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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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Angel of Serenity 静穏の天使 (4)(W)(W)(W) M
クリーチャー・天使
5/6 飛行
〜が戦場に出たとき、あなたは他のクリーチャーと、いずれかの墓地にあるクリーチャー・カードを最大3つまで対象にとり、それらを追放してもよい。
〜が戦場を離れたとき、これにより追放されたカードをそのオーナーの手札に戻す。
 
 今回のトップを飾るのは神話天使。いや、ちょっと待て、お前どこの組のもんじゃい。今回収録されてる白ギルドはあんまり天使が入る余地が無い気がするんだが。能力的にもアゾリウスともセレズニアとも言えないし。前のセットであんだけ出たんだから、1回くらい休んでろよ。まぁ、1枚もないとどこぞの天使マニアががっかりするかもしれないけどさ。今回の天使はイラストの迫力はそこそこ、顔が見えないが高貴さは出ているのでコレクター的にはぼちぼちの部類だろうか。で、能力だが、そりゃ7マナなので強い。最初にサッと見ただけだと「案外微妙?」とか思ったのだが、条件が手札からのキャストじゃないし、実際使われるところを考えると存分にキモい部類。このカードは一見すると3倍「悪鬼の狩人」だが、決定的に違うのは何故か帰還先が手札であるという点。「狩人」なら除去ってしまえばデメリット無しで取り返せたのに、何故かこの天使は最低限バウンスの役割だけは果たしてしまう。多分出し入れで187を使い回すコンボなんかを制限する働きなんだろうが、出された方はたまったものじゃない。あと一応墓地のカードも選べるっていうギミックもあるが、まぁ、こちらは相手のカードを選択する機会はほとんど無いので、「相手にクリーチャーが3体いなかったときのボーナス」程度に考えておくべきだろう。こいつがいなくなって初めて手札に戻る「墓暴き」はそこまで使いたいもんじゃないしね。さぁ、色々と悪さが出来そうですよ。ここまで完璧に「場に出て、場から離れること」がお仕事のクリーチャーじゃ、まともに手札から出す必要もない。「その場しのぎの人形(LRW)」とか「騙し討ち(USG)」で充分仕事が出来るんだもの。当然、出した瞬間にサクって相手クリーチャー3体にアナザーディメンションっていう技もあるし。今更ながら、「修復の天使」のテキストを「target non-angel creature」にした人を褒めてあげたい。
 
 
Armory Guard 武器庫の護衛 (3)(W) C
クリーチャー・巨人、兵士
2/5
〜は、あなたが門をコントロールしている限り警戒を持つ。
 
 白の門フォロワー。ちなみに、結局門が関係してくるカードはセット中に3枚しかなかった。そのうちでもそこそこどうでもいい部類なのがこちら。2/5で警戒を持ったクリーチャーのウザさは現環境の「幽体の門護衛」さんが身体を張って証明してくれているので、それが更に1マナ軽く手に入るようになったらウザさも更に増す。門が無いと警戒は無くなるが、まぁ、たかだか警戒だし、無くてもそんなに気にならない。4マナ2/5の時点でサイズ的には割とおかしいんだし、気になるなら殴らないで門がくるのを待とう。……護衛のくせに門が出てくるのを待つとか、本末転倒もいいとこだけどな。「あ、こんなとこに門がある、ちょっと警戒しとこ」って、どんな性癖だ。
 
 
Arrest 拘引 (2)(W) C (ミラディンの傷跡などから再録)
エンチャント・オーラ
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされたクリーチャーは攻撃もブロックも出来ず、起動型能力を起動出来ない。
 
 ミラディンの傷跡がスタンダードから落ち、環境から去るかと思われた瞬間に見事復帰を果たした白の基本除去。まぁ、構築レベルで使う機会は無いから、実際に使うのはミラディン以来の1年ぶりになるわけだが。今回はアゾリウスの留置という全く同じ効果が出回っており、フレーバーを考えれば帰ってくることが必然であったとも言えるカードだ。しかし、今回は何故か分からないがレアリティが1つあがってアンコモンになっていることには注意。アゾリウスの逮捕権はなかなか価値が高い模様。ちなみに、「拘引」の初出はマスクスで、そのときもアンコモンだったんですよ。2度のミラディン世界ではコモン、ラヴニカやメルカディアのような都市国家ではアンコモン。警察組織の機動力って、文化が高じると鈍くなるもんですかね。
 
 
Avenging Arrow 報復の矢 (2)(W) C
インスタント
対象の、このターンダメージを与えたクリーチャーを破壊する。
 
 「ダメージを与えられたクリーチャー」を破壊するという泣き面に蜂効果なら、黒の「命取り(6ED)」の系譜で黒、赤あたりに与えられていた効果だが、このように「ダメージを与えたクリーチャー」を壊すというのは珍しい。似たような効果で「あなたにダメージを与えたクリーチャー」にお返しをする「返礼(CHK)」や「応酬(5DN)」はあったが、このカードはクリーチャーどうしの殴り合い、プレインズウォーカーいじめに荷担したクリーチャーなども全て対象になるし、白によくあるアタッカー排除ではないので、ティム系クリーチャーも対策出来たりする。まぁ、結局は後手を踏む殴られ前提カードなのでちょっと痛いが、3マナインスタントで大体のクリーチャーに対応出来てしまうのだから、文句も出ようはずがない。割と必須カード。「捕食」みたいな格闘カードで無理矢理ダメージを与えさせておいて使うとかいう自作自演も一応可能。
 
 
Azorius Arresterアゾリウスの拘引者 (1)(W) C
クリーチャー・人間、兵士
2/1
〜が戦場に出たとき、対象の、対戦相手のコントロールするクリーチャー1体を留置する。
 
