忍者ブログ
最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
[8827] [8826] [8825] [8824] [8823] [8822] [8821] [8820] [8819] [8818] [8817]

 
←前(1/4)へ 
 
 
第3位 
’10「刀語」 ‘11「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」 ’12「黄昏乙女×アムネジア」 ’13「有頂天家族」 ’14「月刊少女野崎くん」 ‘15「えとたま」 ‘16RE:ゼロから始める異世界生活」 ‘17「3月のライオン(第2シーズン)」 ‘18「ひそねとまそたん」 ‘19BEASTARS」 ‘20「無能なナナ」
‘21「小林さんちのメイドラゴンS」
 やはりこの作品は個人的に外すことができない。暗澹たる話題の多かった今年1年ではあるが、復興を物語る作品も着実に登場している。
 4年越しの新作となった第2期。その間にあった悲劇は忘れられるものではないが、遺志を継ぎ、新たな傑作が生まれた。「京アニ品質」は厳然と守られており、武本さんから引き継いだ石原さんのお仕事も敬意にあふれた見事なものだった。もちろん、余計なことは考えずにケラケラと笑いながら見られる作品にも仕上がっているので、特盛りの「カワイイ!」を堪能しながらゆっくりとしたファンタジーな時間に浸るだけでも何の問題もない。2期目となった今回は各キャラクターのさらなる掘り下げが行われ、新キャラ・イルルによって「人とドラゴンと」という融和の物語がさらに解像度を増し、そこにエルマとトールの関係が改めて展開されることで「ドラゴンとドラゴンと」の関係性もうかがい知ることができる。描こうとしている物語は非常にシンプルなのだが、それを何気ない日常と度胆を抜くファンタジーという極端な両輪で回すことにより、世界はこんなにも新鮮なものになる。どの方向から見てもしっかりと噛み締められる、そんな作品。
 異種間でのコミュニケーションができるなら、そりゃぁ人と人だってさ。
 
 



 
準グランプリ
’10STAR DRIVER 輝きのタクト」 ‘11「花咲くいろは」 ’12「人類は衰退しました」 ’13「銀河機攻隊マジェスティックプリンス」 ’14「四月は君の嘘」 ‘15「昭和元禄落語心中」 ‘16「ふらいんぐうぃっち」 ‘17「宇宙よりも遠い場所」 ‘18「風が強く吹いている」 ‘19「まちカドまぞく」 ‘20「ウマ娘 プリティーダービー Season2
‘21Vivy -Fluorite Eye’s Song-
 思えば、今年度は4月期のここから幕を開けた凄まじい1年だったのだな。魂のこもったAIの物語、そして魂のこもったオリジナルアニメーション。Vivyの世界は、アニメの可能性を正々堂々と正面から振りかざした1つの道標である。
 SFテーマのオリジナルアニメーションなんてものは「コケる、スベる」の代名詞みたいな扱いであり、ことにロボット物とかになっちゃうと新世紀のアニメヒストリーの中でもとりわけ苦難の歴史。それに加えて「ループものの歴史」ってのがあり、シュタゲやハルヒのヒット以降、時間跳躍をテーマにした作品も数多く作られたが、その多くは二番煎じ、出来損ないの烙印を押された劣化コピーとなった。正直、作品コンセプトを聞かされた時点ではこの作品もそうした先輩作品の二の舞三の舞を演じることになるんじゃないかという懸念はあった。
 しかし、そんな懸念を吹き飛ばす期待が1話目で与えられる。WIT STUDIOの渾身のアニメーションは本当に鮮烈で、ゆっくりと形作られるそのSF世界はドスンと一発目を叩き込みながら、その次、その次へと期待を持たせるに充分なものに仕上がっていた。そこから紡がれる物語も実に念が入っており、細かく紡がれていく「歴史的事件」を前に、主人公のヴィヴィが苦しみ、成長する姿はまさに王道アニメーション。「機械の心」なんて陳腐なテーマのはずなのに、見れば見るほどにヴィヴィの中の「心」について考えさせられる。「心とは何か?」を問いかける際に用いられた「歌」というツールも想定以上に機能しており、さらなるアニメの潮流である「アイドルもの」に片足を引っ掛けつつ、単なるセールス目的に終わらないだけの深みを与えることに成功している。次第に煮詰まっていく「未来の構図」を前に二転三転するヴィヴィとマツモトの関係性。目の前に待ち受ける「未来」の姿。全てが端整に収束していく様子は、本当に1クールアニメという表現媒体のお手本のようであった。
 こうした作品がオリジナルで生み出されるからこそ、アニメ視聴はやめられない。
 
