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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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<以下の文章は、放送当時に執筆されたものである>
 
○第13話「六文灯籠」
 脚本・金巻兼一 絵コンテ・藤原良二 演出・うえだしげる 作画監督・PARK SANG JIN

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○「中二病でも恋がしたい!」 6

 京アニ作品ということで、毎度のことながら今期の注目作一本目である。前作「氷菓」が個人的には消化不良の作品だったので、心機一転、こちらはどうなるのかが楽しみな作品。

 基本的に新規アニメの事前情報ってのはあまり手に入れないようにしているのだが、こちらについては、たまたま公式で公開されていた「プロモーションエンディング」という奴を見て割とストライクだった。1話目で放送された本放送のエンディングとは全く違うもので、メインヒロイン六花ちゃんがデフォルメキャラとなり、ステキな歌詞の音頭に合わせて踊り狂うというナイスな奴だ。どうも期間限定だったらしく現在は動画が見られないみたいなのだが、あれが本放送でも出てきてくれることを期待したい。

 さて、今回の監督は鉄板も鉄板の石原立也。一目でそれと分かるオープニングから始まって、もう、何もいうことの無い京アニテイスト全開のコテコテ映像である。昔は京アニの動画っていうと「うわー、すごくぬるぬるしてる」っていう新鮮な驚きがあったもんだが、流石に最近になると驚きではなく、「いつもの京アニだー」という安心感の方が先立つようになってきている。「京アニムーブ」とでも言うべき不自然なまでの過剰動作は、それだけでファンにとってはたまらないものである。「氷菓」の時には、そうした過剰な動きが作品のテイストとマッチしていなかったことが難点としてあげられたが、こちらはもう、テーマ的に何の問題も無い。大見得を切っているのにどこかすっとぼけた六花の立ち振る舞いと、それに容赦無く突っ込みを入れていく勇太のコミカルな動き。これこれ、これが見たかったんだ。「日常」でも楽しませてくれた理屈抜きのモーションの妙。「中二病」っていうテーマは、この馬鹿馬鹿しさを飾り立てるのには最適な、愉快なものである。

 シナリオ自体はそこまで目新しいもんではない。最近のラノベ全盛のおかげで「痛々しい女子」っていうジャンルは決して先進的なものではないだろうし、その要素を除けば至って普通の学園コメディ。つまり、引っかかりは何一つ無い。一応「ハルヒ」との繋がりも示唆されているわけだが(Wiki情報)、完全なSFになるわけでもなし、分類するならまだ「日常系」の方が近いとすら言える(まぁ、普通にレッテルを貼るなら「ラブコメ」でしかないが)。そんな中で好感が持てるのは、中二病という、いかにもいじり甲斐があるネタだが、それは「ギャグ」であって「パロディ」ではないという部分。この手の痛い系のネタだとどうしても他作品を引っ張ってきてのパロディというものが多くなりがちだが、今作の場合は勇太も六花も(一応)オリジナルな中二設定を煩っていたことになっている。まぁ、邪王真眼はまんま邪気眼なわけだけども、こうして「自分オリジナルのくせにどこをいじってもテンプレ」というのが中二病の面白い部分なので、このまま好きなように六花ちゃんが暴走してくれると、今後も楽しみは増えていきそうである。

 この手の作品のお楽しみとして前述の通りにオープンエンドっていうのがあるわけだが、何度もPVやCMで聞いて耳に馴染んでいたオープニングは映像も加わって満足度が高い。そしてエンディングは中二病ユニットが歌う徹底したテイストに加えて、なんと映像を担当したのは山田尚子である。オープニングが石原さん、エンディングが山田監督という、「けいおん」の黄金タッグだ。まぁ、まんま「No Thank you」のときみたいな画になってましたけどね。こうして見ると、アーティストのプロモ映像って、単なる「中二病映像」なんだよな。

