「異世界チート魔術師」 4→4
チートしろや……。いや、チートされても面白くないんだけど、無いなら無いで「いや、チートちゃうんかい」ってなる。消費者とはわがままなものですな!!
点数付けが悩ましいんだよ。アニメとしての全体像で言ったら「リトライ」よりもまっすぐでわかりやすいし、全体的な作画クオリティだって特に文句を言うような部分はない。チート魔術師って言ってるくせに今期の作品の中では一番苦戦の連続だったやんけ、って思うけど、オレツエーを無限に見せられる地獄はどこぞの孫やどこぞのスマホで知っているので、苔の生えたラノベ作品のように、それなりに苦戦したり修行したりして、なんで戦ってんだかよくわからない戦闘に勝利するまで頑張る構図だって、むしろ認められるべき構成だ。今作は、本当に「昔ながらのそういうアニメ」の路線に乗って、改めて「チートじゃないように見えるけど、最終的にはチートを手に入れる主人公の物語」を作り上げている。間違ってないんだ。ドラマとしては。
でも、そこに味がないんだ……。画が悪くないとは言ったが、別によくもない。戦闘が真面目だとは言ったが、特に見せ場はない。吐き気をもよおすようなオレツエーの理不尽は無いが、理由があればチートしてもいいというわけでもない。多分、こういう作品を評する時に私がこれまで使ってきた表現があるとするなら、「ジャンプで10週打ち切りになりそうな漫画」である。これは……多分アンケート取れない。
ただまぁ、こういうのって求める層があってもいいとは思ってるんだよね。気持ち悪いオレツエーに固まった思考停止作品ではなく、一応「物語のフォーマット」をなぞろうとした結果陳腐になってつまらんだけの作品。でも、これをつまらないと判断するのは「陳腐だよなぁ」と思うだけの下地があればこそ。もし15年前に出会っていたら、普通に見られた可能性もあるかもしれないんだから。……いや、無いんかな……。でも試しに確認したら2004年に放送されたアニメにはこれよりもしょうもないタイトルがたくさん………………あれ、そうでもなかったわ……えぇと、あ、2008年まで進めたら「ドルアーガの塔」とか出てきた。それよりは……うーん。
まぁ、何をするにも蓄積って大事。このアニメだって、今後も続々生み出されるであろうなろう系作品を比較するための基準として、上がったり下がったりする人生が待ってるかもしれないのだ。まぁ、いつまでこのタイトルを覚えてられるかも自信はないが。こういうのよりもむしろスマホや孫の方が語り継がれる可能性が高いという事実、何事もやり切った方がいいっていう訓話だ。
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