 
 
 
グランプリ
’10「けいおん!!」 ‘11「へうげもの」 ’12「ヨルムンガンド PERFECT ORDER」 ’13「凪のあすから」 ’14「ユリ熊嵐」 ‘15「響け!ユーフォニアム」 ‘16「昭和元禄落語心中 -助六再び篇-」 ‘17「宝石の国」 ‘18「リズと青い鳥」「やがて君になる」 ‘19「この音とまれ!」 ‘20「ミュークルドリーミー」
‘21「オッドタクシー」
     「劇場版 少女歌劇 レヴュースタァライト」

 というわけで、今年は3年ぶり2度目の2作品同時受賞、劇場作品特別措置法が適用された。こればかりはしょうがない。取りこぼしてはならないものが、この世界にはあるのだ。
 
 1本ずつ見ていこう。まずは「地上波」部門の「ODD TAXI」から。そのトリッキーな見た目から「ま〜た変なもんが始まったで」と思われた、ぶっちゃけダークホース的な扱いの作品。1話目でダイレクトに力を見せつけ、王道的展開で常に正面から勝負を仕掛けていた「Vivy」とは本当に対極のような存在。この2本のアニメが同時期に放送されていたというのは何という運命のいたずらだろう。正直どちらがトップでも文句はないし、どういう順番にするかは死ぬほど悩んだのだが、やはり最後の最後に、途方もない勝負をかけたこちらの作品に軍配を上げた。
 映像部分での流麗さも見どころだったVivyと違って、こちらは本当に脚本構成とアイディアで勝負をかけた作品。最後まで通して見たときのカタルシスの大きさは近年でも図抜けたものになっているし、だからといってひとネタに勝負をかけただけの一発作品になっていない。少しずつパズルが組み上がるように繋がっていく物語の、各パーツごとに見える景色もきちんと全部面白いというのが白眉だ。それだけに、アクの強いパーツ同士を結びつける作業は気の遠くあるような繊細な調整が求められたと思うのだが、全く破綻せずに全てがつながっているのである。世間の脚本家ってのがどういう作業行程を経ているのかは知らないが、これだけの大きさの作品で全体像を見据え、その上で一瞬一瞬での見栄えを最大限に尖らせることができたシナリオラインってのはお目にかかったことがないかもしれない。正直、純正アニメ畑じゃない監督にこれをやられたというのはあまりに悔しいのである。アニメで出来ることがまだまだ山ほどあるじゃないかと、他所の視点から見て持ち込まれた特大の黒船なのである。
 OK、面白いものは面白い。それを素直に受け入れて、ただありのままにいただきましょう。この作品が産み出されたことをうけて、業界はどう動いていくのか。私たちは消費者として、ただそれを見守るだけなのだから。
 