 それにしても、本当に六花ちゃんは可愛い。1話目でこんだけ愛想を振りまいてくれるヒロインっていうのもなかなかいなかったレベルで可愛い。この愛らしさが出せるのが京アニパワー、石原演出の力なんだなぁ、としみじみ思う。一挙手一投足がいちいちぬいぐるみみたいでちまちましてるし、「痛々しさ」が先行するキャラのはずが、そんなものよりも「ほほえましさ」が際だっているというのが何とも。まぁ、こういう設定に馴染んでしまっているせいなのかもしれないけど。どうやら、今年は2期続けて「六花さん」に悶えることになりそうです。そして、その相手をする勇太のキャラも悪くない。「中二病に反省した」設定なので、ラノベにありがちなヤレヤレ系の主人公でなく、無難に常識的な思考回路を持ち合わせてくれているのが嬉しい。振り回され役であり、黒歴史を持つという二面性が福山ボイスとしっくりくるし。その声ならうずくのは右腕じゃなくてギアス能力じゃないのか、という突っ込みはお約束。

 というわけで中の人の話に突入するわけだが、もう、今作はとにかく内田真礼である。このキャリアで本当に良い仕事をする娘である。そこまで声に特徴があるとも思わないのだが、前作ヒロイン「さんかれあ」の礼弥に続いて、役との親和性が非常に高い。最近までゾンビや戦隊ものの博士をやってた人と同一人物とは思えないのである。名実ともに一線級に上がってきましたね。そして、意外だったのが勇太のクラスメイトに保志総一朗というセッティング。その席にいるのは大体阪口大助だろ、と思っていたところへの登場だったのでちょっと驚いた。しかも担任の先生が喜久子おねーちゃんだったりする。ひょっとしてこの高校、木崎湖にあったりしないだろうか。更にエンディング歌唱を見るとまだまだ刺激的なキャストも登場する模様、今後も楽しみに見守りたい。

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「戦国コレクション」 4→6

 これ、最終的にどう評していいのか分からない作品です。何が辛いって、「自分に受け入れられるキャパが無いのが分かってる」っていうのが辛いね。ホントに視野の狭い人種なので、アニメ視聴に他の視点を突然投げ込まれるとそれだけでお手上げになってしまう。古今東西の有名映画パロディって言われても、わたしゃほとんど分かりませんよ。

 しかし、それでもかなり思い切ったことをやっているというのは嫌というほど(ホント嫌というほど)伝わってきたのは間違いない。基本的に「何がやりたいのかよく分かる」というのが最大の評価ポイントの人間なので、そのチャレンジ精神は「分からないなりに」敬意を表したいと思う。

 いやぁ、最初はどうなることかと思ってたよね。戦国美少女もの+ソーシャルゲームという、救いのなさそうな要素のコンビネーション。どこに応援要素を見いだしたらいいか分からないし、「織田信奈」みたいに絵で見せるでなし、かといって「戦国」の活劇で見せるでもなし。1話目を見て「こりゃあかんな!」と匙を投げても仕方ないレベル。ことこの作品に関しては、1話目で「切ろうかな」と思っていた過去の自分が間違っていたとはこれっぽちも思っていないし、だからこそ切らずに最後まで見られたラッキーに感謝したい。なぁ、こういうのがあるから途中でアニメを切ることが出来ないんだよ。面倒なことしないでくれよ、後藤圭二め。

 本作の「意味」が分かりはじめるのは、巷で流れる「どうやらあれって有名映画オマージュのオムニバスらしいぞ」という噂を聞きつけた後から。確かに、言われてみれば1話目ははるか昔、高校だか中学だかの授業中に1回だけ見た「ローマの休日」によく似ていた。そこから続く他の作品も、「なんの脈絡もなく垂れ流している作品」だとすると、あまりにもとりとめが無く、脚本を書いた人間の精神が心配になるレベル。そこに元ネタがちゃんとあるんだ、と言われれば、「良かった、分裂症気味の危ない脚本家はいなかったんだね」となって一安心。そして、「戦国」という要素が無茶苦茶なパロディとして昇華された5話に至って、「ちょっと待て、コメディとかそういう範疇じゃなくて、コレ、おかしいだろ」ということになる。

