○「こみっくがーるず」 5
現代版トキワ荘。というか萌え版トキワ荘かな。あんまり萌え要素があるとは感じないけども。
どっちかっていうとひだまり荘の方が近いかもしれない、新たなきらら系作品である。スロウスタートから間断なく次弾を撃ってきた形で、竹の出版社も頑張っているが、こちらもなかなか隙を見せないのはすごいところだ。まぁ、作品クオリティの良し悪しはあるかもしれないが、あんまりひどすぎるものが出てくる印象もないんだよな。
本作についても、「あぁ、きらら系のね、お仕事系でね、さらに長屋ものでね」と設定説明はすぐに入ってくる作品。住人全員が漫画家で、しかもそれぞれがキャラクターに合う(もしくはギャップのある)ジャンルの専門家というあたりもキャラ立てがわかりやすい。ただ、なんとなく1話目では「設定適当やなぁ」という部分もちらほら見える気がして、あまり油断はできない気もする。例えば「少女漫画家だけど野郎の顔はかけない」とか、漫画のキャラに突っ込むのも無粋だが技術的になかなかそこまでひどいことにはならないはずだし、中二病の少年漫画家なんてのも非常に安易な設定だ(そして安易なキャスティングだ!)。全体的に分かりやすさを優先しているので、ここから何か面白いギャグがひねり出されるかどうか、というところが今後の勝負の分かれ目だろう。基本的にきらら系なんてギャグが面白い必要はないのだが、設定をキワモノにしてしまった時点で、いわゆる日常ものとしての癒しを求めるセッティングにはなり得ないわけで、あとは多少の無茶には目をつぶってでも全力で走り続けるしかないのである。漫画家という職業も「漫画家が作る漫画」のなかではすっかり手垢がついてベタな題材になってしまっているし、理想のゴールはなかなか遠そうな作品である。まぁ、別にしかめっ面で見るようなもんでもなかろうが。
中の人については、また本渡・大西ペアががっつり食い込んでいるなど、相変わらずのアイム勢の強さをうかがわせる配置。そんな中、主役を務める赤尾ひかるという子は初見だったのだが、なかなか飛ばし気味で面白い発声をしてくれる子である。売れっ子の登竜門と言えなくもない(こともない)きらら系主人公、ここから一気にメインストリームに名前をあげられるかどうか。
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