○「ライザのアトリエ〜常闇の女王と秘密の隠れ家〜」 5
「うにっ!」で「た〜る!」な作品のアニメ化。いや、タルは出てきてないけど。錬金術師の兄ちゃんが投げてた爆弾が樽だったかも。
アトリエシリーズのシリーズアニメ化って実は初の試み? こんだけ息の長いシリーズでアニメに触れてなかったってのは珍しいなぁ、とは思ったけど、考えてみりゃつい最近も「Legend of Heroes」っていう例があるので、ゲーム作品のアニメ化ってのは案外障害が多いものなのかもしれない。今作にしても、なんかネット界隈で変なバズり方して知名度が上がってなければ出てこなかった作品かもしれないしね。いや、あのバズりが理由なのかどうかはしらんけど。
というわけで「太もも作品なんだろ?」くらいの知識しかなかった作品。なんとライデンフィルムは前クールで「勇者が死んだ!」も担当しており、2クール続けての太もも作品とあいなった。いや、今作が太もも作品かどうかは知らんけどね。少なくとも1話目を見る限りでは「もちろんセールスポイントとして押していきますが、そこまでクドくならんように。エロで客を集めるタイプの作品じゃないからね」くらいの節度は守ってくれてそう。まぁ、女の子の身体を舐めるように接写していくエンディング映像にはそういう意図しか感じられなかったし、要所でやはり太ももにスポットは当たっていたが……汚れた目で見なければそこまで焦点を絞った演出にはなっていない。
その分、とにかく丁寧に作品の成り立ちが紡がれており、1話目が1時間という贅沢な尺の中で、地味でなんてことない辺境の島の娘っ子が、錬金術師を目指すことになる立志の物語がきちんと説得力を持って描かれている。冒頭の生い立ちを聞いて「なんでこいつが錬金術やるんや?」と思ってみてたんだけど、ちゃんと憧れを抱き、目指すところから始めてくれるのね。言われてみりゃ、歴代の錬金ヒロインの中でそこまでちゃんと描かれたのがどれくらいいるのかはよくしらねぇや。
ちなみに、以前どこかで書いたかもしれないが、私は「アトリエ」シリーズは初代と2代目(マリー・リリー)のみプレイしている。そのために基本的な作品の骨子は知っているし、どういう部分に魅力があるのかもやんわりと理解はしているつもりだが、あれからもう何年経ったかも分からないし、作品のセールスポイントがすっかり変わってしまっている可能性もある。でもまぁ、1話目をみてたらあんまり心配する必要もなさそうだ。ほんと、こんだけオーソドックスな「RPG最序盤のチュートリアル」を丁寧にやってくれる展開、久しぶりに見た気がする。「田舎者の主人公が冒険心を抑えきれずに里を飛び出すぜ!」なんて遥か昔から何本も描かれてきた物語のきっかけだと思うのだが、なんでだろう、最近のアニメだとこういうベタな語り出しって案外なかった気がするのよな。そういう意味では、丁寧さは決して悪いことじゃないと思います。
ただまぁ、それが面白いと思えるかどうかはまだ判断のつかないところではある。丁寧さに好感は持てるものの、それが面白くて1時間があっという間、なんてこともなく、粛々とシステムの説明が終わった感じ。これからの冒険の内容次第だが……アトリエ系の作品の醍醐味である「収集と調合」みたいな要素は受け身で見るだけのアニメ作品とあまり相性がよくないということも、以前何かの錬金術作品で触れていたことである。今作はその辺の要素をブレイクスルーすることができるかな? 太ももだけじゃブレイクにはならんからな。
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