 「どこかおかしいぞ」ということに遅ればせながら気付いた後は、毎回「何が出てくるんだろう」とおそるおそる見るびっくり箱みたいな作品になった。全盛期のミルキィもかくやという恐怖感。このあさってに向けた思い切りの良い企画が、「戦国美少女+ソーシャルゲー」という負の足し算を、見事にひっくり返してみせたのだ。テレビ取材を受けて武士の安全さを訴える塚原卜伝、場末のカフェを盛り立てる松尾芭蕉、コンビニでしおらしくバイトをする前田慶次などなど、「戦国も関係無いし、下手したら美少女すら関係無い」という、とんでもない配置である。そして、それらのミスマッチが「映画のパロディ」ということで更に骨太なシナリオに無理矢理融和させられ、缶詰め工場で働く大谷吉継の物語は涙無しには見られないし、信長を殺した記憶のフラッシュバックに苛まれる明智光秀の葛藤にも息を呑む。砂場の攻防に命を賭ける尼子経久に至っては、ナレーションまで全力でのバックアップ。銀英伝が元ネタとか、しらんわ!

 とにかく、ありとあらゆるミスマッチをただひたすら掛け合わせ、視聴者に何を伝えたいのかはさっぱり分からないという怪作が、まさかの2クールで提供されたわけだ。これだけのものを放り投げられて、無駄に捨て置いたらアニメファンとは言えまい。本来ならば原典となった映画も見るべきなのだろうが、それが叶わぬなら、とにかくその脚本が何を目指したのかを想像し、それが映像面にどのような「おかしさ」として出たのかを楽しむ。この難行は、本当に楽しかった。毎回「何を楽しめば良いんだろう」から考えられるアニメって、実はすごいものなのかもしれない。

 現時点での評価は、「見たことが無いもの」に対する過剰反応なだけかもしれない。「元ネタも知らないくせに、何を偉そうに語ることがあるんだ」と言われるかもしれない。そして、それに返す言葉も無い。しかし、「何かあったんだ」というその奇妙な「乗せられている感」が、とても楽しかったのです。一本一本のエピソードで切り取って単なるショートムービーとして見ても面白い話数もたくさんあるし、そうした「チャレンジの塊」として、今作は実に刺激的で、「結果を伴う」作品だったのではなかろうか。

 ま、おかげで中の人について語りにくいという難点はあるのだが……大久保瑠美は頑張ったと思う。あれだけのキャストの中で、最後までなんとか「信長の物語」を維持し続けたのだから、その頑張りは評価されるべきだ。あとのキャラで気になったのは……北条早雲役の広橋涼さんとか、光秀役のぴかしゃとかが楽しかったです。オムニバスのくせに微妙なところでリンクしてて、「あ、こいつまた出てんのか」みたいなところが見えるのも楽しかったなぁ。

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「DOG DAYS’」 4→4

 期待していたものを期待通りにお送りしてきた作品。何とも妙な話だが、この作品の場合、視聴者からは「何も起こらないこと」が望まれている。そして本当に「何も起こさなかった」のである。良いのか悪いのか、それでも全うしたこの作品の絶妙な立ち位置は見るべきものがあるのかもしれない。

 1期の時の最大の不満点である「シリアスいらね」を、見事に取り込んで「じゃ、シリアス無い」という回答を出すことになった本作。1話から最終話まで、誰一人深刻な顔をせず、誰一人思い悩んだりせず、とにかく「なんだか楽しいケモ耳ワールド」で夏休みを過ごして帰って行くだけだった。フロニャルドを訪れたシンクたちご一行は当然楽しんで帰ったし、それを迎え入れた姫様たちも実に楽しそうで本当に満足した様子。それなら、まぁいいんじゃね? という結論しか出てこないという。ここまでなんにも考えないアニメも珍しいのだが、同じく「何も無いこと」を旨とした「日常系」とかのジャンルともまた違う。なかなか不可思議なポジションなのである。

