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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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<青>
 
Alchemist’s Apprentice 錬金術師の弟子 (1)(U) C
クリーチャー・人間、ウィザード
1/1
〜を生け贄に捧げる:カードを1枚引く。
 
 能動的に機能できるかどうかの違いがあるが、大体は「眼魔(MBS)」。つまり、リミテッドであんまり良い具合にカードが集まらなかった時の自然な穴埋め要員。一応2マナキャントリップとしてすぐに回せるのは「眼魔」よりも偉いのだが、スタックルールが無いのでタフネス1と相打ちを取ってドロー出来ないのは劣っている点。トータルで見ればトントンくらいか。ただ、一応この世界特有のシナジーはそれなりにあって、人間であることで各種トリガーを誘発させることが出来るし、結魂志望のクリーチャーが多いこの世界では、穴埋めだろうがキャントリップだろうが、とにかくクリーチャーであることに意味がある。もっと強いクリーチャーが来て結魂相手が不満を漏らすようになったら自ら命を絶って離縁出来るというのも、悲しいかなプラス要素になっているのである。ちょいと悲しきNTRクリーチャー哉。そういや「不運な研究者(JDG)」とか、下っ端の研究職って大体死ぬよな。これがワーキングプアかー。
 
 
Amass the Components 材料集め (3)(U) C
ソーサリー
カードを3枚引く。その後、手札からカードを1枚あなたのライブラリの一番下に置く。
 
 3枚引いて、1枚減らす。在りし日の大人気カードである「強迫的な研究(RAV)」と同じセッティング。送り場所が墓地とボトムという差があるので今の環境だと結構違うんだけど、一応土地以外も捨てられる部分でとんとんと見よう。ということは残った差はマナコスト。やっぱり3マナと4マナは大きく違うかなぁ。しかし、純粋に3ドローの「集中(8ED)」も4マナだと考えると、あながち悪い取引でもないのかもしれない。1枚分のアドバンテージ差はあるが、手放すのは手札で一番いらないカードでいいわけだし、実質的には3ドローとそこまで大きくは違わない。となれば、これがコモンで手に入るのって結構大事なのかもしれない。カードの質にムラがあるリミテッドなら、とにかく3ドローというだけでも強烈だし、意外に青の命運を決めるカードになったりするか。結局は環境の速度次第だけども。
 
 
Arcane Melee 秘儀の打ち合い (4)(U) R
エンチャント
インスタント呪文とソーサリー呪文は、唱えるためのコストが(2)少なくなる。
 
 なにかやってくれそうだと思ってたら実際に割とやりよるカードだったのが、イニストラード原産の「心なき召喚」。やっぱりコストが2も低くなると、多少のデメリットは気にならないものですね! というわけで、味を占めたイニストラード世界は、さらにインスタントとソーサリーにも市場拡大をもくろんでいる。こいつぁ大成功の臭いだぜ! ……とはいかないのがMagic業界の難しいところで。まず、どう考えてもクリーチャーよりもソーサリーなどの方がデッキに入る可能性が低い。この時点で専用デッキが作りにくいのが難点。もちろん、ソーサリーには大きな影響を及ぼすカードも多いので下の環境まで広げたコンボデッキならばプールは潤沢であるが、今度は5マナという重さが致命傷。「心なき召喚」はやはりデメリットを負ってまで達成した2マナというコストが偉かったのであって、「他のカードのコストを下げるために、まず重たい置物を置かねばならぬ」というのはかなり厳しい条件である。ワンチャンあるとしたらやはりなにがしかのコンボデッキということになると思うが、まだちょっと思いつかないよねぇ。これを置くと「牧歌的な教示者(MOR)」で2枚目のこれを1マナサーチ出来るようになって、重ね張りして……とか考えたけど、オチが浮かばない。
 
 
Captain of the Mists 霧の海の船長 (2)(U) R
クリーチャー・人間、ウィザード
2/3
他の人間が1体あなたのコントロール下で戦場に出るたび、〜をアンタップする。
(1)(U)(T):あなたは、対象のパーマネント1つをタップまたはアンタップしても良い。
 
 青に時たま収録されるタップ&アンタッパー。しかもこいつはレア収録ということで、なかなかに珍しい。そして、レアになると何が出来るようになるかというと、まず、3マナ2/3とでかい。同じ能力を持った「くぐつ師(10ED)」が3マナ1/2だったことを考えれば、一回り安定感が違う。その分起動コストが余計にかかるようにもなっているが、パーマネント全てを対象に取れるようになったので「リシャーダの港(MMQ)」を気取ったり「通電式キー(M11)」ぶったり、実に様々な任務がこなせるようになっている。そして、人間1体でアンタップという能力。単純な発想ながら、たとえば「スレイベンの破滅預言者」と手を組むとマナがあるだけ人間トークンに注ぎ込めるようになるし、いっそ起動型能力を無視して今回登場したティム化エンチャント「稲妻の勇気」の土台にしてしまってもいい。リミテッドでも1ターンに2体タップ出来たりするので、まぁ、とにかく便利なのは間違いない。まぁ、その場合最低でも5マナかかるんだけどさ。たまに「あぁ、それレア、ふーん」とか言われるレベル。何か双子デッキみたいなコンボが狙えないもんかなぁ。
 
 
Crippling Chill 悪寒 (2)(U) C
インスタント
対象のクリーチャー1体をタップする。そのクリーチャーは、そのコントローラーの次のアンタップ・ステップにアンタップしない。
カードを1枚引く。
 
 対象を狭めた代わりにキャントリップになった「霜のブレス」。結局基本セットのリミテッドってあんまりやってないから知らんのだが、「霜のブレス」ってあんまり使われてないカードだったね。それをマイナーチェンジしたところで、そこまで差は無い呪文なんじゃないかって気がする。一応、キャントリップってのはそれだけで仕事になるので、相手のファッティを足止めしながらライブラリ回すのが望みなら、一応。今回は結魂クリーチャーがたくさんいて、擬似的に速攻風味で不意打ちを食らわせる展開が多くなっている。そういう事情も鑑みれば、安全装置としては悪くない気もするな。
 
 
Deadeye Navigator 狙い澄ましの航海士 (4)(U)(U) R
クリーチャー・スピリット
5/5 結魂
〜が他のクリーチャーと組になっている限り、その両方は「(1)(U):このクリーチャーを追放する。その後、このクリーチャーをあなたのコントロール下で戦場に戻す」を持つ。
 