 留置の基本カード。187で1回留置ということで、基本的には「熱血漢の聖戦士」の速攻抜きバージョンがちょっと便利になったと思えば分かりやすい。2マナパワー2なのでさっさと出たら出たなりに仕事が出来るし、中盤以降に引いても1回留置出来るだけでもそれなり。悩ましいのはせっかくだから留置を有効利用したくて出し渋っちゃうことがあるかもしれないってことくらい。正直、2ターン目に出すときも迷ってしまいそうだな。
 
 
Azorius Justicar アゾリウスの大司法官 (2)(W)(W) U
クリーチャー・人間、ウィザード
2/3
〜が戦場に出たとき、最大2体までの、対象の、対戦相手のコントロールするクリーチャーを留置する。
 
 留置官憲、アンコモン版。187能力で起動するのも基本だし、4マナ2/3とあまり武闘派でないのも普通。まぁ、このステータスでアンコモンってことは、留置能力がかなり強力であることの証左ともいえるだろう。そりゃそうだ、「交差路の吸血鬼」みたいなブロック抑止だけでも充分強かったのに加えて次のターンのアタックも制限出来るのだから、事実上2体タップよりも強いのだ。今後アゾリウスを相手にするときは、どれだけクリーチャーを並べても突然の拘留生活が始まることに怯えなければいけないのである。その性質上、出来たらあんまり戦闘には関わらずにバウンスで行ったり来たりしてパトロールを強化したいクリーチャー。でもアヴァシンと違ってちらつき能力なんかはあんまり無いから、出すタイミングに迷うカードになるのかもしれない。
 
 
Bazaar Krovod 市場のクロヴァド (4)(W) U
クリーチャー・ビースト
2/5
〜が攻撃したとき、他の対象の攻撃クリーチャー1体は、ターン終了時まで+0/+2の修正を受ける。そのクリーチャーをアンタップする。
 
 攻撃の道中で1人だけ背中に乗せて行けるのでちょっとだけ安全になるよ、という輸送手段。5マナパワー2なのでそこまでの信頼感ではないかもしれないが、同道したクリーチャーも死ににくくなり、擬似的に警戒まで持つようになるので、相手にすると結構嫌なもんである。こいつ自身もタフネス5と死ににくく、「なんか自分で使うのは面倒だけど、相手には使われたくない」みたいなカード。これが2体並ぶと2/7警戒で2体が殴ってくることも。うわー。
 
 
Concordia Pegasus 協約のペガサス (1)(W) C
クリーチャー・ベガサス
1/3 飛行
 
 調べてみてびっくりしたのだが、過去にこのコストでこのステータスを持ったフライヤーというのは、なんと1体たりとも存在していない。逆にもっとパワーがあがれば「セラの報復者」とか「コーの空漁師」みたいなカードはあるものの、純粋に「タフネスと飛行」だけを売りにしたカードはこのペガサスが初めて。なんか、必死に記録を調べて無理矢理作った「初」な気もするけど。タフネスがそこそこなのでアタッカーというよりも空の防衛役という方がしっくり来るカードで、リミテッドの花形であるパワー2フライヤーをわずか2マナで止められるのはそこそこ優秀。出来れば装備品の土台などに使ってやりたいところだが、この世界はほとんど装備品が無いからなぁ。
 
 
Ethereal Armor 天上の鎧 (W) C
エンチャント・オーラ
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされたクリーチャーは、あなたがコントロールするエンチャント1つにつき+1/+1の修正を受けるとともに先制攻撃を持つ。
 
 旧ラヴニカもそうだったのだが、何故かこのラヴニカ世界というのは、エンチャント関係を妙に応援したがる次元である。たとえば「三つの夢(RAV)」なんかは分かりやすいだろうし、各色に与えられた187能力持ちのオーラサイクル、そしてギルドパクトの魔法印サイクルと、何故かオーラが多い。一応都市文化的で魔法によるエンチャンターが多いイメージを作ってるんだろうか(ゼンディカーに装備品が多かったみたいに)。今回もざっと見た感じではリミテッドレベルで関係してきそうなオーラの数が多く、特に普段からエンチャントカラーである白には、こうした露骨なプッシュ装置まで用意されているのだ。こちらのカードは「祖先の仮面(MMQ)」の効果を小さくまとめて、そこにエッセンスとして先制攻撃を練り込んだもの。このカード自体もカウントするので最低限+1と先制がつくので1マナオーラとして充分な働きだし、デッキ次第では1マナで化け物を作ることも不可能ではない。一度はリミテッドで狙ってみたい気もする戦術なのだが、そういやエルドラージ覚醒の時も「コーの精霊の踊り手(ROE)」から志して失敗した気がする。今回はコモンである程度そろえられそうだが、どうだろうね。
 
 
Eyes in the Skies 天空の目 (3)(W) C
インスタント
1/1で飛行を持つ、白の鳥・トークンを1体戦場に出し、その後居住を行う。
 
 みんな大好き「未練ある魂」がコモンになった姿。ただ、コモンと言っても性能は馬鹿にできない。「未練ある魂」よりも1マナ重たいだけでインスタントになったんだからそこまでの劣化とは言えないだろうし、最大のセールスポイントである居住能力は無限の可能性がある。「未練ある魂」が3ターン目、4ターン目に打ってナンボな性格だったのに対し、これならば、多少出遅れても中盤以降に作った一番強いトークンを増やすことで盤面に与える影響を拡大出来る。これって、ひょっとしてトラフトさんで殴った後にプレイしたら天使が出せて、しかもそのトークンってトラフトの影響を受けないから場に残ったりするんじゃなかろうか。その辺のルーリングがよく分からないが、テキストを見る限りでは出来そうな気がするんですが。だとしたら、4ターン目に4マナインスタントで4/4と1/1飛行、軽く昇天気味。

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「輪廻のラグランジェ Season2」 4→4

 うん、思った程悪くはなかった。1期目はちょっと期待しすぎていたこともあって最終的にがっかりすることになったけど、2期目は最初から過度の期待を持っていなかったので、「あ、これなら悪くないか」というくらいの印象。まぁ、だからって何か嬉しいかっていうとそんなこともないんだけど。