 確かに、本作で良かった点といえば、それは「何もなくて楽しそうだったこと」だろう。こと今回はパスティヤージュやアデルなどが加わったことで姦しさが増し、世界のどこを切り取っても賑やかで楽しい場面を見ることが出来た。前作で「シリアスさ」の原因になって悩ましかった土地神や魔物連中も全てドタバタの種となり、とりあえず思いつくだけの「お騒がせ」をする。もちろん、騒ぐと言ってもそこまで大規模なことをするわけでもなくて、どんな事件が起こってもちゃんと1話で収束するし、後に残るのはメンバーの笑顔だけという、遺恨も印象も残さないシナリオばかり揃っている。これが望まれていた姿なのだから、脚本の都築さんもなかなか罪作りな世界を産みだしたものである。

 ただ、そうした世界の存在価値を認めた上で、個人的には「まぁこんなもんだろうなぁ」という程度の没入度だったので、結局最後まで印象が上向くというほどではなかった。ぶっちゃけ、こうした「ライト萌え」の要素は、もっと真剣に作り込み、シリアスやギャグを全力でやっている作品なら、副次効果として得られる程度のものという気がする。個人的にはリス姫様は大好きだし、ライオン姫も素敵だと思うが、だからといってこのキャラに入れ込んでグッズが欲しくなる、というほどでもない。もっと魅力的な悠木キャラ、小清水キャラは他の作品を見ればたくさんいるし、そうした他作品は、シナリオだって面白かったりするのだ。今作がつまらないということではないかもしれないが、取り立てて「面白い」が無いっていうのは、やはり評価するにあたって見過ごすことが出来ない失点なのではなかろうか。キャラ絵がもっとも重視されるべき作品だったのに、どうにも安定せずにグダグダしていたのも気になるところで、どうもここ最近のセブンアークスの仕事はパッとしない(まぁ、なのはの頃から作画は問題が多いスタジオではあったのだが)。

 結局、1期の頃よりかは的を射た作品作りにはなったと思うが、その的を狙うのがそもそも正しかったんだろうか、というお話である。まぁ、これくらいの作品がBGMとしてダラダラ流すアニメには丁度良かったりするんだけどね。それにしてもリス姫可愛かった。

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○「となりの怪物くん」 5

 少女漫画原作作品、原作は未読。一目でそれと分かる少女漫画デザインで、監督は「君に届け」の鏑木ひろ、制作はブレインズベース。揃えられた駒は充分である。

 1話目の印象は、とにかく話の展開が早い。流石にこのペースで1クールやられるとどえらいことになる気がするが、おそらく導入となる1話目はとにかくこの世界の無茶苦茶なところを全部押し込めた方がインパクトがでかい、ってことでこうなったんだろう(脚本構成は私の大好きな髙木登氏である)。いかにも少女漫画らしいセッティングで、特にメイン2人のキャラクターには突っ込みどころが満載である。「友達がいない変な女の子」主人公ならそれこそ「君に届け」だし、「女の子側がナンバー2,相手の男がナンバー1」というと「S.A」だ。出会い方もその後のつながりも、やっぱりどこかで見たことがあるような気もするのだが、どうもその配合具合が無茶をしている。あんだけ馬鹿っぽくて常識知らずのハルが実は学年1位だった、っていう時点で色々と無理な話だし、雫も基本線は勉強第一の冷徹女として描かれているのに、ちょっとした接点だけからハルの肩を持ちすぎているように見えて、彼女の心理状態を追うのが難しい。単なる「クール」ならば全ての事象に対して心をシャットアウトしている理由付けにはなるのだが、雫の場合はどうもそういうキャラでもないらしい。あまりにも多くの事件が1話で起こりすぎていて、そのたびに大きく揺さぶられる雫のキャラが掴みきれないのだ。現時点では、その場その場で一番都合の良い(都合の悪い?)行動に出る天の邪鬼にしか見えないのである。

 ただ、そうした無茶が目につく一方で、どこか憎めないキャラだな、というファーストインプレッションだったのも事実である。特にハルの方は事前にタイトルで「怪物くん」というフレーズが与えられており、「こいつに常識は通用しないんだから、まともに心情を考えようとしても無理なんだな」とあきらめがつく分、完全に「異物」として面白く見られる部分があった。また、雫の方は性格の根幹が分からずじまいだったとはいえ、「多分悪い奴ではないんだな」というのは伝わってくるし、「完全無欠の冷徹ヒロイン」というよりは「そうなりきれてない人間くささ」みたいなものも感じられるので、今後シナリオのスピードが落ちれば、充分見守ることが出来るキャラになるんじゃないか、という期待もある。むしろ、こんだけあり得ない無茶苦茶なシナリオラインだったにも関わらず、この2人の悪印象が強くならなかっただけでも、結構な事件ではあるのだ。

