最後お前が押すんかい! 第19話。まぁ、それこそ「最後の一押し」の意味があるので、無理やりやってるわけじゃないのだろうけども。あれだけ「ファーストペンギン」のモチーフで色々と描かれてきた風花が、いわば「ラストペンギン」の背中を押してあげる展開、なかなかに感慨深い。
もう、圧倒的に風花が強い。今作は一応くくると風花というダブルヒロインで進行しているという認識なのだが、くくるがやらかし要員として場を引っ掻き回し、それを風花が大人パワーで打ち消していくという展開がだいぶ板についてきた。ここまでまっすぐに「強い」ヒロインってのも最近はあまり見なくなった気がするなぁ。やっぱ「アイドル時代にメンタル鍛えまくった」というのは伊達ではないし、後輩ちゃんの話を聞くにつけ、もともとの人徳もパない模様。アイドルを続けていたらどうなったかも気になるところだが……悪鬼羅刹の群がる芸能界で生きていけるほど、タフではなかったかもしれないなぁ。
今回はくくるのやらかしは無く、ティンガーラ内部にもほぼ心配事のタネはない。となるとどうやってシナリオを回すかといえば、そりゃ当然外部から曇らせ要素を勧誘してくるのである。ここで登場したのが風花の後輩にして、アイドルスピリッツを受け継ぎし者・ルカちゃん。何かときな臭い芸能界の中で、風花に守られていっときの出世には成功したはずだが、そこからの一歩はさらなる魔境。ネットの非難も乗り越えて、なんとか芽を出そうと奮戦しているところ。そして、そんなルカちゃんに対しても、問答無用の風花オーラで力を分け与えるのである。まぁ、滑りギャグを回収するところまでは手が回らなかったようだが……風花さんもそんなスキルでは研鑽積んでませんからね。
空回りアイドルが悪戦苦闘する中、風花は自分の中の「終わった夢」と改めて向き合い、自分の将来設計を最終確認する。テレビに出たことで芸能界への未練が蘇る? ないない。別にアイドルが嫌で飛び出したわけではないが、彼女の場合は飼育員の仕事が「より好きだった」からこちらへ来ただけ。その道を拓いてくれたくくるに感謝しつつも、風花の中に迷いはない。最後のつながりであったハイヒールで未練を断ち切りつつ、ついでに後輩を励ませるという一石二鳥のプレゼントで全てを丸く収める。そのくせテレビの前で完全なるヒロイン像を演じるというずるすぎるプレイングである。あの番組が放送された後に世間でどんな反応が出るかがすげぇ気になるよな。「これ、ルカちゃんより風花ちゃんの方が可愛くね?」みたいな流れが生まれてると後輩キツいぞ……多分ガチガチのアイドルメイクじゃなくてナチュラルにお仕事パーソンな顔をしている風花の方が画面上で輝いてる可能性あるしなぁ……。ま、それでもちゃんとルカちゃんには自分の意思を示してるからね。お互いに東京と沖縄で距離は離れるが、それでも気持ちが伝えられるってのは、すでにくくると風花が通過した場所なのだ。戦えアイドル。あと戦えプランクトン。今回なんもしてないぞ。
それにしても、改めてペンギンが可愛いアニメである。1羽1羽の動きがすごくしっかりしてるのよね。しらたまにちょっかい出した2羽が風花から追い立てられて走ってく時のモーションがめっちゃ可愛い。そういや俺、2日連続でペンギンが活躍するアニメの感想書いてるな(?)。
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