最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
クロスアウツしたドタチンがやけに格好いい第18話。いや、ドタチンは割といつでも格好いいな。 予告の通り、今回は紀田がメインの回想話。ただ、これまでずっと引っ張ってきた重要なファクターであるはずの三ヶ島沙樹との関係や、過去の罪などの重要な情報が、たった1話であっさりと描かれてしまったのはいささか拍子抜けである。紀田君の苦悩も分かるのだが、ダラーズと帝人の関係性はまるまる1クール分ひっぱるくらいの中身があり、罪歌と園原の関係性もここまで長々と見せてくれたのに、その2つの勢力と対立すべき黄巾族のエピソードが1話で終わってしまうと、何となく物足りない気はしてしまう。まぁ、そこまでバックボーンが無いっていうことなんだろうけどね。 ただ、その「背景の薄さ」は、黄巾族という勢力の性格を端的に示していると言うことも出来る。3つの勢力と、それぞれのボスと呼べる3人の高校生のキャラクターを対比させていくことで、池袋に渦巻く三つどもえが面白い形で浮き上がってくる。今回のエピソードは、そうした「三者三様」の対比を浮かび上がらせる構図の取り方が、実に興味深かった。 今回最も意外だったシーンは、多分ものすごく些細な場面なのだが、ブルースクウェアのリーダー(泉井というらしい)と紀田が電話で話し終わった後に、紀田が自分の携帯を投げつけるシーン。普通に考えるなら、開きっぱなしの携帯を叩きつければ、「ぐしゃっ」というのがおきまりの展開のはず。紀田がその後に臨也に助けを求めるというストーリーの進行上、携帯がそこで壊れるのはまずいのであるが、それならアニメ的な自然さを求める場合、携帯を投げるシーンはいらなかったようにも思える。 しかし、紀田は携帯を投げ、その結果として携帯は壊れなかった。このワンシーンで痛切に感じ取れるのは、叩きつける力すら頼りない、紀田の「弱さ」そのものではないか。静雄やセルティ、臨也といった化け物クラスの「力」が蠢く池袋の中で、紀田は本当に弱い。一応罪歌・ダラーズという2大勢力に対抗するだけの「黄巾族」という力を手にしてはいるものの、本人が「俺たちはガキだ」と言っているように、その力に後ろ盾はないし、いざライバルに実力行使に出られると、大切な人を守るコトすら出来ない。走るだけ走りながら沙樹の救出を目の前にして足がすくんでしまったという消せない罪も、紀田の弱さを示す最も端的な部分。黄巾族という集団、力が表すものは、どうしようもない個人の「弱さ」と、それに目を向けたくないという後ろ向きな「虚飾」だ(それ故に臨也に利用されることになったわけだ)。 対して、他の2つの勢力は違う。帝人は、ただ集まるだけで何も出来ないダラーズを「弱いものである」と認識しているし、実際に結束が最も緩く、集団としての「強さ」では最も劣るはずなのだが、矢霧製薬との戦いで見せた「数の強さ」は紛うことなきものであるし、帝人自身、その影響は自覚している。本来弱いはずの「集まるだけのモノ」が強さを持つという逆転構造こそが、ダラーズと帝人を象徴するものである。それは「弱さ」を自覚し、逆手に取ることによって得られる武器としての「虚飾」だ。 そして、園原が持つものは、血脈という強い結束力を持ち、武力としても最も直接的な影響を持つ罪歌という力。その源となったのは、罪歌と相反し、どうしようもない弱さにうちひしがれた園原の人生観そのものであり、贄川春奈に語って聞かせた、依存するという「弱さ」の表れ。罪歌を支配するという行為こそが、園原の「弱さ」であり、愛するという本質的な力を否定する「虚飾」である。 こうした、帝人と園原という2人の主要キャラの「弱さ」はこれまで存分に見せられていたのであるが、普段飄々としてつかみ所のない紀田の場合、その本質的な「弱さ」はこれまで見えていなかった。しかし、今回のエピソードを通して、最も弱いキャラクターであることが浮き彫りにされ、それだけに、今回の三つどもえの抗争に対する必死さも伝わってくる。ラストシーンで園原を追いかけるべく走り出した紀田が、過去に沙樹を助けにいかんと駆けだした情景にフィードバックするのはその表れであろう。「今回こそ立ち止まらずに済むのか」という、彼の内心の「怯え」の表出である。 振り返ってみると、紀田は「黄巾族を抜ける」と宣言し、その決断をした自分に対して何か満足感が得られたように語っているが、彼の髪の毛やカバンの色など、意識してみれば全く黄巾族のしがらみから抜けられていないことが分かる。帝人という「日常」の体現者を呼び出したことも、その「逃げ」を端的に表す事実であろう。沙樹の病室を訪ねられるようにこそなっているが、彼女の台詞を最後まで聞けないのも、ふざけてお茶を濁すのも、彼の弱さ故。改めて、一貫したキャラクター描写と伏線の散らせ方を確認してみたい部分である。 今回も色々と観るべき部分が多かったわけだが、個人的には「この作品の女どもは本当にキチガ○しかいねーのかよ」という感想が一番大きい。園原杏里・矢霧波江・張間美香・贄川春奈……ストーカーばっかじゃん。一番まともなのは狩沢さんじゃないですか?! そして、チームドタチンの格好良さも今回際立つ要素。ドタチンの男前っぷりは言うに及ばず、湯馬崎のぶっ飛んだ芯の通り方も、それを平気で後押し出来る狩沢さん達の奇妙な連帯感も、うじうじと悩むキャラクターの多いこの作品の中で、理屈抜きで楽しめる純粋な「格好良さ」だと思います。街頭のでかいディスプレイに「バッカーノ!」の映像を映したのも、ひょっとしたら彼らのオタクパワーかもしれませんぜ。 PR |
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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