最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
2016年度・俺的アニメグランプリ
まだ終了してない作品もちょっと残ってるけど、僕の春休みの宿題は毎年コレです、そう、俺的アニメグランプリ。「継続は力なり」を信じて、ブログ上では8年目、人生を通じて12年目。12年……干支が一周しちゃったよ……12年間もアニメを観るだけで生きていける人生、本当に幸せだなぁ(虚ろな目)。いや、でも本当にありがたいことでね。このブログだって、ただひたすら自分の欲求を満たすためだけに書き殴ってる代物なのに、たまに反応してくれる人とかもいるしね。私の奇異な性癖の極まってるところは、こうして文章を書き連ねていることが自己顕示欲とか、承認欲求だけからきてるものじゃないってことなんですよ(まぁ、そういう要素も少なからずあるけども)。多分、誰にも反応されずとも、時間と気力があれば書き続けていくんでしょうよ。いや、流石にブログ文化が完全に終わりを告げ、誰も見てくれなくなったら書かなくなるのかもしれないけど。……どうなんでしょうね。まぁ、終わってから考えよう。 昨年分以前は「アニメ・雑記」タグから遡れますので、興味がある方は頑張って過年度分を探してみてください。毎年のことなので断り書きをコピペしておくと、タイトル賞の選出は何故か毎年「仮装大賞」の賞に依っており、タイトル部門以外の賞は、基本的に3位まで取り上げてある。元々「単にベストを記載するだけだと枠が足りない」っていう理由で無理矢理分量を増やすための措置だったんだけど、今となっちゃぁ、これでも窮屈なくらいね。 今期エントリーされたのは、「2016年4月期以降に終了した、もしくは現在放送中である」ことを条件として、ある程度最後まで視聴していた以下の170作品。……なんだこの数字。この期に及んでまだ増えたか。去年が総本数152で過去最高だったんだが……アニメ業界、飽和して弾けた方がいいとはしみじみ思うよね。ただ、例によって今年もショートアニメのカウントが増えており、今期は「こわぼん」までカウントしてるのでやや水増しされてる部分はある。更に分割の2期ものもあるのでそうした作品をまとめると実数は148本。1年365日、2〜3日に1作品ずつ観れば終わる計算やね(ニッコリ)。恒例なので確認しておくと、過去9年間の本数の推移は76→74→59→67→90→103(93)→132(121)→149(133)→152(129)→170(148)となっている(括弧内がショートアニメや分割を省いた数)。年間20本増って、軽く言ってるけど結構な事件やで。 更に、現代アニメ業界の変化は劇場版の本数にも表れている。今期、劇場に足を運んだ作品は、(春先のガルパン4DXは除いて)下記の17本。ちなみに、出来る限り劇場作品は感想を書くようにしているのだが、視聴前後がバタバタしていたせいで結局「傷物語Ⅲ」の感想は書かずじまいで終わってしまった。ちゃんと観たんですよ。 昨年までの推移を並べると7→4→6→12→8→6→9→17となり、史上最多を大きく更新した。これは商業モデルが劇場型に推移してるっていうのと、あと単に劇場に行く土壌が整っていたっていう理由。周りに話せる人間がいたせいでこれまであまりいかなかったプリキュア映画に行きまくってることからも分かるだろう。なお、毎年のことだが劇場作品については「基本的に」このグランプリの選出規準からは外すようにしている(割と例外措置が多かったけど)。今年は色々と劇場作品の話題は多かったが、どうしたものかしら。
○一応ある程度見ていたエントリー作品(アイウエオ順・ショートアニメは()で表示) 「アイドル事変」「アイドルメモリーズ」(あいまいみー~Surgical Friend~)「青の祓魔師 京都不浄王篇」「AKIBA'S TRIP -THE ANIMATION-」「アクティヴレイド -機動強襲室第八係- 2nd」「亜人(第2期)」「ACCA13区監察課」「甘々と稲妻」「あまんちゅ!」「アルスラーン戦記 風塵乱舞」「暗殺教室(第2期)」「アンジュ・ヴィエルジュ」「あんハピ♪」「うしおととら(第2期)」「うたのプリンスさまっマジLOVEレジェンドスター」(宇宙パトロールルル子)「うどんの国の金色毛鞠」「うらら迷路帖」「エルドライブ【élDLIVE】」「ALL OUT!!」「オカルティック・ナイン」「鬼平」「orange」「ガーリッシュナンバー」(怪獣娘~ウルトラ怪獣擬人化計画~)「ガヴリールドロップアウト」「CHAOS; CHILD」「学戦都市アスタリスク(第2期)」(影鰐 -承-)「かみさまみならいヒミツのここたま」「カミワザ・ワンダ」「キズナイーバー」「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ(第2期)」「機動戦士ガンダムUC RE:0096」「逆転裁判」「境界のRINNE(第2期)」「キラキラ☆プリキュアアラモード」「銀魂.」