 2期目は1期目の反省を活かしたのか、最初からそういう予定だったのか(まぁ、分割2クールなんだから後者なんだろうが)、ジャージ部のダラダラした生活要素が多めの配分。クライマックスの壮絶バトルに食い込むのはラスト3話だけだったので、基本的にそれ以外は「鴨川ジャージ部物語」であった(まぁ、最終回もそうだけど)。そして、個人的には当然そっちの方が好き。元々ウォクスのデザインなどでメカものとしての見せ方があるのかと思ったらそうでもなかった、というのが腰砕けポイントだったわけだが、「女子高生の割とどうでもいい日常に時たま流線型を強調したメカ」だと、違和感は強めで面白い。あんだけご大層なメカなのに、お祭りの日にでっかい風船作られてふわふわしてたりね。ヴィラジュリオたち異星人軍団も、今回はほとんど狂言回しとしての役割だったのでなんだか憎めないキャラになっていたし、最後の決戦が無ければこのまま「鴨川ドタバタ宇宙人交流記」として見ていてもいいんじゃないか、っていう印象。

 まぁ、そのために用意した舞台としてはちょっと乱雑過ぎた気もするけど。2期目はスタート直後からなんだか作画面に不安が残っていて、「この手の作品ってメカものだろうが萌えものだろうが、絵がしっかりしてないと客がつかねーぞ」と他人事ながら心配になってしまった。筋立ても存外適当で、結局最終決戦に転がり込んだ理由も良く分からんかったし、分かったところであまり楽しいバトルになっていたとも思わない。糸目のにーさんが行進曲でぶっ飛ばされたのは流石に笑えたが、ネタっていうよりも「悪ふざけ」っていう印象が近いのかも。いっそのことまどかが「まるっ!」と叫んだら世界中の全ての問題が解決する、くらいの爆発力があった方が楽しかったと思うんだけど、最後まで「なんか分からんけどメカにのってる女の子達」っていうだけだったからね。ヒロイン3人がバトル要素で上手く絡めてなかったなぁ、というのが気がかりなのですよ。

 2クールやってみて、最終的には「何を売りたかったのか、いまいち絞りきれなかった『楽しそう』が集まったもの」というのが結論。世界観もキャラも、決して嫌いということは無いし、個々のシーンを見ていたら楽しい部分もいっぱいあったとは思うので、もう少し統制の取れたシナリオラインにのせて、同じスタッフが描く鴨川の姿を見てみたい、という気持ちもある。そうした「面白くなる気がする」という期待感も込めて、今作は「今ひとつ」ということにしておこう。

 ちなみに、中の人には不満は無い。やっぱりきゃりさんの仕事は悪くないと思うんだ。瀬戸・茅野という残りの二人ももちろんね。特に瀬戸麻沙美は同時進行でやっていた「TARITARI」と聞き比べてもやっぱり器用な子。ランが即位した振りしてホントにどうでもいい話を延々喋り続けてるシーンが好きでした。

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 どっちかっていうと今回の事件の方が「キズランダム」だよね、第12話。時間退行で間の悪いタイミングまで遡ると綺麗にその時期のトラウマまで蘇るって、流石にキツすぎないか? たとえばちっちゃい頃に「明日はクリスマスだー」みたいな時期に戻ったら、「え? 明日サンタさんこないの? なんなの?」ってなるんだろうか。「2人目」はざっくりしてんなー。

 毎度のことながら、同じ事件の中でも1人1人について個別にトラウマを刺激し、それを1つずつ解決していくのがこの作品のお約束。前回からのターゲットは、改めて唯さんである。結局、一番直接的に厳しい過去を持っており、それを現在でも引きずっているおかげで、唯が絡む事件が一番分かりやすくヘヴィーな内容になる。それだけに外野からも理解がしやすく、ある意味「解決しやすい」問題ともいえるのだが(もちろん、リアルで性暴力被害にあった女性がそんな生半可なもんじゃないとは思うが)。少なくとも、とにかく己をひた隠しにしている伊織の問題や、完全に内面的な性格から現れていた姫子の問題に比べると、回りから認識しやすいという差異はあるだろう。

 唯が可哀想だったのは、過去の自分と現在の他人という、2つもの面倒を一気に抱え込んでしまったこと。よその町にいるはずの三橋さんが何であそこまで執拗に唯に絡んできたのかはよく分からないが、多分、武道一直線の彼女は、本当に修造なみの暑苦しい性格なんだろう。過去の自分のライバルが落ちぶれた(彼女視点で)のを見て、怒りも覚えただろうし、「救ってやらなければ」という義憤に駆られた部分もあるのかもしれない。だからこそ、最初は強くあたっていたのに、途中からしおらしくなって頭を下げにきたものと思われる。まぁ、ああいう思い込みの激しい人間を相手にするといつだって疲れるのは間違いないだろうが、今回の唯はタイミングが悪すぎたんだろう。

 そして、そんな唯の「今」を支える役割を任されたのが青木義文さんである。「脳天気に生きる」ことを人生の目標として掲げたというよく分からない御仁だが、少なくとも5人の中ではもっともシンプルであるし、それだけに軸がぶれずに分かりやすいキャラクターである。ただ、それは「平凡であること」とは一線を画しており、「脳天気であること」に対する情熱は誰にも負けない。一時は過去とのせめぎ合いの中で悩んでいたようだが、「とりあえず今は今のことを考えるのだ」と決めた瞬間から、自分の今を楽しむために即行動。彼が一番やりたかったことは、とにかく一番大切な唯のために出来ることを全力でやることだけだ。高校生の財力では新幹線代だって馬鹿にならないだろうし、時間的にもなかなか厳しいはずなのに、そこには迷いもなく、一気に走る元カノの家。そして、一目見ただけで満足して帰ってくるという、この散らかった計画性。回りから見たら本当にぽかーんな状態なのだが、「青木だったらやりかねないか」という不可思議な説得力がある。結果として、それが唯の心を解かすことにもなったのだ。すげぇな、義文。

