11月5日 ドラフト模様(KLD×3)
ピック順 【Sangriter】→【Mei】→【Chrolony】→【Sea-chicken】→【Alessi】→【Serra】→【Thraxi】→
環境5戦目。今回は先週の予告通り、これまでの金曜深夜日程を変更、土曜の夕方からのドラフト開催と相成りました。しかし、さっそくスケジュールを勘違いして遅刻してくる野郎がいるなど、(ある意味予定調和の)波乱含みのスタート。そして当然のようにその遅刻者が優勝をかっさらっていくというお約束。そういうもんです。ちなみに、今回はなんと7人中の上位3名が三すくみ、さらに下位3名も三すくみの大混戦模様となり、全員分の勝ち点(勝ちセット数ー負けセット数)をカウントしたら、見事に+3から−3までの7つの整数がズラリと並ぶという奇跡のような戦績になっている。今後訪れる戦乱のカラデシュ世界を予感させるかのようだ……。
AL SE TH SA ME SC CR
AL ー × ○ × × × ○ 2ー4 6
SE ○ ー × × ○ ◎ ◎ 4ー2 2 ○
TH × ◎ ー × ○ ◎ × 3ー3 4 ○
SA ○ ◎ ◎ ー × × ○ 4ー2 1 ○○
ME ○ × × ◎ ー × × 2ー4 5
SC ○ × × ○ ○ ー ◎ 4ー2 3 ○
CR × × ◎ × ○ × ー 2ー4 7
1位 【Sangriter】 青赤 <領事の旗艦、スカイソブリン 巧みな交渉術 雲先案内人>
そういうヤツですわ。まぁ、別にいいんだけど。三すくみの乱戦を勝ち抜いてギリギリの優勝だが、実はこの環境の勝率では現在単独トップを走っていたりする。人数が増えたので優勝回数では分かりにくいデータだが、この実際の勝ち数ってモチベーションに直結するから大事な要素なのよね。で、今回のデッキは青赤。某所のデータというか品評によると、5色10組のアーキタイプが全て成立するこの環境において、敢えて一番勝ちにくいコンビネーションをあげるなら、その1つは青赤らしい。その印象は何となく理解出来て、どちらの色も、この組み合わせにしたときの決め手に乏しいのだ。どうしてもエネルギーに寄せなければいけないので「海蛇」ブーストが決め手になりにくいし、実は赤ってエネルギーがそこまで器用じゃないので、「火力なんかをつまみ、エネルギーをちょいちょい補充して空から殴れるかな?」くらいが関の山。他の色の組み合わせと比較すると、どのルートでも不安定さが目立つような気がするのだ。しかし、今回はそこをクソ神話のスカイソブリン大先輩が大胆に穴埋め。とりあえず5マナに繋げときゃ何とかなるだろ、みたいな大雑把なゲームメイクが可能。エネルギーの運用も割と手堅く、「亢進する亀」→「理論霊気学者」の流れは青エネルギーの鉄板ムーブ。この流れだとほぼ確実に亀が2/5まで育つので、相手が地上から攻め入る気勢を一気にそぐことが出来る。そうなれば、あとは空が強い青の戦場であり、このデッキの場合は「つむじ風の巨匠」と2体の「試験飛空士」、そして「ダッカラの孔雀」×2がフィニッシャーの任についている。これに「無謀な炎織り」のダメージが重なると案外洒落にならず、「炎織り」×2の状態から「試験飛行士」が来るとそれだけで本体4点。こういうルートもあるんやなぁ。
以下、今回の優勝デッキリスト。ちなみに、我々の内輪ルールでは試合間のサイドボード・デッキ改変は自由に認められているため、最終的には白にタッチして「領事府による拘禁」と「雲先案内人」が入ったらしい。まぁ、確かに案内人は入れ得だろうな。
<青赤・エネルギーときどきスカイソブリン>
島×9 山×8
<クリーチャー・機体類>14
理論霊気学者×2 亢進する亀×2
無謀な炎織り×2 つむじ風の巨匠
ダッカラの孔雀×2 タカシオヤドカリ
試験飛行士×2 領事の旗艦、スカイソブリン
歯車襲いの海蛇
<その他>9
蓄霊稲妻 ガラス吹き工の組細工
チャンドラの螺旋炎 革命的拒絶
溶接の火花 上天の貿易風 猛然たる報復
巧みな交渉術 テゼレットの野望
2位 【Serra】 黒緑 <高速警備車 生命の力、ニッサ 鋳造所のコウモリ>
