「鬼灯の冷徹 第弐期」 5→5
アニメの皮を被った、地獄がらみの豆知識紹介番組。これはこれで唯一無二。一体どこで役に立つ知識だか分からないけど、もしかしたらたほいやで活用できるかもしれない。
1期の時もこんなに教養番組っぽかったっけ……。多分、1期である程度人間関係(鬼関係?)を説明したおかげで2期はいろんなところでガンガン脇道に入れるようになり、本領であるトリビア部分のみのピュアなエッセンスが出てきたのがこの2期だったということなのだろう。なんとも現実離れした(当たり前)世界のよくわからない知識が、ギャグのふりをしてさりげなく入ってくるのである。
こうした偏りは、決して悪いことではない。「トリビアの種」でも言っていたが、人間というのは無意味な知識を蓄えることでも快楽を得ることができる動物。そして、日本史やら民俗学やらに興味を示す人間が一定以上いることからもわかる通り、先人たちが勝手気儘に作り上げたへんてこな信仰のお話を聞いたり学んだりするのは、割と楽しいのである。もちろん今作はそうした「地獄ネタ」を漫画のタネにしているのだから、なるべく面白い部分を、さらに面白そうに切り取るのが目的。そういう意味では本当に狙い通りの楽しさを、狙い通りに提供できている作品なのである。そういえば「信長の忍び」もやたらと歴史に忠実なのに丁寧に全ての要素をギャグにして回っているのが好評であるが、連綿と続く人間の営みの蓄積ってのは、それだけでも充分エンターテイメントになるということなのだろう。
もう、このままのテイストをだらだらとで構わないのでずっと続けて僕らの地獄知識を増やす一助にしてほしいものである。というわけで分割2クールありがとうございます。今後もこうして「なんらかのマニアックな知識をアニメのふりして面白おかしく伝えてくれる作品」が増えると生涯学習の一環として新しいビジネスにすらなる気がする。まずはキリスト教とイスラム教のお勉強ギャグアニメを作ろう(地雷原に突っ込もう)。
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