 青の結魂は一筋縄ではいかない。このクリーチャーはなんとFlicker能力を与える。しかも、これが2マナ起動とやたら軽いのが特徴だ。こいつ自身は6マナと重たいが、一応5/5という青らしからぬボディを備えているので我慢も出来るレベル。あとは一度マナさえ自由になってしまえば、こいつも相棒も相手の除去など一切通用しなくなるし、ペアを組んでいないクリーチャーが除去に狙われた場合も、「こいつがちらつく」→「出てきた時にペア組み直しで死にそうなクリーチャーと手を組む」→「そいつがちらつく」というルートで回避出来るようになってしまうのだ。とにかく鉄壁。とにかく無敵。当然、ペアを組んだクリーチャーが187なら阿鼻叫喚。これと「霧鴉」がペアを組むと、「貿易風ライダー」すら裸足で逃げ出す地獄が待っているぞ。「修復の天使」とかだと、もう何がなにやら。これ、「出産の殻」に面白そうなんだけど、どうかな。
 
 
Devastation Tide 壊滅的大潮 (3)(U)(U) R
ソーサリー
全ての土地でないパーマネントを、そのオーナーの手札に戻す。
奇跡・(1)(U)
 
 パッとテキストを見ると一瞬あの「激動(ODY)」の再来かと思ってしまうが、もちろんそんなこたぁ無い。どっちかっていうと近いのは「脱出(10ED)」の方だろうか。土地でないカードなら問答無用で全て戻るということで、当然リセット力は「脱出」よりも高い。ソーサリー限定なので奇襲的に使うことは出来ないが、何らかの「時間が稼ぎたい」デッキがあるならば、5マナの疑似リセットは使われてもおかしくないレベルではある。相手がトークンだったら除去になるわけだし、立派に育ったプレインズウォーカーなどにお帰りいただくのもまとめて出来る。特定のニーズにはばっちり応えているはずなので、今後のデッキタイプの発展が楽しみだ。そして、奇跡で起動すればわずかに2マナ。まぁ、この手のスペルは非常に使うタイミングを選ぶので簡単に「引いたから使っちゃおう」という風にはならないと思うのだが、中盤以降、上手いタイミングで引けた時に余剰アクションにマナが回せるかもしれないのは悪い相談じゃない。もともと5マナで充分な効果なわけで、不意打ちからの立ち直りで先行出来るのも面白いポイントだろう。なんか白の「終末」と比較されることが多い気もするが、青はもともとこういう色なの。「脱出」ファンとしては応援してみたい1枚だ。
 
 
Dreadwaters 戦慄水 (3)(U) C
ソーサリー
対象のプレイヤー1人は、自分のライブラリを上からX枚墓地に置く。Xは、あなたがコントロールする土地の数である。
 
 その衝撃のお値段や謎の効能で一時期ワイドショーを盛り上げた謎の液体が「なんとか還元水」だ。結局何を還元したものかなど誰も分かるわけがなかったが、今回の商品は、そんな日本政府の馬鹿馬鹿しさをも凌ぐ恐ろしさを秘めている。その名も戦慄水。そりゃぁもう、そういう名前なんだから戦慄するんだろう。どれくらい戦慄するかというと、並べた土地の枚数くらいだ。……うん、そんなに増えないよ。個人的にはこの環境でも一応ライブラリが攻められるということが判明して喜ばしい限りだが、この4マナのソーサリーが「夢のよじれ」を超えるのは、最低でも7ターン目以降。土地が7枚もならんでりゃ、「高まる混乱」で18枚削れている。うむ、流石に嘘くさいな。ナントカ戦慄水の費用は、税金ではまかなえそうもない。
 
 
Elgaud Shieldmate エルゴードの盾の仲間 (3)(U) C
クリーチャー・人間、兵士
2/3 結魂
〜が他のクリーチャーと組になっている限り、その両方は呪禁を持つ。
 
 「盾の仲間/Shieldmate」といって思い出すのは、やはり「マキンディの盾の仲間(ZEN)」だろう。同盟者がいれば鬼に金棒だが、そうでなくとも3マナ1/4でがっちり防御のその後ろ向きさが、「速く無ければデッキじゃない」とでも言いたげなゼンディカー環境で一際輝いていた。相変わらずライブラリを攻めたりしていた僕は、思わずこいつが好きすぎて構築戦でもこいつが入った「同盟者ライブラリアウト」を使ったくらいだ。まぁ、最終的に盾の仲間は抜けたんだけど。で、そんな盾大好きさんだが、冗談めいた名前とは裏腹に、持ち込む能力は今や史上最強のキーワード能力と名高い、呪禁。そりゃぁあんた、ちょっと駄目だよ。なんでお前さんコモンなのさ。お前みたいなのがいると、本当にもう、どうしようもないんだよ。知ってるかい、現在の環境で私のデッキに勝とうとする場合、「アヴァシンの仮面」か「もつれ樹」を入れればいいって言われてるのさ。そして、実際その2枚には絶対勝てないのさ。それくらい呪禁は嫌いなんだ。それが何で2体も同時に生み出されるのさ。……まぁ、2体同時といっても片方はこの4マナ2/3で固定だし、相棒の方だってそうそう選べるもんじゃない。ただ、青は今回3マナに3/1アンブロッカブルの「掛け金探し」がいるんだよ。あぁ! 誰かが元気になる様子が見える! やめて! 今回のセット、こいつを除去れるカードが一切無い。ほんと、マジでない。一応の弱点として、「あまりに2人して死なないから、ペアの組み直しが難しい」っていうのがあるんだけどね。ん? 「現実からの剥離」? あー。
 
 
Favorable Winds 順風 (1)(U) U
エンチャント
あなたがコントロールする飛行を持つクリーチャーは+1/+1の修正を受ける。
 
 なるほど、飛行クリーチャーの攻撃力って、風向きで変わるもんなんだな。わずか2マナのエンチャントのくせに、フライヤー全部強くなるっていうのは割と大盤振る舞い。リミテッドではなかなか狙って出来るものではないのでこの設定なのかもしれないが、現在のリミテッドでも時折「無形の美徳」が役に立っているデッキを見ることがあるのだ。そして、トークンデッキよりは、フライヤーてんこ盛りデッキの方が組みやすいのではなかろうか。まぁ、今回は緑がやたらと飛行対策を充実させており、飛んでいることが今までよりもメリットとして働きにくいのかもしれないが。あれ、このカードって、「未練ある魂」のデッキに入れるとどうなるの? 「無形の美徳」「清浄の名誉」に続いての、12クルセイダーズ!! ……いらないかぁ。ちなみに、イラストで大量発生しているのは、鷺の頭と馬の胴体を持った謎の生き物、グリフ。なるほどキモい。
 