 こうした複雑な第一印象が得られた功績は、大きく2つの要因があるだろう。1つは、非常にメリハリの効いた作画演出部分。少女漫画原作だったら多分お手の物だろう、という期待はあったが、やはりこの監督は上手いのだと思う。これだけのジェットコースター展開で(流石に無理はあるが)不自然さを排してテンポを作っているし、1話目は徹底的に2人の人物像だけを掘りさげることを目的として、とにかく必要な要素を簡潔に抜き出している。いくらか硬質なキャラクターデザインだが、その割に動きがスムースで画面内でのキャラの押し出しが綺麗だし、雫が時折見せるデフォルメデザインとの接続も良い。「君に届け」の爽子はデフォルメの方が多かったくらいのキャラだが、雫もいつかそこまで砕けてくれるんだろうか。こういう2極のデザインの使い分けって、少女漫画の醍醐味ですよ。

 そして、やっぱり無視しちゃいけない、中の人のこと。ハル役の鈴木達央は、いつもよりもやや高めの音域でのお仕事だが、その天衣無縫な「怪物」っぷりは下準備充分。これをやられたら確かに女性陣は諦めるしかないだろう、という貫禄がある。そして、メインヒロインは我等が戸松。本当に、何度も褒めているのでいい加減書かなくてもいい気がするが、戸松キャラっていうのはどうしてこうも活き活きするのだろう。雫なんて普段の音域が低くてダウン系のキャラなのだからもう少し印象が引き気味でもおかしくないのに、しっかり存在感を出しつつ前に前に来る。1話目だけでも見せ場は山ほどあるが、ハルの悪友連中に忠告しに行く時の引きつったような声とか、本当によく作れるもんだ、と心底感心する。本作も、濃厚な戸松作品になりそうな予感。

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○「超速変形ジャイロゼッター」 5

 普段はあまりタッチしないことにしている、夕方放送の子供向け作品。なんで触れないかって言うと、朝夕のこの手の作品までカバーしようとすると完全にキャパを超えてしまうから。結局「イナズマイレブン」も好きだったのにスケジュール的な問題で途中で挫折してしまったり、どうも視聴が続かないことが多く、それならこの手のジャンルはさっぱり諦めよう、という風に線引きしていた。ただ、今期の新番組ラインナップを見ている中で、これだけはちょっとチェックしようかな、という気になってしまった(つまり、明日放送の「獣旋バトルモンスーノ」は多分チェック出来ない)。

 観ようと思った理由は大きく2つ。1つは、その制作体制である。監督が高松信司、そしてスタジオはA−1Picturesだ。夕方向けの陣容としてはかなり珍しいラインナップ。これは流石に観ておかなきゃいけないかな、という気にさせる。そしてもう1つの理由は「井上麻里奈が少年主人公」という。過去にも実績が無かったわけではないみたいだが、これまで一度も「麻里奈の少年主人公もの」というのを見たことが無くて、これはせっかくのチャンスだし、しかも1年もの長期作品になるならたっぷり楽しめるだろう、と思ったわけである。その他のキャストもなかなか良い面子が揃っており、期待度は高かった。

 そして、そんな期待には応えつつ、なんかもう、色々大変な1話目だった。ほんと、どこまで行っても突っ込みが追いつかない。いや、子供向けアニメなんてそんなもんだとは思うが……それにしてもなかなか尖っておる。思い出せるだけでも書き連ねていくと、いきなり冒頭から「キャスター関ってまんまかよ!」。「近未来っぽいのに教習所古めかしいよ!」「縦列地味だよ!」「かぁちゃん兼ね役かよ!」「イナバウアー!」「基地て!」「指令て!」「変形て!」「絶望した!!」などなど。まぁ、きりがない。ロボットものとして突き抜けてたのは、タイトルとコンセプトから「変形ロボット」を期待してたのに、変形シークエンスに一切「変形」の要素が無かったところですね。もう、「再構築」だよ、あれ。どこかどうなったらあれが出来上がるんだよ。キラッって光ったらいつの間にかロボット。それは「変形」じゃなくて「変身」っていうんだ。

