週末、結局イクサランドラフトの最終回が中止になってしまってスケジュールが空いたので、突発的に行ってきましたプレリリース。前回参加したのはアモンケットの時なのでちょうど1年ぶり。毎回プレリの週末は何かとタイミングが悪いのだが、春先は調整が効きやすいんでしょうかね。しかし、参加させてもらっている店舗のプレリの人数が以前よりもだいぶ減ってるのが気になるのだが……Magicのプレイ人口が減っているのか、単にこのお店が規模を縮小しているだけなのか……。
さて、シールド。開封したプロモカードはレア枠がゴツすぎる3マナファッティ「鉄葉のチャンピオン」で、レジェンド枠が「アルガイヴ国家執事、ベイルド」さん。レジェンド枠ではレアを開けてる人もバカバカいたので、アンコはハズレだった気がする。参考までに残り6パックの開封レアは以下の通り。
・総将軍ラーダ
・双頭巨人
・スランの経時門
・ミラーり予想
・リッチの熟達
・墓場波、ムルドローサ
神話はムルドローサさんだけかぁ。さらに確実なハズレも混ざっているのであんまり嬉しくない内容。開けた強レアは出来るだけぶっこむのがシールドのセオリーだが……。1色ずつ見ていくと、まず赤がすぐさま消えた。火力も大したことないが、致命的にクリーチャーが足りずに魅力がない。「双頭巨人」「ラーダ」と2体が消えるのはしょうがないが、さすがに入れづらい。逆に際立っていたのが黒で、「不純な捧げ物」「喪心」「臓腑抜き」と優秀な除去が1枚ずつ。「ウィンドグレイスの見習い」「虚ろな者、アゴロス」と多少重いが使いやすい飛行クリーチャーも出た。さらに緑からは土地サーチ呪文「灰からの成長」が2枚出たおかげで、アーティファクトの「這い回る偵察機」と合わせて土地の調整は割とやりやすい陣容。「鉄葉のチャンピオン」のトリプルシンボルもまかないたいので、緑黒を中心に色を散らす選択肢になりそうだ。「ムルドローサ」を入れるので青が確定。白もクリーチャーや除去がそこそこあったのだが、せっかくなら「アルゲイヴ国家執事、ベイルド」さん(×2)を入れたかったのだが彼はダブルシンボルなのでタッチに向かない。決定打がなかったので、結局タッチは青だけにとどめ、緑黒タッチ青のスゥルタイカラーで色々といじってみた結果、最終的なデッキは以下の通りになった。
<土地> 17
森×8 沼×6 島×2 愚蒙の記念像
<クリーチャー> 14
荒々しいカヴー ラノワールの特使
鉄葉のチャンピオン ヤヴィマヤの苗飼い
死花のサリッド アカデミーのドレイク
這い回る偵察機 雑食のサリッド
陰謀団の聖騎士 雲読みスフィンクス
ウィンドグレイスの見習い 虚ろな者、アゴロス
孤独な王、グラン 墓場波、ムルドローサ
<その他> 9
冒険の衝動 自然のらせん
古えの憎しみ 不純な捧げ物
喪心 灰からの成長×2
臓腑抜き ミラーリ予想
黒除去3枚に緑の格闘除去でコントロール力が高く、さらに「ムルドローサ」「ミラーリ予想」という2枚のレアで墓地から様々なものが回収できる。マナカーブは多少挑戦したつもりだが、クリーチャーは2マナ1体、3マナ6体、4マナ2体、5マナ2体、6マナが3体とかなり後ろ寄り。でもまぁ、「灰からの成長」+土地17枚だし。実は第1戦のリストでは「ウィンドグレイスの見習い」ではなく2マナに「腐食軟泥」を入れてもう少し前の方に寄せてたんだけども……以下、何となくの試合経過。
1戦目 VS赤緑白
1セット目、相手がほとんど何もしてこないところに2ターン目から「荒々しいカヴー」「土地サーチ」「スフィンクス」「ムルドローサ」とぶん回して勝ち。最後にだしたミラーリ予想がオーバーキル。
2セット目、こちらが2マナからサリッドなどを展開するも、3マナ3/3「炎矢師、ハラー」でピタリと止まる。フライヤーで打開するしかないと思っていたが充実した火力でピンポイント処理され、さらに「包囲攻撃の司令官」が登場。こちらはムルドローサを出し、ゴブリン爆撃で死んだところをさらに「愚蒙の記念像」で回収してもう1度展開するという起死回生のチャレンジをするが、相手の7/7カヴーに格闘されてGG。
3セット目、2ターン目から「腐食軟泥」などを並べるも、相手に出された「不死身、スクイー」でどうあがいても得が取れない状態に。除去があってもしょうがないし、トータルで損になると分かっていてもスクイーに相打ち取られながらも10点近く押し込む。そして登場する「包囲攻撃の司令官」。「あとはスクイー投げ続ければ勝ちだー」とか言われる。幸い「司令官」はレジェンドじゃないので「喪心」が間に合ったけども。その後、「虚ろな者、アロゴス」が通ったら手札から2枚目のスクイーがディスカードされるなどという謎展開もありつつ(「2枚持ってても全然意味ないんですけどね」)、最終的にはキッカー「アカデミーのドレイク」などのフライヤー勢が揃い始めて押し切った。相手は司令官を除去された時点で割とやる気がなくなっていた模様。
この試合で「タフ3が多くて2/2あんまりいらんし、フライヤー超重要だな」と思ったので序盤は完全に捨てるつもりで「腐食軟泥」をアウトしてフライヤーの「ウィンドグレイスの見習い」を追加。
2戦目 VS白青(赤)
