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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 気づけば学園祭イベントも久しぶりやなぁ。確認したら一応去年の秋もしゅが美のイベントいってるから1年ぶりではあるんだが、ちゃんと抽選応募しての参加だと2年前の京大のころあずイベント以来か。おじさんもなかなかフットワークが悪くなってきて、学生たちのイベントにも参加しにくくなってきてるのでねぇ。

 ただ、流石に今回は見ておきたかった。何しろゲストは今をときめく小原好美である。ぶっちゃけ、最近は声優ラジオとかもさっぱり聞かなくなってしまったので人となりについては全く知らない状態だったのだが、むしろ「役を通して」という(声優としてはごく真っ当な)接し方だけでたっぷりとインパクトを与えてくれる小原好美という人物をいきなり生で拝めるチャンス。さすがの京大、毎年ゲスト選びがシュートである。そりゃもう、女房を質に入れてでも見に行かねばなるまい。しかも今回は当選通知を見たら席がめっちゃ前、めっちゃセンター。もう、特等席でしたよ。この距離で声優が見られるイベントなんてそうそうないと思います。近さと軽さは学園祭イベントの最大の魅力ですね。

 




 さて、そうは言ったものの……今回のイベント、おそらく私がこれまで参加したどのイベントよりも「重い」ものだった。言い方が変だが、別な言葉にすれば「情報量がとんでもなく多い」イベントだった。京大声優同好会のイベントというと、過去の例を見るとゲストを呼んでおきながらやたらとキャラの濃い運営側MCが出現したり、謎のプレゼン合戦が始まったりと企画自体も濃いものが多かった印象だが、今回はなんと、「ゲストにじっくりとキャラの話を聞く」というコーナーがほとんどを占めた。具体的に言うと約90分に渡る「キャラの演技を語る」のコーナーがメイン。もともとイベントの時間が90分と予告されていたのにこの密度である。どんだけガチで「声優さんの話を聞く」というイベントとして構えてたんだっていう(実際には時間が押しに押して約2時間のイベントになった)。90分という時間は大学の講義の時間と同じなので狙ってセッティングしたものかもしれないが、大学講義室に現れた小原好美の第一声が「ハイ,授業始めます」だったことに端を発し、まさに90分たっぷりの「小原好美概論」が繰り広げられたことになる。そりゃもう、ファンからしたらたまりませんよ。本人はラストに「90分なんてあっという間ですね」といった直後にスタッフに「まぁ、間もなく2時間ですけど」と言われてたいそう驚いていたが、聴いてる側としてはお約束の「今きたばっかー」である。無限に聴いていられる思い出と愛と教訓に満ちたお話の数々。これ以上ないくらいの純度で繰り広げられた「トークイベント」は、その役割を完璧に全うして終了したのである。これはかなり貴重な時間だったんじゃなかろうか。イベント開始直後に「今回はやたらとMCとの距離が遠くない? 以前ならもっとダイレクトにゲストに絡んでたのに」と思って気にしながら見ていたのだが、おそらく運営側も今回は「とにかくゲストに喋ってもらう」というところに主軸をおいていたのだろう。こうしてひねらずにダイレクトにトークのみで構成されるイベントってのも、当たり前のように見えて、実際に展開するのはそれなりの覚悟と入念な準備が必要だったことだろう。まずは運営のみなさんにお疲れ様である。

 「入念な準備」ってことで今回は驚いたことがあり、なんとトークにあたっての資料として、実際にアニメで使われた映像がいくつも流されたのである。普通この手のイベントでは一枚絵はともかく、動画素材はあまり使うことができない(権利関係の問題)はずなのだが、今回は企画の時点で各所に打診し、きちんと許可を取った上で、参考資料として動画を流すことが可能になっていた。その辺りの周到さというか、気合の入り方もまさに「ならでは」のクオリティ。だって、おそらく世界中にたくさんのファンがいると言っても、本人が見ている目の前で一緒に「チカっとチカ千花っ」を鑑賞できたのは、おそらくこの会場にいた人間だけですよ。本人が恥ずかしさに目を背ける中で鑑賞するショキノチカ。もう、これだけで値千金である。その他にもとにかく「キャラを語る」という部分にウェイトをおくために余計な装飾なしでの「アニメと、キャストと」という真剣勝負の構成には、とにかく貴重なトークがてんこ盛りで濃密な時間になった。わたしゃ本人の人となりを知らないと言っていたが、この2時間で改めてファンになりましたよね。

