最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
地獄少女宵伽 第4話 「わたしを深く埋めて」 脚本・吉永亜矢 絵コンテ・高本宣弘 演出・中村近世 作画監督・清水勝祐(他)
<あらすじ> 介護施設「うつくしの館」収容された老婦人・窪田さくらは、施設での日々に心を痛めていた。高級老人ホームを謳うこの施設も、実体は乱暴なケアと虐待、放置などがまかり通る粗悪な経営状態にあり、苦しんでいる住人も数多くいた。さくらの友人・民江はすでに痴呆が始まっていることもあり、従業員の苛立ちを加速させ、虐待の格好の餌食となっている。さくらは職員に暴行を受けベッドに拘束される民江を何とか救おうとするも、すでにろくに歩くことも出来ない身であり、手の震えもひどくなる一方。毎日のように職員の狼藉を記録していた日記も、最近では筆が覚束なくなっている。 そんな施設の惨状に心を痛めているのは何も住人だけではなかった。まだ年若く働き始めて間もない介護士の中にも、この状況をなんとかしようと考える者は存在しているのだが、上からの圧力がきつく、なかなか言いたいことも言えない状況である。そんな懊悩する若い介護士の中には、なんとあの柴田つぐみの姿もあった。地獄少女との関わりの深いつぐみ。彼女はすでに地獄少女との関係性を諦め、受け入れていたはずだが、身近に地獄通信にコネクトした人間が現れたせいなのだろうか、幼かったあの日のように、彼女の視界には閻魔あいの見ている景色がぼんやりと同期する。今夜地獄通信にアクセスして依頼を行ったのは、どうやらこの施設の住人・窪田さくらだったようだ。 さくらはこの施設の現状を改善するために藁人形を受け取った。多くの職員から虐待を受けている状態なので誰か1人を流すとなると候補が難しいかと思われたが、彼女の狙いはたった1人に定まっているという。施設の経営者・矢野原冴子だ。上っ面だけ取り繕い、儲けのみを考えて老人達をないがしろにする最高責任者こそが、ターゲットに相応しいとさくらは考えている。しかし、地獄少女から受け取った藁人形は、すぐには糸を解かれずに彼女の部屋の引き出しにしまわれることになった。「まもなく終わってしまう自分の人生、その最後に、人を呪ったりして良いものかどうか」と、さくらは逡巡している。 さくらの窮状を見せつけられ、つぐみは改めて彼女とコンタクトを取る。何も出来ない自分の不甲斐なさを謝罪するつぐみに対し、さくらは半ば諦めた様子でつぐみを慰める。その上で、「あなたは何か普通ではないところがある」と看破して見せもする。「これまでもたくさんの人を看取ってきた」と物憂げな表情を見せるつぐみだったが、さくらは笑って彼女を許してくれた。 なかなか藁人形の糸が解かれないことを鑑みてか、輪入道がするりと施設の内部に入り込み、それとなくさくらに接近して彼女の意識調査を始める。「どこかで見たことがある」と輪入道の接近にも抵抗を見せないさくら。「昔世話になった先生に似ている。私の初恋の人」と遠い目をする彼女に対し、輪入道も年甲斐もなく頬を赤らめてみせる。輪入道が趣味の折り紙を見せたり、少しずつ交流するうちに気付けば2人の距離は縮まり、いくらか心情を話してくれるまでになる。彼女はすでに「終わり」を見据えて人生を歩んでおり、親族に迷惑をかけないために、決して施設での苦境は外に漏らさないつもりだというのだ。そして話は彼女の最後の一歩である「地獄」に及ぶ。「罪を裁かれるのは当然のことだが、呪うという行為が正しいものかどうか」。さくらの悩みに対し、輪入道は顔をしかめるしかない。 ある日、輪入道は廊下で倒れているさくらを見つける。泥まみれの手で倒れた彼女は、すでに手すりを使っての歩行も難しくなっているらしく、輪入道は「何とかここを移った方がいい」と助言をするのだが、さくらは友人の民江のこともあり、ここを動く気は無いという。いつの日か、庭の桜が咲いた日には花見をしようという約束を取り付けるのがせいぜいであった。 ある日、施設にテレビの取材が入った。