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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 なんとなく、夏休みが終わってしまったことの寂しさに耐えかね、「アニメ映画を観に行こう」ってんで観てきた作品。選択肢としてはこれと「なんちゃらそばかす」の2択だったのだが、まぁ、私が観るべきはこっちかな、と。私は細田守と川面真也だったら川面さんの方を信頼しているので。あと、某キャストが勧めていたことも理由の1つ。誰とは言わないが、舞台となっている岩手の文化大使を務めていて、Twitterでほぼ岩手情報しか流さない人。

 

<ネタバレとかは……あんまり気にしないでいい気もする>

 




 

 ただまぁ、観てきたのだが……正直あんまり書くことがないんだよなぁ……今作の名前を初めて聞いたという人もいるかもしれないが、私だって大して事前情報を持っていたわけじゃない。一応劇場で公開されているあらすじと番宣をちょろっと観たくらいのもん。そして、その段階でなんとなく「こんな作品かなぁ」と想像するじゃないですか。想像してみてくださいよ、その想像で大体当たってるから。私の事前知識として「震災に関する作品としてそういう媒体で発表された」っていう部分だけ抜け落ちていたので、今作が震災復興の応援を目的とする、っていう部分もフォローしてもらうとほぼ完璧だ。だいたい、そういう話。劇場アニメ名物の「最後になんかよくわかんないけどでっかい奴と戦う」もしっかりクリアしている。ただ、今作の場合は本当に「でっかい奴と戦う」はいらんかった気もするのだが……一応、アレが「震災被害にあった人の苦しみ・悲しみはどれほどだったのか」ということを表している部分ではあるのか。どうしたって劇場アニメだと「それっぽいクライマックス」を用意しなきゃいけないっていう感覚、あんまりいらないと思うんだけどなぁ。

 もちろん、良かった部分もある。監督が川面さんということは当然同じ「田舎アニメ」である「のんのんびより」との対比になってくるわけだが、きちんと作品の性質の違いが見えて、「のんのんびよりで培った田舎的空気感の演出は今作でもきっちり活用されているな」と思える。強引にまとめるなら、のんのんびよりって「田舎ギャグ」アニメなので、その田舎っぷりはネタにまで昇華されないとダメなのよね。あそこまで振り切れてて、れんちょんのキャラも行き過ぎているので、そこに「あぁ、あるある」とか田舎の現実的なニュアンスは必要とされていない。表面的には「古き良き日本の田舎」を描きながら、そこには厳然たる「漫画的非実在田舎」を描く必要があったわけだ。

 対して、今作の場合は「震災後の岩手」が舞台となっているわけで、そこにギャグがあってはならない。どこまでも真剣に、どこまでも克明に「実在性田舎」の情景を盛り込む必要がある。そして、この「実在」がきちんと感じられるのは純粋に画作りのセンスだろう。「のんのんびより」同様にひたすら長回しで景色が映るカットなんかも頻出するのだが、ただがむしゃらに止めてしまって時間の長さを実感させる「のんのんびより」に対し、こちらは非常にたくさんの「実際の景色」を少しずつ切り替えながら見せていく。その際に、例えば震災でぶっ壊れた建物なんかを画面のど真ん中に持ってくることはほとんどなくて、引きのカットで見たときに爪痕が伺えるようになっていたり、あくまで「震災の景色」は中心にくるものではなく、そこに生きる人々の「背景」として落とし込まれている。ここであまりに露骨に「震災がー」ということを繰り返すとおそらくひどく説教くさい作品になり、せっかくのふわりとした田舎の空気感が台無しになってしまっていただろう。あくまで震災でできてしまった「現状」についてはキャラクター各人で受け止めてもらうことにして、今作で描くのは「マヨイガ」を中心とした新しい家族の物語。新しい人生を前に進んでいかなければいけない、姉妹の物語なのだ。そのあたりのメリハリのつけ方は、やはりコンテを切った監督のセンスが出ている部分だったんじゃなかろうか。

 2時間弱とそこまで長くない時間の中でメインヒロインのユイ・ひよりの2人に「家族の絆」を感じさせるってのは結構な難行で、紋切り型で処理していくと非常に押し付けがましい「ホームドラマ」に終わってしまう。今作の特徴のもう1つが「台詞での説明はなるべく削る」という方向性があり、しゃべる言葉が増えるのはばーちゃんの昔話パートくらい。それ以外の関係構築においては、あまり多くないワードのバリエーションをうまく重ねて、そこに関係性が見えるようにしてある。例えばキワは最初、ユイの若者言葉を真似して見当違いな使い方をしていたが、気づけばいつの間にか「マジでヤバい」みたいな言葉も正しく使えるようになっている。互いに言葉がなくても顔を見ればなんとなく伝わる、そんな関係がわずかな間に説得力をもって構築されているのはうまい部分。あと、純粋にマヨイガの設定って楽しいよね。ドラえもんのひみつ道具を見ている感覚に近いかも。そして私は妖怪好きでもあるので、クライマックス(?)の妖怪大集合の絵面はちょっと面白かった。ただ、「おとろしって東北の妖怪だったかなぁ」とか若干怪しい部分はあったのだけども。

 そうして本当に100分という時間に綺麗に物語を納め、視聴後にも爽やかな気持ちを残してくれるという意味では良い作品であった。ただまぁ、「日本昔ばなしの100分バージョン」と言われたらそれはそうかもしれない。「観たほうがいい?」と聞かれたら、「まぁ、悪くはないよ」というのがせいぜいで、あんまり「ぜひ観て欲しいな!」とまではいかなかったかな。でも、この性質の作品で「ぜひ観て欲しいな!」にするのは難しいよなぁ……。今確認したら原作が青い鳥文庫とかになってんじゃん。それくらいの付き合い方の作品だよなぁ……。

 ちなみに個人的に一番笑ったシーンはマヨイガ本家に行ったときに朝食でクソ本格的なガレットが用意されていたところ。おめぇ、そんだけばっちり和風建築のくせして小洒落たもんだしてんじゃねぇよ。

 

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