最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
これ、そのうち「宝石の国」っていうタイトルの回が放送されたりしないんだろうか、第3話。いや、されたからどうってこともないんだけど。 いかにも今作でしかできないような、実にシニカルで興味深いシナリオである。初回放送を見て「今作では国と言っているが、それぞれの国が別々の世界を構築しているようなもので、キノは一種のプレインズウォーカーだな」みたいなこと(意訳)を書いたのだが、今回の話はある意味でそれをひっくり返すようなお話。国が「国」であることに付随する条件として、「他国との関係性」が生じている。これまでの国はそうした周りとの相互関係が存在せず、1つ1つの「世界」の中でルールをいじくり回していたわけだが、改めて「国」という存在の独自性を見出し、そこを実に皮肉にいじっているシナリオなのである。 相変わらず、バックグラウンドなどというものは今作に存在しない。誰がどう見ても今回の国はオーバーテクノロジーであり、キノの言うように侵略しようと思えば他国など容易に侵略できるし、世界征服だってあっという間にできてしまう、そんな無茶苦茶な「設定クラッシャー」な設定である。しかし、本作はそうした背景を一切気にしない。国は国として独立に存在し、それが周りの世界とどのように融和するかなどということは問題にならないし、「なぜこの国の人たちは支配欲がないの?」とか、「絶対に旅人を偽って技術を盗み出そうとする他国の人間に荒らされるよね」とか、そうした疑問は一切取り扱う気がないのである。 これが、最終的に「これまで出て来た国が全て再登場して一本のストーリーを作る」とかいう展開ならば問題もあろうが、今作はそうした展開を一切意図しておらず、多少の齟齬は問題にならない。だからこそ、毎回毎回ショートショートのような切れ味で一番描きたい部分をはっきりと描くことができるのだ。まぁ、最近だと似たような制作理念で作られていると思っていたのが「18if」だったのだが、あちらは「絶対に相互関与しないだろうと思っていた全ての世界が最終的に収斂する」というとんでもねぇ展開を見せたおかげで良くも悪くもキマイラ的なおぞましさが出たのであるが。 今回のタイトルは「迷惑な国」。これはオチの部分でキノたちが言っていた「2つの迷惑」に結びつけるためのタイトルだが、ぶっちゃけ、壁の国の方の設定は蛇足だったんじゃないか、という気もする。できるなら「動く国」の方のイカれ具合を前面に押し出し、彼らのやっている(常識的に考えたら)悪行三昧について、ただ淡々と描くだけの方が、一本のお話としては際立っただろう。ただ、そうしてしまうと、彼らの行軍に手を貸したキノが完全に悪人になってしまうことになり、いくらかドライで割り切ったところのあるキノとはいえ、完全なヒールにしてしまうのは作者の望むところではなかったのだろう。一応の大義名分を与え、彼女の行動にも(最低限の)動機を与えたというところか。 それ以外の部分ではきちんと「頭のイカれた国を存分に狂ったように描く」と言う作劇がなされており、普通なら傍観者であるキノが異議を申し立てたり疑問を抱くことでこの国の「間違い」を浮き彫りにするところなのだろうが、劇中ではキノも淡々と受け入れているかのように描かれているし、中の人々は自分たちの行動に一切疑問を抱く様子はなく、全ては「生き方」の一部として自然に埋め込まれている。こうして1つの常識を新たに捻出することで、周りの国との差異が浮き彫りになり、「狂った国」の狂気が鮮明になるのである。淡々としている中にもちゃんと見せ場が多くあり、なんともやるせない、鮮烈なお話になった。 キノさん、ひょっとしたら数百日後にまたこの国に出会うこともあるかもしれないけども……壁画が萌え絵になってたらちょっとかわいそうだな……。
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