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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 事実上の最終回、番外編その2。このエピソードを最後に持ってきたあたり、流石のけいおんとしか言いようがない。終わらない日常を維持しつつ、ほのかに漂う別れの空気。この配分はえげつないな−。

 さて、今回もある程度散逸的な内容を扱うネタ回としての側面があるので、大きく2つに分割して要素を見ていきたい。1つ目は、さわちゃん視点を主軸として、軽音部の「4人」を切り取っていく「卒業アルバム」を巡る事象。卒アルチェックを口実にさわちゃん宅を訪れるというのが今回のメインシナリオなわけだが、その端々には、「写真」という要素がちりばめられている。そして、ファンなら当然承知のことだが、今回撮影された3枚の写真、冒頭の梓歓迎写真、さわちゃんが撫でた軽音部の卒アル掲載写真、そしてラストシーンを飾ったジャンプ撮影写真は、全て1期のBDジャケットになっている。

 「さわちゃんが見る卒業アルバム」、そして「BDメディアのジャケット」という2つのファクターが導くものは、我々視聴者のメタレベルの視点がこの最終話に投入されているという事実。この最終回は、卒業を前にした唯たちが軽音部の部室や、桜高の校舎に別れを告げるエピソードであり、表向きは彼女たちの思い出をまとめ上げるエピソードであるが、その実、この「思い出」は我々視聴者に与えられたものだ。彼女たち本人にとってはあくまで「自分の人生」なので常にそこには主観が介入するが、我々視聴者はどう頑張ってもこの作品はディスプレイの向こうのもの。その隔絶を、このエピソードは極力補完する。彼女たちの思い出の象徴たる卒業アルバムの中にある写真は、視聴者が自宅の棚に入れているBDと「同じもの」なのだ。思い出の共有という実に些細な事象において、このリンクは貴重であろう。

 そして、そうした結びつきの媒介者として選ばれたのが、山中さわ子だったわけだ。彼女も、生徒達と一緒に軽音部を作り上げた「あちら側の人間」であろうが、管理者としての側面、そして来年以降も新たな軽音部を見守っていく「時代の超越者」としての側面を持ち、作中ではいくらか視聴者に近いスタンスを持つ。そうした「さわ子視点」で彼女たちの交流を見守ることで、2種類の決して相容れない思い出は、わずかながらも接点が見いだせるのである。

 そうして唯たち軽音部員の「思い出」をパッケージングした後は、最後に描かれるのは「未来」への指針。2つ目の要素は、最後の無声パートに象徴される、軽音部の未来と彼女たちの旅立ち。4人が学校に戻り、梓のギターの音を聞いてから、校舎前で飛び跳ねるまでの一連の流れは、流石に目が潤んだ。軽音部室に向かってかけだした唯。彼女がひた走る校舎の風景は、我々も9ヶ月間に渡って慣れ親しんだもの。一人称視点で部室のドアを開けようとするが、すんでのところで、その手が止まる。部室の中からは、新たな世代の軽音部の音が響いてきたからだ。もう既に、次の世代は歩き出している。唯は、既に部室に入らなくて良いし、入ってはいけないのだ。

 明るい未来を垣間見て、満面の笑顔で走り去る4人。そのバックに流れるのは、梓が奏で始めた「ふわふわ時間」だ。放課後ティータイムが奏でたものとは違う、新しい世代の「ふわふわ」が流れる中、元来た道を笑いながら駆けていく唯たち。亀の像に触り、誰もいない校舎に視線を走らせ、全ての思い出を総ざらいして、全てをやりきった。卒業式まではまだ日もあるのだろうが、これ以上無いくらいの旅立ちへの祝福である。全員が顔をくしゃくしゃにして泣いた20話と比較して、今回は4人が4人とも、本当に心から笑っている。このラストを与えてくれただけでも、多くの人が救われたのではなかろうか。

 

 ラストシーンでは澪が全部もっていくあたりが相変わらずえげつないとは思うが、ノリと勢いで過ぎ去った1日が、彼女たちの高校生活を全て物語っていたように見える。この騒がしさが、この何気なさが軽音部だった。何もかもに、ともかくお疲れ様とありがとうを。そして、最大のありがとうはやっぱり部長さんに! 今回はやたら殴られてたわ! なんで最終回でこんな扱いなんだ! 流石だぜ!

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