この期を活かさんと、若い職員が意を決して施設の闇を暴露しようと試みるが、すぐに矢野原の手によってもみ消されてしまう。時を同じくして、輪入道がさくらの私室に入ると、彼女は顔を見るなり「どなたですか?」と虚ろな表情を見せる。痴呆が進行してしまったものか、どれだけ声をかけても胡乱な表情を返すばかり。駆けつけたつぐみによって、輪入道は退室させられる。「さくらさんは全てを忘れてしまった。忘れられたことがそんなに辛いのか。地獄流しのことも忘れたのなら、あなたたちにとっては良いことだろう」と、つぐみは輪入道を突き放す。返す言葉もなく、輪入道はただよろよろとうちひしがれるのみだ。事ここに至っては行動を起こすしかないと、つぐみは最後の手段として、ボイスレコーダーを取り出した。 その夜、さくらが1人きりになった私室に矢野原が乗り込んでくる。ゴタゴタの中で、彼女が職員の悪行を日記に記録していることを聞きつけ、先んじて処理しようと試みたのである。しかし、さくらの部屋には日記は見あたらず、薄気味悪い藁人形があるだけだ。実は、すでに彼女は日記帳を庭に埋め、余計な恨み言を世に残さぬように処理していたのである。全ての準備が整った。さくらは矢野原たちが立ち去った室内で、再び目に光を宿す。痴呆のふりをして、彼女の悪態をその身に全て受けきった。後は最後の一本の糸を解くだけ。藁人形に手を伸ばし、彼女は糸を解いた。 経営者がいなくなったところで、施設がすぐに変わるわけでもないだろう。さくらの日常は、つぐみの日常は続いていく。ただ1つ、彼女の胸の刻印だけが物言わずそこにある。
<解説> 4話目も順調に鬱々としております。「視聴後の気分なんか知ったこっちゃねぇよ!」というこの放り投げた感じは「ならでは」って感じがしますね。 正直、よく分からない話である。外側のテーマは分かりやすいんだ。社会問題として時折耳にする「介護施設の対応」についての話。老老介護が常識となってしまった超高齢化社会の日本。老人を介護する上での問題というのは30分のアニメなんかじゃ語り切れないくらいに山ほど存在しているとは思うのだが、今回はそんな中から「劣悪な介護施設環境」というものを取り上げ、それがどれだけ悪逆で、許されないものなのかが描かれている。今回主人公だったさくらさんは冷静にそのあたりの惨状を受け入れていたが、「介護する側もされる側も同じなんだけど」という彼女の述懐が、一般論として反省を促す内容になっているのは、我々若者(?)世代も重く受け止めるべきところだろう。 ただ、別にこのアニメは道徳の教科書でも社会の実習ビデオでもない。あくまで「地獄少女」の1話である。しかも、6話で完結する予定のミニストーリーの4話目という、割と大事なポジションにあるはずの……。その割に、なーんかとっ散らかってるんだ。分かりにくいんだ。私は毎回アニメを見返しながら上のあらすじ(というには長すぎる)部分を執筆しているのだが、今回はぶっちゃけ、あんまり上手く書けていない。その原因は、どうにも話の本筋が見えにくく、まとめきれなかったせいである。脚本担当は2話と同じ人で、割と物事を捨象して書く人なのかなぁ、という気もするのだが、更にコンテを切っているのが何故か高本さんってのも、ひょっとしたら分かりにくさに拍車をかけているのかもしれない。いや、勝手なイメージなんだけどね、どうにも高本さんのコンテワークって、なんかテンポがずれて分かりにくいイメージがあるんだよなぁ。それに加えて相変わらず作画は元気が無いので、画面から得られる情報量が乏しい気がするのは残念なところ。上のリストでは省略してしまったが、今回作監にクレジットされている名前が6人もいるのよ。DEENって最近そんなに切羽詰まるほど仕事重なってるか? とまぁ、愚痴はこれくらいにして、何とか面倒な物語を紐解いていかなければなるまい。では、何故今回のエピソードが「よく分からない」ものになっているのか。1つは制作側の意図が不鮮明であるから。そしてもう1つは作中人物の行動が不鮮明であるから。