 小原本人のキャラについてはどんな風になるものかと興味深く見ていたのだが、印象としては、かつて同じように京大でイベントをやった大久保瑠美に近い部分があるだろうか。本当に根っこの部分が真面目でキャラに対する向き合い方に一切の妥協がない。そのくせトークになると平気で爆弾を投げ込むような切れ味の鋭さがあり、場の空気を読んで適度にネタを放り込んでいくバランス感覚がお見事。今回が学祭イベントは初めてだったというのだが、とてもそんな風には見えない堂々たるイベント回しだった。トークの端々に見えるまっすぐさと聡明さはまさにショキノチカなんかのアホキャラとは良いギャップになっており、「これだけ真面目な役者さんに、真剣に作ってもらえたんだからキャラの方も喜ばしい限りだなぁ」と万感の思いがある。そりゃまぁ、世の中の声優さんたちは日々激しい生き残り競争を戦い続けている猛者ばかりなのだから、誰もが役者としてのプライドと敬意をもって仕事に挑んでいるのだろうとは思うが、小原の場合、1つ1つの役との向き合い方が本当に丁寧で、どのキャラに対してもちゃんと自分の中に取り入れ、寄り添っている印象がある。こうして常に全力でぶつかっているからこそ、あれだけの人気キャラが次々と生まれるのであろうなぁ。改めて、天下を取れる人材である。

 

 情報量が多すぎたのでメモも取ってない状態では記憶も定かでないが、以下、個別に取り扱われた6人のキャラについてのトークについて、印象に残った部分を簡単にまとめていこう。なお、正確に覚えている訳ではないので、小原本人の発言として書いている部分も正確な内容は保証しない。文責は私にあるのでご注意されたし。

 

1・「かぐや様は告らせたい」より「藤原千花」

 「最初からクライマックスだぜぇ!」の精神ですよね。一発目からこれ。っていうか会場に流れてるBGMが「ラブドラマティック」スタートだったことから察しろ。ちなみに、この藤原書記のコーナーだけは感想を聴いていく際に提示された素材が全て動画素材になっており、どうやらどっかの偉い人の全面協力のもとで実現した部分である。チカ千花を見ながら崩れる小原、「ちんちん」動画で逃げ出そうとする小原。誰だこのイベント考えたやつ(いいぞもっとやれ)。藤原書記に関して面白かったのは、「チカ千花」に関して、ほとんど具体的なディレクションはなく、好きに歌ったらそのまんまいろんな遊びも含めて採用され、とんでもねぇ動画をつけられた結果あれだけの事件に繋がったという部分。もともとアホキャラはやりやすい部類ではあったのだろうが、ここまで突き抜けて「空気を読まないアホ」というのはなかなかおらず、その上で「嫌われてしまったらいやだ」という気持ちもあったのでイラっとくるようなアホさに振り切れないように注意していたという。確かに、あれだけのことをしでかす藤原書記はヘイトを集めてもおかしくないキャラのはずなのに、終わってみれば問答無用の核弾頭として作品の看板になっていた。このさじ加減は偶然ではなく、キャストの努力の賜物だったということである。ちなみにこの話の最中に何度も名前が出てくる青山穣はやっぱり流石だな、っていう。

 

2・「あそびあそばせ」より「野村香純」

 ここからは動画素材ではなくなったんですが(良かった……)、止め絵の方が破壊力が大きいのがこの作品の問題点でな。一言でまとめると「全てが挑戦、とにかく全力」というのがこの作品。華子に比べりゃ香純はまだ抑え気味のキャラではあるのだが、それでもあれだけのテンション芸だからな。そりゃまー、アフレコ現場でも鍛えられたことでしょう。華子役の木野日菜ちゃんも含め、全ての話数の収録が終わった後には歴戦を乗り越えた猛者のごとき心境で、まさに「面構えが違う」状態だったそうな。まぁ、そりゃあの作品じゃね……。「今も木野日菜ちゃんとはプリキュアで一緒なんですけど」って言われて初めてその事実に気づいたが、とんでもなく汚ねぇフワとミルキーである。

 

