最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
第3位 ‘05「かみちゅ!」 ’06「BLACK LAGOON」 ‘07「sola」 ’08「喰霊-零-」 ‘09「ささめきこと」 ’10「刀語」 ‘11「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」 ’12「黄昏乙女×アムネジア」 ’13「有頂天家族」 ’14「月刊少女野崎くん」 ‘15「えとたま」 ‘16「RE:ゼロから始める異世界生活」 今期前半戦を支えてくれた、ファンタジーアニメの屋台骨といえばこの作品を避けて通ることは出来ないだろう。壮絶死に戻りファンタジー、リゼロである。毎週手に汗握りながら楽しませてもらったことは各週感想の方で確認していただきたいが、とにかく視聴者を飽きさせず、「次に何が起こってしまうのか?!」という純粋なストーリーへの興味だけでグイグイ引っ張る骨太な構成は、昨今のラノベアニメでは希有な存在感を放っていた。 ループものという設定は今のアニメ業界、というかオタク産業界全体を考えてみてもなかなか皮肉なもので、例えばアニメの場合、我々は1クールというスパンを規準に、1つのコンテンツが消費し終われば、次のクールではまた似たような、「次の世界」を求めて同じような場所をグルグルとうろつき回っている。そんな堂々巡りのような非生産的な状況下でも、少しでも新しいもの、少しでも前に進めるものを探しながら、次の時代を生き続けている。リゼロのようなループものがオタクから不思議と共感を得やすく、ヒット作が出るのはそうした時代背景があるから……かどうかは定かでないが、とにかくスバルの「生き方探索」は非常にスリリングで見応えのあるものだった。どうやら業界的にもかなり期待を寄せられた作品らしく、毎週素晴らしいクオリティで映像が作り上げられていたし、狙い通りの画が完成する保証があれば、演出家も気合いを入れて色々な試みに挑むことが出来る。単にストーリーのメリハリというだけでなく、悲劇を中心とした作劇に合わせ、毎週作り手側が「ただ見せるだけでは終わらない」という気概を持って一段上の映像を作ってくれていたことも大きな魅力である。グロなら全力でグロ、萌えなら全力で萌え。とにかく発揮すべき要素を一つたりともこぼしてなるものか、という気概がこの作品を高い完成度に引っ張り上げたのだろう。 白鯨戦以降、いささか調子を下げた感があるので惜しくも今期トップというわけにはいかなかったが、2クールという長丁場を考えれば、平均点では頭抜けた存在だったのではなかろうか。個人的に今作で一番すごいと思うところは、「主人公があんなにムカつくのに面白くて見てしまう」っていう部分だな。スバルの野郎、絶対友達にはなりたくないんだけど、今度会ったら少しおごるくらいはしてやるか……みたいな存在感が絶妙だったなぁ。
準グランプリ ‘05「魔法少女リリカルなのはA’s」 ’06「コードギアス〜反逆のルルーシュ〜」 ‘07「CLANNAD」 ’08「コードギアス 反逆のルルーシュR2」 ‘09「獣の奏者エリン」 ’10「STAR DRIVER 輝きのタクト」 ‘11「花咲くいろは」 ’12「人類は衰退しました」 ’13「銀河機攻隊マジェスティックプリンス」 ’14「四月は君の嘘」 ‘15「昭和元禄落語心中」 ‘16「ふらいんぐうぃっち」 正直、この作品をどこに置くべきかは最後まで悩んだ。ファンタジー部門で受賞させてもいいし、技術賞候補でもあり、ユーモア賞候補でもあり。しかし、やはりそうした断片的な評価では今作の得も言われぬ多幸感は筆舌尽くせぬ。文句無しで、「今期最高に面白いアニメ」だったのだ。具体的な寸評については番組感想でおよそ記述しているのでそちらを参照してほしいが、とにかく「世界の見え方」が美しすぎて、このまま永遠にアニメの中に埋没してしまいたいと思えるのが最大の魅力。