「クオリディア・コード」「クズの本懐」「くまみこ」「クラシカロイド」「クロムクロ」「競女!!!!!!!!」「けものフレンズ」「甲鉄城のカバネリ」「この素晴らしい世界に祝福を!2」「この美術部には問題がある!」「小林さんちのメイドラゴン」(こわぼん)「コンクリート・レボルティオ THE LAST SONG」「SERVAMP -サーヴァンプ-」「斉木楠雄のΨ難」「坂本ですが?」「3月のライオン」「三者三葉」「灼熱の卓球娘」「12歳~ちっちゃなムネのトキメキ~」「12歳~ちっちゃなムネのトキメキ~(第2期)」「終末のイゼッタ」「ジョーカー・ゲーム」(SHOW BY ROCK! しょーと)「SHOW BY ROCK!#」(少年アシベGO! GO!ゴマちゃん)「少年メイド」「昭和元禄落語心中 -助六再び篇-」「食戟のソーマ 弐ノ皿」「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない」「SUPER LOVERS」「SUPER LOVERS2」「スカーレットライダーゼクス」「スクールガールストライカーズ Animation Channel」「ステラのまほう」「聖戦ケルベロス 竜刻のファタリテ」「セイレン」「装神少女まとい」「双星の陰陽師」(侍霊演武:将星乱)「タイムトラベル少女」「タイムボカン24」「田中くんはいつもけだるげ」「タブー・タトゥー」「ダンガンロンパ3 The End of 希望ヶ峰学院」「チア男子!」「チェインクロニクル~ヘクセイタスの閃~」(ちるらん にぶんの壱)「ツキウタ。THE ANIMATION」「DAYS」「テイルズオブゼスティリアザクロス」「テイルズオブゼスティリアザクロス(第2期)」「デジモンユニバース アプリモンスターズ」「亜人ちゃんは語りたい」「テラフォーマーズ リベンジ」「TRICKSTER」「ドリフターズ」(とんかつDJアゲ太郎)「91days」(ナゾトキネ)「夏目友人帳 伍」「七つの大罪 聖戦の予兆」「ナンバカ」「虹色デイズ」「NEW GAME!」(にゃんこデイズ)「ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン」「ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?」(バーナード嬢曰く。)「ハイキュー!! 烏野高校VS白鳥沢学園高校」「ハイスクール・フリート」「ばくおん!!」「初恋モンスター」「バッテリー」「はんだくん」(パンでPeace!)「ハンドシェイカー」「Bang Dream!(バンドリ)」「ハンドレッド」「B-PROJECT ~鼓動アンビシャス~」「美少女戦士セーラームーンCrystal」「ビッグオーダー」「美男子高校地球防衛部LOVE! LOVE!」「響け!ユーフォニアム2」「ViVid Strike!」「風夏」「舟を編む」「Fate/Kaleid liner プリズマイリヤドライ!」「不機嫌なモノノケ庵」(腐男子高校生活)「ブブキ・ブランキ 星の巨人」(Planetarian〜ちいさなほしのゆめ〜)「フリップフラッパーズ」「ブレイブウィッチーズ」「文豪ストレイドックス」「文豪ストレイドッグス(第2期)」「ふらいんぐうぃっち」「ヘボット!」「ベルセルク」「僕のヒーローアカデミア」(ぼのぼの)「MARGINAL#4 KISSから創造るBig Bang」「マギ シンドバッドの冒険」「マクロスΔ」「政宗くんのリベンジ」「魔装学園H×H」「魔法少女育成計画」「魔法使いプリキュア!」「迷家-マヨイガ-」「南鎌倉高校女子自転車部」「モブサイコ100」(闇芝居 第4期)「ユーリ!!! on ICE」「妖怪ウォッチ」「幼女戦記」「弱虫ペダル NEW GENERATION」「ラブライブ!サンシャイン!」「RE:ゼロから始める異世界生活」「リトルウィッチアカデミア」「龍の歯医者」「Rewrite」「Rewrite(第2期)」「ReLIFE」「リルリルフェアリル~妖精のドア~」「霊剣山 叡智への資格」「レガリア The three Sacred Stars」「Lostorage incited WIXOSS」「ろんぐらいだぁす!」「WWW.WORKING!!」「私がモテてどうすんだ」