3・「まちカドまぞく」より「シャミ子」

 ここでついにシャミ子登場。個人的には小原好美ヒストリーの中でも大きなターニングポイントになる役だと思っているので一番興味深く聞かせてもらったのだが、面白かったのは「オーディションテープの時点では語尾も緩めで、抜け気味の演技で役をもらったが、実際の現場では桜井監督からもうちょっとしっかり芯を持てと言われた」という話。「男の子っぽさも混ぜて」というディレクションだったらしいが、確かにシャミ子のセリフって、テンポの速さもあるけど1つ1つがちゃきっちゃきっとまとまっていて、それゆえにあの愛らしさとまっすぐさの混じり合った絶妙なキャラ設定に繋がっている気がする。収録中も油断すると少し抜け気味でアホ多めになりがちだったが、その度に監督や音響監督から「そんな間抜けな媚びた声はいらん!」と一蹴されてシャミ子に引き戻されたという。なるほど難しい。そうして1ピースずつ気をつけながら組み上げていって完成したのが現在のシャミ子の全体像。これは確かに大変なお仕事だったのだろうなぁ。もちろん、その苦労に見合うだけの結果は存分に発揮されてますよ。私が「シャミ子がとても気になるなぁ」と思って観ていたのは、やはり製作陣の狙い通りだったということだ。

 なお、個人的に無視できなかったのは「梅津さんとか大原さんも本当に優しくしてくださって」という話からの繋がりで、監督は上述の通りにシャミ子が崩れればすぐに注意を飛ばしてくるが、清子役・大原さやかの演技については毎度「いやぁスバラシイ、いいですね」とべた褒めだったらしい。若手連中は思わず立ち上がって「私たちそんな褒められたことない」と憤ったとかなんとか。しょうがない、あの声は清子ボイスなのですから。あらあらうふふ。

 

4・「月がきれい」より「水野茜」

 こちらは作品の話もそうだが、事実上のレギュラーデビュー作として、小原の声優人生の記念すべき1ページ目としての意味合いが強かったようだ。興味深かったのは、いわゆるアニメアニメした作品ではなく、脚本にしろ映像にしろ、どこかでリアルに寄せたような生の芝居が見せ場となる作品であり、なんと最初のうちはいわゆる「本読み」というキャスト同士の掛け合いを中心とした合わせ稽古から始まり、プレスコでの録音だったので「アニメのキャスティング」としては割と異例のスタートだったというお話。普通、アニメのアフレコ体験っていうとスタジオで何していいかわからずオタオタしてマイクのin・outなんかで困ることが多かったりするのだが、ものがプレスコだと尺の感覚も違うし、あまり周りの雑事にとらわれずに演技の方に集中できたのではなかろうか。生の芝居を求められ、「キャラを作るというより、小原さん自身がどのように感じるかで自然に演じてください」と言われ、役者がキャラに近づくというより、役者側の演技にキャラが寄っていく感じの作品作りになったという。こうしてある程度「キャラ作り」を考えて演じられるような環境からこの道に本格的に入れたことは、小原の役者人生を考える上でもラッキーだったんじゃなかろうか。思えばあの悠木碧も事実上の主役デビュー作品「紅」がプレスコ作品だったっけ。最初に「演じること」について徹底的に考える時間があって、それから声優業の細かいテクニックについて慣れていくっていう順番は案外大事なのかもしれませんな。

 

5・「魔法陣グルグル」より「ククリ」

 主に旦那(石上静香)の話がメインでした(6割ほんと)。石上静香だって年齢がそこまで離れているわけでもないのだが、やはり声優としてのデビューが早く、先輩として色々と気を使ってくれたという。これだけ喋るメインの役ってのは当然初めてのことだし、そのお仕事で恵まれたパートナーと仕事ができたというのもラッキーなことだったのだろう。今でも旦那とはよろしくやっており、2人で話していると自然に声のトーンがニケとククリに寄っていくそうです。「グルグル」に関しては、やはり大人気作品の再アニメ化ということでプレッシャーも大きく、石上と二人して1話目のアフレコの時には緊張で眠れず、ほとんど徹夜状態でアフレコに挑んだなんて話も聞けたが、そうして自分たちも幼い頃に触れたような作品で、2クールに渡ってメインヒロインを演じられたというのも大きなステップアップに繋がったのだろう。最終話での告白シーンについては、「このセリフをククリとして言えるのは自分が初めてなのだ」という思いで役を最後まで務め上げたという。なるほど、そういう考え方もあるもんなんだな。ちなみに、キタキタ親父(小西)があんな役のくせしてマイク前では格好いいもんだからむやみに対抗心を燃やして「負けちゃいられない」と鼓舞していたとか。こにたん、こんなとこでも若手に人気。

 