まぁ、これらは階層が違うだけで問題としては1つなのだけど……まず、制作側の意図を考える上で、注目すべきキャラクターは2人いる。もちろん、柴田つぐみと輪入道である。お忘れの方もいるかもしれないので簡単に確認しておくと、柴田つぐみは1期に登場し、その後も一応全てのシリーズに顔を出している本作のキーパーソンの1人。現在の閻魔あいとは浅からぬ因縁があるが、最終的には3期では地獄通信というシステムの不条理を訴えながらもその改変は難しく、やむを得ないものであると飲み込む形で退場している。 3期では中学校の養護教諭として作品に参加していたつぐみだが、すでに退職していたことは確認されており、その後の人生をどう歩んだかは不明のはずだったが、本人曰く、「改めて自分に出来ることを考えたい」というので介護の現場に飛び込んだようだ。養護教諭の資格と介護士の資格って絶対同時に取るの大変だと思うのだが……まぁ、多分賽河原の一件からはしばらく時間が経過しているだろうし(賽河原の事件は放送当時の時間軸、つまり2008年のことであると確定している)、この数年間で新たにヘルパーの資格を取ったのだろう。その割に随分若々しかった気はする、というか3期の時より幼くなったようにすら見えるが……その辺は触れないでおこうか。とにかく、あいとは2度3度と運命を重ねていたつぐみが、今回「わざわざ」作中に姿を現したのだ。出てきた時には一体何をするものかとドキドキしていたのだが……あんまり何もしなかった。すでに地獄通信のことは受け入れて文句を言わないことにしているので積極的に地獄流しにも絡まなかったし、「つぐみにしか出来ない」という仕事をやったようにも見えない。せいぜい、ボケたと思ったさくらさんの部屋で輪入道にチクリと釘を刺すシーンくらいだろうか。その時点までは、輪入道がぬけぬけと施設に入り込んで依頼人と絡んでいるのも見て見ぬふりだったんだよなぁ。 そして、そんな輪入道の行動についても、今回は謎が多い。というか、まさかわずか6話しかないのにこんなに四藁フィーチャーのエピソードがぶっ込まれるとは思ってもみなかった。しかも、この後放送される予定の「回顧録」の中に「黒の轍」もあるんだよな……ひょっとして、今期のスタッフの中に熱心な輪入道ファンがいるというだけなのでは……。とにかく、輪入道の普段見られない色んな顔が楽しめるのは事実。ただ、今回の輪入道は正直何がしたかったのかよく分からないんだ。最初に施設に入り込んだ時も、どういう立場で何のために潜り込んだのかの説明が一切無い。これまで四藁は周りの人間の記憶を改変して環境に溶け込むという技があることが分かっているが、今回の輪入道がどのようなポジションであそこに現れたのかは不明。目的についても、おそらくはさくらさんの事情聴取が目的だったと思われるが、過去にも「藁人形をもらうだけもらって使わない」っていうケースは何例か存在しており、その時にいちいち接近したりはしてないはずなんだ。何故今回に限って、あんなダイレクトな方法で依頼人に近づいたのかは説明されていない。 で、メタレベルをあげてその部分に説明を付与するなら……「頬を赤らめる輪入道が見たかったから」というのが一番自然な答えなんだよな。老いらくの恋、あんまりロマンスじみたお話がなかった輪入道に、せっかくなのでちょっと楽しい思い(?!)をしてもらおうという配慮。過去に骨女なんかは割とモテてるシーンが多いからね(女子中学生にもモテてた)。輪入道がそうした色恋に手を出したのは、それこそ「黒の轍」の時に最初の持ち主である姫様に対して見せた思いくらいだろうか。それだって恋慕というよりは「所有者への忠義」みたいなもんだったしね。単なる車輪のくせに色恋もクソも無いよなぁ。 まぁ、こうして「ちょっと輪入道をいじりたかった」という理由で何となく納得はするのだが、果たして地獄少女のルールとしてそれはOKなのか、というのはちょっと疑問ではあるんだ。基本的には外野から観察するだけで、その人の人生にはあんまりタッチしないというのがチーム地獄少女のルールのはずなので。