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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 祝・山田の借金完済、第10話。若いうちから人に金借りたりたかったりするのを覚えたらあかんよ……金の切れ目が縁の切れ目。金の問題は後々まで人生に影を残すからな……。まぁ、それでも虹夏はほだされちゃって許してくれそうだけどさ。

 今作を見ているといろんなところに魅力を感じるわけだが、今回のお話を見ていて感じたのは、本当にさまざまな要素が渾然一体となって、不思議とそこに濁りが無いというか、普通ならあんまり混ざらないような要素も気付けば丸め込まれちゃってるような奇妙な感覚がある。一応「ギャグと青春の両立」と言うなら話は簡単そうに聞こえるし、過去のきらら作品でもそうしてストーリーをしっかりと打ち立て、そこにゆるふわなギャグというか、「緩み」を入れていく作劇が定着していった。繰り返しになるが、やはり「けいおん」あたりは大きな転換点になったと思うし、そんな土壌から生まれた奇跡の1つが「まちカドまぞく」だと思っている。

 そして今作はさらにそこからもう一歩。まずは真ん中にぼっちという強烈なキャラを据えての「陰キャギャグ」が目を引く。1話から全く衰えぬぼっちのイカレムーブは常に画面に刺激を与え、どこまでも自由に画面を振り回す最大の起爆剤となっている。そして、そんなぼっちが向かうステージの上の景色が「青春バンドストーリー」としての骨組みを与えてくれる。オーディションからぼっちの克己、初ライブという数々のライブシーンで見せた演奏シーンや音響へのこだわり、そして細やかな映像で色づけていく若者の葛藤。この2つの柱が、なぜか不協和音とならずにシームレスに1つの作品の中でつながっている。

 そして今回のお話で一番驚いたのは、喜多ちゃんがぼっちに謝ったシーンである。普通、萌え漫画のキャラクターといえば属性を1つ2つ与えてその方向に突き抜けさせれば安易かつ容易にキャラメイクができる。どれだけマンネリ化しようとも、キャラの属性に乗せて「いつもの」をやっておくだけで安心感があるのだ。しかし、今回喜多ちゃんがとった「罪悪感からの謝罪」は、今まで培ってきた「陽キャの化身」たる喜多ちゃん像とはどこかズレている。別にあんなに深刻にせずとも「ごめーん、気を利かせて出しといたからー」でもシナリオ上全く問題ないし、喜多ちゃんのキャラに余計な心配事を増やしたくないなら、その方向の方が楽だったはず。しかし、本作はそういう選択をしない。どれだけ陽キャだと騒がれていても、喜多ちゃんだって立派な高校1年生。その人生には悩みも葛藤も、後悔もあるのだ。それがバンドメンバーであるぼっちに対する罪悪感だったら、彼女の性格から謝らずにはいられない。そこにぼっちはただ思ったことを素直に返せるようになっていることがわかる描写を重ねて、喜多ちゃんのキャラとぼっちのキャラが二人三脚で掘り下げられていく。そして、この空気感の揺れが、面白い具合に30分の時間でまとまっているのである。この感覚がすごく新鮮。

 それこそ、今回きくりが演奏していた「サイケデリックロック」が今作のスタイルなのかもしれない。我々はぼざろという名の薬物を毎週欠かさず摂取させられており、繰り返し揺さぶられた脳に、常にテンパった情報が送られ続ける。このサイクルは間も無く終わろうとしているわけだが……幸せスパイラルが途切れた時、人類はいったい何に縋ればいいのだろう。怖いよ、助けてシャミ子(そこに救いはない)。

 

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