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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「ヴァニタスの手記」 5→6

 綺麗な作品だった。画面のクオリティが、っていうのもあるけど、それ以外の要素もハマるべき場所にはまってるのですごく観やすいし、退屈しなかった。

 序盤にちょっと「目を切って」しまったせいでキャラの関係性とかの把握でちょっとばたついてしまったためにあんまり感想を書けるタイプの作品にならなかったのは申し訳なかったが、毎回ちゃんと観るべき点があってバカにできない作品だなぁ、と思った。ガンガン連載の女性向け作品なのでベースになっているのはヴァニタスとノエの男×男関係なのだが、それだけに終始するわけではなくてきちんと「吸血鬼怪奇譚」としての広がりがあって、生まれの悲哀や種族の差の苦悩なんかも掘り下げは足りている。吸血鬼ってモチーフがこんだけ人気を維持し続けてる理由の1つに「なんかインモラル」っていうのがあると思うんだけど、今作の場合は「吸血」っていう行為自体をかなりダイレクトに「そういう」ものとして扱っていて、吸ったり吸われたりの関係がそのままドラマの本質になっているので、男女の機微なんかも「吸血鬼」の物語として処理されていく。怪物の生き様を思い切り戯画的に、まるで劇場で演じられているかのように演出した作品に直近の「MARS RED」があったと思うのだが、今作は吸血行為を吸血鬼の生きる「日常」の中に落とし込んであって、切実な欲求に肉薄している。

 ただ、そうして重苦しい化け物の話ばかりでズブズブと沈み込むだけではなく、コロコロとしたギャグとのメリハリが効いているのもよい。勝手に女性向け作品の1つの特徴だと思ってるんだが、キャラが頻繁にデフォルメになってへちょい顔を見せてくれたりするシーンの挟み方が可愛いのよね。ヒロイン勢はみんな満遍なく可愛くて、ラスト付近で一気に株を上げたジャンヌ、最初から嫌なくらいに存在感があったドミニクなど、男目線で観ても楽しい要素が置かれているので安心して観ていられる。

 当初は「これがシャフトじゃない板村作品になるんやな」なんて思いながら観ていたはずなのだが、いつの間にか板村さんの手によるものだってことも忘れてしまっていたのでその辺の比較検討は出来なかった。ただ、やっぱり止めも有効に使った画面の押し引きはうまい映像になってたんじゃないかとは思うけどね。デフォルメギャグのテンポって完璧に見せるのは意外に難しいと思うんだけど、止め絵の使い方で個性を出すシャフト勢って、大沼さんにしろ板村さんにしろ、やっぱり経験の積み重ねがいい具合に出ている気がする。

 こちらもどうにも気になる終わり方になっちゃってるので、原作に余裕が出来たら是非とも2期を期待したいところだ。

 

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