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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「私、能力は平均値でって言ったよね!」 4→4

 噛み合わんなぁ。多分要素としては色々と美味しい部分があった作品だと思うのだが、それが一切シナジーを生み出さずにぶつ切りになっていた。そういう意味では、純正なろう風味だけで勝負をしていた有象無象の作品群よりもタチが悪いといえなくもない。「ありふれ」や「超余裕」が吹っ切れて「これはこれでしゃーない」みたいな処理ができたのとは好対照を成す作品と言える。いや「なろうは全部なろうやんけ!」というのも正しいとは思うが、今のご時世、多分そうした一面的な見方だけでは通用しなくなっているのだろう。Narrow世界というハンデマッチの中で、どれくらい戦えるかを細分化して見ていく必要があるのだ。どう考えても徒労な気がするが、最近周りに「真面目になろうに向き合ってるニキ」が増えているので、多少なりともアニメとの向き合い方を考えなきゃな、と思っている。いや、俺の周りにも2人しかいないけど。

 今作の場合に焦点となるのは大きく2つ。1つは太田雅彦作品という強力な誘致要因が空回りしていたという事実。例えば今作はオープニングの評判がよく、その辺りはまさにコロコロとコミカルな演出に秀でる太田作品の真骨頂。これまでも「みつどもえ」「うまる」「うざメイド」などの数々の傑作OPを生み出した太田雅彦は、今作でもそのセンスを遺憾無く発揮している。当然、作中でもいつも通りの演出でキャラの可愛らしさを引き立たせている部分はあったのだが、根本的に「可愛くないキャラ」は如何ともしがたい。それこそ丸井みつばや土間うまる、高梨ミーシャは魅力的なキャラクターだったわけだが、今作のマイルは、根本的に可愛げがない。そこを引き立たせようとすると、どうしても太田演出の方向性とはちぐはぐになってしまう。なろう的なマウント性質って、可愛げとは対極にある概念なので、鼻につく要素をギャグにまで落とし込みきれないとどうしても浮いてしまうのである。周りの3人も可愛らしさとは接続しきれなかったし、太田作品の見せ場であるしっとりしたギャップ部分も、どこまでがマジでどこからがギャグなのかをうやむやにしてしまっているので、なんだかいつもとは見え方が違った。

 そうして「ギャグ」を掘り下げる際のもう1つの焦点が、とにかくぶっこまれ続けたパロディ要素だ。その道の有識者に教えてもらったのだが、アニメで目立ったパロディ要素、全部原作には無かったらしい。つまりアニメオリジナルの味付けとしてぶっこまれていた要素だ。それは……必要だったんだろうか……要所に挟むパロディがあまりにも紋切り型で、いわゆる「オタクが嫌う薄っぺらい要素」に見えてしまうのである。もともと主人公のキャラがどういう生い立ちだったかも定かじゃない状態で、そんなに多方面にオタ知識を蓄えるような人生を歩んでいたようにも見えなかったし、彼女が「通用しない」と分かっている異世界に来てまでそうしたパロディ要素を乱発する意味が全くない。つまり、誰がどう見ても「視聴者サービス」以外の意味がないのに、それがサービスになっていないのである(一応最終回でそうしたオタ要素のフォローが入ったのだが、どう見ても手遅れであろう)。「なろう主人公」をどのように描くのが最善手なのかという(なんだか虚しい)問題を考える上で、今作の設定は色々と反省点が多い貴重な事例であるといえるだろう。

 まー、何はともあれ映像部分は常に安定していたので今期の作品の中では評価が上がってもいい気はするのだが、「太田作品なのに」という口惜しさがあるのでこの評価にしておきます。

 

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