まぁ、過去にもそういう事例を逸脱したことは何度もあったので、今回のもそんなはっちゃけの一例なのだろうが、そこまでして輪入道がさくらさんに入れ込む理由も特に描かれていなかったし、どうにも説得力が不足している。単に「老人虐待」っていうのが気に入らなかったんでしょうかね。でも、別に輪入道だけがジジイってわけでもないしね(年齢だけで考えたら山童ですら立派なジジイである)。 あいが輪入道の関与を率先して促したのか、輪入道のスタンドプレーを黙認していたのか、そのあたりはもう分からない。ただ、とにかく普段とはちょっと違うノリで地獄少女チームが依頼人に絡んでしまった。そこで、どこかでけじめをつけてゴールに向かわせる役目が、「どちらの人間にも面識がある」というつぐみに回ってきたのかもしれない。言わば、輪入道のちょっとしたロマンスを外から斬り捨てる役……うぅん、わざわざそんな仕事回さなくても……。 そして、このつぐみ達との関係性を全て飲み込んだ上で、今回の事件はやっぱりよく分からない。結局さくらさんは何が目的だったのだろうか。一応最後の輪入道の台詞を素直に受け取るなら、「人生の最後に人を呪う決心をしたさくらさんは、その恨みの対象を絞り込むため、矢野原だけを地獄に流し、他の職員の悪行を記した日記帳は永遠に封印した」ということか。でも、それってさくらさんの心情として自然なのかね。地獄通信のルールは「1人1殺」ではあるが、別に人間が一生の内で誰をどれだけ憎もうが復讐しようが問題無い。さくらさんは満を持して矢野原に復讐する決心がついたわけだが、それを他のひどい職員に広げない心遣いって必要だったのだろうか。まぁ、どうせ矢野原がいなくなって問題が表面化すれば自ずと不良職員の所業はあぶり出される気もするけども。そのあたりの「施設がどう変わったか」なんて話も、当然のようにノータッチ。 そして一番の謎は何と言ってもつぐみのレコーダーのこと。あれは間違いなく「つぐみが秘密裏にさくらさんの近辺に録音機材を仕込んで矢野原の悪行の証拠を掴むよ」というシーンだったはずなのだが、結局そのレコーダーがどうなったかも一切触れられていない。矢野原がこの世から消えたことで役に立たなくなったのか、つぐみは結局作戦を実行しなかったのか。また、それまで悶々としていたつぐみがあのタイミングで動いた理由もよく分からない。さくらさんがボケた(と思い込んだ)ことで、「これで矢野原がさくらさんにちょっかい出してくるから証拠が掴める」とでも思ったのだろうか。さくらさんがボケたふりをしたのは、おそらくその方が矢野原の悪行を引き出しやすいと考えたためだろうが(その方が矢野原に恨みを絞り込みやすい)、その辺も不確かである。さくらさんの意志、つぐみの意志、そして輪入道の意志と、それぞれの思惑が何となく描かれている割に全て結論があやふやなので、どうにも座りが悪いのだ。その他にも「矢野原が窓の外に投げ捨てたはずの藁人形が次のシーンでは部屋の中にある」とかいう要素も、「藁人形がわざわざ飛んで戻ったことを表している? それとも単に製作陣のミス?」なんて部分も確証が得られないので判然としない。普通、藁人形になったメンバーってじっとしてることが多いので、あのシーンでわざわざさくらさんが糸を引くことを促すために舞い戻るってのは職務規程違反だと思うのだが……。 うぅむ、やっぱり歯切れが悪くなってしまうな。3期の「藁の中」みたいに明らかに「不可解さ」がテーマになっているなら検証する部分もあるのだが、本作は一応エピソードとして閉じているように見えるからなぁ。シリーズを最後まで見終わった後で、このエピソードの意味が分かったりするんでしょうかね。 なお、今回もミチルさんはほぼ登場しなかったが、唯一の登場シーンではなんとあのつぐみから「あなたは自分のこと分からないの?」と尋ねられている。またゆずきみたいな存在だったらどうしよう……。 PR |
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