 
 そして黒船どころじゃねぇ、空飛ぶ円盤みたいなものが襲来したのが劇場作品部門である。だいぶ時間を置いて改めて考えてみても、やはり人間が作れる代物ではないと思っている。
 自分語りになるが、私がオタクの道へと入門してアニメ映画を見るようになってから、「自分の劇場アニメの価値観は更新された。これ以上のものは今後出てこないでしょ」と感じた作品が何本かある。1本目は意外かもしれないが「花咲くいろは HOME SWEET HOME」。おそらく人生で初めて、劇場でぼろ泣きした作品で、それまでなんとなく持っていた「映画ってお祭りイベントだから、なんとなく2時間で収まるそれっぽい話をするだけの媒体でしょ」という思い込みが是正された作品。その次が「まどマギ 叛逆」。こちらは人生で初めて劇場に複数回足を運んだ作品で、衝撃のシナリオに視聴後はしばらく現世に帰ってこられなかった。2時間という限られた時間内での映像体験として、可能なことを限界ギリギリ、いや、限界オーバーで喉奥に押し付けられる、そんな体験を果たした作品だった。その次は多分「ガールズ&パンツァー 劇場版」。こちらは一転、とにかくエンタメに終始したサービス精神の塊のような作品。「映画である」ということを最大限に生かし、音響・効果をフル回転させてとにかくお客を楽しませようとし続ける特大アミューズメント。私の人生で後にも先にも劇場で5回もみた作品はこれだけだ。そして当然「リズと青い鳥」。これまでの映画は、不遜な言い方をすれば「何がやりたいか、どうやって生まれたかが分かる」次元での話だったが(叛逆はスレスレだったが)、ついにこの「リズ」に至って私の脳内キャパを超える。こんなもんが生み出されていいはずがない、という禁忌感。映画を作る人間、アニメを作る人間というのは、私のような矮小な人間など思いもしない高みから世界を作っているのだと思い知らされる体験。本当に「人類には無理だ」と思った、そんな衝撃体験が3年前。正直、向こう10年はこの感覚が襲いかかることはないだろうと思っていたのだが……。
 3年でした。3年後に、今作が生まれたのです。やはり人類が作ったとは到底思えないその構造美は、古代遺跡から出土するクリスタルスカルのごとく。今作の凄まじいところは、上述のように私が繰り返し組み伏せられた映像体験のどれとも異なる路線での衝撃だったということ。乱暴に関連づけるなら、今作は「リズ」のごとき繊細さで少女の内面を容赦無く切り開き、溢れ出した内容物を「ガルパン」のごときサービス精神でもってバカと断じられるくらいにあけすけに、あさっての方向へと全力投球している。何度か見返した現在でも、今作がわずか2時間の映像体験であるということが未だに納得できない。たった7200秒で人間をこうもたやすく壊すことができるという事実を直視できない。アニメファンは、自分の身体以上に大切な何かがあるに違いない。
 私の将来の夢は、山田尚子と古川知宏を地下格闘技場に呼び出してステゴロで戦わせることです。多分、無遅刻無欠勤で35年勤め上げた会社に辞表を出しに行きます。
 
 
 
 
 
<サブタイトル部門>
 各話ごとに切り取って見ていくよ、サブタイトル部門。作品全体の総評と分けるのが難しいので毎年一番四苦八苦している部門である。改めてエントリーを見繕ってて、やっぱ最終回とか、特定のキャラとかに寄っちゃうと他の部門との差別化が難しいのよね。ちなみに、一応毎回「第1話と最終話はエントリーから外す」というレギュレーションになっている。ただ、最近は本当に最終回選びたい欲求が強くて辛い。
 泣き言から入ってもしょうがない、自分で設定してるのだから責任もっていきましょう。まずは最近めっきり増えた「2期以降、復活作品の嬉しかったよ」部門。ぱっと思い出すのは例えば「新幹線変形ロボシンカリオンZ」第28話「交信せよ!シンカリオンZ H5はやぶさ」。ずっとずっと待ち望んでいた前作キャラ、中でもスザクさんの登場に感極まってしまうお話。きちっと先輩を立てられるシナリオラインが素晴らしいし、「復活」をクライマックスとして温存していいところで出してくる采配がお見事。レギュラーキャラの掘り下げが進んでキュンときてしまったお話でいえば、例えば「魔入りました!入間くん」16話「この感情の名前は」。これまでたっぷりと可愛いを蓄積してくれたアメリ会長炸裂のエピソード。やっぱ長期シリーズはこうした「溜め」が効果的に使えるのが良いですね。