 
Fettergeist 枷霊 (2)(U) U
クリーチャー・スピリット
3/4 飛行
あなたのアップキープの開始時に、あなたがコントロールする他のクリーチャー1体につき(1)を支払わない限り、〜を生け贄に捧げる。
 
 3マナ3/4フライヤーということで、現在も大活躍中の「縫い合わせのドレイク」に肩を並べる優良クリーチャー。あちらは雇用契約時に色々と要求してきたが、こちらは維持コストとして毎ターン年俸を要求してくる。長い目で見れば、やっぱり明朗会計の先輩の方が安定感がある。このクリーチャーは後半になればなるほど維持するのがしんどくなるし、早めに出しておくと後続を送り込むのに支障が出るので、どのタイミングでも常に悩みの種になりうる。ドレイク先輩なら中盤以降は何の気兼ねもなく雇うことが出来たのだ。しかし、ドレイクと違って3ターン目に確実に出てくる、というのはやはり魅力。単騎駆け状態なら維持コストはいらないし、3ターン目に登場した3/4になすすべもなく殴り殺される展開だって充分あり得るだろう。デッキタイプにもよるが、ある程度遅めで、1ターン目、2ターン目にクリーチャーが出にくいようならば、規格外の先兵として充分期待に応えてくれるはずだ。
 
 
Fleeting Distraction 一瞬の散漫 (U) (エルドラージ覚醒から再録)
インスタント
対象のクリーチャー1体は、ターン終了時まで−1/−0の修正を受ける。
カードを1枚引く。
 
 何故帰ってきたし。見たこと無いよ、エルドラージ時代に使われてたの。そりゃま、無駄にはならないはずなんだけども。あ、そうか、相手ターン奇跡発生用のインスタントドローなのか。そう考えると、前の環境よりはお呼びがかかるのかも。
 
 
Galvanic Alchemist 電位式錬金術師 (2)(U) C
クリーチャー・人間、ウィザード
1/4 結魂
〜が他のクリーチャーと組になっている限り、その両方は「(2)(U):このクリーチャーをアンタップする」を持つ。
 
 どういうことやねん。科学力なの? 魔法力なの? パンチ力なの? 破壊力なの? 透視力なの? 岩砕くの? なんなの、実態。……とまぁ、そんな謎の存在である電気の力の錬金術だが、まぁ、能力を見る限り、フィーチャーされているのは「電位式」の部分だけな気もする。だってアンタップ。この子とお友達は仲良くアンタップ。当然ティムやらプリベンターやら、そういうシステムクリーチャーと仲良くすることが求められているわけだ。でも、3マナのアンタップって案外大変よ。「蟹の陰影(ROE)」の時もそんなに使われてなかったし。まぁ、3マナ1/4の壁なので、電気の力よりもそっちがメインで起用されそうな気もする。とてもタフネス4もあるようには見えないんだけどなぁ。
 
 
Geist Snatch 霊奪い (2)(U)(U) C
インスタント
対象のクリーチャー呪文1つを打ち消す。1/1で飛行を持つ、青のスピリット・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。
 
 新たに生み出されたオプション付きカウンター。「キャンセル」が3マナだから1マナ足してオプションつきっていう、いつも通りの設定……のはずなのに、これも「骨を灰に」と同じようにクリーチャーに限定されているのが謎。まぁ、「骨を灰に」はシンプルにドローが付いているだけだったので実はリミテッドならそれなりに使えるカードだったのだが。このスペルはドローの部分が1/1トークンへと入れ替わったもので、比較するならば「お前の次のドローと1/1のスピリット、どちらに価値があるか」ということを考えなければならない。そして、これに対して即答するのは案外難しい。そりゃまぁ、大体のカードは単なるスピリットトークンよりも強いだろうが、このスペルは即座にトークンが出せるのですぐに殴りに行けるし、安定した効果を望めるのはセールスポイントと言ってしまっていいだろう。ドローしたところで土地を引いたらしょんぼりかもしれないし、とにかく追加戦力がほしい、という状態ならば、充分選択肢たり得るカードではある。そういや、青のスピリットトークンって意外と珍しいな。
 
 
Ghostform 幽体化 (1)(U) C
ソーサリー
対象の、最大2体までのクリーチャーは、このターンブロックされない。
 
 「巧みな回避」をフラッシュバックしたときと全く同じ効果になる呪文だが、結局「巧みな回避」ってあんまりリミテッドでも使われてない。青っていう色合いがブロック禁止と大して噛み合わないのが最大の難点なんだよねぇ。ブロックされたくなきゃ空飛べよって話だし。ドローに繋がる「二人組の見張り番」とかがシナジれるならワンチャンあるくらい? 無理に使わんでもいいと思うけど。
 
 
Ghostly Flicker 幽霊のゆらめき (2)(U) C
インスタント
対象の、あなたのコントロールする、アーティファクトやクリーチャーや土地の組み合わせ2つを、ゲームから取り除く。その後、それらをあなたのコントロール下で戦場に戻す。
 
 今回のミニテーマであるFlicker効果を2体まとめて行うインスタント。青が触れる最大限に手を広げたので、土地とアーティファクトにも触れるようにケアしてあるのがちょっとした気遣いっぽくて心憎い。でも、この効果ってあんまり2体まとめて使いたいタイミング無いような気もするんだけどね。多分、必ず2体対象にしなきゃいけないことのデメリットを消すために、土地も対象に取れるようにしてあるんだろうね。土地1つ対象に取ると事実上2マナで打てるしね。あとは、その辺のメリットが2マナ軽い白の「雲隠れ」に勝ってるのかどうかって話だけど……あんまり勝ってるように見えないな……まぁ、2体ちらつかせることで劇的な何かが起こることに期待するか。同じセットにこんだけ似たようなカード入れんでも、と思うけどもな。
 