○今期視聴した劇場アニメ作品 「プリキュアオールスターズ みんなで歌う♪奇跡の魔法」「ズートピア」「響け!ユーフォニアム〜北宇治高校吹奏楽部へようこそ〜」「傷物語Ⅱ 熱血篇」「傷物語Ⅲ 冷血篇」「Planetarian〜星の人〜」「君の名は。」「魔法つかいプリキュア! 奇跡の変身!キュアモフルン!」「劇場版マジェスティックプリンス -覚醒の遺伝子-」「聲の形」「この世界の片隅に」「ポッピンQ」「劇場版ソードアートオンライン -オーディナル・スケール-」「モアナと伝説の海」「プリキュアドリームスターズ」「結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章- 第1章 ともだち」「ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜」
<タイトル部門> 技術賞 ‘05「創世のアクエリオン」 ’06「がくえんゆーとぴあ まなびストレート」 ‘07「モノノ怪」 ’08「キャシャーン Sins」 ’09「化物語」 ‘10「デュラララ!」 ’11「輪るピングドラム」 ‘12「さんかれあ」 ‘13「蒼き鋼のアルペジオ-アルス・ノヴァ-」 ‘14「ピンポン The ANIMATION」 ‘15「ブブキ・ブランキ」 ‘16「3月のライオン」 アニメの技術力は日々向上してるなぁ、ということを感心する部門。選出規準が分かりやすいかと思えば実はそんなことは無く、受賞履歴を見ると純粋な描画技術を評している時もあり、巧みな演出技法を評している時もあり。最近は「CGだからすごい!」なんて単純なことにもならないので、なかなか選出が悩ましい部門である。 昨年と同じ規準を敷くならば、実は昨年と全く同じタイトルが2つ上がってくる。「ブブキ・ブランキ 星の巨人」と「亜人(第2期)」だ。つまりサンジゲンとポリゴンピクチュアズの比較。個人的にはより「日本のアニメ」に近いサンジゲンの作劇の方が好みではあるのだが、「亜人」もずっと見続けることで独自の味わいを見出すことが出来たし、今や「CG作画だからのっぺりしてて駄目だな」なんて一口に片付けられる時代ではない。今年は更にGoHandsによる「ハンドシェイカー」、ufotableによる「テイルズオブゼスティリアザクロス」、ボンズによる「モブサイコ100」、WIT STUDIOによる「甲鉄城のカバネリ」、フッズの入魂の一作「ドリフターズ」などなどなどなど、作画・デザインが売りの作品は枚挙にいとまがない。どれもこれも、丁寧な作画体制は一目で分かるし、並大抵ではない資金と労力が注がれていることが分かる秀作揃い。スタジオによって、「全力作画」と言っても力を入れる方向性が異なり、こうした渾身の作品を見比べてみるのも面白いだろう。 とはいえ、やはり「CGも上手く使って、とにかく細かいところまで描き込まれてる!」だけで感心しているもの芸がない。その細やかな描写力でもって、一体何を描くべきか、というところまで掘り下げてみてこその技術力である。日本のアニメはやっぱり萌えもの、ってことで、微に入り細を穿つ作劇が萌え方向に大きく費やされた作品には「三者三葉」がある。すでにブランドになりつつある動画工房の執拗なまでのモーション作画が、本当に無駄に(褒め言葉)費やされるこの贅沢さ。同様にして技術力をとにかく萌え方向に引き立たせるために注ぎ込んだ作品としては「ユーリ!!! on ICE」も忘れてはならない。こちらはコンテワークの時点で「テレビのフィギュア中継」というベースがあり、その上でアニメが何をプラスできるかを考えて作られているという点で、更に一段上の「技術力」と言えるだろう。「異質さ」という点から見ると「終末のイゼッタ」の丁寧な作劇もおさえておきたいところ。兵器+女の子なんてモチーフはもう随分使いつくされた感があったが、今作ではまた1つ新しい「萌え兵器」の歴史が刻まれたように思える。 技術の注ぎ先を「ドラマ」に集中させた作品としては、例えば「ハイキュー!! 烏野高校VS 白鳥沢学園高校」あたりが挙げられる。今年はスポ根の賑やかな1年になったが、やはり1作あげろと言われたらこの作品になるのではないだろうか。同様に「スポ根」でこそないが、青春の高ぶりを圧倒的な描写力でもって描き尽くした作品といえば「響け!ユーフォニアム2」が筆頭に来る。京アニだからこその別格の作画・作劇は、ブランドがブランドとして立ち続けられるだけの理由をまざまざと見せてくれるはずだ。 他と比較して差異の際だつ独自路線では、「フリップフラッパーズ」の作画演出も当然名前を挙げる必要がある。手描きアニメでどこまで楽しく、どこまで元気よく画面を作れるかという、古式ゆかしい日本アニメの原点を定めるような作品。