得失点1点に涙を呑んだのがこちら。まぁ、実はこちらも環境勝率でいったら引けを取らず、現時点で2位に付けているのだが。今回のデッキは「雑に黒緑」。ゴルガリカラーに与えられたテーマは一応+1/+1カウンターなわけだが、なかなかそこだけに焦点を絞ったデッキというのは組みづらく、こちらは「何となく肉を出す、殴る、気付けばニッサもいる」みたいなデッキ。1パック目では緑を使う気などさらさら無く、黒を中心に他の色に探りを入れていたところ、2パック目で巡り会ったニッサが2色目を決定。都合のいいことに1パック目時点で下流も緑には行っていなかったため、逆回りで嘘みたいな緑の収穫があった(まぁ、黒が被ってたので黒の収穫がガクッと減ってるんだけど、トータルでは大きくプラスである)。こうして、1パック目で1色、2パック目で2色目を決めて腹をくくるってのもありなのかも。ニッサや「ピーマの先導」などの太さは言わずもがなであるが、渋くサポートに輝くのはたまたま2枚引けた「導路の召使い」だろうか。この世界で唯一のマナ加速装置は、無骨にノンシナジーで集めた肉どもを強引に回らせるのに大きく貢献したのである。「勝てばよかろうなのだ」な尊大なデッキであった。
3位 【Sea-chicken】 青緑 <鎧作りの審判者 ピーマの先導 弱者狩り>
前回は自称ゴミカスデッキを組んでいたが、今回はこうして優勝争いに肉薄。最終戦を取れていれば優勝だったのだが、残念ながらデッキに嫌われて事故死。なかなか上手くはいかないものか。デッキはこちらも緑で、当然「亢進するサイ」「ピーマの先導」「水辺の虎」の適当サイズ三段活用を搭載している。その他、この色では不足しがちな相手に触る方法として「弱者狩り」2枚に「自然の流儀」をしっかり確保しているし、「風のドレイク」「ヴィダルケンの刃の達人」あたりを固めることでとにかく中盤に息切れせずに攻め続けられるように肉の数を埋め合わせている。こういう姿勢なら中途半端に受けの選択肢は無いという判断だろうか、例えば3パック目の「飾りの勇気」3引き(「楕円競走車」「織木師の組細工」流し)なんかはかなり無茶な選択だと思うが、デッキで活用出来ているのだからハズレとも言えない。流石に「密輸人の回転翼機」を流すのはどうかと思うが、そんな細かい芸よりも肉がいい、というこだわりの表れなのだろう。結果が出てるのだから、やっぱり「勝てばよかろうなのだ」である。「僧帽地帯をうろつくもの」とか、出ればそりゃ強いし、この世界では割と出るしね。
4位 【Thraxi】 黒青白 <品種改良の力 誤作動 プロペラの先駆者>
上が三すくみ、下も三すくみ。唯一仲間はずれにされてしまったのが、この真ん中にいるボクです。でも、多分今回のデッキは本来なら下位グループに入るヤツやな。勝った試合のうち2つが事故勝ちみたいなもんやし。トリプルマリガン相手に苦戦してたし……。デッキの悩み方はピック表を見てもらえば大体分かるはず。1引きからマルチカラーのカードという駄目なピックのお手本みたいなスタートで、2引きの「機械修復職人」を上のシグナルと勝手に解釈して黒をフォロー。そして5,6引きの順目で立て続けに流れてきた「歯車襲いの海蛇」で青黒の親和に寄せるプランをある程度固めてしまった。まぁ、実は「活力の奔流」や「隠然たる襲撃」といった黒の強力コンバットトリックをこれまであんまり使ってなかったので、使ってみたかったっていう邪念もあった。いや、実際使えたし、クソ強かったので満足なんですがね。ピックの反省点は、「機械修復職人」で狙いを定めた白の扱いを最後まで決めきれなかったところ。結局2パック目2引き「カンバール」や3パック目1引き「プロペラの先駆者」は色の安定のために抜け、白い要素は「修復職人」と「歯車工の組細工」の起動マナだけになった。もうちょい早くそこの決心がついていれば、多少青の要素を強めて安定感が得られたとは思うんだけど。まぁ、海蛇ゲーはそれなりに堪能出来たから良しとするか。あと「サヒーリの芸術」が超ヤバいってことはよく分かった。あんなもん、祭りやないか。
5位 【Mei】 白黒 <金線の使い魔 たなびき織りの天使 小物作りの達人>
