」「到達」という2つの要素は満たしているわけだが、過去にあったヘヴィー級の蜘蛛に比べるとサイズは割と控えめ。同じコストにコモンでも「歩哨蜘蛛(M13)」がいることを考えるとかなり物足りない。そこを埋め合わせるためにはなんとしても昂揚は達成しておかないといけない。条件を満たせばトータルのパワー・タフネスは6/11まで膨れあがるのだから説得力は充分だろう。まぁ、自身に何一つ昂揚をサポートする手段が無いのが残念だが。うまいこと小蜘蛛が生み出せれば、絡め手で(蜘蛛だけに!)ライフを削り着るプランも狙えるのがレジェンドなりの優しさ。コストがクソ重いのでそっちもあんまり現実的じゃないんだけど、このコスト設定は旧イニストラードで一世を風靡した「蜘蛛の発生(ISD)」のオマージュなのでしょうがない。「統率者戦で沼が使えるように工夫しました」だとさ。ちなみに世界中を探しても黒い蜘蛛は「ニクスの織り手(JOU)」1体だけだ。……こうして並べると、蜘蛛って墓地が大好きな種族になってきてるんですかね。どんなイメージだよ。

 

Permeating Mass (G) R

クリーチャー・スピリット

1/3

〜がクリーチャーに戦闘ダメージを与えるたび、そのクリーチャーは〜のコピーとなる。

 わったしーもエムラクール、あなたもエムラクール〜(2回目)。いや、この世はエムラクールだけじゃない。イニストラードに根付いたちょっとヤバげな精霊だって、「森に入ってきたヤツはみんな取り込んでやる」という勘弁して欲しいやる気に満ちているぞ。旧イニストラードのこの枠は、神話レアの「荒れ野の本質(ISD)」。1体いるだけで自軍が全部コピーに生まれ変わって出てくるという謎機能で、嬉しいんだかなんだかよく分からない祭りが発生するクリーチャー。その他にも、緑は「落とし悶え(SHM)」や「芽吹く草ハイドラ(DIS)」のように自身のコピーを量産する変なカードはちらほら確認出来る。繁殖の象徴はやっぱり緑だ。しかし、今回のヘンテコスピリットがヘンテコ過ぎるのは、まずコピーが相手に回るところ。素通ししてれば単なる「ちょっとでかい1マナクリーチャー」だが、ひとたびブロックに回って戦闘が開始されると、否応なしに何の魅力もない1/3に大変身。そして、その鬱陶しさが次は自分に襲い掛かることに。これ、損してるのか得してるのか……。一番手っ取り早い活用法は、恒常的にパワーを2あげてしまうこと。そうすればこいつの一撃はさながら接死のように全て一撃必殺になる。手軽に「無差別な怒り」を張るだけでも結構な殺戮マシンになるだろうし、「永遠の見守り」を2枚張って3/5警戒にするのもなかなかやばそう。まー、正直そこまでやるカードでもないのだろうが、なんかカオスすぎて楽しそうなのは間違いないので、万一デッキに入っちゃったらせいぜい感情移入してアウアウ言いながら森をさまようといいだろう。いや、マジで蔓延し始めるとリミテッドですげぇグダりそうだけど。広がりきったところで「石の宣告」ぶっ込むのが最高にクール。

 

Spirit of the Hunt 狩りの精霊 (1)(G)(G) R

クリーチャー・狼、スピリット

3/3 瞬速

〜が戦場に出たとき、あなたのコントロールする他の狼と狼男・クリーチャーは、ターン終了時まで+0/+3の修正を受ける。

 狩猟の神/Kami of the Hunt(CHK)」ととてもよく似た概念だが、関係は一切無いぞ。もし今後「God of the Hunt」っていうクリーチャーが登場したらどうするんだろうな。とにかく、こいつは神でもなんでもない狼である。3マナ3/3瞬速の時点で構築レベルで活躍している「跳ねる混成体(ORI)」と同格。こちらはタップするとかいう小技は持ち合わせていないが、その代わり味方の狼の生存率をググイとあげる不思議な加護の力がある。「光輝の炎」が吹き荒れても平気だし、おそらく「衰滅」すら乗り越える鋼の肉体になるに違いない(まぁ、こいつ自身は死ぬけどしょうがないな)。白にも全軍に破壊不能を与える「無私の霊魂」がいたが、「衰滅」を回避出来るのはこいつのオリジナル。何よりステータスが優秀なのでデッキの全体像が作りやすそう。これを入れるデッキは当然狼山盛りデッキになるわけで、「月夜の狩り」や「吠え群れの復活」なんかのサポートも得られるかもしれない。まぁ、これだけ格好良く救世主のように登場しても、サポートするのが「エルドラージ・狼男」とかだとどうして良いか分かんないけども。

