ついにやってきた、香凛が全編しゃべりっぱなしの第21話。最近は色んなところとの絡みで台詞も増えてたけど、今回はほぼ全編出ずっぱりで話の中心となっていた。ただまぁ、作画はあまり好みでなかったのが残念だけど……ほんと、少しのバランスでものすごく崩れて見えてしまうのは何でなのかなぁ。
前回の対テロ爆撃により全てを失ってしまった香凛。救援に駆けつけた國子にも惚けた様子を見せるが、國子は持ち前の強引さから彼女をアキバの三老人の元へ引きずり込み、メデューサ対策を命じる。結果的には全てメデューサに先回りされており、残される手段は「ゼウス」による特攻のみ。しかし、ゼウスの指揮権は今や美邦に移ろうとしていて……というところまで。美邦様も別な理由で色々と苦労しているので「あぁ、美邦様がアトラスに入ってしまったのが全ての終わりの原因か」とはいまいち思えないのがシナリオ上の気になるところ。これで美邦様がすんなり涼子を蹴り倒してアトラスを手に入れてくれれば美邦VS國子という構図になるのだろうが、相変わらず涼子はどこまで考えているのか分からない余裕ぶりを見せている。おかげで誰がどこでナニをすればピンチが回避出来るのか、直感的に伝わりにくいのだ。香凛も過去に家宅捜索のピンチをあっさりクリアして見せたし、お金持ちのクラリスに至っては一度破産してるはずなのにあっという間に元の地位に戻ってきた。このアニメは何が起こればゲームオーバーなのかが分からないのが困る。少なくとも凪子達の話では炭素経済が終焉を迎えるために日本どころか世界まで崩壊するらしいのだが……たった1つのAIのせいでそこまで瓦解する世界経済ってのもどうなんだろうね。最終的にはメデューサも経済云々をぶち抜いて核にまで手を出しちゃってるし。分かりやすくなったのはいいことなんだが、やっぱり今まで悠々と泳いできたメデューサとはイメージが違うんだよなぁ。
こうした「コンピューター上での電脳バトル」というのはとかく表現が難しい。直近では「CANAAN」の爆撃回避シーンが、いまいち何をやっているのか分かりにくくてのめり込めなかったし、この作品も、メデューサを破壊するために衛星にアクセスしてたたき落とすなんて派手なことをやっているわりに、それが画面に現れにくい。「ファイアーウォールが4枚残ってる」とか画面上のモデルで見せられても、あまり緊迫感はないのだ。まだ以前の小夜子や香凛のゼウス進入作戦のビジュアルの方が見栄えがしたなぁ。個人的にこの手のシチュエーションで最も燃えるのはエヴァの13話。
せっかくの香凛の見せ場がいまいち盛り上がらなかったのは至極残念。まだ出番は終わったわけではないだろうけど、残りわずかな話数で、混迷を極めた現状をまとめきることが出来るのだろうか。そして、武彦はどこへいってしまったんだろうか。
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