そして、こうした「手を加える」方向性と逆方向でチャレンジを続けた作品としては「ACCA13区監察課」もピックアップしておきたい。動かす、騒がすという方向性で人の目を惹きつけることは難しくないだろうが、動かず、静まりかえった画面でもしっかりと関心を引き寄せられるドラマ作りというのは、ある意味で純粋な技術力と言える部分。適材適所、必要なリソースを必要な作品にまわす采配こそが、今後のアニメ業界存続のための一案なのかもしれない。 そして、こうした「動かさない」画面の先駆的存在と言えるのが、やはり我が道を貫き通し続けるシャフトというスタジオなわけで。最近は割と個性を抑えめにした作品が増えてきたが、「3月のライオン」のようにしっかりとゴールを見据え、描写すべき題材がはっきりした作品である場合、シャフト演出は大きな強みを持ちうる。今作のテーマである「将棋」もそうだし、「家族」の問題、ひいては「生きること」の問題を描き出す際に、「動く」だけではないアニメ的な表現技法の引き出しは多いに越したことはない。改めて、シャフトという制作スタジオの独自性、そして持ちうる強みを確認することが出来た作品であった。
努力賞 ‘05「蟲師」 ’06「ひぐらしのなく頃に」 ‘07「true tears」 ’08「かんなぎ」 ’09「けいおん!」 ‘10「世紀末オカルト学院」 ’11「ブラック★ロックシューター」 ‘12「TARI TARI」 ‘13「聖闘士星矢Ω」 ‘14「ばらかもん」 ‘15「デュラララ!×2」 ‘16「魔法少女育成計画」 何となく「がんばってたなー」って評する部門。毎年圧倒的な分かりにくさで、ぶっちゃけ「好きだけど他の部門に入れにくいアニメを勝手に褒めま賞」みたいになっている。でもまぁ、頑張り方にも色々あるわけでね。 例えば、昨今のアニメで「頑張ってるなぁ」と思うものといえばオリジナル作品である。原作があればある程度の目算も立つアニメ製作だが、原作無しで一から勝負するとなると本当にどう転がるか分からない。そんな中で上手くまとめ上げた作品というと、例えば「装神少女まとい」なんかが挙げられる。派手な作品ではなかったが、観たあとで決して損したとは思わせない作品だ。より長いスパンで頑張り続けた佳作には「クロムクロ」ってのもある。なんだろね、安定しすぎても目立たなくなってしまうものかね。「キズナイーバー」あたりも近い路線かなぁ。やってること自体は面白かったのに、いまひとつ話題性に欠けたというか。僕は好きなんです、この辺りが。 努力した結果なのか、努力を怠った結果なのか、今年度は悪目立ちの方でなら話題になった作品もいくつかあるが、その中で気になった作品には例えば「クオリディア・コード」がある。こちらもやってることは面白そうだし、1クールという尺で考えたら結果を残しているはずなのだが、如何せん作画という表玄関を整えることが出来なかったためにケチがついて回った作品。こういう作品を観るにつけ、我々が素直に面白いと思える作品ってのは多くの人たちの努力と、それをつなぎ合わせた奇跡によるものだということが分かる。そんな奇跡が起こらずに終わったのが「レガリア The Three Sacred Stars」でした。やっぱり、今年のアニメの総括をするときにここは避けて通れない話題だよな……。 話題をいくらかポジティブな方向に戻そう。原作付き作品は原作付きなりの難しさを抱えており、構成に賛否両論あったのが「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない」。個人的にはトータルで充分頑張ってくれたと思っているが、まぁ、なかなか100%の顧客満足度ってのは難しいってことでね。同様に「頑張ってたのは分かるが」というラインでは「オカルティック・ナイン」なんて変なタイトルも。いや、頑張る方向そっちじゃないから。きちんと「頑張ったなりの原作の楽しさ」を伝えてくれた作品なら、例えば「灼熱の卓球娘」あたりはどうだろうか。このくらいの原作を、このくらいの練度でアニメ化してもらうのが精神衛生上一番安全な気がします。あと、意外なところでは「斉木楠雄のΨ難」も悪くなかったんだよね。ちゃんとメタ度の高い原作のネタをアニメならではの要素に還元したり、色々と芸の細かいところで楽しませてもらえた。特別さはなくても、丁寧でさえあれば良い作品は生まれるのです。「リトルウィッチアカデミア」もそういう目線で「ありがとう」といえる作品かな。愛された元の形から、理想的な新作が出てくるっていうことは、当たり前に受容しながらも、その尊さを認識しなければいけない。そういう意味で、「ラブライブ!サンシャイン!!」のように「当たり前」を許されなかった作品というのはなかなか立ち位置が難しかったのだろうなぁ。 