 最初の「ヒトランダム」では、唯の抱えた悩みを太一が解決してみせた。しかし、それはあくまでスタート地点であり、今回の唯の頑張りがゴールだったとしたら、それはやっぱり義文がゴールだったということになる。一時は「太一が全てを解決したことに嫉妬すら覚えていた」という義文だが、事ここに及んで、唯に対する思いは完全に打ち勝ったということだ。まぁ、2人の女に挟まれてぐらぐらしている最近の太一は本当に頼りないので……当たり前っちゃぁ当たり前なのかもね。とにかく、これで2人の問題は全解決かしら。

 次回予告から見るに、残された大きな問題は伊織のことがある。今回も家庭のことを問われた伊織が顔を背ける描写があったが、一度は解消されたと思われていた伊織の家の問題も、まだ何か残っているものがあるようだ。はたしてどうなることだろう。アニメも放送的には次回が13話で終わりのはずなのだが、なんだかよく分からない構成になっているみたいなので先行きが見えてこない。今回、この時期にオープニングが変わったのは例の騒動の影響もある気がするが、本編中の作画が崩れていたのは流石に気になったのでね。せっかくのクライマックス、唯の顔がなんか微妙だったのがなぁ。

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「TARI TARI」 6→6

 無事に終わりました、今期の目玉作品の1つです。予想通りの秀作になったことは言うまでもないだろうが、敢えて「予想通りではまだまだだな」という、ものすごく上から目線の感想も重ねて書いておきましょう。

 純度の高さでいったら一二を争うアニメスタジオ、P.A.Works。その技術力が遺憾なく発揮された今作は、とにかく画面が綺麗、女の子が可愛い、動きが愉快。アニメとして必要なものはおよそ取りそろえられている。その上でシナリオもそつなくこなし、印象的な青春絵巻をとりまとめがらも、ギャグ有り、萌え有り、感動有りと、本当に「期待された通りのもの」を提供してくれた。現時点でP.A.が制作した作品というのはこの点においてほぼハズしたことはなかったわけだが、その連勝街道を更に突き進むことになったわけだ。個人的に「水があう」スタジオなので観ていて楽しいというのはあるだろうが、客観的にみても「面白くならないわけがない」スタジオだと言ってしまっていいだろう。

 今作の場合、最大の売りはなんと言っても「合唱」という要素であり、キャストにはじまり、サポートに本物の合唱部を起用するなど、ディティールにこだわった作劇は相変わらず。「歌うことは楽しい」という、何とも分かりやすいテーマ性ながら、それを伝えるのには充分過ぎるくらいの脚本だったと思うし、それだけでは終わらないだけの魅力もあった。「ご当地もの」として「聖地商法」に働きかける仕事もしっかりこなしており、江ノ島に息づく高校生達の日常に、リアルさを出しつつも1つの「憧れ」として昇華させていた。「高校時代ってこんなんだったなぁ」という懐かしさもありつつ、「こんな高校生活だったら楽しかったろうなぁ」という羨望も混じる絶妙なさじ加減は、おっさん達が観る分にも丁度良いし、おそらく現役の中高生にも楽しく観られたのではないだろうか。こうした「等身大の物語」の立て方は、本当にそつがない。

 ただ、そうした「そつの無さ」は「無難さ」とも紙一重、というところが一応けちの付けどころだ。まぁ、こんだけ堪能しているんだから文句を付ける必要もないのだが、あまりにも「想定通りの脚本」であったがために、中盤以降は既定路線に添って「見たことがある物語」が進行したのは事実で、そこに「現代アニメとして作り上がる」必要性がちょっと弱かったかな、という気がした。今更「斬新なテーマ」なんてものはなかなか無いだろうとは思うのだが、たとえば同社の作品における「True Tears」のガチンコのドロドロ恋愛もの、「花咲くいろは」における女細筆奮闘記、家族三代における旅館経営ものなど、かっちりと的を絞った見せ方は、芯が通っているおかげで作品の丁寧さが何倍にも活きた作品だった。シナリオに粗が目立った「CANAAN」であっても、「つながりの形」というテーマ性は短い中にギチギチに詰め込まれており、それを描くためだけに筆を裂いたと思えば、あれだけの完成度もなかなか無いだろう。

 本作の場合、テーマは「歌うこと」であり、ざっくり大きくくくれば「青春と目標」である。そのことになんの不満もないが、最終的に一番のセールスポイントだった「歌うこと」から多少目線がぶれてしまったのが気になった。具体的には、最終話を見ても分かる通り、和奏の活躍がもう一つである。なんだか最後だけ見てたら紗羽が主人公みたいになってましたやん。「歌うことの楽しさを伝えるお話」であるなら、やはり最後は和奏に収束してお話を締めるのが正しい姿だったと思うし、駆け足でシナリオを辿るよりも、もっと「歌うシーン」に時間を割いてほしかったと思うのだ。もちろん、そうなったら脚本構成も画面構成も難度は上がるのだろうが、それが出来るスタッフであったと思うからこそ、そうした感想も出てくるのである。

 とまぁ、無理矢理いちゃもんをつけてはみたが、基本的にこの13話に不満があったということではない。今までのP.A.作品は「想像以上のもの」ばかりだったので、「予想通りの良作」ということがちょっと勿体なかったのである。まぁ、こんだけの仕事してると、作品作るたびにハードルは上がっていきますけども。いや、それをクリア出来るスタジオなんですよ。もちろん、次回作もそんな高い高いハードルをご用意して待ちたいと思います。

