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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 確実にサブタイトルがMagicのカード名、第17話。どんな効果でしょう、カウンターとか、パワー下げるとか、そういう相手の邪魔する系カードな気はしますね。

 「祭りの支度編」とでも言うべき最後の山がスタート。ただ、おそらくこれまでの2話で1本のお話という構成は踏襲しつつ、そのバックグラウンドで祭りの準備が進行するという形になりそうだ。何しろ神器を3つも集めなきゃいけないですからね、それなりに時間は必要でしょう。とりあえず、今回の「バス路線と教授」ミッションをクリアすることで、教授からご褒美として1つ目の神器がもらえるという、そういうクエストになっているのである。

 というわけで今回初登場となる教授、名前を鈴原さんという。このキャラクターは、今作においてはある意味で究極の存在である。何しろ最初から「教授」という「正しいことを言う」設定が与えられており、「町興し」というメインテーマにもガッツリ絡み、とにかく彼にしゃべらせてしまえばどんな正論でもそのままの形で展開出来るし、破壊力も増すという。町興しというなかなか表現の難しいテーマについて、本作では様々な方向から直接的であれ、間接的であれ、手を変え品を変え表現してきたわけだが、今回はいよいよ、そんな町興しについて、ある意味でプロフェッショナルといえる人物が介入してきたのだ。

 実際、登場話数となる今回も教授の存在感は異彩を放つものとなっている。上から目線で文字通りの「ご高説」。間野山在住も20年と充分なキャリアであり、彼の分析力は由乃達も太鼓判。これまで様々なプロジェクトについて間野山の住民の「中からの声」というものが由乃たちの行動を評価する指針になっていたわけだが、教授のコメントの場合、「中からの声」であると同時に、冷静な余所者、第三者としての評価も兼ねており、説得力が更に増すのである。ここまでしっかりと間野山に息づいている人間ならば、由乃達に難題をふっかけ、即座に「可」「不可」と断じることも可能だろう。

 今回はそんな教授との対話のために「バス路線廃止」という分かりやすくも難しいミッションが課された。例によって人と金の問題にもなるので、単純に一発で解決する方法など存在しない問題である(もしあるならば教授がさっさと手を打っているだろう)。そこで教授は、自分にはない「若さ」と「人手」を由乃達に頼むことで事態の解決を図る。そのためにはまず由乃達を土俵に上げる必要があったわけだが、折りしも神器探しで接触してくれたし、更に集落のバス問題にも直接触れ、対策に乗り出したのだから渡りに船である。上手く彼女達を利用するため、教授は簡単な問答で若者たちを焚き付け、集落の生活を動かし始めた。

 今回の教授ミッションにおけるキーパーソンは早苗。実はこの中では一番の高学歴で、教授との問答にも一応耐性がある人間(由乃も大卒ではあるが、あの就活の様子から見て、あんまり学問を志した大学生ではなかっただろう)。書店で見つけた文化史のテキストをたまたま読んだことがあるとも言っており、おそらくそのあたりが彼女の間野山移住にも関わっていたことが想像出来る。真希なんかは何とももったいぶった教授の態度にすぐさま嫌悪感を示しており、一筋縄ではいかない学問の世界、その繊細さを感じ取れたのは早苗だけである(由乃も教授が正論を言っていることはきちんと認識している)。また、早苗と教授には「Iターンした人間」という共通項があり、言わば教授の現在の生活は早苗の「将来あり得べき姿」でもある。彼女がIターンを志した理由は必ずしも教授と同じではなかろうが、こうして町興しに手を貸し、間野山のために尽力する姿勢を見せているのだから、早苗だって将来的には間野山に「根を降ろす」のが理想だ。教授は20年という歳月をかけてそれを実現させた「先達」であり、早苗は自分の将来を考える上でも彼の動向が参考になる。

 こうしていくらかペダンティックな触れ合いを通じ、早苗は自分の仕事を思い出して集落の変質へと乗り出した。バスの本数を増やすことは出来そうにないが、それでも老人たちの生活スタイルに干渉することは出来る。孤立集落の問題の1つには「孤立」そのものがあるのだから、そこにネットをフル活用して「繋がり」を設ければ、問題の一部は打開出来るはず。前もって自治体がタブレットを配っていた、なんてよく分からないラッキーもあったが、早苗はさっそく行動を起こし、見事に老人たちの生活スタイルを変える事が出来た。間野山ってたまにこうして先駆的なこともやってるんだけど……変な町だよなぁ。

 ネットを手に入れた老人たち。こういう導入は「機械のぽちぽちは難しくて分からんよ」とサジを投げるじいさんばあさんも多いはずなのだが、間野山の人間はそのあたりに案外理解がある。というか、最近のハードはインターフェースが発達しているので年寄りの直感的な操作にもかなり対応出来るようになっている。基本的な操作方法をマスターしたじいさんたちは、七、八十年も生き抜いたタフな対応力でもって、ネット文化をフル活用し始める。そして、教授も言っていたように、90年代末からゼロ年代初頭にかけてのネット文化の勃興からの歴史をハイスピードで追従するのである。誰だよ、「わろた」とか教えたヤツは……まぁ、突然オーバーテクノロジーが流れ込んできたのだから、しばらくは技術に踊らされる期間が続くのはしょうがないところ。むしろまだまだ穏やかな方かもしれない。

 ネットが荒れている部分はそこまで大きな問題ではない。というか、おそらく現状くらいのネットの広がりはおそらく教授の想定の範囲内だろう。早苗を煽り、上手いこと「集落の老人」という生活スタイルをネット文化に接続することが出来たことで、教授はいよいよ集落を守るために動き始める。そう、バス路線の廃止に際し、対抗するには何が足りなかったのかといえば、「声」なのである。老人たちがよってたかって高見沢さんに詰め寄ったところで自治体は動けない。しかし、ここでネットを通じて『困っている老人たち』の様子がネットに流れればどうなるか。声が広がり、外部からも支援の声が届くことになれば、自治体とて無視するわけにはいかない。一度問題が議論の俎上に上がってしまえば、あとは万全の対策に至らずとも、行政は「考える」必要が出てくる。そうなれば、あとは落としどころを見つけるだけ。教授はおそらく、そこまでの流れを見越して、国王たちを利用したのだろう。

 「町興し」というテーマが難しいというのは再三確認していることだが、その中から、こうして「老人たちの生活を変える」という1つの試案を眺めるのはなかなか興味深い。もちろん現実にはここまで上手く行かないだろうし、もっと派生的な財政問題なんかも出てくるので一筋縄ではいかないはずだが、「こうだったら面白いかも」という、1つの「町興し」ファンタジーとしては、なかなか良いテーマ設定なのではなかろうか。さて、この問題はどこに辿り付きますか。

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