6・「スタートゥインクルプリキュア」より「羽衣ララ/キュアミルキー」

 最後はこちらの役。不覚だったのは、「ミルキーの話ならじっくり聴けるやろな」と思っていたら「今回は劇場版の話を中心に……」と進められそうになったこと。ここまで6作品、全てちゃんと観てはいるのだが、しまった、劇場版スタプリはみてないんだ。でもまぁ、実際は会場でもみてる人がそこまで多くなかったので「ネタバレしないくらいの範囲でのお話を」っていう流れになった(マネージャーにどうしたらいいか助けを求めたら、マネージャーが「いいかんじで」としかいってくれなかった)。まぁ、劇場版がどうなったかはさておくとして、とにかくミルキーである。こちらでは「プリキュアは決してちっちゃい子向けの子供騙しアニメじゃないよ、みんな観てくれ!」ということを強く発信していた印象。まさにテレビシリーズでもミルキーの心情を中心に色々話が動いていたタイミングだし、トピックとしては実に気になる部分だ。当然「中の人仲間」として残りの4人の話も出てきたのだが、「他の4人は全員歌手の仕事も同時にやっている人たちばかりでみんなめっちゃ忙しそう」と言われて「確かに」と初めて気が付いた。でんぱ組も含めて、全員個人名義でデビューしてる人間ばっかりなんやな。「プリキュアのみんなはだいたい中の人もキャラに似てるんですけど、(……こういうこというと私がアホだって言ってるようなもんなんですけど)小松未可子さんだけはちょっと違う。セレーネはお姉さんっぽい感じだけど、みかこしは中にちっちゃなおっさんが住んでる」って漏らしてたのが一番笑った。いや、すみぺなんか隠すことなくおっさんだと思うんだがね。

 もう一人名前が上がったのはAI役で共演している伊藤美紀だろうか。後の質問コーナーで「大沢事務所の先輩で仲のいい人は?」って聞かれた時に名前が出ていて、「ご本人に出番がない時でも、収録の時にAIっぽい口調のLINEメッセージで応援してくれる」とのこと。ガチャポンで当たったAIのちっちゃなストラップをプレゼントし、現在は収録中に2人してつけているのだとか。いい大先輩を持つっていうのも幸せなお話しよね。大沢事務所は先輩ラインナップが充実しとるからのう。

 

7・その後

 こうして6つの作品とキャラについてどんどん掘り下げていったら、あっという間の90分。どのキャラについてもおんなじような質問をされ続けているのに、一切話が途切れることなく、それぞれのキャラで新鮮な話がポンポン飛び出してきたのはすごかった。事前にトークの準備はしてるんだろうけど、それでもとっさの質問にも次々にアフレコ当時の記憶を思い出して印象深い出来事を話してくれているのを見ると、きっとそれぞれの役に思い入れがあるんだろうなぁと思わせてくれる。特に最後のキュアミルキーに関しては、「劇場版はアフレコ台本を全部覚えてから収録に臨みました」と言っており、その真剣さが伺える。

 ここまでの話をまとめると、本当に各作品でキャラに恵まれ、環境に恵まれてもいたが、何よりそうして恵まれた状況をきちんと受け止め、その中でできるベストのお仕事で応えている小原本人の誠実さが結果に繋がっているのだということである。2時間の長丁場を終え退場する最後の瞬間まで一人一人の聴衆の顔を名残惜しげにじっと見つめ、最後に深々と頭を下げて退場した彼女の後ろ姿が実に印象的。ぜひ、今後も素晴らしい役を生み出し続けて欲しいと思います。

 なお、お約束のアフレココーナーではだいたいやさぐれる模様。その辺も声優あるあるだったりする(まぁ、ファンの妄想著しいセリフとシチュエーションってだいたい痛々しいから……)。

 頑張れシャミ子、どんなニーズにも応えて、完全無欠の素晴らしい声優になるんだ。

 

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コメント
無題
司会の石毛です。この度は#小原好美のココにきたよin京都にお越しいただきありがとうございました。田所あずさのトークショーにも足を運んでくださったのですね(当時の司会です笑)。わかりやすいまとめ方をしていただき、こちらも嬉しい限りでございます。また何か縁がございましたら、よろしくお願い致します。
【2019/11/26 22:06】 NAME[石毛] WEBLINK[] EDIT[]
Re:無題
関係者ご本人登場?!
いえいえ、こちらこそ素晴らしいイベントありがとうございました。「学祭でしか出来ない」貴重なコンセプト、堪能させていただきました。来年以降も、引き続きこうしたイベントを続けて下さいますよう、よろしくお願いします。
【2019/11/26 22:44】


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