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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 劇団員ってどっから収入発生すんの? 第23話。「しおりちゃんは職員だし早苗ちゃんはWebデザイナーだし」まではわかるんだけど、劇団立ち上げた真希が食ってけるとは思えないし、凛々子が和菓子屋継ぐとも思えないし。なんだよ、王国民の将来なんて何も決まってないやんけ。

 いよいよラストステージであろう。今回はオープニングカットでいきなり緞帳からスタートし、これが最後の「クエスト」になりそうだという雰囲気が漂っている。改めて今作の構成が面白いな、と思えるのは、こうして1つ1つのシナリオがファンタジーRPGのクエストになぞらえているような、そうでもないようなゆる〜い雰囲気でまとめられており、解決も終了もない漠然とした問題を扱っているのに、どこかまとまりがよく見えるという点である。今回のことだってそうだが、例えば「洋菓子屋を商店街に誘致する」というのはあくまでも商店街復興の過程であってゴールではない。しかし、1話1話のミッションが明確化したおかげで、「とりあえずそこで一段落」というメリハリがつけやすい。しかし、だからと言って町おこしという難しい問題を安易な類型に落としこんでお茶を濁しているというわけでもない。これまで数々の問題を解決しながらも、結局商店街も、間野山も、あまり改善された部分が見えず、過疎と衰退は進むばかりなのだ。これは由乃たちが怠けているわけではなく、「町おこしなんてそんな簡単なもんじゃないよね」という現実的な視点から来る当然の経過である。

 しかし、間野山の生活に終わりはなくとも、アニメは残念ながら2クールで終了してしまう。そのための「最後のクエスト」として与えられたのが、今回の「合併……するの?」問題である。ちょこちょこ出てきた背広姿の一団がお隣の市の職員ということなのだろうか。そもそも市町村合併の時に詳細な実地のデータが必要なのかどうかはわからないが……おそらく「地方自治体として独立運営できるとはみなされない」からこその合併なのだろうから、今後の打開策としては「ちゃんと間野山には人がいます、つまり、立派に市としての存在価値があり、具体的には予算だって計上できます」ということを見せつけることになるのだろう。そのための決定打がやはりみずち祭りということになるのだろうか。祭りを執り行い、そこに人が来て、しっかりと商店街が賑わっているというのなら、わざわざ合併する意味は薄いというので間野山は間野山として存続できるということだ。

 このタイミングで合併話が出て来たのはなかなか絶妙なところ。そりゃお話なんだから一番大事なところで大事件が起こるに決まっているが、もし、これで1話目の段階で合併話が出て来るような時系列だったと仮定したら、おそらく商店街の連中も含めてほとんどの市民は「致し方ない」というので合併を受け入れ、そのまま間野山という名前は消え去っていたことだろう。ちょっと惜しいと思う地元民はいるだろうが、今回の千登勢さんの提案のように、「それが時代の流れ」というのでさしたる抵抗もせずに受け入れられたはずだ。しかし、これまで約1年間、由乃が国王に就任して良くも悪くも目立った活動を行ったことにより、人々の中に「間野山とは何か」を考えるきっかけが生まれた。時に商店街のイベントの話であり、時に伝統芸能の話、限界集落の話まで、自分たちが置かれている衰退の現状を痛いほどに認識するに至り、さらに今回は商店街復興の機会を与えられ、「自分たちに何ができるか」を考え始めた。このタイミングの合併話なればこそ、人々は戦うという選択肢を考慮に入れることができるのである。

 今回の会議の流れは、割と安直といえば安直。吉野が訴えたことだって、まとめてしまえば「若者の青臭い理想論」でしかない。しかし、そうした由乃の訴えに商店街の人たちが耳を傾けるようになったのは、間違いなくこれまでの蓄積があったからだ。その上で、年寄りばかりで凝り固まった現状を、他所者で馬鹿者な若者がどうにかしたいと言っていることに意味があるのだ。確かに由乃たちのおかげで、間野山は間違いなく何かが変わったし、洋菓子店の出店に見られるように、確実に有効と思われる変化も少しは生まれている。このタイミングで町のために働かずに、市民を名乗る資格はない。由乃たちの活動は、そうした住民たちの自意識を作り上げることに成功していたのである。

 結局、由乃が言っていた「理想論」は「正論」でもある。「町おこし」と「開発」。言葉遊びには違いないが、そこに何の差異があるのか。「住む」ということによる恩恵と、それを維持するための義務。それを果たすためには、住人全員が、幸せになれる街を目指すべきなのだ。そのための一歩は、こうして余所者の手によってもたらされたのだ。1つ1つの変化は小さかったし、それだけでは意味がなかったかもしれない。それでも、木彫り村が生き残りの光明を見出し、二代目が後をついた飲食店が間野山オリジナルを作り上げ、伝承を受け継いだ祭りの復活も今や手の届くところまで来ている。そして何より、千登勢さんとジジイのいがみ合いという50年間この町を縛り続けた障壁が、ようやく取り除かれた。これらは全て、由乃たちの手柄と言って差し支えない。

 未だ黄金の龍は見つかっていない。しかし、最後の最後に、きっとこの町は「あるべき姿」を取り戻すことだろう。これから先もずっと続いていく戦いの中でも、しっかりと見える間野山の姿を、最後にしっかりと刻み付けたい。

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