 
Ghostly Touch 幽霊の接触 (1)(U) U
エンチャント・オーラ
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされたクリーチャーは、「このクリーチャーが攻撃するたび、対象のパーマネント1つをタップ、またはアンタップしても良い」を持つ。
 
 「壺のニブリス」やら「マーフォークの空偵者(ROE)」なんかの諸々の能力を備えることが出来るオーラ。これが単純に「タッパー・アンタッパーを作るオーラ」ってんなら問答無用で強いわけだが、残念ながらアタックでしかトリガーできない仕様。まぁ、このコストなら仕方ない。現在「壺のニブリス」は、「悪くない能力だけど、こいつ自身は飛行を持ってるからあんまりブロッカーは気にならないよね」というシチュエーションが多く、実はせっかくのタップ能力もあんまり役に立っていない。そこで、いかにもブロッカーを排除したいような地上クリーチャーなんかにこれをつけてやれば、いくらか突破力が向上して「疑似アンブロッカブル」のような使い方が出来る。もちろん、防御的に使えば疑似警戒。最低限の仕事はこなしてくれそうだ。ただ、張る場所はかなり影響するのでプレイは難しいし、はっきりと主義主張のあるカードではないので、漫然とデッキに入れていてもその恩恵は実感しにくいかもしれない。ティム戦術なんかに絡めば面白いのだが。
 
 
Gryff Vanguard グリフの先兵 (4)(U) C
クリーチャー・人間、騎士
3/2 飛行
〜が戦場に出たとき、カードを1枚引く。
 
 確実堅実一安心。青コモンの花形である5マナパワー3のフライヤーに、これ以上ないおまけ能力がついてのご提供。よりコストが重たい「空長魚の群れ」と比較すると、タフネスの差こそあるものの、やはりこちらが圧倒的に強いだろう。リミテッドなら当然必須カードだ。似たような組成のクリーチャーとしては、たとえば緑の「木登りカヴー(10ED)」がおり、あちらは緑バニラの基本である象に2マナ足してキャントリップ1枚。こちらは、なんと「噛みつきドレイク(M10)」にキャントリップなので、わずか1マナでドローが出来るようになったことになる。過去に青のキャントリップクリーチャーとして「秘密の商人(8ED)」がいたが、随分な進歩である。しかしまぁ、現在比べるべきは、多分もっとシステムに寄せた「塔の霊」なんだろうけどな。アンコモンと比べるのはいくない。
 
 
Havengul Skaab ヘイヴングルのスカーブ (5)(U) C
クリーチャー・ゾンビ、ホラー
4/5
〜が攻撃するたび、あなたがコントロールする他のクリーチャーをそのオーナーの手札に戻す。
 
 6マナのゾンビっていうならば、コモンとはいえある程度の制圧力がほしい。現在活躍中の先輩には「スカーブの大巨人」なんて規格外もいるし、普通に考えたらクリーチャー1体を除去るくらいの気概があってもいいレベル。あ、いや、「したたる死者(ONS)」とか思い出さなくてもいいから。幸いこのカードはどこもしたたってはいないし、4/5とそれなりのステータスを与えられてはいるのだが、何故だろう、殴るたびに仲間が減っていくよ。え? なんで? なんで戻るの?  Flickerするとかなら分かるんだけど、単に手札に戻るんだよ。しかもマストで。……まぁ、187を再利用とかね、いやなオーラを無効化とかね。使えるタイミングはあるさ! ……使えないタイミングの半分くらいは。一応自分自身は戻らなくてもいいから、単騎で使う分には問題無いけど、別に単騎で使いたいカードではない。絶対にない。どなたか使い方を教えてプリーズ。
 
 
Infinite Reflection  無限反射 (5)(U) R
エンチャント・オーラ
エンチャント(クリーチャー)
〜がクリーチャーにつけられた時、あなたのコントロールするそれ以外のトークンでないクリーチャーは、そのクリーチャーのコピーとなる。
あなたのコントロールするトークンでないクリーチャーは、エンチャントされたクリーチャーのコピーとして戦場に出る。
 
 誰もが思うことだろうが、一言で言うと「荒れ野の本質」製造器である。ただ、「本質」は登場後の後続にのみ影響を与えたが、このカードは出た瞬間に自軍を全てコピーに変えてしまう。「荒れ野の本質」のような筋肉馬鹿が増えてもデッキはなかなか作れないが、自由自在に自軍をメタモルフォーゼ出来るってんだから、色々と夢の膨らむカードである。現在なら、たとえば自軍小兵を全て「霜のタイタン」に変えて特攻してみるとか、全員「地獄乗り」にしてワンパンチで特大ダメージ、なんてのも面白そうだ。きちんとクリーチャーが「出る」ところからフォローしてくれるので187能力をコピーするという基本的な使い方は出来るし、「出産の殻」デッキにいるような連中なら全て候補たり得るだろう。まぁ、6マナのオーラの時点でわりとドリーム寄りのカードには違いないが、かつて「集団変身」デッキなんてのもあったし、「鏡編み(SHM)」だって構築に食い込んだ。このカードも、何か面白いデッキにならんもんだろうかね。ちなみに、相手クリーチャーに張る、というオプションがあることを忘れてはいけない。リミテッドならとにかく場で一番強いカードがそろい踏みすることになるだろうし、クソ重たいレジェンド処理装置としても使えるのだ(まぁ、自軍は壊滅するわけだが)。相手の「エリシュ・ノーン」に使えば……多分、とにかく全部死ぬ。
 
 
Into the Void 虚空への突入 (3)(U) U
ソーサリー
最大2体までのクリーチャーを、そのオーナーの手札に戻す。
 
 今回は各レアリティにバウンスが豊富だが、これはそのアンコバージョン。2つ戻せるバウンスというのは、いつの時代もとても強い。個人的な最初の記憶は「急流(PLS)」だが、最近はコスト調整した「水銀の噴出(MBS)」がリミテッドでそれなりの活躍をしている。そしてこれらの始祖となるのは、2体を3マナで戻せた「再帰(VIS)」ということになるようだ。このスペルは、そんな先輩と比較すると、1マナ重くなってしまったが、一応対象を2つ取らずに使えるという、ちょっとしたメリットはついている。ちなみに、ほぼ同型の呪文がポータル三国志にあった、なんてどうでもいい知識も蓄えてみた(「対敵情報活動(PTK)」という)。レアリティは三国志側と同じアンコモンだが、なんだかオーラが多い気がするこの環境なら、バウンスは結構な活躍を見せてくれるはずだ。
 
