でかいタマを止めるには、でかい腕が欠かせない第9話。流石やDr.ミナミ! アメリカ人の考える作戦はやっぱり世界一やで! ……見た瞬間はロックマンワールド版のワイリーマシンを思い出したけど、後で考えたら「突撃の地鳴り/Seismic Assault(10ED)」の方が近いかもしれません。
で、そんなこんなでいつのまにやら最終決戦の様相の今回。大崩落を起こした割には、ヒーローマンのおかげでジョーイが無傷。お兄ちゃんが頑張ったおかげでリナも無事でした。息を吹き返したジョーイが「リナー! ウィルー!」って呼んでるのが何とも薄情な気がして切なくなりました。……ニックの名前も呼んでやれよ……あの崩落だったら、ニックもウィルも生存率は大して変わらないだろうに。
とにかく生き残ったジョーイは、女の子を放置して奥へ進むという外道な選択をしつつ、サイ達と合流する。サイと教授は強化版の音波発生装置のおかげで何とか雑魚スクラッグからは逃れられていたわけだが、今になって思うと、スタート地点でジョーイ達と分かれたのは何でだったんでしょうね? どうせ進入時点でウィル&ニックもタマの生産ラインもどこにあるのか分からなかったから、単純に捜索範囲を広げる目的だったのかしら。いくら自分の開発したマシンに自信があると言っても、手製の武器だけで単独行動を取る気になる2人の無謀っぷりには惚れ惚れします。実際、雑魚には効いてるのも凄いけどさ。パワーアップさせた効果はあんまりわからんなぁ。
しかし、いくらパワーアップしてもラスボス・ゴゴール様にはそんなものは通用しない。騒音をがなり立てるだけの2人を軽くあしらうと、「交渉など無意味」と悪役らしい台詞を吐きながら2人をひねり潰そうとする(ビーム兵器を使った方が楽だと思うのだが、ゴゴール様は持ってないのかしら)。そして、ピンチに駆けつけるのが真のヒーロー。殴るしか能がないヒーローと、眉毛ビローンが特技のラスボスによる、珍妙バトルのスタートだ。
正直言って、今回のバトルはあまり面白くない。ゴゴール様の変身はこの手のバトルものでは王道だけど「あと2回変身を残しています」とかいう注釈もないので意味が分からないし、羽根をはやしてヒットアンドアウェイを主軸に戦うファイトスタイルは、正直言ってラスボスらしさがない。その戦法は、三下臭がプンプン漂ってきますよ。だって飛翔の蝙也の技ですよ。ボスキャラなら堂々と殴り合いましょうよ。しかも、スピードで上回ったから勝ち! みたいなことを言ってるのに何故か自分から触角を伸ばしてパワー勝負を挑んでみたり、挑発した割にはジョーイにあっさり追い抜かれたりと、ボスキャラならではの見せ場がいまいち映えてこない。ジョーイのアクセラレイトもスロー画面だとなんかもっさりするし、「ジョーイがシールドで反射」→「ヒーローマンがリバウンド取ってパンチ」っていう作戦もゼルダの伝説の鬱陶しい中ボス戦みたいなイメージだ。そりゃま、この作品でみんなの度肝を抜く作戦勝ちなんてものは期待してないけど……普通に戦ってくれれば画面の質は低くないと思うんだけどなぁ。勿体ない。
まぁ、流石にワンパンチで死ぬようなみっともないことはないので、次回のゴゴール様大反撃に期待しましょう。ヒーローマンが怒りに身を任せて暴走……って、彼はジョーイが失神しても機能するのか。そしてジョーイが倒れたことで発憤するような感情があるのか。これまでそのあたりのディティールはちょっとぼやかして描かれていたので、来週の展開は引っかかりを覚えつつも、気になるところではあります。でも、やっぱり気になるのはDr.ミナミなんですけどね。出撃、でっかい腕!
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