そこには田舎の町に対する憧憬、望郷、羨望、色々な感情が渦巻いているんだろうが、まぁ、分かりやすくまとめるなら「癒し」なのであろう。原作コミックを読んで度肝を抜かれたのは、そのあまりの淡泊さ。確かにあっさりとした演出はアニメでも踏襲されているのだが、アニメの場合はあっさりした部分を引き立てるため、背景美術を筆頭に「世界作り」に相当な手数を費やしている。その辺をフラッと散歩するためだけに、その世界の全てを1から作り上げ、「散歩したい」世界を我々に見せつける。そして、せっかくそんな世界でアニメを作るのなら、ってんでアニメならではのサービスも嫌味にならない程度にそっと添えて届けてくれる。本当に、有るのが当然のように見えてしまっても、そこにあるのは本当にお客さんのことを考えた心遣い。これこそ和の境地。おもてなしの心である。 心の底からのありがとう。疲れた日常に、アニメの癒しを。
グランプリ ‘05「ぱにぽにだっしゅ」 ’06「うたわれるもの」 ‘07「電脳コイル」 ’08「SOUL EATER」 ‘09「空中ブランコ」 ’10「けいおん!!」 ‘11「へうげもの」 ’12「ヨルムンガンド PERFECT ORDER」 ’13「凪のあすから」 ’14「ユリ熊嵐」 ‘15「響け!ユーフォニアム」 ‘16「昭和元禄落語心中 -助六再び篇-」 毎年ラインナップが変わるのが当然なので、本企画では声優部門でのみ「重複受賞の禁止」を設定している。まぁ、最近は分割2クールなんかも多いので、同一タイトルが2年以上にわたってノミネートされることも少なくないのだが、過去にこうした制限について多少なりとも悩んだのは「けいおん」の扱いくらいだっただろうか(09年に努力賞、10年にグランプリ選出)。そして、本作である。1期目は昨年度の準グランプリに選出。そして、実は今年もグランプリを争う候補に本作と「ユーフォ」が並んでいたのである。我ながら単純だし、代わり映えしないのも企画としてどうなんだろうと思い、断腸の思いで今期「ユーフォ」はノミネートから外した。一応、あちらは1期の方がインパクトがあったので、2期を外すことはそこまで問題ではないと判断したためだ。しかし、この作品はその基準に該当しない。もちろん1期も素晴らしい作品だったが、その1期の蓄積をそのままに、2期では更なる衝撃を与え続けてくれたのだから。 三つ子の魂の言葉通り、幼少期の人格形成に影響を与えたものは、死ぬまで人生について回る。私の場合、その1つに「落語」という文化があり、大きくなってから沼に沈んでしまった「アニメ」という娯楽と融合することで、現在の私を袋叩きにする圧倒的な「力」にまで成り上がった。結局書くことは去年と同じだ。「落語」が面白く、「アニメ」が面白い。そこに現れた「落語アニメ」が面白い。当然のことだ。 否、当然ではない。落語なんてものは座布団1枚の上で繰り広げられるものであり、世界の創造、展開を最大の武器とするアニメーションには元々そぐわないものであるはずなのだ。しかし、畠山守監督はそんなことは百も承知で、「落語のアニメなんて面白くならないだろ」という我々素人の浅薄な考えをあっさりと裏切ってくれる。アニメーションの限界なんてものは誰にも分からないのだ。いくらでも描きようがあるし、いくらでも魅せる作り方は転がっている。考えてみりゃ「実在し得ないもの」を描くことがアニメの最大の強みであるなら、「落語アニメ」という「実在が危ぶまれるもの」こそ、アニメーションというジャンルの本領の見せ所だったのかもしれない。アニメに何ができるのかを考える上で、今作の果たした功績はあまりにも偉大である。