 で、最後は中の人。もうまひるさんの中の人についてはこの際置いておくことにして、やはり本作はメインの3人である。歌にメインに走り回って作品の根幹を作り出した屋台骨、高垣彩陽。かき回し役として尖った演技を見せ、また新しいステージに歩を進めた感がある最年少の瀬戸麻沙美。一番人気となった超人キャラ紗羽を作り上げる最大要因となった早見沙織。この3人だったからこそ作れたキャラ、作れた世界である。サポートに回った男2人、島崎信長と花江夏樹君もお見事。特に、ウィーン役の花江君はこれがほぼデビュー作といってしまってもいい。あれだけの大役を見事に果たしたのは大したものである。男性声優って、どうしても女性に比べてデビューが遅れる傾向にあるのだが、花江君はなんと御年21歳の若手。今後の活躍に期待したい(まぁ、島崎信長も大して歳は離れてないが)。

 あと、最終話でも触れたけど校長役の宝亀さんが本当に素敵。あらゆる所で声が聞ける「お馴染みのあの人」なのだが、ここまで印象に残ったのは初めてかもしれません。教頭役の田中敦子、志保さん役の能登麻美子など、おねーさん()がたも頑張ってくれていました。そうそう、年上といえばまひるさん役(略)

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「ファイブレイン 神のパズル2」 5→5

 コメントに困る作品の大団円。1期2期のインターバルが一切無かったので、事実上4クール作品が終わったようなもんですよ。来年にまた帰ってくるらしいんだけど、この作品ってそんなに人気があったのか?! やっぱりNHK教育だからお子様からの声があったのか? いや、だとしたら嬉しいことだけど……やっぱりサトジュン作品ってことで子供には何か訴求するものがあったのだろうか。

 1期は確か最終的に4点だった気がするんだけど、2期目はお疲れ様の意味も込めて加点。なんかねぇ、あの適当な世界観も、適当な絵面も、見慣れてくるとこれが結構愛おしいんですよ。たとえば、現在キッズステーションで「魔神英雄伝ワタル」をやっているんだけど、あれと同じくらいの作画の質、って言ったらいいのかな、すげぇ適当なんだけど(現代目線だとね)、それでも「汚い」っていうんじゃなくて、「なんか散らかってる」っていう感じが出る。「ARIA」とか「たまゆら」で写真のような世界を切り出してきたサトジュンスピリットとは真逆の方向性だ。いや、2期目でサトジュミスがどんだけ絡んだのか知らないけども。

 シナリオの方も、1期は真面目に「ひでえパズルだな!」とか「この世界パズルに左右されすぎだろ!」とか突っ込んでたんだけど、2期目になっちゃったらそれが日常ですから。「人の命を賭けたパズル」が、命どころか国の命運までかかってる規模の施設で繰り広げられるんだけど、最終的にはなあなあになってみんな死なない。1期のうちは必死でカイトが「敵の裏をかいて味方も敵も死なないようにする抜け道」を探していたはずなんだけど、最近は「もうとにかく勝ったから死なないぜ!」っていうだけで、パズル自体も「それどっちかっていうとアスレチックだから」みたいな体力勝負なものまで出てきて、笑いどころには困らない。やっぱり、お子さんに見せるにはこういうのがいいですよ。理屈も何もあったもんじゃないが、とにかく見た目に「すげぇことが起こってる!」って思えるのが大事。アニメって、そういう原体験でいいと思う。

 今回はカイトチームが完全に味方陣営として定着したので、そんなチームの交流を描くために敵側も団体。この団体戦設定もこの作品の面白さと噛み合っていて、「単なるパズル」のくせしてギャモン、キュービック、アナで全員対応が違ったり、それに合わせてオルペウス・オーダー側もちゃんとそれっぽい敵を用意してくれたり。今期はオルペウス・オーダー側の連中が憎めないキャラだったのも良かった。フリーセルは最後まで単なるキチピーだったけど、ミゼルカとダウトが途中からいちゃいちゃし始めて「もう好きにせいや!」と投げっぱなしになったり、単なる賑やかしだと思っていたメランコリィが実は中心人物だったり、そうかと思えば負けるときにはパズル勝負すらさせてもらえなかったり、なんだか好き放題なシナリオがいっそ気持ちよかった。クロンダイク様の登場時の存在感と、負けた時の噛ませ感が半端無い。おっさんが魅力的なアニメは良いアニメ。

 というわけで、初期の予想に反して、これはこれで随分面白い作品でした。サトジュンに期待してたのも、サンライズに期待してたのもコレジャナイ気はするけど、最終的に面白ければそれでいいや。中の人的には……正直、「もっともっと神のパズル」のコーナーでのどこまでアドリブだか分からん掛け合いが一番の見どころだったので、メインキャストは全員好きだ。キャラの吹っ切れ具合だと後期ルークがお気に入り。あと常に反則気味の軸川先輩。軸川先輩が敵に回りかけたお話のときには「やっぱりな! やっぱりその声は裏切るだろ!」と思ったが、最終的にそれすらお遊びだった先輩すげぇ。生徒会長をやっている石田彰に勝てるのは悠木碧だけ(男子高校生調べ)。

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 さらば江ノ島、最終話。2本のアニメでぶっ続けに半年間お世話になった江ノ島の景色も、本日ついに見納めでございました。

 やぁ、予定通りの最終話だったね。驚いたことといえば、いきなり紗羽ちゃんが留学決めちゃったことくらいか。ただでさえ騎手になるなんてハードルの高い夢だったのに、更に海外渡航なんて難問に平気でぶつかっていくあたり、あの家系は相当女性が強い一家なんだろう。残されたサブレの世話はやっぱり志保さんがやってるのかしらね。紗羽がいなくなった後は寂しかろうなぁ。