 
Latch Seeker 掛け金探し (1)(U)(U) U
クリーチャー・スピリット
3/1 〜はブロックされない。
 
 前のめりさが青らしからぬ、向こう見ずスピリット。アンブロッカブルは青のお家芸だが、毎度この枠に収録されるカードってのは、大体がパワー2。コストが2マナならパワー1だ。現在大活躍中の「不可視の忍び寄り」がそうだし、同じコストならベテラン選手「幻影の戦士(M10)」ってことになるだろう。パワー3を手に入れようとしたら、基本的には「秘密調査員(LGN)」の5マナあたりが初期費用として必要なはず。しかし、このクリーチャーは純粋にアンブロッカブルで、純粋にパワー3。ありとあらゆる方法で死ねるが、相手が対策手段を持たない白緑だったりしちゃうと、本当にこいつが7回殴って勝つことすらあり得るレベルだ。もちろん、「ドラグスコルの隊長」で被覆っちゃえば防御面も安心だし、クロックがさらに早まったりもする。味付けシンプル質実剛健。あ、このアンブロッカブルな感じ、うちの誰かがすごい好きそう。わざわざ「荒廃の工作員」だけを大切に持って帰り、「不可視の忍び寄り」のためなら単騎青タッチも辞さない、あの男が。
 
 
Lone Revenant 孤独な亡霊 (3)(U)(U) R
クリーチャー・スピリット
4/4 呪禁
〜がいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、あなたが他にクリーチャーをコントロールしていないなら、あなたのライブラリを上から4枚見る。そのうち1枚を手札に加えて、残りをあなたのライブラリの一番下に置く。
 
 孤独な、というか、孤独だと強くなる亡霊。まるで元生徒会長黒神めだかのごとく。ただ、めだかちゃんは既に「完成(ジェンド)」しているのに対し、この子はたった1人で戦うには色々と足りていない。5マナ4/4に呪禁まで持ったボディは青としては破格なのだが、能力を活かそうと思うともう一工夫が必要になってくる。相手にダメージが通らないと、彼の孤独っぷりは単なる痛々しさで終わってしまう。まぁ、ダメージを与えるのに成功してアドバンテージを得ても、そのカードがクリーチャーだと彼は弱くなってしまうわけなんだが……「貴様は守るものが出来て弱くなったな」とか、昔のライバルに言われるに違いない。「そうじゃない! 僕は……仲間という大切な強さを見つけたんだ!」後ろで波がざっぱーん。クライマックスな奴。
 
 
Lunar Mystic 月の神秘家 (2)(U)(U) R
クリーチャー・人間、ウィザード
2/2
あなたがインスタント呪文を唱えるたび、(1)を支払っても良い。そうしたなら、カードを1枚引く。
 
 どんなインスタントもお手軽キャントリップ。当然マナは必要だが、それでも1マナ追加で1ドローならお安いご用だ。軽めのインスタントの多いデッキならば1ターンに複数枚のアドバンテージも狙えるかもしれないし、フラッシュバックまで絡めればそのアドバンテージはてんこ盛り。青にはぴったりの小粋なクリーチャーだ。リミテッドでは投入されるインスタントの枚数が少なくて使いづらいだろうが、5〜6枚もキープ出来ればそこそこ。構築の場合はデッキも組みやすくなるだろうが、ちょっと脆弱過ぎるかしら。これ、「弱者の師」にあわせて3マナだったらもう少し期待が持てたんだけど。
 
 
Mass Appeal 大衆への呼びかけ (2)(U) U
ソーサリー
あなたがコントロールする人間1体につき、カードを1枚引く。
 
 ものすごく勝手な思い込みでもうしわけないが、「我々は勝った!」と高らかに訴えているこのおっさん、多分、何にもしてないと思う。多分どこぞの教会とかのお偉いさんなんだろうけど、「砂の栄冠」のガーソみたいなことして迷惑かけただけだと思う。そんな勝手なイラストからの思い込み。さておき、そんなおっさんの呼びかけに、大衆は大盛り上がり。やんややんやの歓声に混じって、飛んでくるのはおひねりじゃなくてドローである。過去にも、特定種族の数を参照してドローするソーサリーには「空からの援助(ONS)」があったが、この世界の人間は少なくともオタリアの鳥よりは多いし、集まった時に力を発揮する。そして、何よりもこのカードは3マナと軽い。きちんと狙ったデッキならば3〜4枚は期待してもいいだろう。コストあたりのスペックで考えれば2枚でも損はしてないわけだし、リミテッドならば早めにデッキの方向性を決定づけて人間を固めるための重要な指針になると思われる。ガーソやりよる。
 
 
Mist Raven 霧鴉 (2)(U)(U) C
クリーチャー・鳥
2/2 飛行
〜が戦場に出たとき、対象のクリーチャー1体をそのオーナーの手札に戻す。
 
 「大クラゲ(TMP)」に端を発し、現在も「霊気の達人」に受け継がれたバウンス内蔵クリーチャー。「霊気の達人」はごく希に構築でも見かけるが、それに1マナを加えることで空を飛び始めたこのカラスが弱いはずもない。リミテッドのお手本である2/2フライヤーにお手本のようなテンポメイカーの任務が加わったのだから、これを集めるだけでも相当相手に嫌がらせが出来るはずだ。当然、白と組んでFlickerで回しまくるなんて素敵プレイも可能だし、こいつがいれば謎の強制バウンスゾンビにも生きる価値が見いだせるかもしれない。当然のように人気クリーチャーになるだろう。ちなみに、これの日本語テキストは若干おかしい。「その後」いらんだろ。
 