<サブタイトル部門> 個々のエピソードにスポットを当てていくサブタイトル部門。流石に5分アニメとかだと判断が難しいが、やはり「週に1本、30分」という枠で提供されるシリーズアニメってのは、1本1本のまとまりってのはどうしても無視出来ない要素ですわね。これを12本ないし13本でいかに組み上げていくかが、シリーズ構成の腕の見せ所だ。ちなみに、毎年のことなので断り書きしておくが、本部門では第1話および最終話は基本的に選出しない。1話目はどの作品も力を入れていることが多いしイレギュラーな場合も少なくない。そして最終話はどうしてもその作品全体の評価と切り離すのが難しく、単体での評価が困難になるためだ。まぁ、実は最初期のグランプリ(2005年度)は1話目をトップに持ってきてるんだけどね。 さて、具体的にどんなお話が印象深かったかを振り返ってみよう。まず、どうしても個人的に無視出来ないのは「推しヒロイン活躍回」という区分。好きなキャラが駆け回っているというだけで、それはもうお腹いっぱいになってしまうわけですよ。具体的に見ていくと例えば「アクティヴレイド」第3話「天使と破壊神」。2話までほとんど姿を見せずにやきもきさせてくれたあさみちゃん大爆発の回。1期ではエリートだった彼女が、大阪に送られて完全に別キャラとしてぶっ壊れた様子が嫌というほどたたき込まれるとんでもないお話だ。同様のあさみちゃん回では7話「絶対ピーピング宣言」もアホさ加減が突き抜けていて甲乙つけがたい。突き抜けた馬鹿ッぷりだと、「この素晴らしい世界に祝福を!2」より、第4話「この貴族の令嬢に良縁を!」をピックアップ。溜めに溜めて爆発させたダクネス回である。続く5話ではバニルさんという盟友を得て更に加速していくが、ダクネス=ララティーナをたっぷり楽しみたいなら、やっぱり実家に乗り込んで弄り倒したいところ。更に「SHOW BY ROCK#」なら第2話「プラズマism」ですかね。圧倒的モア回なのでぴゅっるぴゅるですわ。 更に異色のヒロインといえば「リトルウィッチアカデミア」第8話「眠れる夢のスーシィ」は外せない回。スーシィ回っていうだけで無視出来ないが、彼女の個性を活かすために作品自体がねじ曲がり、異色の演出になっているのはアニメ的にも注目したい逸品。チェックするなら「宇宙パトロールルル子」第8話「不思議な力の罠」も合わせてチェックしておけよ。そして特定ヒロインのぶっ飛ばし回で金字塔を打ち立てたのは「装神少女まとい」第6話「ごめんなさい」。オープニングジャックして番組自体が変わりましたからね。あぁゆまちん、どれだけ自由な娘なのよ……。 もう少しシリアス路線でいくと、「亜人」第19話「飼い犬は大変だな」。こちらは濃厚な下村さん回ということになるが、彼女の場合は1期から少しずつ溜めて溜めて、ここで「戸崎さんラブ!」みたいなものが一気に噴き出して泣けてくるお話。恋愛と忠義って、どこかで切り離せるんですかね。より鮮烈な1人の女の子のエピソードとしては、「ViVid Strike!」第4話「リンネ・ベルリネッタ」は彼女の生い立ち全てに肉薄する内容でなかなかエグい。人が壊れるのも、壊すのも、とても簡単だったというお話。壊れずに救われるために必要な力を見せてくれるのは「キズナイーバー」第7話「七分の一の痛みの、そのまた七倍の正体に触れる戦い」。由多ちゃんによって救われる牧さんのお話で、彼女がようやく手に入れたキズナの尊さに涙を禁じ得ない。 人と人の繋がりというテーマで見ていくと、「アンジュ・ヴィエルジュ」第6話「嘘の笑顔」もけっこう気になるお話でしたね。まぁ、単にヤンデレ百合が好きっていうだけかもしれませんが。ヤンデレならおまかせ、「ダンガンロンパ3 絶望編」は第9話「雪染ちさは笑わない」。全てが崩壊し、絶望へと向かうどん底ストーリー。雪染先生の眼球を止めるストッパーになりたい。ヤンデレは駄目、ってんなら純粋な百合にしましょうか。「Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ドライ!!」第4話「弱虫の妹へ」。百合ってレベルじゃないな! 「魔法使いプリキュア!」