 

Grim Flayer (B)(G) M

クリーチャー・人間、戦士

2/2 トランプル

〜がプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、あなたのライブラリを上から3枚見る。その中から好きな数だけあなたの墓地に置き、残りをライブラリの上に任意の順番で戻す。

昂揚 - 〜は+2/+2の修正を受ける。

 旧イニストラードの第2セット、つまり「闇の隆盛」では、多色の神話レアは各種族、つまり友好色にのみ与えられていたのだが、今回はこうして対抗色にも神話レアが登場。現時点ではこれ1枚だけだが、他の色もあるんだろうか? そんな黒緑の神話は、この色のテーマである昂揚をしっかり身にまといつつ、大胆にそれをサポート。ぶっちゃけ、2ターン目に出たところでそこまでのインパクトは無いのだが、ワンパン通すだけでも割と色々やられてしまうのでマストブロック感が高く、最低でもタフネス2で止めないとトランプルで能力だけは起動してしまう。細かいところで鬱陶しい奴。起動してしまえばなんと「スゥルタイの隆盛(KTK)」のアッパーバージョン、そりゃ便利に決まっているだろう。1体目のこいつがさっさと昂揚まで引きこみ、それによって2体目、3体目のこれのサイズが増してくる、というのが基本的な昂揚デッキのデザインになりそうだし、同じデッキに「発生の器」でも入っていれば、3ターン目にさっさと4/4で殴るプランだって現実味を帯びてくる。そりゃサイズだけを見れば「黴墓のゴミあさり」だって可能だが、全てオールインワンでまとまっているのがこいつの強みだろう。現在は残念ながら環境に「森の代言者」という天敵がいるのでなかなか日の目を見るのは大変そうだが、なにか突き抜ける相棒がいれば。

 

Mercurial Geists 気紛れな霊 (2)(U)(R) U

クリーチャー・スピリット

1/3 飛行

あなたがインスタントかソーサリー・呪文を唱えるたび、〜はターン終了時まで+3/+0の修正を受ける。

 この世界における「小柄な竜装者(GPT)」。コストが1重くなってしまったが、その分、スペルによる増強値も1点増えている。1ターンにいくつもスペルを重ねてダメージをたたき込むタイプのデッキがきちんと作れれば、ちょっとくらいの出撃の遅れくらいは取り戻せるだろうか。ただ、こうしたカードが入っているデッキってのは他にクリーチャーがあんまり入っていない場合が多く、相手のデッキに入っている除去はこぞってここに飛んでくることになる。そう考えると、1枚1枚のウェイトはあまり重くない方がいいので、4マナというコストはややつらいか。現在は「火の猟犬」がこのポジションを担っているが、やつはカウンターによる修正なので火力や戦闘ダメージの圏外にいつかは逃げることが出来るし、なによりあいつはコモンだ。そこまで惜しまれるもんじゃない。アンコのこいつが単体で勝負をかけるタイミングって、なかなかないかもしれない。また、もっと根本的な問題として、現在の青赤を支えている重要なギミックが、異界月では欠けている点が気になる。そう、調査による引き増しだ。肉を使わず、ひたすら呪文だけで逃げ続ける青赤には調査による加速は必須だったはず、その部分を失って、青赤がちゃんと回せるレベルに落ち着けるかどうか。調整スタッフの腕の見せ所ですな。

 