 
Misthollow Griffin 霧虚ろのグリフィン (2)(U)(U) M
クリーチャー・グリフィン
3/3 飛行
あなたは〜を追放領域から唱えても良い。
 
 すッ、すげぇ……まさか追放領域から唱えることが出来るなんて……こんな能力を持つクリーチャーは当然史上初だぜぇ。流石神話だ。俺たちが出来ないことを平然とやってのけるっ! そこにしびれたり憧れたりしたい! けど! 別に! ……うん、まぁ、4マナ3/3フライヤーだから、リミテッドで使うと普通のアタッカーとして強いよ。同じマナ域のコモンにタフネス4の天使とかいるからフツーに止まるけどね。……場に出ている限りあまりに普通な神話である。追放領域からの参戦って、現時点では「忘却の輪」が効かないことくらいしか利点がない気がするんだけど。……あ、あと「雲散霧消」も平気。「赤の太陽の頂点」も「血統の切断」もへのカッパだ。……うん、まぁ、それくらい。でも、大抵の場合は除去されたら墓地にいるよね……何がしたいクリーチャーなんだろう。あ、でもそんなときのための「ムーアランドの憑依地」ですか。自分で取り除けばいいんじゃないか。……コンボとすら言えない使い方やな。


Nephalia Smuggler ネファリアの密輸人 (U) U
クリーチャー・人間、ならず者
1/1
(3)(U)(T):対象の、あなたのコントロールしている他のクリーチャー1体を追放する。その後、そのカードをあなたのコントロール下で戦場に戻す。
 
 Flicker能力を起動型にして詰め込んだ謎の人間。今回は本当にちらつき効果が節操なくばらまかれているなぁ、今までは白の専売特許だったんだけどね。このおっさんの場合は、1マナ1/1という本当にどうでもいいボディに多少重たいコストでのちらつき効果ということで、あとは「このコストに見合う効果なのか」というところだけが問題になる。似たような素体としては4マナで土地サーチという当時の環境では重要な役割を担った「開拓地の先達(ZEN)」がいたが、彼の評価は「回り始めりゃ強いんだけど、やっぱり4マナとかキープ出来ねーよ」というものだったので、まぁ、それくらいだろうか。187能力は相当多いので、回り始めたら他の環境よりは絶対に強いんだろうけど。一応、明示的に「4マナ立たせておけば相手の単体除去はほぼ無効化出来る」という制圧力があるので、遅めの環境になるのなら、アンコモンらしい活躍を見せてくれるのではなかろうか。
 
 
Outwit 知恵比べ (U) C
インスタント
対象の、プレイヤーを対象とする呪文1つを打ち消す。
 
 いわゆる「制限型カウンター」で、1マナと最軽量で与えられた時点でその対応範囲は察してあげるべき。現時点で一番効くデッキタイプはバーンだ。1マナで5点とか与えるカードが登場している今なら、これで自分の身を守ることは一応の選択肢ではあるか。でも、バーンって言っても今のところクリーチャー依存度の低い赤デッキってあんまりないんだけども。そしてもう1つ恩恵が得られそうなのは、手札破壊を相手取った時。これまた今の環境ではあまり脅威ではないのだが、今回出てきた「脳食願望」がどの程度がんばれるか。あとは「ゲスの評決」や「飢えへの貢ぎ物」からトラフトさんを守るとか。うーむ、あまり幅広いとはいえない。一応、相手が自分を対象にしたスペルを打ち消す、という使い方もあるのだが、最近はドロースペルが対象を取るパターンが少なくて、現スタンダードであり得るとしたら「青の太陽の頂点」くらい。まぁ、ないなぁ。むしろ高速コンボとかが多い下の環境の方が活躍のチャンスがあるのかも。
 
 
Peel from Reality 現実からの剥離 (1)(U) C(ラヴニカから再録)
インスタント
対象の、あなたがコントロールするクリーチャー1体と、あなたがコントロールしていないクリーチャー1体を、そのオーナーの手札に戻す。
 
 次の世界はラヴニカですよ、ということをアピールするためか、こっそりラヴニカ世界から帰還した芸達者なバウンス。対象を2つ取るので唱えるときに制限がかかるし、そもそもなんで自分のクリーチャーもどさにゃならんねん、と思う時もままあるが、基本的には相手を妨害しつつ自分のクリーチャーを救ったり、もしくは187効果をしゃぶりつくしたり、このカードにしか出来ない技も色々と持っているのである。あの当時は「木彫りの女人像(RAV)」や「とぐろ巻きの巫女(DIS)」なんかと結託してアドバンテージを稼いでいたし、「イゼットの時術師(GPT)」とのナチュラル2枚コンボも見かけた場面。さて、何か新しい伝説を作れるものか。
 
 
Rotcrown Ghoul 腐冠のグール (4)(U) C
クリーチャー・ゾンビ
3/3
〜が死亡したとき、対象のプレイヤー1人は、自分のライブラリを上から5枚墓地に置く。
 
 青は忘れていない。ライブラリを削るあの快感を。このゾンビは、命を賭してあの気持ちを思い出させてくれる。しかも5枚というと「ゲラルフの精神壊し」と同じ規模なのだから、コモンにしちゃぁ頑張ってる方だ。ただ、5マナで置いて、死ななきゃいけないけど……流石にこれを起点にライブラリを狙いに行くのは、ちょっと。
 
 
Scrapskin Drake 屑肌のドレイク (2)(U) C
クリーチャー・ゾンビ、ドレイク
2/3 飛行
〜は、飛行を持つクリーチャーしかブロック出来ない。
 
 飛行クリーチャーしかブロック出来ないクリーチャーのことを、あまりに高く飛びすぎて地上に構ってられない、という含意から「High-flying」というらしい(ソースはMTG Wiki)。このクリーチャーも、そんな高さにチャレンジしたらしいことがフレーバーテキストのルーデヴィック先生のお言葉から確認出来る。そして、その代表選手として、幾度もリメイクされて同型再販を繰り返している、3/1の「雲の精(STH)」がいる。そして、そんな「雲の精/Cloud Spirit」と非常に紛らわしいのが、このクリーチャーの元となった「雲の精霊/Cloud Elemental(M11)」だ。3/1ではなく2/3という体躯は安定感こそ増しているものの、ブロックに参加しにくいのでタフネスがあがった恩恵を得にくいのがちょっと可哀想だ。まぁ、火力が届きにくくなっている分、案外ダメージソースとしてはこちらの方が優秀だったりするのかもしれないけど。それにしても、高すぎて地上に届かないのにプレイヤーは殴られるって、プレイヤーってのは一体どこにいるイメージなんだろうな。
 