ここからが下位3名。まぁ、下位とは言ってもどのデッキも2勝はしてるわけだが。こちらは例によって「金線の使い魔」1引きで様子見しつつスタートで、空いていると見定めた白にスルッと入った。「鋳造所の検査官」2引きからなので、割と無色強めのデッキも意識していたのかも。我々の中ではこれまであまり使われてこなかった「自己組立機械」も採用されており、何かを積極的にピックして使いに行くというより、色で喧嘩しないようにしつつ余ったパーツを回収して上手いことデッキに繋げるという意識が強い。この辺りの農耕タイプはいつものこと。その中で出来た白黒デッキ、ちゃんと使用人数で言えば空いている方の色なのだから間違ってないんだ。気付けば「小物作りの名人」「霊気嵐のロック」とレアも手に入っているしなぁ。ただ、そうして受けを待っているデッキの組み方が、実は今回の環境ではちょっと不利なのも事実のようだ。詳しい解説はいつもの人のドラフト批評を参考にしてもらうとして、端的に言うと、「特定アーキタイプで強さを発揮するカードでも、別に意識しないデッキに入れても8割くらいの仕事をしちゃう」環境なのである。分かりやすい例は「亢進するサイ」あたりで、エネルギーデッキなら十全に働くが、だからといってエネルギーに頓着しないデッキに入らないわけではなく、緑を使ってる人ならさっさとピックしてしまう。「海蛇」も、親和に寄せたデッキ以外がいらないってわけじゃない。強いカードは、結局「強いから」という理由で早めに引かれるため、「我慢したが故のペイ」が低いらしいのである。うーむ、言われてみれば理屈が分かるような分からないような……。まぁ、今回のこのデッキがそうした事例の1つということでもないのだろうが、今後の色読み、カード選択の参考までに。最近はこの記事、「初心者に優しい」を心がけています。もうあいつが初心者とは思えないけど。
6位 【Alessi】 白赤 <変速の名手 光袖会の職工 空中対応員>
こちらもカラーコンビネーションだけで見れば割とメジャーなボロス2色。そして「ボロスといえば一応テーマは機体だよね」という方向性を、とんでもなくピーキーに仕立て上げたデッキになっている。何しろ、デッキに入っている機体のうち2枚が「楕円競走車」なのだ。そんな刹那的な……と思われるかもしれないが、「変速の名手」「渦跡の鷹」「撃砕確約」といった各種サポートでこのモロい車を骨までしゃぶり尽くす。それでも駄目なら「街の鍵」である。なんだそれ。ダメージ計算が大雑把過ぎるわ。というわけで、競走車要素がブン回れば勝ち、対処されたら割と負け。あ、あと「空中対応員」も生き残れば勝ちやすいですね。一応サブプランとして「先見的な増強者」×2などから横に並べて「鼓舞する突撃」パターンもあり、「第九橋の巡回員」×2が絶妙に鬱陶しい。これもハマるかどうかは割とむらっ気が強かったみたいだが。そしてこのデッキに「燻蒸」が入っているというのが何とも皮肉なもので……。綺麗に地ならしした無人の荒野を走る「楕円競走車」とかがやれれば格好良いのだが、なかなかそうもいかないよなぁ。
7位 【Chrolony】 赤青緑 <多用途な逸品 ラスヌーのヘリオン 巧みな交渉術>
残念ながら最下位だ。とはいえ上述の通りに2つは勝っているわけで、かくいう私は初戦で当たって1セットも取れずにボコボコにされている。2ターン目の「密輸人の回転翼機」、なんかこないだも見た気がするんだけど。ホントに心折れるから勘弁して。その他、レアでいうなら「多用途な逸品」と「ラスヌーのヘリオン」がいて、こちらはエネルギー戦術を後押し。というか、この3色になったのはエネルギー絡みのカードを集めていった結果だろうよ。ピックを見ると「つむじ風の巨匠」からイゼット方面で割と固めていたはずなのだが、2パック目の「崇高な飛行士」あたりで何かがほころび、3パック目「牙長獣の仔」「亢進するサイ」のセットであっさり陥落した模様。このラインナップだと2マナ、3マナ域に緑が集まるのでマナ事情がクソ難しそうなのだが、魔法の言葉は予言のプリズム。ここまでの傾向を見るに割と色を散らす性格のようだが、何故か色マナで四苦八苦している様子はあんまり見たことがないんだよな。こちとら2色でも事故る時は事故るのに。まぁ、「霊気との調和」とプリズムのおかげで、緑に腰を据えてしまえば色は散らしやすい環境ではあるんだけど。後は、色じゃなくて攻め筋を散らさないように全体を見ていくだけやな。そして、落ち着くことやな。全試合を消化しきった直後に「もう1戦しませんか」って聞くのやめーや。
今回のピック表
【Sangriter】(青赤)→【Mei】(白黒)→【Chrolony】(赤青緑)→【Sea-chicken】(青緑)
↑ ↓
【Thraxi】(黒青白)←【Serra】(黒緑)←【Alessi】(白赤)
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