 さておき、無事に行われることになった白祭。「時間が勿体ない」とか言ってる割には休日に律儀に校門前で張っているというよく分からないこだわりを持つ理事長の猛攻撃にあったが、最終的に致命傷を負ったのは校長だけ。教頭の反乱などもあり、停学処分もおとがめもなしで、晴天下の白祭が無事に行われたのである。そして、この白祭、予定通りっちゃぁ予定通りなのだが、なかなかショボい。何せ素人軍団が突如考え出した歌唱劇一本しかないのである。これで教頭が気を利かせて吹奏楽部を連れてきていなかったら、多分上野さん協力によるピアノ伴奏が精一杯だったわけで、イベントの成功はほぼ全て教頭の手腕に依るものと言っても過言ではない。改心モードの教頭は普通に良いおねーさんになってらっしゃったなぁ。

 まぁ、ステージイベントがしょぼいのはある意味当然のことであろう。これで必要以上に大仰なものが出てきたりしたら、それこそ胡散臭い。外から見たら理事長の意見の方がもっともなものであり、「たかだか歌うだけ」のことにあそこまで必死になる方がおかしいのである。そして、そんなおかしなことが出来るのが、青春っちゅうやつなのである。歌うことになんの躊躇いもなかった5人の熱気に気付けば回りの観客もあてられており、いつの間にか、ショボいだけのお遊戯会は、この学校の最後を締めくくるにふさわしい一大イベントへと成り上がった。どうでも良いことに全霊を傾けられるその姿勢こそが、一番の見せ場だったのかもしれない。

 実際、今回は最終回ってことなのでどういうところで泣かせに来るだろう、と身構えたのだが、主に泣きそうになったのは2カ所あった。1つ目は、個人的には今回のベストシーンだった「校長の反乱」。今まで何も出来なかった校長、あんな衝撃的な場面にはせ参じる時にもおっかなくって音叉を手放せなかった校長。そんな彼が、台詞を噛みまくり、しどろもどろになって、何をしているかもよく分からない状態で理事長に組み付く。「何が教育だ!」と叫ぶ彼の必死の思いが、今回一番の見どころ。やっぱりおっさんが頑張るシーンは目頭が熱くなるのです。宝亀さんのこんな演技は初めて聞いたけど、鳥肌もんでした。

 そして2カ所目は、実際の白祭中のワンカット、高らかにメインテーマを歌い上げる合唱部の面々は楽しそうではあったが、一番輝いていたのは、そんな彼らを優しげな目で見つめながら、高々と指揮棒を振る教頭である。彼女が画面手前におり、遠景に見える合唱部の5人に対して指揮をする構図は、おそらくこのアニメで一番見たかった形の「ハッピーエンド」だ。彼女が指揮をしていたのはあくまで吹奏楽部に対してだが、彼女が最後に「教育」を施したのは、間違いなく、来夏達5人に対してであった。彼女たちが歌っていた噴水の土台は、毎度毎度のエンディングで5人が歌っていたあの場所である。最終話で「教頭と歌う」という願いこそ叶わなかったものの、彼女の指揮で歌えたということで、1つの物語が綺麗に閉じていくことを感じることが出来た。

 結局、彼女たちの頑張りが何を残したかは分からない。みんな離ればなれになっていくし、紗羽と大智の関係がどうなったかは、はっきりとは分かっていない。和奏に至っては進路だって未だ決まらないまま。とばっちりを食らった校長はどうなったか定かじゃないが、多分あの理事長のことだからあの後きっちり解雇はしたんだろう(卒業式に姿が見えないのである)。ハッピーエンドなのかと言われたらまだ分からないお話。それでも、「時々歌ったり」した彼女たちの青春は1つの形を残せたのだから、これはこれで良い終わり方だったのではないでしょうか。

 ちなみに、結局最終回でまひるさんの出番が無かったのがちょっと残念だったが……まひるさんみたいな声の男の子がいたし、まひるさんそっくりの声のニュースキャスターなんかもいた。多分、もう色んなところに転生してるんじゃないかな。

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「機動戦士ガンダムAGE」 4→4

 長かった歴史の閉幕。うん、最終話はきちんと見させてもらったけど、ちゃんと幕は閉じていたと思いますよ。

 「ガンダム」という看板もあるせいか、色々と話題の尽きなかった今作。基本的にあまり良い評価が聞こえてこなかったが、個人的には(あんまり真剣に見てなかったこともあるが)、そこまで毛嫌いするようなものではなかった、と思っている。免罪符にして逃げてしまうのはまずかろうが「子供向け」という軸を持っていたのでそれに向けて多少なりともこれまでと違った作品作りを求められていたのは事実であるし、そっち方面への切り出し方として、とにかくよく分からんけど宇宙でロボットが暴れるアニメとしては、案外画面は楽しかったと思うのだ。不可解な必殺技や不可解な概念、不可解な戦争も、どうせ子供にわかんねーんだから勢いで押しちゃえよ、というのが狙いだったとしたら、こけおどしとしての「ガンダム」はそこまで的外れだったとも思わない。ヴェイガン側のモビルスーツのデザインなんかは、ちゃんと一目で「悪い奴だ」と分かるように作られており、戦闘シーンだけを見れば勧善懲悪のドンパチは分かりやすく出来ていたんじゃなかろうか。

 ただまぁ、もう少し掘りさげようとしてしまうと、どうしたって難点は見えてくる。シナリオについては、ものすごく大枠の設定だけなら、非常に面白いと思った。「親子三代のガンダム戦記」というのは馬鹿馬鹿しくも思ったが実は案外斬新な設定で、最終的にじいちゃんから孫までが顔を連ねて「俺たちのガンダム」を駆りながら戦うというのは、間違いなく「過去にはなし得なかったもの」だ。3人が3人とも違った思想を持ち、血のつながりがありながらも味方同士で対立し、それぞれの信念を形成していくという部分も、アウトラインだけを見ればホームドラマの延長なのだから、これはこれでアリだろう。これできちんと1人1人のキャラを丁寧に見せ、「立ち上がり」「ぶつかる」過程に説得力が生み出せれば、一風変わった家族もののアニメとして面白くなる要素は多かったはずだ。