 
Second Guess 当て推量 (1)(U) U
インスタント
対象の呪文1つを、それがこのターン2番目に唱えられたものであるならば打ち消す。
 
 遙か昔から、パーミッションと言われるデッキと対戦する時には「キャストする順番」が大切だと言われている。相手がカウンターを抱えていると読んだなら、まずは重要度の低いスペルを先に撃って、相手の出方を見る。カウンターされたなら、マナが寝たその隙に本命を通せばいい。今までたくさんの人たちが、そうしてカウンターの雨をすり抜けてきたのだ。しかし、青はそんな汚辱にただ殴り続けられるわけではない。なんと、2つ目のスペル専用のカウンターを開発したのだ! これにより、わずか2マナで「二の矢」を弾くことが可能になり、青は完全なる防御を手にしたのである。……え? 一の矢をさばけなきゃ意味ないって? 知りませんよそんなこと。一の矢をさばいちゃったら、自分のカウンタースペルが「2つ目の呪文」になっちゃうから意味ないじゃないですか。あれ? 構造矛盾? 結局、相手のカウンターをカウンターするミラーマッチ対策としての機能が一番使えるのかもしれん。このスペルの何が素晴らしいって、絶対に瞬唱からフラッシュバック出来ない点。「瞬唱が強くならないカウンター呪文」というなかなか無茶な要求を見事にクリアしたね。
 
 
Spectral Prison 幽体の牢獄 (1)(U) C
エンチャント・オーラ
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされたクリーチャーは、そのコントローラーのアンタップ・ステップにアンタップしない。
エンチャントされたクリーチャーが呪文の対象になるたび、〜を生け贄に捧げる。
 
 やっていることはほとんど「氷の牢獄(M12)」と同じ。効果がより青らしいものになったのでアンタップ状態のクリーチャーを無効化出来ないのは若干の弱体化であるが、その分、能力の対象になっても壊れなくはなった。2マナというのはアンタップ制限カードの中ではかなり軽い部類であり、リミテッドならば使いやすい青の基本除去として機能するだろう。もちろんFlicker効果も含めて対処する方法は少なくないが、このスペル自体が2マナなのだから、そこまで大きな効果を期待するものでもない。自分のクリーチャーを対象に取りやすい白や緑ならばどうせエンチャントは割れるわけだし、赤や黒のクリーチャーを押さえる効果はそれなりに高いだろう。
 
 
Spirit Away 魂運び (5)(U)(U) R
エンチャント・オーラ
エンチャント(クリーチャー)
あなたはエンチャントされたクリーチャーのコントロールを得る。
エンチャントされたクリーチャーは、+2/+2の修正を受けるとともに飛行を持つ。
 
 今回のパクリオーラ。前作が「魂を捕らえるもの」とややハズレ気味だったこの部門は、今回久しぶりにレアで登場した。ここ最近は「決断の手綱」だの「堕落した良心」だの、優秀なカードが手軽にアンコモンで手に入っていたので、なんだか久しぶりな気がする。そして、レアということで張り切っちゃったおかげでマナコストも特盛りの7マナ。「ちょっと重すぎるよ」と思うかもしれないが、過去にはレアで、マルチカラーなのにさらに1マナ重たいカードもあったのだ(こちら)。それを考えれば、このカードは「精神制御」+「幽体の飛行」できっちりコスト分。確かにオーラ1枚に払うマナとしてはでかいが、ちゃんと買い物した分に見合ったものは提供される。頑張って試合を引き延ばし、美味しいところをいただこう。
 
 
Stern Mentor 厳格な導師 (3)(U) U
クリーチャー・人間、ウィザード
2/2 結魂
〜が他のクリーチャーと組になっている限り、その両方は「(T):対象のプレイヤー1人は、自分のライブラリを上から2枚墓地に置く」を持つ。
 
 ライブラリを削りたくて仕方ない結魂おばちゃん。性能としては「ヴィダルケンの幻惑者(RAV)」や「マーフォークの催眠術師」と同じくらいだが、一応不安定さを考慮してか起動コストにマナが必要なくなった。ミルスキーからすると無視できないクリーチャーなのだが、流石に今回は元祖イニストラードのようにそこそこライブラリ削りを応援してくれるセットにはなっておらず、こいつだけだと完全に孤立したハズれ気味のコンセプト。流石に1枚だけじゃ無理だろ、というのが普通の答えであるが、こいつの強いところは、1体だけで勝手に仲間を増やせるところ。出した次のターンからは毎ターン4枚のスピードで削れるわけで、これって片手間でやっても結構しゃれにならない。もちろん、さっさと除去れば大した脅威でもないが、これに除去を使わされたら何か負けな気もする。個人的には、是非3体くらい集めて「またかよ」という顔をされてみたいカード。
 
 
Stolen Goods 盗品 (3)(U) R
ソーサリー
対象の対戦相手は、自分のライブラリの一番上のカードを、土地でないカードが追放されるまで追放する。ターン終了時まで、あなたはそのカードをマナコストを支払うことなくプレイしても良い。
 
 なんかむやみにドミニオンっぽいカードである。名前もそうだし、イラストもそんな感じだし、なにより効果がそれっぽい。相手のライブラリをめくっていき、土地でないカード1枚が出たらそれが当たりくじ。お好きにそのカードをお使いいただけます。過去には他人のライブラリから無償でパクって来るカードといえば「袖の下(MMQ)」が一世を風靡したわけだが、今回はその博打版。しょぼいカードがあたるかもしれないリスクの代わりに、どんなタイプのカードでもパクれるようになった。リミテッドならば単なる賑やかしだが、構築戦ならば相手のライブラリも密度は濃い。そして何より、世界には奇跡カードがある。相手が前のターンに「思案」を使って、ニヤリと笑ってトップに戻したそのカード、ひょっとしたら「時間の熟達」じゃないですか? そちらが奇跡で使うつもりだったのなら、こちらは無償で借りパク。万引きは犯罪ですが、時間泥棒は犯罪に入りますか?
 