同様にヒロインの「溜め」が特大だった直近の思い出は「ヴァニタスの手記」第20話「Mal d’amour―不治の病―」。ジャンヌとヴァニタスの初々しすぎる初恋模様。そしてすっかり変わったパワー系恋愛ファイタージャンヌの強さ。あまりに可愛く、素敵すぎる関係性。もっともっと溜めてる作品でいえば「僕のヒーローアカデミア」第109話「再臨祭」。悪役サイドのお話が次第に煮詰まっていき、いよいよトガヒミコにスポットが当たったという感慨深い1本。トガちゃんの生い立ち、生き様、見せ方があまりにもトガちゃんで絶望感がみなぎっている。ハイクオリティな映像美も相まって、本当に丁寧で恵まれた作品だと思う。


 2期以上のシリーズでもうちょい別な見せ方が印象深かったのは、「結城友奈は勇者である -大満開の章-」第7話「君を忘れない」。歴史に名を残さんとする乃木若葉の隣で、密かに戦い続けた勇者、郡千景の物語。絶望の西暦勇者の時代、彼女の作った歴史が脈々と受け継がれているという事実に涙を禁じ得ない。しっぽりと見せてくれる関係性だと「小林さんちのメイドラゴンS」第11話「プレミアムシート(特別料金はかかりません)」。次のお話がお祭り騒ぎの最終回だったので、ぶっちゃけこちらが最終回だったという話もあるのだが、2期の間培った「人とドラゴン」の関係性を総決算するかのように、ただただ何も言わずに夜が更けていく中で一緒にいる小林とトール。何気ない日常の描写にかけがえのない意味を与える作劇が心に染みる。煮詰まった関係性でいうなら「着せ替え人形は恋をする」第11話「俺は今、ラブホテルにいます」。まー、エロにエロを重ねたエロ回なのは間違いないのだが、やはりこの関係性を舐め回すように執拗に、無心に描き続けちゃう作劇法は恐ろしくすらありますよね。歴史に残る「ベッドのスプリング目線」という異次元コンテワークとか、作り手のメンタルが心配になる出来である。
 今回仕分けをしていてやたら目立ったのが「同性間のクソデカ感情爆発回」部門。わかりやすいところでは「トロピカル〜ジュ!プリキュア」第38話「決めろ!あすかの友情スマッシュ!」。まさかご陽気集団トロプリからこんなガチで百合(先輩)なエピソードが炸裂するなんて思わないじゃん。作画の気合いも相まって、個別回の中でも特別な存在感を放つエピソード。節目となるお話でメインヒロイン2人の強さを見せつけたのは「白い砂のアクアトープ」第13話「海の遥かなティンガーラ」。くくるが社会人生活で疲れ果てたところに颯爽と現れる「女神」風花。ひとまわり大きくなった最強(元)アイドルの強さのお披露目である。じわりと滲む部活仲間との関係性に心揺さぶられるのは「やくならマグカップも 二番窯」第8話「ろくろびより」。成長を続けるヒロイン勢の中でも姫乃は目に見える躍進を続け、その陰では「天才」十子も負けていない。そしてそんな十子の成長になんともいえない複雑な思いを抱えていた三華の胸の内。青春ですなぁ。そして同性間といえば同性間、文字通りに裸の付き合いから互いに1つ壁を壊した転機となるお話が「ブルーピリオド」第10話「俺たちの青い色」。ほんとに鬼気迫るシチュエーション。なんでこんなドラマを描けるものかという、奇妙な生々しさを感じさせる全裸デッサン。