さて、最終的に私が「よく頑張ってくれた!」と思ったのは、結局原作がある作品だったのか、無い作品だったのか。「無い」サイドは実は最後に2つまで搾ったんだ。1つは、頑張ったっていうか、製作スタッフの精神状態が心配になる「ヘボット!」。だって、まともな神経じゃ作れそうもないし……。そして、もう1つは「アクティヴレイド -機動強襲室第八係- 2nd」。こちらも大好きな作品で、オリジナルコンテンツとして、きちんと2クール走りきってくれたことには本当に感謝している。これらの作品を並べてみた上で、やっぱり今期一番嬉しかったのは、1クールでビシッと締めてくれた「魔法少女育成計画」の存在だった。どこが特別という作品でもないのだが、ちゃんと原作の「良い」部分を抽出しながら、単にアニメにして垂れ流すだけでなく、「アニメではどのように見せたらいいか」が考えられた映像化。昨年の「六花の勇者」に通じる親切さ、丁寧さが、ハイレベルな作劇につながったのではなかろうか。是非とも、続くシリーズもアニメ化を狙ってほしいものです。
ファンタジー賞 ‘05「ふしぎ星のふたご姫」 ’06「あさっての方向。」 ‘07「天元突破グレンラガン」 ’08「RD 潜脳調査室」 ‘09「狼と香辛料Ⅱ」 ’10「あにゃまる探偵キルミンずぅ」 ‘11「うさぎドロップ」 ’12「Fate/Zero」 ‘13「翠星のガルガンティア」 ’14「ログ・ホライズン2」 ‘15「GO! プリンセスプリキュア」 ‘16「フリップフラッパーズ」 「そいつは何ともファンタジック!」を評する部門。広義に解釈してしまえばアニメーションなんてものは非現実なのだからどれもこれもファンタジーではあるが、そんな中でも独自の世界性ってものをどのくらい発揮するか、ってのがポイントになってくるだろうか。まぁ、過去の受賞歴を見ても方向性はいまいちはっきりしてないんだけどね。 今期は割とダイレクトに「ファンタジー感」の強い作品が多く、その背景にはいわゆる「異世界ファンタジー」と呼ばれるジャンルの隆盛が関係している。「なろう」系ラノベ(?)を中心に、アニメ業界でもすっかり手垢がついたジャンルとなっているはずのファンタジーは謎の隆盛を極め、根強くアニメーションというジャンルとの親和性の高さを見せつけている状態。例えば「RE:ゼロから始める異世界生活」あたりの作品は世界設定の時点でほぼ勝負が決まるような作品であるし、狭かった視野が少しずつ広がり、世界を展開する喜びが味わえる作品には「リトルウィッチアカデミア」のような魔法ワールドの楽しさもある。今期は「魔法つかいプリキュア!」でもある種の異世界ファンタジーが上手くまとめられており、やはり日本人の血筋には幼少期からこうした世界設定がすり込まれているものだ、ということを再認識させられる。 ここ10年程度のアニメ文化の動向として無視出来ない「ファンタジー」の動きにもいくらか注目したい事象があり、例えば、「日常系アニメ」と呼ばれる一連の平板なドラマ作品においても、そこにファンタジー要素が介入することでハイブリッドが形成されている様子が確認出来るのだ。例えばユル系の極致とも言える「ふらいんぐうぃっち」におけるファンタジー性の見せ方はむしろ斬新なレベルで、「日常の魔法」を心ゆくまで堪能させてもらえた。日常に潜む非日常のギャップを前面化した設定なら「小林さんちのメイドラゴン」も練度が高く、異世界に行ったり、異世界から来たりと、わが国日本は何とも賑やかな異世界交流が続くのだ。そういう意味では「かみさまみならいヒミツのここたま」も同じような異世界文化交流と言えなくもないのかな。交流が完全な「共存」まで進んだ作品が「亜人ちゃんは語りたい」ですね。まぁ、個人的には過去に「うさぎドロップ」をファンタジーに選んだこともあるくらいなので、幼女という異物の時点でファンタジー認識することもあるんですけどね。そういう意味では「甘々と稲妻」の世界も充分ファンタジー。幼女はフィクション。 ふわふわした優しさとは無縁のファンタジーも世の中には溢れており、幼女が殺伐とすれば「幼女戦記」になるし、少女どうしが命を取りあえば「魔法少女育成計画」になるだろう。「まほいく」は、アニメ文化史の側面から見れば、正当なまどマギフォロワーとして、固定ジャンルの1つの道しるべとしても注目される作品。異世界で命を取りあうことをむしろファンタジーから現実に引き戻し、全てを混交させた問題作としては「ドリフターズ」も見逃せない。「俺の大好きな英霊戦争」を脳内で描くのって、子供の頃にヒーローを夢想していたあの頃の稚気に通じるものがあるわけで、ある意味「ごっこ遊び」の極致みたいなものなのかもしれません。 