 
Tamiyo,the Moon Sage 月の賢者タミヨウ (3)(U)(U) M
プレインズウォーカー・Tamiyo
【4】
<+1>:対象のパーマネント1つをタップする。それは、そのコントローラーの次のアンタップ・ステップにアンタップしない。
<-2>:対象のプレイヤーのコントロールする、タップ状態のクリーチャー1体につき、カードを1枚引く。
<-8>:あなたは、以下の2つの紋章を得る。「あなたの手札の上限はなくなる」「いずれかの領域からあなたの墓地にカードが置かれるたび、あなたはそれを手札に戻しても良い」
 
 タミヨ!! 誰だお前! 突然現れた謎の空民に、神河環境を知らないプレイヤーは動揺しまくりじゃないですか。神河当時は「エラヨウ」とか「ウヨウ」とか「メロク」とか微妙に間違った感じの日本語名(ッぽいもの)が多かったくせに、なんで今回はピンポイントでタミヨなんだよ。いや、日本語訳だと「タミヨウ」になってるけどさ。どう読んでも民代だろ。どこぞのおかんか。いや、ネーミングについて突っ込むだけで文字数使い切りそうだからこれくらいにするけど……とにかく今回のプレインズウォーカー枠だ。イニストラードはフレーバーメインで作られた世界なので、この突然の闖入者の能力も特にセットテーマとは関係無い。さらにプラス能力が「復讐のアジャニ(ALA)」と全く同じというやる気のない設定である。まぁ、このプラス能力は実際使われると強いことが証明されているわけなんだけども。
 5マナで、登場時にプラスを起動すれば忠誠度は5。この時点で耐久力とコストのバランスは並。ただ、プラス能力は副次的に相手の攻撃力を下げられるので、額面以上に耐久力は高い。そして、手頃なマイナス2の能力を起動すれば、ジェイスがなし得なかった「そこそこの枚数のドロー」が可能。ま、相手のクリーチャーの状態にも影響されるし、自分を対象にとる場合にはある程度デッキが制限されるが、あまり使えないようなマッチメイクだったら、この能力はすっ飛ばして大マイナスを狙えばいい。
 −8というご大層なコストで得られるのは、「呪文書(M10)」プラス強化版の「永劫の輪廻(TSB)」。そりゃぁもうコンボの温床だろうし、大してデッキをチューンせずとも、インスタント、ソーサリーが使っても使っても無くならないのだからアドバンテージなんて言葉もむなしく響く。「思考掃き」とか使うとエラい騒ぎである。やっぱり、空民って連中はどうしても手札を膨れあがらせたくて仕方ないようだ。どうせなら「初めて夢見たもの、空麻呂(SOK)」とかを連れてきて仲良くするといい。
 結論としては、やっぱりプレインズウォーカーなのでどこをどういじっても強いことしか書いてない。リミテッドなら大マイナスなんて狙わずにちょこちょこ引き増すだけで充分だし、化け物溢れる構築でも、手軽な足止め手段としての登用はあるかもしれない。
 
 
Tandem Lookout 二人組の見張り番 (2)(U) U
クリーチャー・人間、スカウト
2/1 結魂
〜が他のクリーチャーと組になっている限り、その両方は「このクリーチャーがいずれかの対戦相手にダメージを与えるたび、カードを1枚引く」を持つ。
 
 「知恵の蛇(WTH)」の結魂クリーチャー。この手のカードはちょっと調整を誤ると強くなりすぎるきらいがあり、ここ最近は、そこまで強力なクリーチャーは生まれなかった。むしろ、一番怖いのは「好奇心」をつけた「不可視の忍び寄り」だ。そして、今回も「好奇心」とほぼ同じ効果ということになるわけで、まぁ、それくらいの強さ。回避能力持ちやティム能力持ちにうまいことつけられれば、ゲームが決まるかもしれないし、決まらないかもしれないよ。一応一気に「知恵の蛇」能力持ちが2体増える、というのは盤面に与える影響は大きいし、直接的な戦闘力に影響する能力ではないため、戦闘中に除去されてもペアを組んだもう片方に与える影響が小さいのはありがたい。そういう意味では、案外使いやすい能力かもしれない。
 
 
Temporal Mastery 時間の熟達 (5)(U)(U) M
ソーサリー
このターンのあとに、追加のターンを得る。〜を追放する。
奇跡・(1)(U)
 
 追加ターンは男のロマン。そしてロマンは重たいもの。最近の平均コストを考えると、まぁ、おまけ付きの7マナは妥当でしょう。「時間のねじれ(M10)」じゃまだ強すぎたんだものね。そしてこのカード、ミラクル付きなわけだが、このコストはどうかと思う。確かに「Time Walk(2ED)」は奇跡以外のなにものでもないわけだが……流石に構築戦でこれをミラクられたら、「運がいいね」どころじゃなくてそのままテーブルひっくり返しても文句言われないと思うんだが……いいのかなぁ。そりゃ手札に来たら腐るわけで、デメリットは大きいと思うんだけど「たまたま」の効果が強すぎるのがなぁ……どうなん、これ? 刷っていいもの?
 
 
Vanishment 消え去り (4)(U) U
インスタント
対象の土地でないパーマネント1つを、そのオーナーのライブラリの一番上に置く。
奇跡・(U)
 
 現在大活躍中の「捕海」の奇跡バージョン。奇跡が付いて1マナ重たくなったが、ついでに他のパーマネントも色々と戻せるようになった。「捕海」は4マナでも充分強いカードだし、5マナになったから急に使えなくなるという心配は無い。いざというときにプレインズウォーカーやエンチャントにもお帰りいただけるオプションは、一気に使えるタイミングを増やしてくれているし、奇跡で引いたときのも「ついでに使っちゃえ」という勢い任せがやりやすくなっている。ここまで強力な効果だと、やっぱり「今がベストのタイミングじゃないから大人しく引いておくべきか」という選択で悩むことも多くなってしまうわけだが、どちらにしろ解決してもアドバンテージは失わないわけで、極論すればいつだって使い時。相手が何もしなかったターンを狙い撃てば、事実上のタイムワープなのだから。シンボルも軽いので、あわよくばタッチでも狙っていきたい1枚。
 
 
Wingcrafter 翼作り (U) C
クリーチャー・人間、ウィザード
1/1 結魂
〜が他のクリーチャーと組になっている限り、その両方は飛行を持つ。
 
 コモンで現れた飛行結魂クリーチャー。1マナで飛行なんだから充分じゃね? と一瞬思ったが、こいつ1ターン目に出ても絶対飛んではいないな。ま、後から仲間探せば良いんだけど。張り替えの選択肢が無い、生きた「継ぎ当ての翼」くらいに考えるといいんでしょうね。そう考えると、普通のコモン。クリーチャーであることはプラマイゼロなので、トータルすると「継ぎ当ての翼」よりも弱いな。
 

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