 いやー、まぁ、勢いは凄まじい1話目でしたよ。お約束しかやってないはずなのに、1つとして油断出来ないでやがんの。これはまぁ、1年間同じ勢いで突っ込み続けることは無いと思うけど、なかなか挑戦的な所信表明だったのではないでしょうか。それにしても、最近車関係の協賛アニメが多いね。「放課後のプレアデス」もそうだったし、一応「輪廻のラグランジェ」も近いものがあった。自動車が売れないからあの手この手でイメージ戦略を図ってるのかなー。でも、これが気に入った子供たちは車好きになるのかなー。なったとしても、購買層になるまでしばらくかかるなー。その頃の自動車ってどうなってんのかな。電気自動車ってこれから普及していくのかなぁ。ちなみに今作の作中で出てくるのは「AIカー」って言われているのだが、見た目はフツーの国産車なんだよね。しかも割と排気音が出てることを考えると、あいつらガソリン車だ。てことは変形後のジャイロゼッターの動力もガソリンエンジンだ。……それってつまり……「IGPX」か?!

 ま、車に興味が無い人間からすると単なるお笑いロボットものっていうカテゴライズで問題無いと思います。そもそもエンディングでロボット踊らせてる時点で真面目にやる気は無いと思います。「ダンスを踊るオープンエンドは名作」っていう流れがあるけどさ、ロボットに踊られても細かい振り付けわかんねーよ。あと、オープニングがマッチっていうのもいきなり吹いたポイントだよな。妙にじっとりしたオープニングだったよ。どういうコンセプトやねん、と思ったら、マッチも一応車に関係してる人間だったのね。どこまで狙ってやってるのかもう分からないわ。

 中の人の話。まぁ、前述の通り、麻里奈がかっ飛ばしてるのが聞きたかったからそれだけで満足なんですが、まさかの母子兼ね役とか、無駄に重たいことやってるのが笑える。「絶望的に!」って千里ボイスで言われても、その後猟奇殺人に発展するイメージしかわかねー。メインヒロインはどうやらゆかちの模様。うん、可愛いと思う。でも、実はサブっていう意味なら陶山さんの方が気になるんだ。陶山さんってあんだけ声に特徴があるのに、なんでこんなに脇で使いやすいんだろうね。その他、三宅健太、中田譲治、田中理恵といったどっちかというと悪役でいいんじゃないかと思える面子が司令部を囲み、「これじゃ悪役側は誰がやるねん」と思ったら黒田崇矢だったというオチ。納得。関さんのアナウンスで自動車変形ものだから、もうそのまんま「ゴ〜オンジャー!」って言ってほしい欲求が止まらない。

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○「緋色の欠片 第二章」 4

 今期、関西地方で新番組の口火を切ったのはこちら! …………総集編じゃないですかー! ヤダー! なんなのよ、読売系列の2期ものは必ず総集編で振り返らなきゃいけない決まりでもあるの? 確かに新規組でも入りやすい……って、そもそも深夜アニメの2期目なんてほとんど新規の期待なんか出来ないと思うんだけど。しかもこの作品の場合は対象層が偏ってるんだしさ。

 というわけで、点は付けてみたものの、よく分かりません。まぁ、1期と一緒です(当たり前)。一応、完全に映像使い回しってわけじゃなく、2期の始まりを臭わせる程度の新規映像も交えてのれっきとした「2期1話」扱いなので本当に処理に困る。分割2期だからスタッフも変わらないし、ストーリーも1期では一切完結してなかったから「新しいスタート!」って感じでもないしなぁ。これの1期は「女性向け」ってことで切る番組の筆頭候補だったにも関わらず、「マンパ」枠の最初にいたせいで結局見続けてしまったっていう、微妙なポジションの作品だし。同じディーン製作で同じく乙女ゲー原作の薄桜鬼は割と面白いだけに、こちらの扱いの難しさはどうしたものやら。今期はシナリオもクライマックスに向けて盛り上がってくれるのかなぁ。