第49話「さよなら…魔法つかい!キセキの魔法よ、もう一度!」を見て改めて百合とか、そういうものを勉強し直しましょう。みらいとリコの関係は理想の百合の1つと言えるでしょう。あとは「クズの本懐」第9話「Butterfly Swimmer」でしょうかね。えっちゃんも理想の百合の1つです。もう、何だっていいのかよ。 女の子の話しかしてない気がするけど、こればっかりはしょうがない。だって他にも「ラブライブ!サンシャイン!」より第4話「ふたりのキモチ」とかもすごい好きなんだもん。Aquourで1人選べって言われたら善子になるんだけど、エピソードの完成度でいったらルビ丸が好きでした。あとは「クオリディア・コード」だと8話「反転のクオリア」ですよね。つまり千葉が好きなんだ。っていうか妹が好きなんだ。この8話9話あたりから物語も核心に入り、色々と盛り上がってきた印象があるんだけど、全部千葉がもってってるんだよなぁ。 残りはもう少し真面目な話を書いていくか。まず、作品が完全にゾーンの突入する記念すべきエピソードとなったのは、「ユーリ!!! on ICE」第6話「グランプリシリーズ開幕!やっチャイナ中国大会!ショートプログラム」でしょうかね。ここからは、あとは怒涛の3大会プログラム通りというとんでもない構成なんですが、その口火を切ったのがこの中国大会。初めて観た時には唖然としてしまった。まさか、大会の内容がそのままアニメで楽しめるとは思ってなかったしね。プログラムの内容だと5話の南くんの演技が大好きだったんだが、内容だと6話以降がやっぱり異質。異質さだけでいうなら、個人的に「これはひょっとして変なアニメなんじゃないか?」って匂いを感じた「けものフレンズ」第2話「じゃんぐるちほー」。ジャパリバス初登場、さらにフレンズを駆使したかばんさんの暴力的な知性の発揮と、全ての始まりはここからだったのかもしれません。存分に発揮された狂気といえば、「競女!!!!!!!!」第10話「東西線第二レース!!!!」。まぁ、一言でいうとヒップオブバビロンの回ですね。もう、これを見た瞬間に「嗚呼、この国駄目だな」って思いますもんね。そんな狂気、誰が望んだんだっていう。 さて、ラストで選ぶかどうかを悩んだ残りは3本。まず、「昭和元禄落語心中」より、「第十一話」。菊さんと信さんの死出の旅路のエピソードだが、「死後」の顛末をここまでの物語に仕上げられた時点で、今作の「生」の側面の濃密さが分かるはずだ。あらゆるものを背負い、抱え込んで生きてきた菊さんが、最後の最後で報われ、幸せな最期を迎えたことがよく分かる、涙無しでは見られない一作。同様に「最後」を飾ったお話では、直近の「ACCA13区監察課」より、第12話「鳥の行方」。まぁ、最終話だから本当は選考外なんだけど、今作の場合、やっぱりこのカタルシスを抜きには見ることができませんのでね。良い作品には、やはり良い幕引きが必要なのだ。そして、何故か鮮烈に印象に残っている一本は「3月のライオン」より、17話「銀の糸 他」。香子と三姉妹の初遭遇エピソードなのだけど、この接触によって、零の抱えているありとあらゆる「生き方」の問題が一気に吹き上げたような印象があったんですよね。そして、香子という女性が抱えてきた「生き様」が、零の隣でポロポロとこぼれ落ちてくるかのよう。なんだか、非常にやるせない気持ちになりながらも、決して切り離せない「家族」というものの本当の姿を見た気がします。 さて、残るはあと3本。先に断っておきますが、やっぱり女の子の話ばっかりです。