さて、こうして色々「ファンタジック」な要素を見てきたわけだが、今期最後までトップ争いで悩んだのは、全く毛色の異なる「違う世界」のお話2つ。一本は、世界の無情さにただ1つの優しさが染みる「Planetarian〜ちいさなほしのゆめ〜」。ファンタジーというのも語弊がある気がするが、荒廃した地上に残された唯一の拠り所が「星の夢」であるという何とも寓話的なテーマは、心揺さぶるおとぎ話として一級のものである。ロボットの心とは何かという命題も、鉄腕アトムの昔から語り継がれる日本アニメーションの原点であろう。そして、そんな子供の夢も、大人の妄想も、誰かの悪夢も、全てを引っくるめて「全部同じ世界に仕立て上げてやるぜ!」というとんでもないチャレンジを押し通した問題作が、「フリップフラッパーズ」だったのである。「世界観」を評する部門で、ここまで散逸的な「世界」の見え方がある作品を選ぶのもどうかと思うのだが、多元世界に多元人生、そしてアニメ的には多元コンセプトの多元演出。これだけの彩りを野放図に垂れ流されたら、そりゃぁ頭の中までフリップでフラップですわ。訳が分からなくていいのですよ。だって、それがファンタジーなのだから。
演技賞 ‘05「地獄少女」 ’06「RED GARDEN」 ‘07「魔法少女リリカルなのはStrikerS」 ’08「紅」 ‘09「Phantom ~Requiem for the Phantom~」 ’10「屍鬼」 ‘11「C3 シーキューブ」 ’12「夏雪ランデブー」 ‘13「戦姫絶唱シンフォギアG」 ’14「selector spread WIXOSS」 ‘15「六花の勇者」 ‘16「クズの本懐」 声優部門との違いについては気にしない方針で行く部門。一応、作品全体としての見映えっていうのが違いといえば違いなんですかね? 声優文化華やかなりし現在、アニメの演技といってもなかなか一口には語れない部分ではありますが、今年は「坂本ですが?」のようにキャスト表を発表した時点でひとネタ終わったみたいな作品までありました。同じような強みは「幼女戦記」のムンムンの加齢臭にも感じることが出来ますね。アニメ声優、吹き替え声優という差は無いとはいえ、尋常ならざる声の共演はなかなか恐ろしくもあり、ギャラの心配もあり。あ、もちろん「幼女戦記」はあおちゃん一本でも何の文句も無いんですけどね。こども先生は強いからね。おっさんの強さでいうなら、もう一本「亜人(第2期)」もあげておきましょうか。いっそタイトルは「佐藤さん」に変えたらいいんじゃないかっていうレベルの密度でしたが、その他にも渋いおっさん達が活躍する姿は、不思議と心躍るものがあります。 普通のアニメ演技とはちょっと違ったベクトルで目を引く作品というと、例えば我らが石田彰の「昭和元禄落語心中 -助六再び篇-」は歴史に残る一本。声優ってのは多芸で勝負、あれだけのキャストが全力で我を通す作品ってのも垂涎ものですな。真逆に、新人声優が新人声優役で勝負をかけるイレギュラー作品には「ガーリッシュナンバー」という妙なタイトルもありました。全く別な目的意識から作られた作品だが、アニメにおける「声」とはどういう役割か、ってことを考える上では面白い比較対象になるかもしれませんね。そうそう、異質さで言えば今期ぶっちぎりだったのは、何と言っても「オカルティック・ナイン」ですよ。声優の限界に挑戦。そして我々の脳の限界に挑戦。……無理だ馬鹿野郎。 よりストレートな意味で「演技の賑やかさで面白い」方向に進めると、いくらか地味ではあったが「ReLIFE」なんかは印象深い。登場人物の多くが二重生活を隠しているという何ともヘンテコな舞台設定になっており、青春を演じる社会人を演じるキャスト陣という入れ子構造が面白い。同様に2つの時代を跨ぐ演技プランといえば「orange」もチェックしておこうか。ああいう俯瞰視点からの役作りって、役者さんたちはどんな気持ちでこなしてるんだろうなぁ。 様々な王道演技プランの中で、真っ直ぐにぶつける力強さを考えるなら、今期トップは色々と候補があった。例えば「RE:ゼロから始める異世界生活」では手垢のついたループものの設定から、見事に生き死にの問題を捻り出し、各キャスト陣にハードルの高い仕事を放り投げた。バルス役の小林裕介はじめ、今作を作り上げた若手の面々は本当にお見事の一言。異世界ファンタジーでの「お見事」さ加減でいえば、その上にはさらに「この素晴らしい世界に祝福を!2」が鎮座する。どこまで台本? どこからアドリブ? 自由過ぎか。そして、個人的にパラダイスな萌えの王国的作品といえば、やっぱり「響け! ユーフォニアム2」ってことになりますかね。田中あすかVS黄前久美子の決勝戦の迫力は末代まで語り継がれる所業。あとは「魔法少女育成計画」でしょうね。僕は未だにルーラ派です。彼女が健在なら、世界も平和だったろうにポン……。 というわけで、声優礼賛を繰り返せばきりがないわけですが、じっくり聞きたい今年度ベストといえば、記憶に鮮明な「クズの本懐」ということになりますかね。花火、えっちゃん、モカ、そして茜。この辺りの女性の全力投球っぷりは、声優ファンをやってる人間には本当に致死量のご褒美です。中の人たちが入り込み過ぎちゃって数日「戻って来られなかった」という濃密な愛憎劇。クズにも天使にもなれるからこそ、声優は偶像であり続けるのです。
