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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「佐々木と宮野」 4→5

 ほどよく飲みやすいBLでした。なんだろ、こうして心おだやかにしてフラットに見られるBL作品ってあんまりなかった気がするな。

 ことにBLというジャンルは勝手な忌避感から拒否反応を示しがちなもんで過去作の記憶もあんまり持っていないのだが、今作のようなデザインのBLアニメはあんまりなかったような気がする。鮮烈に記憶に残ってるのだと「世界一初恋」とか「だか1」とかになるのだが、どうしても超絶設定のスパダリが登場して強引に何かをかっさらっていくような豪快な作品が多く、各方面から「そんな奴ァおらへんやろぉ」という感情が先立つものだった。面白いと思った作品は、その上でギャグとして紹介して笑ってごまかしていたのである。

 転じてこちらの作品は、「純愛」に分類してしまって良さそうな、本当にただの「高校生の恋愛」を描いている。佐々木は多少オラつく要素を見せるかと思ったが全体を通じてそうした要素は薄めだし、ことに宮野に対する気遣いは本当に「恋愛がしたい、まっすぐな男子高校生」である。その上で「まぁ、確かに宮野は可愛いかもしれないよな」という感覚もある程度は理解が及ぶので、2人の恋愛感情を「青春なのだなぁ」と飲み込みやすい。男同士であること過剰に意味を乗せすぎず、そのことを思い悩むのは主に宮野1人。メインヒロインの宮野がそのことを受け入れ、飲み込むまでの遷移がメインテーマであり、そこにカタがつけば、周りの連中はそれを囃し立てたりせずにむしろみんなしてめっちゃ理解がある。そういう優しい世界の中で、まっとうな恋愛感情を描いた、「ボーイズ」とかわざわざつけずにただの「ラブストーリー」と言ってしまって良い代物であろう。

 一応今作の特徴として「BL」というものを作中人物がはっきりと「ジャンル」として認識し嗜んでいるという下地がある。この「二次元創作としてのBLが現実にも降ってきた」という二層構造のおかげで宮野の心情を一旦フィクショナルなものに持ち上げて、それを現実レベルにすり合わせるという行程が自然に行えるようになり、視聴者目線でも追いかけやすくなったというのはあるかもしれない。現代社会に置いて同性愛のハードルが下がり、様々な形で受け入れられるようになったことがダイレクトに創作物の中で影響を与えるという構図は興味深い。

 映像部分もふわふわしたデザインを維持しながら1クールきっちりクオリティを保ってくれたし、今やBL本舗となったディーンの面目躍如。忘れてたけど、これって監督が石平さんだったんだっけ。こうした作品でも一定以上の好感度で受け入れられたってのは偶然なのか、手腕なのか。余裕があればもうちょいちゃんと観てもよかったなぁ。

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