八虎が、龍二が、真剣に互いのことを思い、未来のことを真剣に考えていたことが分かる、これもまた青春。そうそう、「かげきしょうじょ!!」第12話「きっと誰かが」もこのカテゴリでしょうかね。山田さんの抱え込んでいた過去の思い出が突然バーストし、それが演技の幅をグッと広げるきっかけとなった。人生の何が役に立つかは分からないが、他人を想う真っ直ぐな思いは、間違いなく伝わるものなのだね。そして最後まで選出を悩んだ私の中の爆弾エピソードが「ラブライブ!スーパースター!」第6話「夢見ていた」。嵐千砂都の秘めたる想い。その頑なさを融かすかのんの想い。幼馴染 is 最強。
 真っ当な盛り上がりでいえばどうしても最終回が強くなってしまうので、反則ではあるが少しだけ触れさせてもらうと、直近から2本、まずは「平家物語」第11話「諸行無常」。これまで語られてきた物語が琵琶の音となって1つに収束していく演出が見事。「語り」を映像にするという無理難題が、ここまで功を成すとは思わなんだ。そしてスピリチュアルな無敵コスチュームをたなびかせるのは「明日ちゃんのセーラー服」第12話「ひとりじゃないんだ」。作画も構成も、何もかもが完璧なフィナーレ。単に女子中学生の体育祭だってのに! 他にも事実上のクライマックスと言える中盤の山でピックアップすると「灼熱カバディ」第7話「STRUGGLE」も大満足の1本。ただでさえアツい本作の試合シーンだが、頂点を目指した最後の苦闘と、その結末の晴れがましさに圧倒される。晴れがましさとは真逆の決着を迎えたのは、「Vivy -Fluorite Eye’s Song-」第6話「Sing My Pleasure -あなたを愛する-」。ヴィヴィのその先を決定づけてしまった悲劇の結末。異なる色に染められた彼女の手が、掴むベき未来、掴めなかった未来の2つの選択肢を決定的に峻別しているかのようである。毎回がクライマックスみたいな扱いだったが、やはりここが中盤の山場には違いない。
 そして最後は「そんなご無体な」部門。例えばトリッキーさ見せてくれたのは「見える子ちゃん」第4話「やっぱり見える」。4話目にしてこの作品でできる最大限の球を投げてきたな、と思える大胆な構図。アニメだからこそできる攻め手を見つけてくれるのは嬉しいもんですね。そして毎回気持ちをざわつかせてくれる作品からは「スーパーカブ」第7話「夏空の色、水色の少女」。カブを買ったことで運命が変わった少女のお話。それなら「カブを買ってないから変わってない少女」も描くのが妥当……いや、だからって同級生との差がこんなに出来るのはおかしいやろ。教室の中で完結できる学園ドラマもあるってのに、こいつらは教室の中では何もやる気がないのがこえぇ。そしてこれだけは出しておきたい、「ミュークルドリーミー みっくす」第43話「入れ替え作戦やっちゃうにゅい!」。ゆに様はね、去年選出しちゃったから今年は選べない。せめてこのエピソードを取り上げることで、ゆに様の優しさが世界中に伝わればいいな。
 そして最後まで悩んだが、結局私も理解できてないのでお蔵入りさせることにしました、「Sonny Boy」第4話「偉大なるモンキー・ベースボール」。分からん。何も分からん。
 