ユーモア賞 ‘05「アニマル横町」 ’06「ひだまりスケッチ」 ‘07「俗・さよなら絶望先生」 ’08「ひだまりスケッチ×365」 ‘09「そらのおとしもの」 ’10「パンティ&ストッキングwithガーターベルト」 ‘11「gdgd妖精s」 ’12「しろくまカフェ」 ‘13「マイリトルポニー〜トモダチは魔法〜」 ’14「スペース☆ダンディ(シーズン2)」 ‘15「てさぐれ!部活ものすぴんおふプルプルんシャルムと遊ぼう」 ‘16「ヘボット!」 本企画では貴重な、選出規準が一番分かりやすい部門。とにかく笑えればいい、という選出規準なので、他の部門とは一線を画し、異次元のラインナップになることが多いです。 今年もギャグというとショートアニメの多いシーズンだった。どうしてもギャグってのは体力が必要になるので、30分枠では作る側も観る側も負担が大きくなる。「てーきゅう」あたりで培われた文化は「あいまいみー〜Surgival Friend〜」などに根強く生きており、今後も独自の文化として発展を続けていきそうだ。5分枠だと短すぎる、ってんでより良いバランスを求めた怪作には「宇宙パトロールルル子」がある。Triggerが作品の合間に挟んだ箸休めみたいな作品なのだが、好き勝手やれる分、下手な作品よりもよっぽどTrigger風味。やっぱりキルラキルってギャグだったじゃん、というのが分かりやすいデザインでしたね。 時間を30分枠に伸ばすと、毎度安定なのは我らが太田雅彦作品。昨年の「うまるちゃん」に引き続き、「ガヴリールドロップアウト」はその賑やかさで安定のスマッシュヒット。萌えとギャグのバランスの良さではこの人の右に出るものは無いだろう。よりまったりとした空気感を楽しみたいなら、今年度初頭を支えた佳作である「田中くんはいつもけだるげ」は印象深い。川面監督による独特の間の演出は、アニメにしか成し得ない不思議な笑いを産みだすことに大きく貢献した。同様に何とも言えない間や空気感を楽しむお茶の間作品としては「境界のRINNNE(第2期)」も忘れちゃいけない。日本人の心に残るベタの極み。高橋留美子はいつの時代だって求められる存在なのだ。 少しずつ刺激をあげていこう。「RINNE」と同じNHK教育という異端の枠で幕を開けた謎のオリジナルアニメ「クラシカロイド」。独特なキャラクターデザインから何が出てくるかと身構えたものだが、そこには藤田陽一氏による容赦無くゲスな笑いがたっぷりと詰まっている。絶対子供の教育に良くないヤツなんだけど、NHKはこれでいいのか。いいんです。よりお子さんに見せちゃいけない作品には「競女!!!!!!!!」っていうフルスイング馬鹿もありましたね。いや、むしろ「クレヨンしんちゃん」と同じ尻芸アニメだと思えば、これこそお子様に見せてもいいのか? お宅の幼稚園で真空烈尻が流行ってましたよ、なんて時代が……こないだろうなぁ。お子さんにより社会性の強い苦し紛れの笑いを教育するなら、「アクティヴレイド -機動強襲室第八係- 2nd」はいかがでしょうか。お子さんに公務員の夢を植え付けるのに最善のアニメですよ。嘘ですけど。 贅沢に並んだギャグ作品、最後までトップ争いをしたのは2作品で、狂気の度合いで一歩譲ったのは「この素晴らしい世界に祝福を!2」。笑える回数で言ったらおそらくこれが今期トップだろう。2期目という経験値の積み重ねが、繰り返しによるマンネリ感をも打破した堂々たる王道の笑い。変態と阿呆は、極めれば立派なエンターテイメントですね。そして、変態・阿呆のその上に「狂人」というレッテルを貼るしかないのが、アニメ史に残る圧倒的カロリー消費量を誇る「ヘボット!」ということになるわけだ。これこそお子様に見せるべきなのかどうかを放送倫理委員会で議論し尽くす必要がある作品だろう。いや、別にうんこちんちんで笑えるのは構わないと思うんですけどね、お子さんに分からないネタぶっ込みすぎですからね。日曜の朝からこんなもん見てたら、確実に将来が危ないですよ。やめた方が良いですよ。将来はネジ屋になりたいお子さんが続出しますよ。日本の未来は明るいな! まわせまわせネジを!