 ただ、いかんせんその脚本がグダグダだ。今作の問題点は、その1点に集約されていると言い切っても良いかもしれない。主人公の考えが分からない、何故その事件が起こるのか分からない、何故そこに時間を割くのかが分からない、何故そこを描かないのか分からない。とにかく、「ここがこうなれば面白そう」というこちらの思惑をことごとくハズしたような不可解な構成でもって、どうにもすっきりしない方向へと物語は進む。1つ1つのファクターについて「多分こういうことが描きたいんだろうな」というのは何となく分かるのだが、「それを描くならそうじゃないだろ」という切り口ばかりが目立つ。「尺が足りてない」というのももちろんあったとは思うが、最終的にはどちらかというと「思慮が足りてない」という方が正しかったんじゃなかろうか。どうも、いちいちシナリオの大局が見えておらず、行き当たりばったりでその場の筋立てだけを考えているような印象がぬぐい切れなかった。

 そのことは最終回だけを真剣に見ても分かりやすい。最後の最後までお騒がせだったフリットじいさんが、もう一回引き金を引けば終わる、という時点で突然改心する。キオの説得という要因はあったものの、そんなものは随分前から繰り返されていたのだし、何故あのタイミングで突然しおらしくなったのか、全く分からない。ユリンが出てきたからか。「早見ボイスは宇宙をも救う」がファイナルアンサーか。また、全体を通じて言えるのは、「アセムの存在意義って何さ?」である。フリットが強行派、キオが穏健派、そこまではいいのだが、そうなると間に挟まっているアセムが中途半端。実際、中間層として2人の緩衝材になれば「3世代物語」としては役割を果たしたことになるんだろうが、実際はそうでもない。ついでにもう一つ「ゼハートさん何故死んだ」というのもあり、彼が死んだ理由が全く分からない。アセムの最大の存在意義として、「ゼハートと心の交流をした世代であり、最終的にイゼルカントと和解する際に、アセムとゼハートの絆が一番分かりやすい」という特徴があったはずなのだが、そんな学園青春を思い出す間もなく、何故か一番使いやすそうなゼハートが死んでしまった。ラス前まで生きていた彼の存在意義とはなんだったのだろうか。

 とにかく、1つ1つの要素を見ていくと「これはいらないんじゃ?」「これ、何で無いの?」という、素人目にも不可解な部分が目立つのである。素人が考えるベタベタなお約束なんてあっても仕方ないだけ、という考え方もあるが、それをしなかった結果として謎しか残らないのでは本末転倒だろう。個人的には、基本設定とプロット、そして作画制作陣などを維持して、もう一回別な脚本でこの世界を作ってみてほしい、とすら思う。それだけ、コンテンツとしては魅力があったと思っているのだ。

 褒めてんだか貶してんだか分からなくなったので、最後はきちんと褒めよう。中の人的には、老害の名をほしいままにしたフリットジジイ役の井上和彦が間違いなく看板となった。ライバルキャラとしては、「実はフリットがラスボスでヴェイガンが主人公」という説を強く下支えしたゼハート役の神谷浩史が挙げられるだろうか。あとキオ役の山本和臣も、初の大舞台できちんと存在感を示してくれました。これで名前を覚えられれば、少しは女性と間違われることも減る……のかな……

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「アクセル・ワールド」 5→6

 最初のうちは「まぁ、普通のラノベだよね」という程度のテンションで見ていた作品だが、赤の王がやたら可愛くてその辺から没入しはじめ、能美のド外道なリアルでのトラップなんかを見てるとやたら楽しくて、後半になるほど真剣に見るようになった。多分、同時にやっていた「ソードアート」の方が思った程面白くならず、「比較したらこっちの方がいいや」ってんでモチベーションが上がったのが原因だと思われる。

 「ソードアート」の方も多分同じことが言えるのだが、このラノベ作品の作者の一番謎なところは、せっかく設定を作ったのに、それを活かそうとしているように見えないこと。「その要素でもっと掘りさげるのがみたいのに!」という欲求が出たあたりで、「まぁそれはそれとして別な話しようぜ」ってんでぽんぽんと新しい要素を足すだけで、なんだか縦の掘りさげが見えない。今作の場合はバーストリンクという一貫したテーマ性があるように見えるが、たとえば「痛覚すら再現された世界」っていう設定は後半どんどんどうでもよくなり、平気で中学生が腕を切り落としたり、はるか上空から落下したりする。最初の基準だとそれって即あぼんだろ、とか思うのだが、いつの間にか平気になっているのだ。他にも「時間切れ」の概念がどうでも良くなっていたり、最初にどうなるのかと思っていたシルバークロウの必殺頭突き設定があっという間に空気になったり、「結局何がしたかったん?」というポイントが多く、どうも行き当たりばったりな感が否めなかった。

 ただ、そうした横滑りするシナリオラインが今作の場合はそこまで気にならず、「まぁ、次がよけりゃそれでいいや」みたいな視聴体制になっていって、その結果が「ニコは可愛いなぁ」とか「能美も可愛いなぁ」とか、そういう感想に。特に能美がハルユキをはめるあたりのストーリーは、ニューロリンカーシステムがどれだけ危ないものかっていうのがよく分かる(能美がやっていたことが現実で可能なら、多分この世界は無法地帯になっていると思うが)。ゲームの中で嘘くさい「命」のやりとりをするのではなく、現実世界のいじめ問題などに直接関わるにつれて、「もう、お前ら真面目にリアルで生きろよ」と思えるようになると、その温度差のおかげでゲームの方も気楽に楽しめるようになってくるわけだ。心意システムが増えるともう「多分このゲーム、ルールとかいくら作っても無駄なんだろう」と諦めるようになるし、後付設定でもとにかく今の刺激さえあればいいんだ、というジャンプ漫画のお約束みたいな肥大化が、かえって楽しめる要素になっていった。なんだか歪んだ楽しみ方のような気もするのだが、真面目に検証しながら1つ1つ感情移入するようなお話でもないしね。