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「ココロコネクト」 5→5

 まったくもって意図していなかった騒乱に巻き込まれたおかげで余計なオプションが色々とついてしまった不幸な作品。しかし、その製作姿勢は一貫した理念があり、充分に、与えられた使命を全うした完成度になっていたように思う。

 元々不可思議な立ち位置の作品である。学園が舞台で、しかもなんだかよく分からない連中があつまる「文研部」という集団が対象になっていることから、いわゆる「ダラダラする日常系」のようなセッティングに見えるが、決してそんなものじゃない。かといってバトルがあるわけでなし、超能力を使える主人公がいるわけでもなし。徹底的にメインキャラ達が地味な嫌がらせの「被害者」に回り続けるというセッティングからしてなかなか新しいものである。こうした、何とも形容しがたい不可思議な設定をアニメ化するにあたっては、前例が引きづらいので制作も大変だったことだろう。開始直後は「けいおん風の絵柄」ってなあたりも話題に上っていたが、いつしかそうした「何かの焼き直し」という風味も薄れ、すっかり「ココロコネクトの世界」になっていた。

 白眉なのは、なんと言ってもその「現象」の与え方で、余計な理屈は付けず、とにかく「人智を越えたもの」によって「起こることだけが決まっている」怪現象を相手取って戦うというのは非常に珍しい。そして、そんな中で「現象を止めるためにあらがう」のではなく、「現象の中で個々の関係を培っていくためにあらがう」というのも特殊なポイント。余計な外装を引っぺがせば最終的に残るのは「痛みを伴った青春劇」である。恋愛もそうだし、自己形成という思春期独特の心の動きも、あの手この手で揺さぶっていくことで、それぞれに成長を促していくのである。考えてみれば、アニメ化された3つの事件は、自己形成と他者理解という、人間関係の基礎の基礎を築くためのルーツに必ず触れている。「ヒトランダム」は自己と他者の境界性を揺さぶることで「自他とは何か」を問い、「キズランダム」ではさらけ出した欲望を先鋭化することによって「自己とは何か」を突き詰める。そして「カコランダム」ではトラウマとなるタイミングの記憶を引っ張り出してくることで「自己を作り出してきたものは何か」を問い直すことを目的としている。「人格入れ替わり」とか「時間退行」とか言われるととたんにSF臭だが、描写の目的だけを考えれば、これはカウンセリングや、意識調査の基本事項と変わらないことをやっているのである。

 そうした、ある種「地味な」テーマでありながら、画面を見ていれば決して退屈しないものであるし、「地味な」部分を黙々と掘りさげるしかないために、とても丁寧な描き込みが実現している。最後の伊織についてはちょっとどうかな、と思う部分もあったが、「カコランダム」における義文の立ち位置や、「キズランダム」での姫子の結末などは、納得出来る部分も多かったし、見ていて非常に新鮮だった。今期は割と多かったが、これもプロットが面白くて「原作を読んでみたいかも」と思わせるラノベ作品の1つだ。こんな作品をアニメにしろ、と言われてもなかなか難しかったと思うが、それをしっかりと形にして伝えてくれた川面監督をはじめとするSILVER LINKのスタッフの手腕も、大したものだと思う。川面さんはなぁ、妙なケチさえつかなければいいデビュー作になったはずなんだけどなぁ。同時進行で「乙女はお姉さまに恋してる 二人のエルダー」の方も担当していて、そちらも悪くない出来だったので、川面さんの仕事ぶりを確認したい人にはそちらもお勧めである。

 最後に中の人のこと。まぁ、今作は特に中の人の影響が大きい作品でしたからね。数々の無茶ぶりにも挫けずに見事な仕事を見せてくれたメインの5人はとりあえずお疲れ様です。誰が一番かと問われたらやっぱり稀代の名キャラクター姫子さんの中の人と言いたくなってしまうが、今作は5人とも本当に良い仕事だったので比べられない。これはキャスティングした側の手柄でもあるとは思うけど。是非、続編も見たいところですよ。

