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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「ようこそ実力至上主義の教室へ」 4→4

 最後の最後まで、一番最初の疑問が残りっぱなしの作品でした。つまり、「実力って、何?」である。

 個々のパーツだけを見れば、何となく成立している感のある作品。ある時は法廷ものっぽいデザインになり、ある時はプールを舞台にしてお色気ドタバタ。最終的にはサバイバルと犯人当てミッションを混ぜたような孤島生活。主人公サイドが「勝つ」という結論はややこしいものではないし、それなりに智謀知略の果て、という印象も出ている。バトルもの、学園ものとしてはフォーマットは守っているのだ。しかし、それだけ色々なことをやっておきながら、「実力って何の実力が試されてるのさ?」という疑問に対する答えは用意されないまま終わってしまった。

 主人公のキャラクターは、非常にわかりやすい無敵設定。賢さは当然のこと、さらに身体能力にも優れていたり、盛りすぎの感すらある。そして、そんな完璧超人が「何らかの理由」で実力をひた隠しにしており、その話し方に象徴されるように、いわゆるヤレヤレ系主人公とは一線を画す、病的なまでの「無反応」「無感情」を貫き通す。これはこれで個性として面白い部分だが、そのため、今作ではますます目的意識が希薄になっていくのである。主人公は自分から積極的に何もしようとしない。学園側も何をしたいのかわからない。そんな状況で若者たちが必死に戦っているのは、近視眼的には「明日の生活のため」という非常に即物的な理由である(主人公や堀北にはそれ以外の理由も匂わせているとはいえ)。モチベーションがそんな半端な状態では、そりゃぁ学生たちだってなかなか身が入らないでしょうよ。サバイバル生活の中で遊び半分の適当な行動もとるでしょうよ。盗撮を試みて自らポイントを下げるリスクも背負うでしょうよ。あまりにも作中のキャラたちのやる気に差がありすぎるので、どれほど真剣なお話なのか、なかなか軸が見えないのである。

 そして、そんな学生たちの微妙なモチベーションもしょうがないかな、と思ってしまうのはこの学園自体が謎すぎるため。結局、この学校は何を養成したくてこんなわけのわからないカリキュラムが敷かれているのかさっぱり明かされないまま終わってしまった。エリート校として規律規範を学ばせたいなら幾ら何でも自主の精神が強すぎるだろうし、自らの力で問題を解決していくオールラウンドな「対応力」を育みたいなら、半端にマナーやらルールを守らせる規律を作る意味もない。この学園は、変なところで大胆な割に、根っこにあるシステムがあまりにチープなのである。舞台設定がよくわからなければ、その上で行動する人間の狙いが定まらないのはしょうがないことだろう。

 作中人物の目標が定まらないということは、もちろん視聴者サイドの視点も定まらない。我々はAクラスを出し抜くための超すごい戦略を考え出す主人公を手に汗握って見守ればいいのか、緊迫してるはずの集団生活の中で突如下着ドロが発生してヒステリーを起こす女子に呆れればいいのか。問題のレベルがあまりにも幅広くて、片方に視点を定めると別な問題が視界の外に漏れてしまうのである。智謀知略での戦いとは言ってもそこまで感心するようなトリックを繰り出すわけでもなく、「そんなんでええんか」という肩透かしの側面が強いし(スパイでしかないと思われてたやつがやっぱりスパイだったりね)。結局、今作で一番描きたかったことって何だったのかなぁ……。

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