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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「やくならマグカップも 二番窯」 ー→7

 至ったんだ……マグカップに……この旅路は、尊い……。

 私がこうして必死に何本ものアニメを観続けている理由が「世間に拾われない作品に気づくこと」にあるのならば、まさに今作は今期一番オススメしたい作品になったかもしれない。1期時点で「あれ? 意外と真っ当な青春アニメで面白いぞ」となっていたところに、この完璧な2期目。本当に綺麗な作品なんですよ。いや、映像はふつー……というか割とショボい寄りではあるんだけど、なんだろ、志が綺麗。ビジョンが綺麗。

 真っ当な青春部活もの。しかし「陶芸」というなんとも珍妙なテーマなものだから、そこに主人公グループを馴染ませるために1期目が費やされた。ようやく陶芸とはなんたるかが多少感じ取れたところで1期が終わり、2期は満を辞して「メインヒロイン・姫乃が焼き物と向き合う」という本気の展開。そこには天才陶芸家だった母の影が落ち、さらに隣には名門の家名に苦しむ先輩もいる。立ち向かうべき目標があるが、あくまでも最大の敵は自分。そんな中で女子高生たちはどんな成長を見せてくれるのか。本当にまっすぐで真っ当な成長譚。それがね、とても綺麗なんです。

 もともと「陶芸アニメ」になったのは多治見のご当地アニメとして、特産をPRする必要性から生まれた設定のはずなのだが、これがうまいこと物語に落とし込まれていてね、最後に姫乃がたどり着く結論も、上っ面だけで終わらない責任と説得力がある。こうした美術芸術を扱う作品の常として「何がいいものか」がアニメの画面だけではなかなか伝わりにくいはずなのだが、作品1つ1つの存在感が絵として現れる以前に物語のパーツとしてきちんと提示されているので、「焼き物アニメ」としての際立ちがある。まぁ、その辺の「どこまで真に迫れるか」っていう説得力を増しているのは実写パートのおかげもあるのだろうけど。あそこで我々視聴者は「本当の多治見」を目の当たりにすることになるし、キャストの面々も実際に焼き物を体感した上で役に向き合えたことになる。声優ファンを釣るための安いプロモだと思われがちな安易な実写パートだが(まぁ、そういう側面ももちろんあるだろうが)、今作に関しては、アニメ7:実写3くらいのウェイトで作品を支える両輪になっていたんじゃなかろうか。

 そうして作られた「焼き物アニメ」の中にこっそり混ぜ込まれる劇薬のような人間関係。姫乃と直子・十子と三華は言うに及ばず、クライマックスを支えた姫乃と母親の関係も文脈が非常に太くて強い。最終回は親父さんに感情移入して思わずもらい泣きしてしまった。良い家族だし、良い町だよ。「ルンルー」を手に入れた娘の母親が「るんっ」なのがちょっと出来すぎてるが。

 終わってしまうのがとても寂しい、そんな素敵な作品でございます。もし機会があるなら、私も多治見を訪れてみたい。どこにいったら真土泥右衛門にあえるんでしょうかね。

 

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