 そして、一度視聴体制が決まれば、あとは綺麗な画面を楽しむだけである。サンライズ+小原さんのチームってことで、私の大好きな「舞-HiME」と同じようなテンションで楽しめる。個人的には、メカものにそこまで思い入れが無いので、「サンライズの見事な作画」っていうと、こういう小原さんの画作りの方が真っ先に思い浮かぶ。椛島さんとかもいるから「宇宙かけ」の方に近いデザインかな。アバターどうしのやりとりでも不思議と感情の起伏が見えやすいし、生身の時の不自然なまでのオーバーアクションが大のお気に入り。特に負の感情が高ぶった時の顔芸の豊富さはお見事である。筆頭にいるのは能美だろうが、ロリ鬼畜のニコや、ヘタレ眼鏡の拓武、おせっかいビッチの千百合など、あんまり友達にしたくない面々が実に生臭い話を嫌そうにやってくれているのがたまらない。結局「ブレインバーストは心の力」とか言ってるけど、この作品ってお互いに他人の弱いところとかトラウマをねちねちつつき合ってるだけなんですよ。それが一番面白いんだけど。

 そんなわけで、個人的に一番好きなキャラは拓武なんです。序盤の裏切りっぷりが愉快だったし、心を入れ替えたっていった後のしおらしい様子、そのくせ噛ませっていうには諦めきれてないような中途半端な立ち位置。シアンパイルの無骨な出で立ちなんかも、彼の不器用でどうしようもない面が良く出ていて愉快だ。最後までくい打ち男のままで行ってもらえば良かったのに、途中で剣を握ったあたりで幻滅したけどさ。最終回まで見てあの拓武を知った後に序盤のシアンパイル戦あたりを見たらまた違った楽しみ方が出来そう。

 最終的に、「気持ち悪いラノベには違いないけど、その気持ち悪さが気持ちいい」というなんだか不思議な結論に。ほら、吉野さんはさ、こういうどうしようもないものを書くと色々楽しいいじり方が出来る人なんだよ、多分。改めて「舞-HiME」を見直したくなったよ。中の人については、赤の王一択でお願いします。あ、でもこの作品の梶君は結構好き。誰だったか忘れたけど、「デブキャラなのにデブ声じゃない。だけどしっくり来る素晴らしい演技」と言っていた。確かにそうかもしれない。そして、今作を契機として「地獄のミサワ」こと三澤紗千香もメジャーシーンへと送り出された。ぶっちゃけ役者としてはホントにまだまだだろうが、この歳でこのキャラ付けで大丈夫か、と思えるような妙なキャラクター性のおかげで、今後の進路が気になって仕方ない。「アニメ・声優オタクが憧れのままに声優になる」っていう非常に狭いサイクルが安定化してきたせいか、最近こういう娘も増えてきたよね(あやねるとかすみぺとか)。

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「黒子のバスケ」 5→6

 いやー、盛り上がりましたね。まさかアニメになってここまで様変わりすることになるとは思ってもみなかった作品。世間様の動きに左右されてちゃ情けないが、でも、やっぱりこれだけ盛り上がったってことは良くできた作品だったってことは間違いないわけで。

 1話視聴時点で「割と良さそう」とは思っていたものの、尺は決して短くない2クール、どこかで飽きがくる、どこかでボロが出ることもあるだろう、という不安があったのだが、むしろストーリーが進めば進むほどに作品も加熱し、「画の加速度」も増していった。次々と展開される「超次元バスケ」の数々が、劇的でありながらもきちんと「リアルな動き」の中で生きていて、スポーツに興味が無い人間にとっても充分楽しめるものになっていた。これだけのものを作ってもらったのだから、作者も本望には違いない。

 こと、動画面での見事さはI.G.の手腕によるものだろうが、偶然かどうか分からないが、2クール目のクライマックスとして青峰の活躍シーンがどんどん増えていったことも脚本上のプラス要素のなったのじゃないかと思う。火神もそうだが、やはり画面映えするプレイヤーと「そこまで見ていて面白くないキャラ」っていうのはいるもので、緑間のプレイスタイルなんかはぶっ飛んでいる割にはなかなか「強そうに」見せるのが難しい部類。その点、青峰の無茶苦茶なプレイスタイルは描き込めば描き込むほどに面白くなり(嘘くささも増すけど)、この超次元バスケの象徴として、最終版を見事に盛り上げてくれた。また、回りを取り囲むくせ者揃いのサブキャラ連中もアニメになって一歩上に上がった感があり、諸々のキャラの掛け合いも楽しくなった。ぶっちゃけると原作は全部読んでるくせにキセキの世代以外のメンバーの名前ってほとんど覚えてないんですよ。それくらいのレベルだったはずなんだけど、アニメだと退屈しないんだ。誠凜以外の学校もきっちりキャラ立ちしてるし(というか、敵校の方がひどいキャラ多いし)。

 そして、こうした楽しさを提供し、加えておねーさまがたからの人気を一気に爆発させたのが、中の人たちの頑張り。個人的にはこちらも青峰さんですわ。べーさんの胡散臭い格好良さが思う存分発揮されるキレキャラ、良かったですわ。その他もきっちりキャラに合わせてきててね。木吉がハマケンさんっていうのも嬉しかったかな。「女性キャラが少ない」っていう残念な点についても、2人しかいない女性陣が頑張ってくれてたから良しとする。

 確か原作だとこの後火神の知り合いのエロいおねーさんも出てくるよね。確実に作られることにはなると思うが、つづく2期目にも期待したいとこです。

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