 
 
 
第3位
‘10 「侵略!イカ娘」 第5話Cパート「飼わなイカ?」
‘11 「ベン・トー」 #10「それは昔祖母の家で食べた温かで優しい味わい。心にも体にも優しい和の料理。梅とちりめんじゃこご飯と季節の野菜たっぷりの煮物弁当 480kcal
’12 「戦国コレクション」 COLLECTION-19 「Vengeful Fang-IS
’13 「ワルキューレロマンツェ」 第7話 「風車の下で」
’14 「ユリ熊嵐」 第9話 「あの娘たちの未来」
’15 「OVERLORD」第9話「漆黒の剣士」
’16 「ふらいんぐうぃっち」第5話「使い魔の活用法」
’17 「18if」#8「THRESHOLD
’18 「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」 第5話「キラめきのありか」
‘19 「鬼滅の刃」第10話「ずっと一緒にいる」
‘20 「ストライクウィッチーズ ROAD to BERLIN」第6話「復讐の猟犬」
‘21 「やくならマグカップも 二番窯」第4話「土のひとりごと
 「やくも」からはこちらのエピソードを選出させてもらいますよ。8話との2択で悩んだのだけど、「ご当地アニメ」としての性格を強く押した愉快なお話なので、当グランプリでは珍しい、15分のショート枠(?)からの選出。ちなみに、振り返ってみるとちょうどこの3位で11年前にCパートのみで受賞してる「イカ娘」があるので、それ以来である。
 「やくも」が楽しかったことはすでにここまでで再三触れているのだが、そんなお話の中でも特に印象に残っているのが、こちらの真土泥右衛門誕生秘話であった。何がすごいって、お話がまさか陶芸に欠かせない「土」目線で進むとは思わんからね。そりゃま、「焼き物」っていう要素が大事なのは1期の時からしっかり提示されていたことなのでわかっているつもりだったが、それでも「特殊部活もの」ってんで「まぁ、いくら説明されても分からんもんは分からんしなぁ」と突き放したところがあったのも事実。真に迫った「焼き物ドラマ」なんて、そう簡単に共感を呼び起こせるもんでもないだろう。
 しかしそこを逆転の発想。確かに焼き物を焼いたことはあんまりない? それなら、焼かれた経験は? ……いや、もっと無いが。絶対無いが。それでも、ここで「土」という根源に触れ、そこに息吹を与えることで「そうかぁ、焼き物って、生き物と触れ合うことなんだなぁ」という超常的な理解が及ぶようになる。いや、ならんて。ならんけども。親しみを持つ大きな要因にはなり得るだろう。そして、これまでただひたすら次回予告にのみ姿を表していた謎の河童ペンギンが何者なのかというネタバレにもなっている。そうなのだ、彼はいつだって、部室の前で姫乃たちのことを見守ってくれていたのだ。そんな甲斐甲斐しい彼の姿を改めて見て、焼き物の楽しさ、そして部活の楽しさを思い出せるんじゃなかろうか。
 
 
 
第2位
’10 「けいおん!!」 #20「またまた学園祭!」
’11 「BLOOD-C」 第11話「たれをかも」
’12 「中二病でも恋がしたい!」 EpisodeXI 「片翼の堕天使」
’13 「げんしけん二代目」 第11話 「いい最終回だった」
’14 「少年ハリウッド HOLLY STAGE FOR 49」 第5話 「エアボーイズ」
’15 「ハイキュー!! セカンドシーズン」第24話「極限スイッチ」
’16 「響け!ユーフォニアム2」第9話「ひびけ!ユーフォニアム」
‘17 「プリンセス・プリンシパル」#11「case22 Comfort Comrade
‘18 「ゾンビランドサガ」第2話「IHIPHOP SAGA
‘19 「BangDream! 3rd Season」第4話「タコさんウィンナーだぎゃあ」
‘20 「魔女の旅々」第9話「遡る嘆き」
‘21 「トロピカル〜ジュ!プリキュア」第33話「Viva! 10本立てDEトロピカれ!
 愉快なお話が続きます。こんな鬱々とするニュースが飛び交う世の中だからこそ、せめてアニメくらいは底抜けにご陽気に。まぁ、ここまで吹っ切れると陽気と狂気の区別は曖昧になってしまうが……。
 とにかくインパクトが絶大だった、禁断のショートショート回がまさかのランクイン。これで今期はベスト3に2本の「短い」アニメが入ってきたことになる。これは別に現代アニメに何らかの傾向があるというわけではなく、単におっちゃんが歳をとって短い時間内で何かの受容体が摩耗してしまうから……だとは思いたくないが、少なくともこのエピソードを見た時は何かが擦り切れるどころか弾け飛んだ。そんなお話。
 日曜朝に大地丙太郎がいるというだけでも割と嬉しくなってしまうが、そこにあるのは純然たる大地節。緩くて、馬鹿馬鹿しくて、どこかほっとする味わいも(一応は)混ぜ込んである。そしてプリキュアという歴史あるシリーズの中にこうしたカオスが紛れ込むのはおそらく史上初の出来事だが、それでも世界観がぶっ壊れないという信頼があったからこそ成り立ったスペシャルプログラムである。当然、信頼というのは大地監督への信頼でもあるし、トロプリという作品そのものの骨子への信頼でもある。南国バカンス、ご陽気に歌い踊って、可愛くお化粧をして弾けちゃえばいいというトロプリの理念は、こうしたイレギュラーな形態でもマルっと飲み込みつつ、全てをトロピカらせることができるのだ。
 
