7話なので水着回、第7話。まぁ、ヒロイン1名限定だけども。こんだけ夏と海をテーマにした沖縄アニメだってのにここにきて初の水着ってのも変な感じだな。
まぁ、水着は本当におまけ以下の扱いで、今回はそこから野郎連中をメインに据えた展開になった。正直なところ、ここまで今作の野郎コンビは本当に影が薄かった。P.A.作品の常として物語にがっつりラブ要素が関わってくるはずなのだが、くくるに片思いしてる方(ろくに扱ってなかったので名前すら覚えてねぇや)は本当に便利なモブだったし、だるそうな方も、「酒飲んでキャラ変わる」くらいしか印象がなかった。正直勿体無いくらいの配置だったのだが、どうしてもくくる&風花のメインコンビや、うどんちゃん辺りの有能な女性陣に出番を取られがちだった。まぁ、今回だってカイの方は初登場の妹に全部持ってかれた感があり、最後まで目立った要素はないのだが……。
幸いにして、もう片方のだるそうな奴、ヤカマシ空也(苗字の漢字がめんどい)はそれなりに掘り下げられてキャラが立った。特に意外だったのは、あれだけ気だるそうにやっていたがまがまの仕事に関しても、それなりに情熱を持って接していたと分かった部分だろう。何事にも冷めた態度で接していた空也だったが、学校をドロップアウトして流れで始めた水族館の仕事の中、おじいの人柄と能力に惹かれて「学校の外には楽しいものがあるんだなぁ」という学びを得た。彼が小学生のガキ相手にもムキになって戦いを挑んでいたのは、ビーチフラッグの前に彼が言っていたことがそのまんまで、「世の中全てを舐めてかかっているような了見の狭いガキは、いっぺん誰かに負けて世間を知った方がいい」という信条のため。彼がおじいに受けた洗礼を、今度は小学生相手に自分が与えてやろうという優しさの表れだったわけだ。まぁ、結果だけ見ると必死で走って辛勝だったのであまり立派ではないのだが……。
ここに来て、がまがまの閉館に強い抵抗感を持っている人間として空也が浮上してきた。先週までの時点では、実はがまがまの閉館を寂しがる人間こそ多いものの、何が何でもくいとめようとしていたのはくくる1人だけだったのだ。おじいはあの調子だし、ウミやんも別に止めようとは思っていない。一番近しいはずの風花に関しても、あくまでも夏限定の臨時職員という立場上、秋以降のがまがまの存続に関してはあまり強い感情を表せないでいた。このままだと、がまがまの存続を巡る物語はくくる一人だけの空回りで終わってしまう可能性があったのだ。
しかし、ここで空也の分かりにくい情熱が露見。彼が普段から散々シフトに文句を言いながら働いていたのは面倒くせぇツンデレの表れだったわけだね。まぁ、考えてみりゃそんだけ文句を言いながらほぼ毎日働いてたわけで、それって何よりも愛情の表れだったのだろう。彼がくくるのように必死さを表に出せないのは、生来の性格もあるのだろうが、もしかしたら恩人であるおじいの心中が読みきれていないことにも原因があるのかもしれない。「能力がある」と認めてしまったおじいが閉館やむなしと言っているわけで、それに面と向かって反対することに意味があるのかどうか、まだ悩んでいるのだろう。
しかし、こうして明確な閉館反対派が出てきたことで物語の先も読めなくなってきた。くくるだけの戦いであるなら、彼女の心情面になんとかカタをつけてやれば物語が終わるが、こうなってくると「存続しないとお話としてスッキリしないんじゃない?」という雰囲気も出てきたからだ。一応8月の来館者数がうなぎのぼりというデータもあり、どこかに復活の兆しは見えているのかもしれない。でも……かき氷が赤字だったっていうのはどうなんだ……かき氷って相当原価率高いはずなんだけども……あれか、うどんちゃんを使い続けた人件費か。
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