アイディア賞 ‘05「アカギ」 ’06「地獄少女二籠」 ‘07「school days」 ’08「地獄少女三鼎」 ‘09「大正野球娘。」 ’10「魔法少女まどか☆マギカ」 ‘11「TIGER&BUNNY」 ’12「戦国コレクション」 ’13「ガンダムビルドファイターズ」 ’14「SHIROBAKO」 ‘15「おそ松さん」 ‘16「ユーリ!!! on ICE」 「その発想はなかったわ」を評する部門。粗製濫造で消費しきれぬほどに生まれ続けるアニメ作品。十把一絡げで消費され、消えていくだけのタイトルが多い中で、それぞれの作品は何とか新たな世界への扉を開こうと、試行錯誤を繰り返しているわけです。 今期最初に注目を浴びた挑戦としては、「迷家-マヨイガ-」が印象深い。完全オリジナルで、1話目から訳が分からないほどに登場人物が大挙するという無謀過ぎるシナリオ構成。結局、終わってみれば本当に無謀だったわけだが、見たことのないものを毎週追いかけて、「来週どうなってしまうんだろう!」とドキドキさせられる体験は、やはりシリーズアニメならではのものだ。クラウドファンディングによる資金調達なども色々とチャレンジングであり、どこに置いたらいいのかは悩ましいものの、アニメの歴史の中で、何かを学びたい作品なのはたしかである。同様に今まで見たこともないチャレンジを試みた作品は、「ダンガンロンパ3-The end of 希望ヶ峰学園-」がある。こちらは、ゲームで2作、アニメで2作という構成も新機軸であるし、更に週に2本の別アニメを流してそこから集約させていくというデザインも革新的。これまた結果的には最善だったかどうかは議論のあるところだが、この形式でしか成し得なかった功績があったことは事実だろう。その先に展開されたゲーム「ダンガンロンパV3」も充分満足のいくコンテンツであったし、やはり「攻める事」を求め続けられる作品だけに、野心的な挑戦は続けられているのである。 他にも、私のような凡百には思いもよらないアニメ制作ってのはあるもので、直近で驚いた作品には「鬼平 -ONIHEI-」がある。まさか、じいさんばあさん御用達のあのお約束劇場が、今更アニメになろうとは。そして、これが割と楽しいとは。結局、どこまでいってもマンネリズムを求める気風ってのは存在しているもので、時代劇を見るじいさんばあさんが減ってきたなら、アニメを見る若者の人口増加に合わせたコンテンツ制作が求められるということなのだろう。まぁ、今後こういう風潮が続くかどうかは分からないけども。そして、そんな温故知新の風潮の真逆を言ったのは、子供向けに新たなコンテンツを産みだそうと試みられた「タイムトラベル少女〜マリ・ワカと8人の科学者たち〜」。まぁ、原点を遡れば「世界名作劇場」みたいな枠が同じといえば同じなのかもしれないが、我々の世代ならば子供向けの伝記本で消化していたようなコンテンツを、萌え風味の混ざった朝アニメにしてしまおうという発想。今後は子供向けのコンテンツでも、各国の偉人達はフリー素材になっていくんでしょうかねぇ。 年寄りでもなく、幼児でもなく、いわゆる「アニメ消費者」層に向けられた挑戦といえば、一体どんなものがあったか。些細なことかもしれないが、個人的に何故か印象深かったのは「アンジュ・ヴィエルジュ」のシナリオ構成。「ソシャゲとかカードゲーム原作のアニメって、大きな目標が無いからシナリオが組みにくいよね」という問題を、「じゃぁ、一部のカードを洗脳してヒロインどうしでぶつければいいんじゃね?」というよく分からない方向に解決した意欲作。なるほど、その発想は無かった。適当にバトルを埋めつつ、最終的に百合百合出来るとか、天才の発想やないか。そして、今年度最後にぶち込まれた特大のコンテンツ爆撃として名を馳せた作品は、何と言っても「けものフレンズ」だろう。その発想は無かったというか、考えついても誰も実行しなかったというか……一体どんな企画会議からこのアニメにゴーサインが出たのか、本当に業界の闇を垣間見るような気持ちだが、たった1点の強みが針の穴を通すようにして世界に突き刺さり、瞬く間にブームを巻き起こした経緯は、現代アニメ業界を体現する不可思議現象として今後のアニメ製作に大きく影響することになるだろう。「アニメファンは萌えキャラ好き」「人類は動物好き」。単純な足し算も、まだまだ見えていない答えがたくさんあるのだ。 そして、そんな「すごーい」ブームを起こした作品はもう1つ。「ただ競技の様子をアニメで流せばいいじゃない」という、一切防御を用意しない攻めの姿勢で豪速球を投げきった作品、それが「ユーリ!!! on ICE」。6話以降の構成は本当に「思いついたとしても誰もやらない」類の発想であり、「アニメーションで何を描くべきか」という小難しい問題を、コロンブスの卵のように平然とくぐり抜けていった。もちろん、その背景には構成を支えるための描写力が求められていたわけだが、この構成が可能となる画作りを実現し、スポーツアニメとして、ギャグアニメとして、そしてホモアニメとして何ら恥じ入ることなくやり遂げた功績はあまりに大きい。唯一の難点は、フィギュアスケートというテーマ性がこの方向性にあまりにもハマり過ぎていたため、2匹目のドジョウを狙おうにも跡追いがしにくいことくらいだろうか。アニメ業界に眠っているかもしれない金脈を、次に掘り当てるのはどんな作品になるのだろう。
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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