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「この中に1人、妹がいる!」 3→4

 読みがハズレてちょっと悔しかった作品。いや、でもさ、これの1話目を見てこき下ろすのはしょうがないよね。期待出来るようには見えないもんね。

 いや、最後まで見た現在だって、こき下ろせることには変わりない。大した映像が用意されているわけでもないし、問答無用で主人公に擦り寄ってくるハーレム設定を延々12話繰り返しただけなのは紛れもない事実。キャラクターの心理描写に期待するなんてあり得ないことだし、有象無象の「萌えもの」と一緒に処理してしまって問題無い作品だったのは間違いないだろう。

 しかし、思っていたのとはちょっと違う方向にスパイスが効いていたことも認めなければならない。1話目視聴後の新番チェックで、私は以下のような感想を書いた。「ひょっとして、そのうち伏線回収して手がかり集めて、消去法によって学園中の女生徒からたった1人の妹を限定するっていう本格モノにするんだったら面白いかもしれない」。最終的に、実はこれに近い展開になってしまったのが予想外なところである。もちろん「学園中の女生徒から」っていうのは言い過ぎだが、序盤にいきなり携帯の限定で人数を絞っておき、そこから容疑者を二転三転させてきちんと「限定で揺さぶる」「捜査の過程を見せる」という必要最低限のプロットが作られていた(作ろうとする意志が見て取れた、という方が正確か)。単なる痴女軍団にしか見えなかった5人の容疑者たちについても、実は各々に思惑があり、それが偶然にも絡み合って、不可思議な「全員が妹のふりをする集団」という謎現象が形成されている。もちろん無茶苦茶な部分もあるわけだが、「妹」というたった1つのキーワードのためにここまで馬鹿馬鹿しいプロットを真剣に作ろうとした努力はなかなかの間違いっぷりだ。ラノベ作品のプロット部分でここまで驚いたのは久しぶりのことかもしれない。

 そして、今作の場合、そうした「各々の目的のための妹争奪戦」という犯人当てのプロットが、それぞれのキャラクターの個性と萌えポイントにも直結している。きちんと将悟とのフラグ立てがイベント中で行われているし、「妹のふりをする」という無茶なシチュエーションも、案外無理なく成立しているという。年齢の問題やDNA鑑定のギミックなど、「最初からそこ調べたら早いやんけ!」みたいな当然の突っ込みポイントはことごとくかわし、なおかつ裏をかいてサプライズにまで繋げて見せたり、実はミステリとしても案外ハズしてなかったりするのである。この作者、一体何なんでしょうね。

 まぁ、これだけ褒める部分は褒めるが、その上でアニメとしてはやっぱりしょーもない部類だっていうのも確かなので。意外に楽しんでしまった、という屈辱感も含めてこのくらいの評価で落ち着いておきたい。名和監督は、本当に「こんなん」に縁の深い監督だが、「おと僕」とかこれとか、割とプロットが複雑で見せられる作品の方が向いてるんじゃないか、っていう気もする。そりゃ「R−15」で実力を発揮出来る人間なんているわきゃないわな。

 最後は中の人の話。やはりメインの5人を見ていくべきだと思うが、予想外だったのがあやねるが割と良い仕事をするようになってきたんじゃないか、っていうこと。他の連中に比べるとまだどうしても拙さは残るのだが、ボチボチ自分の声の特性は自覚しはじめたような部分があり、甘ったるい部分でも臆することなく演技出来るようになってきている。最終話の印象が強いのでプラスの評価が出やすいのかもしれないが、案外どこかで吹っ切れたらすごい女優(笑)になれる器かもしれません。あと、亀ちゃんの相変わらずのフリーダムさも面白い比較対象になるか。この後亀ちゃんはどこに向かうんでしょうね。

 ただ、実を言うとメインヒロインが5人とか言っておきながら、私の本命は衣楠だったりするので……マジで将悟は衣楠と結婚してしまえばいいと思う。小清水キャラは馬鹿っぽさを残しながら伸び伸びしていると本当に気持ちが良いなぁ。秋からはショコラーデさんの活躍に期待。

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声優のこと全般
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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