2ターン目から「荒々しいカヴー」→「死花のサリッド」→「雑食のサリッド」→「ウィンドグレイスの見習い」ととにかくクリーチャーが展開し、相手は1マリガンから「演習用模型」→「這い回る偵察機」と鈍重なまわりで、起死回生の「豊潤の声、シャライ」もしっかり「臓腑抜き」が合わさってしまう。意図せぬ速攻ビートダウン成功。
2セット目はこちらがテイクマリガン。今度は相手が「演習用模型」「トレイリアの学者」など、大したことないせいであんまり除去を打ちたくない陣容で攻めてくる。こちらは手札が除去に寄ってしまい、攻め手が薄くて除去を打つのもためらわれる。何とかライフ1桁に落としてから「ムルドローサ」が間に合ったと思われたがこれは「祝福の光」で追放。「ウィンドグレイスの見習い」も地上の2/3あたりと相打ちしていくしかない。しかし、ライフが3点まで落ち込んだあたりで相手の動きが止まり、こちらは「愚蒙の記念像」と「自然のらせん」で2回回収した「ウィンドグレイスの見習い」でトータル9ライフを得て何とか踏みとどまる。しばらくすれば有り余るマナに見合ったクリーチャーたちが現れ始め、キッカー「アカデミーのドレイク」や「孤独な王、グレン」が最終的には相手の小粒軍団を黙らせた。
3戦目 VS緑白(赤青)
互いにそこそこレベルの2、3マナを展開するも、こちらが先手だったおかげで一歩殴りでリード。相手が「フレイアリースの歌」を出してきたせいでこちらとしては止まるわけにもいかず、相打ち上等でパンチパンチ。相手は何故かこれに乗る形で割と相打ちしてくれて、最終的に苗木トークン2体にカウンターが乗るくらいで事なきを得る。その後「胞子の大群」が炸裂して苗木だらけ。こちらは相打ち取られて数で負けている、という状態から相手が全体増強「べナリアの軍司令」を繰り出してきて肝を冷やす。幸い「喪心」は手札にあったので最悪の事態は免れた。盤面を「孤独の王、グレン」「雲読みスフィンクス」などの単体で優秀なカードで巻き返すと、序盤で押されていた相手は攻撃に出にくい。結局フライヤーがちまちま殴ってフィニッシュ。
2セット目は相手がマリガン。さらに1戦目の流れが嘘だったかのように苗木なんかの数が増えない。普通のクリーチャーに「激情の怒り」などで水増ししようとするも、除去を合わせられるとアドバンテージロスになってしまうだけ。結局ほとんど脅威も登場しないうちにこちらの時間帯になってしまい、「アゴロス」「ムルドローサ」などがやりたい放題に展開されたところで相手が投了。
結果 3−0−0
おぉ、久しぶりの3−0や。調べてみたらゲートウォッチ以来である(まぁ、あんまりプレリ出てないせいだけど)。今回の勝因は、シールドのもっさり感の読みがいい具合にはまっており、多少重くても決定力を優先しよう、というオールインの精神が上手いこといった。地上はどうせお互いに睨み合いになるので、飛行戦力でちゃっちゃと突破するのが一番良かったようだ。今回対戦した相手にフライヤーをフライヤーでブロックできるデッキがほとんどなかったのも幸いしたかもしれない。どのカードも満遍なく活躍したのでベストカードが選べないのだが、単体での強さは「荒々しいカヴー」が印象深い。2マナの時点ですでに警戒持ってるせいで、絶対同マナ域の戦闘で損しないんだよ。キッカー込みでの5マナ5/5モードがチートすぎるし。
今回の環境は、多分ドラフトでもやっぱり「遅い」環境になるのではなかろうか。イメージとしては3マナ、下手したら4マナまでが「序盤戦」で、5マナが出る頃にようやく劇的に世界が変わる。5マナは上述のカヴーもそうだし、青の「雲読みスフィンクス」などがいるのでサイズが一気に増す気がする。逆に言えば、2〜3マナ域はそこまで振り切れたクリーチャーが多くないので、最低限の備えさえできていれば割とわやくちゃに出来てしまう気がする。ただ、こちらも意図せぬうちに速攻ビート出来た試合もあったので、「相手ももっさりしている」前提で振り切れた速攻デッキが走り抜けることも充分可能ではあると思う。個人的に押さえておきたいのは白の「ペガサスの駿馬」。3マナパワー1と貧弱だが、フライヤーの価値は高く、地上でもたついている味方1体のパワーをダメージに変換できる機構はやっぱり優秀。
そしてこのデッキの肝となった「灰からの成長」。3マナ→5マナのモーションも大事だが、5マナで打ってアド(+結構な圧縮)を取りつつ、出してきた土地が起きているので2マナ立てて除去を構えながらエンド宣言できるのが結構バカにならない。緑は今回1マナの「冒険の衝動」という優秀な「ドロー呪文」もあるので、小回りが効いて優遇されそうな色だ。
除去は弱いと聞いていたが、今回はたまたまだったのか、特にそんな印象もない。クリーチャーが遅く、重くなればそれらに対処できる黒除去は自ずと価値が上がっていくし、赤もそれなりに火力は連打されたイメージがあり、充分な選択肢がある気がする。ただ、2マナ域あたりから全部除去で対応しようとしてしまうと、それはさすがに機能不全を起こすことになるだろう。序盤戦の重要性をどう見るか。いつも通りといえばそうだけど、今後は環境速度の規定がしばらくは議論の的になりそうだ。
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