第3位 ‘05 「魔法少女リリカルなのはA’s」第4話「新たなる力、起動なの!」 ‘06 「×××HOLiC」 17話「ジショウ」 ‘07 「ARIA The ORIGINATION」 第9話「そのオレンジの風につつまれて…」 ‘08 「かんなぎ」 第七幕「キューティー大ピンチ! 激辛ひつまぶしの逆襲(後篇)」 ‘09 「獣の奏者エリン」 第48話「リョザの夜明け」 ‘10 「侵略!イカ娘」 第5話Cパート「飼わなイカ?」 ‘11 「ベン・トー」 #10「それは昔祖母の家で食べた温かで優しい味わい。心にも体にも優しい和の料理。梅とちりめんじゃこご飯と季節の野菜たっぷりの煮物弁当 480kcal」 ’12 「戦国コレクション」 COLLECTION-19 「Vengeful Fang-IS」 ’13 「ワルキューレロマンツェ」 第7話 「風車の下で」 ’14 「ユリ熊嵐」 第9話 「あの娘たちの未来」 ’15 「OVERLORD」第9話「漆黒の剣士」 ‘16「ふらいんぐうぃっち」第5話「使い魔の活用法」 まぁ、女の子って言っても人間とは限らないけどな!!! というわけで、「ふらいんぐうぃっち」を代表するお話はこの一本、つまりはチト散歩だぁ! もうね、猫好きにはたまらない一本だったわけですが、これを更にAパートBパートの複層構造に仕上げてくるというアニメスタッフの悪戯心が会心の出来のエピソード。何しろ今作最大の魅力である牧歌的な田舎の風景が、猫という何とも気紛れ、お気楽な目線から好き放題に堪能出来て、更にこれをあとになって真琴が追体験するという二重のうま味を持っているのだ。もう、本当に幸せな30分。はやく第2期とは「うぉーきんぐちとさん」とかが始まらないもんだろうか。
第2位 ‘05 「かみちゅ!」 第11回「夢色のメッセージ」 ‘06 「BLACK LAGOON」 #15「Swan Song at Dawn」 ‘07 「らき☆すた」 22話「ここにある彼方」 ‘08 「とらドラ!」 16話「踏み出す一歩」 ‘09 「とある科学の超電磁砲」23話「いま、あなたの目には何が見えていますか?」 ’10 「けいおん!!」 #20「またまた学園祭!」 ’11 「BLOOD-C」 第11話「たれをかも」 ’12 「中二病でも恋がしたい!」 EpisodeXI 「片翼の堕天使」 ’13 「げんしけん二代目」 第11話 「いい最終回だった」 ’14 「少年ハリウッド HOLLY STAGE FOR 49」 第5話 「エアボーイズ」 ’15 「ハイキュー!! セカンドシーズン」第24話「極限スイッチ」 ‘16「響け!ユーフォニアム2」第9話「ひびけ!ユーフォニアム」 ユーフォは今年は意図的にノミネートから外している部分があるんですが、まぁ、流石に本部門では外すわけにもいかない。さて、問題は2期で1本だけ選ぶとして、一体どのお話を選んだらいいものか、ということ。序盤は鎧塚問題があるので優子や中川先輩にも見どころが多いし、演奏シーンが荘厳な関西大会だって外せないエピソードだろう。しかし、昨年この部門で私がトップに選んだのは「おまつりトライアングル」なのだ。つまり、久美子と麗奈の魂の交感だったのだ。やはり、本作は女子高生どうしの生の触れ合いを味わい尽くしてこそナンボであろう。久美子と麗奈のお話を選ぶとすると、どうしても花火大会の1話目を持ってこなければいけないので選出規準に抵触してしまう。麗奈との物語は1期でおよそ片付いているのだから、2期目を代表する関係性といえばやはり久美子と田中あすか先輩の対決ということになるのではなかろうか。となれば、クライマックスとなるのは実際の殴り合いを演じた10話になるはずなのだが、より肉薄した「接触」があったのは、この9話だったんじゃないかと思い、敢えてサブタイトルドンでこの話数を選ばせてもらった。あすか先輩の実家を訪れることになった緊張感。そして、あすかが日々を過ごす空間に振れ、衝撃の告白に振れ、少しずつ見えてくる彼女の内面。空気を読まず、「性格が悪い」黄前久美子は、そんなプライベートな空間から、少しずつ彼女の内面へと浸透していく。この時のお宅訪問があったからこそ、次のエピソードで二人は殴り合えた。河原でのユーフォニアムがあったからこそ、久美子はなりふり構わずに全力であすかに飛びかかれた。彼女達の関係性を決定づけ、「ラスボス」を撃破する直接の要因となったのは、このお話の方なのである。 あの頃の暴君はもういない。田中あすかは、眼鏡の奥に素直な心を隠した可愛い女の子なのである。