 
 
第1位
‘10 「探偵オペラミルキィホームズ」 第4話「バリツの秘密」
‘11 「花咲くいろは」 第十七話「プール・オン・ザ・ヒル」
’12 「スマイルプリキュア!」 第23話「ピエーロ復活! プリキュア絶対絶命!!」
’13 「有頂天家族」 第六話 「紅葉狩り」
’14 「四月は君の嘘」 第6話 「帰り道」
’15 「響け!ユーフォニアム」第8話「おまつりトライアングル」
’16 「RE:ゼロから始める異世界生活」第18話「ゼロから」
‘17 「宇宙よりも遠い場所」第5話「Dear my friend
‘18 「やがて君になる」第6話「言葉は閉じ込めて/言葉で閉じ込めて」
‘19 「戦姫絶唱シンフォギアXV」第7話「もつれた糸を断ち切って」
‘20 「ウマ娘 プリティーダービー Season2」第8話「ささやかな祈り」
‘21 「オッドタクシー」第4話「田中革命
 ギャグとか心温まるエピソードを並べてきて、よりによって今年度のトップにはこれを推すんですけどね。流石にこのお話を見た時の衝撃というか、じわじわと蝕まれるようなあの感覚は、年間通じての最大級の体験だったと言わざるを得ない。
 「オッドタクシー」は全編通してとんでもない密度だし、話数ごとに本当に視点が散り散りで捉えどころがないのでなかなかエピソードを1本だけ選ぶというのは難しいのだが、この4話を選んだ理由は、制作側の方向性とか、覚悟とか、突出した部分が完璧に伝わってきた記念すべきお話だったため。3話までの時点でも充分に「なんか怪しいことしてるし、面白そうだな」とは思えていたが、どこまでが狙ったものなのかが見定めにくくて感想もふわふわしていた。そしてこの4話に至って、ようやく「あぁ、全部計算づくで作られているんだ」ということが理解できるのである。
 いきなり登場する田中という青年。彼には何の特徴もなく、延々続く自分語りの回顧録は本当に「ただの人」である。しかし、「ソシャゲの課金」というあまりにも卑近で現代的な話題から少しずつ様子がおかしくなっていき、次第に「ただの人」から「おかしな人」へ転げていく様が、近しいが故に妙なリアリティを伴って襲ってくる。我々はガチャを回してドードーが欲しいなんて思ったことは1度たりともないはずなのだが、田中の生き様を見ていると、何だか自分もそんな過去があったかのように思えてくる。そして、ドードーを中心に彼の情念が現実世界へと滲み出し、意図せぬ方向へと蜘蛛の巣のように連環を生み出し始める。「何が起こってる? こんな話が何になる?」と困惑していると、小戸川が、ドブが関わってきて、彼の求めていたものが事件の中枢にある……ように思えてくる。本当のところはこのお話の時点では何も分からないのに、いつの間にかこの田中の妄想が救いようのない地獄への入り口に見えてくる。
 繋がり絡む物語、そしてキャラクターの独白1本で見せるシナリオライン。今作の恐ろしい部分が一気に噴き出し結実したのが、田中というキャラクターだったのだ。
 みなさん、ガチャには気をつけましょうね(結論)。
 
 
 
 
次(3/4)へ→
 
 

拍手

PR

コメント


コメントフォーム
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字


忍者ブログ [PR]
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
2
22 23
24 25 26 27 28 29 30
ブログ内検索
カテゴリー
プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
ーーーーーーーーーー
↑越えられない壁
沢城みゆき 斎藤千和 
中原麻衣  田中理恵  
渡辺明乃 能登麻美子
佐藤利奈  佐藤聡美
高垣彩陽   悠木碧
最新CM
[10/21 seachicken]
[10/11 Serra]
[10/07 とみしの]
[10/05 NONAME]
[09/29 NONAME]
バーコード