オカルト好きの科学力と統率力の強さに感嘆しきりの第7話。一介の田舎の土建屋があそこまでのトリックを使えること自体がオカルトだよ。
今回の主役はタイトル通りに、我らが普通の女子高生、黒木亜美ちゃん……ではない。どっちかっていうと初登場の親父の方が目立っている。一応「長野県の片田舎に住むフツーの家族が主役」と言えなくもないんだけど、ちょっと普通というのは語弊がある一家だからなぁ。
久し振りに田舎に帰ってきたマヤを見つけて大喜びの亜美の親父さん。娘同然に可愛がってきたマヤが成長は喜ばしくも少し寂しくて、なんとか小さい頃のあの笑顔を取り戻してもらおうと、親父なりに努力を始める。「マヤを喜ばせるならやっぱりオカルトしかないでしょ」って発想であそこまでの労力を割けるのは本当に恐ろしい執着であるが、本当に善意でやっちゃってるあたりが人の良さの現れ。マヤや亜美の心境を思えば複雑ではあるのだが、なんだか微笑ましくはありますね。
しかし、事態はそう簡単には進まない。亜美にとっては自慢の親父さん。そんな父親が馬鹿馬鹿しくも必死に奮闘している様子は、娘から見ても決して悪いものではない。見たところ父子家庭のようでもあるし、こんな悪ふざけ1つでひびが入るような親子関係ではなかった。そして、だからこそ事件の後のマヤの態度は許せなかった。「自分のために精一杯力を振るってくれたのだ」ということが分からないマヤではないはずなのに、まるで蔑むかのように親父さんの行いをこき下ろす。自分も内心呆れていたからこそ、マヤの本気の態度には逆に温度差を感じてしまったのだろう。
そして、そんなマヤの心境も複雑なものだ。前回の一件で、文明への態度がいくらか軟化した彼女。未来の壮絶な様子も、幼い文明の不遇の身の上も、責任感の強い彼女には少なからず影響を与えている。そんな状況だからこそ、人類の命運を左右する事件である「オカルト」を冗談半分で軽んじてしまった亜美の父親には、つい感情的に接してしまった。幼い頃からの恩ある身を思えば、壮大な悪戯1つで本当に憎くなるほど亜美の父親に対して怒りを覚えたとも思えないのだが、状況が状況、焦っているだけに思わず感情的になってしまった。
加えて、頬を張った亜美の一言、「父親をずっと嫌っていればいい」との物言いは、彼女の最も触れて欲しくない部分、実父との関係性を思い出させてしまう。かたや不仲で別れ別れになっていた父娘、かたや2人だけながらも仲むつまじく生活している父娘。その対比が、彼女の孤独な身の上にチクリと突き刺さる。
亜美の親父さんも、そんなマヤの身の上を知っているからこそ、自分を庇ってくれた実の娘に手をあげた。マヤに元気になってもらおうと思って仕組んだ一件だったのに、結果的には一番触れてはならない傷をえぐることになったのだから、彼の心中も図るにあまりある。3人が3人とも他人を思いやることが出来て、それぞれに強い愛情で結びついているからこそのすれ違い。ちょっと切なくなります。次回できちんと改善してくれるとは思うんですが、サブタイトルが間抜けなのでちょっと不安です。この作品は本当にねぇ……
というわけで、シリアスなネタは置いとくとして、今回も丁寧に作り込まれた画面はハイクオリティ。長野県・夏・田舎という組み合わせだと「サマーウォーズ」なわけだけど、あれに負けず劣らず、ノスタルジックな「夏の楽しさ」がにじみ出る日常描写が素敵。黒木家は娘さんとの関係性が凄く羨ましいです。風呂上がりにさばさばと出てきた娘と縁側でスイカって、なんか凄くいいなぁ。亜美の部屋もオリンピックのポスターだのぬいぐるみだのが雑多に並んでいて、なんだか「らしい」部屋になっていたのが印象的です。
そしてこの作品のもう1つの売りと言えば、やっぱりギャグ。マヤがシリアス寄りの立ち位置にいたために、主な顔芸要員はこずえ(とJK)でしたか。こずえがはじけてる時の様子は「可愛い」とはなんか違う気もするんだが、どこか放っておけない愛くるしさがあります。
そして完全ネタ要員のJK。プリンタワー、プリン噴射、そしてグレイコスと、ギャグ以外やる気無しとばかりの大活躍(?)。スマイルはなんであんなキモい奴とつきあってんのかな。そして、何で太めのJKがグレイ役を任されたのかな。どうせスマイルもクレーンの操作がろくにできなかったんだから、どっちかっていうと裏方をスマイルに任せた方が良かった気がするんだけど。そして、文明の写真に写ったJK大増殖の恐怖。あれは……何だったんだ……
そういや、今回の一件は全て親父さんの仕込みってことで片が付いたことになってるんだけど、牧場の牛がキャトられてたのも彼らの仕業だったんでしょうか。他の騒ぎはかわいげがあるけど、キャトルミューティレーションだけ毛色が違う気がするのだが。
今回の結論。→ロリマヤがやたら可愛い。
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