第1位 ‘05 「フタコイオルタナティブ」1話「コロッケとヘリと地下ボクシングと私」 ‘06 「涼宮ハルヒの憂鬱」 12話「ライブアライブ」 ‘07 「CLANNAD」 第9回「夢の最後まで」 ‘08 「喰霊-零-」 第9話「罪螺旋-つみのらせん-」 ‘09 「CANAAN」 第11話 「彼女添」 ‘10 「探偵オペラミルキィホームズ」 第4話「バリツの秘密」 ‘11 「花咲くいろは」 第十七話「プール・オン・ザ・ヒル」 ’12 「スマイルプリキュア!」 第23話「ピエーロ復活! プリキュア絶対絶命!!」 ’13 「有頂天家族」 第六話 「紅葉狩り」 ’14 「四月は君の嘘」 第6話 「帰り道」 ’15 「響け!ユーフォニアム」第8話「おまつりトライアングル」 ‘16「RE:ゼロから始める異世界生活」第18話「ゼロから」 女の子の話、天使を作った話。そして英雄を作ったお話である。 当然、リゼロにもたくさんの素晴らしいエピソードがあり、どれか1つをピックアップすることは半ば必然であった。果たして何話がベストエピソードと言えるのか。まず浮かぶのは、本作最大のキーである死に戻りに大きな意義を与え、「勇気ある後退」を選択させた第7話「ナツキ・スバルのリスタート」。細田直人による見事なアクション作画が冴え渡る10話「鬼がかったやり方」。そしてどうしようもない絶望を全力で描ききった15話「狂気の外側」。どれもこれも、一筋縄ではいかない今作の様々な魅力を別方向から沸き立たせた秀作である。 そして、こうした絶望のエピソードが積もりに積もって、スバルが「死に戻る」ことを諦めた転機がこの18話。リタイアを宣言したスバルは本当に格好悪いはずなのだが、それでも、ここまでの圧倒的な苦闘を見れば、視聴者は「やむなし」と飲み込んでしまうところ。しかし、彼の前に立ちはだかったレムだけは違う。事情を知らぬ彼女は、本来ならスバルの悩みだって理解など出来ていない。それにもかかわらず、彼女は真正面からスバルの弱音に掴み掛かり、その豪腕でねじ伏せてしまった。そこにあるのは、ただ圧倒的な慈愛のみ。自分の惚れた男を馬鹿にする人間は絶対に許さない。それがたとえ、本人であったとしても。レムの慈愛はスバルが吐き出す絶望をことごとく打ち倒し、最終的には全ての弱音を消し去り、そこに1人の英雄を生み出すに至る。本当に何も無かった男が、たった1人の女性の慈愛により、「ゼロから」英雄に成り果てる。言わば世界創造の物語なのである。 ほぼまるまる1話をスバルとレムの対話のみに費やすという実に挑戦的なこのエピソード。取り立てて画面に変化もなく、退屈になってもおかしくない、普通に考えたらつまらない画面になってしまうはずなのだ。しかし、スバルとレムのぶつかり合いには一部の隙もなく、一言一句が互いを計り、世界を作る役割を果たしていく。少しずつ光を増す世界を、ただ語らう2人の空間だけで構築していく。あまりにも大胆不敵なこの作劇は、レムという神の創造を語るためには欠かせない舞台設定であった。ゼロから始めよう。そう言ってレムが光をもたらし、新しい世界が始まるのである。
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Thraxi
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声優のこと全般
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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