Mournwillow (1)(B)(G) U

クリーチャー・植物、スケルトン

3/2 速攻

昂揚 - 〜が戦場に出たとき、パワー2以下のクリーチャーでは、このターンブロック出来ない。

 色合いがなんか不思議なクリーチャー。速攻もブロック抑制も赤の得意分野であり、緑黒というカラーリングでは実現しにくいのだが……まぁ、ブロック抑止は黒も出来るし、速攻は黒も緑もあるので一応OKではあるのだが。クリーチャータイプが植物ということで、その色味も相まってなんだかラヴニカの地下に潜んでいそうなクリーチャー。イニストラードのどこに眠っていたのか定かじゃないが、とりあえずスケルトンもゾンビ同様、エムラクールの影響は受けずに済んでるみたいですね。この色でパワー3の速攻といえば「屑肉の刻み獣(RTR)」を思い出す人も多いはず。そのまとまったボディに最後の一押しに使える活用能力がおまけされた「刻み獣」はさぞかし構築でも活躍するだろうと登場当初は思われていたのだが、残念ながらゴルガリが世間的にそこまで上げ潮にならず、今ひとつ結果は残せないままに終わってしまった(活躍したのはどこぞのシャーマンばかりである)。今回のスケルトンはそんな「刻み獣」のアフターケア部分を犠牲にし、代わりに速攻の突破力を強化して相手にたたき込む攻めの仕様。前のめりなデッキで是非、と言いたいところだが、前のめりのデッキは多分昂揚を達成しない。あくまでもグダった試合を演出し、とどめの一撃で相手の計算を狂わせるためのカードである。パワーを下げるカードとの相性がいいので、えーと……ジェイス入れときゃいいんじゃないかな。もう、全部あいつでいいんじゃないかな。あ、新リリアナとも相性が良いよ(相性とは?)。

 

Ride Down/騎乗追撃(KTK)」 U

 つい先日環境を去った「タルキール覇王譚」からさっそくの再録。あちらの次元ではマルドゥ氏族の苛烈な攻撃を表していたカードだが、今回攻撃しているのは聖トラフト騎士団の人たちのようだ。赤は吸血鬼がすっかり変質してしまってるけど、人間は無事な連中もいるのかな(ちなみに今回、現出能力が青・黒・緑に与えられているので、残る2つの色は内側から化け物に食い破られる人間はいない模様)。ボロスカラーの戦術はいつ何時でも速攻ランナウェイ。このカードの攻めているときの強さは歴史が証明している。今後もボロスの輝きを維持することが出来るだろうか。

 

Nephalia Academy ネファリアのアカデミー U

土地

いずれかの対戦相手のコントロールする呪文や能力があなたに手札を捨てさせるとき、あなたはあなたはそのカードを公開し、他のいずれかの領域に置く代わりにそのカードをあなたのライブラリのトップに置いても良い。

(T):あなたのマナ・プールに(C)を加える。

 なんとも奇妙な土地だ。起動型能力も色マナ生産能力も無く、単に場に出ていると副次効果があるという。思い返してみても最近だと「聖遺の塔(M13)」くらいしか思い浮かばないのだが、なにか他に例があったかな? とにかく、そんな置くだけ安心土地だが、当然その程度の効果ということで影響は微妙。ハンデスを使われた時、どうしても手放したくない時にライブラリに戻して引き直すオプションがつくという。結局手札が減ることには違いないのだし、そもそも相手がハンデスを使ってくるタイミングってのがかなり限定されているので、よっぽどメタが固まっていない限りは構築環境で姿を見せることはないだろう。下の環境で「トーラックへの讃歌」や「陰謀団式療法(JDG)」を警戒するなら一応意味はあるかもしれないが。残念ながら「手札を捨てる効果が解決されるとき」の置換効果なので、手札を追放するタイプの効果、例えば「終末の目撃」や「悪意の器」なんかには対応しないので注意が必要。ちなみに、テキストの「他のいずれかの領域に置く代わりに」という一文だが、普通のカードなら捨てられたら「墓地」にしかいかないので本来は余計な説明である。ただ、この世界にはマッドネスという面倒なカードがあり、あれは「discard」の場合にも一度追放領域を経由する。そのためにわざわざ「墓地でもなく、追放領域でもなく、ライブラリの上」という風に指定しているのだろう。細かい部分だが、相変わらずややこしいルールである。

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