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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 撤回されてないので文学部ガールについての言説は有効なままですね、第3話。そもそも全国の高校に文芸部ってどれくらいあるんだろう……。

 引き続きかっ飛ばし気味で勢いの落ちないアニメ。ここまで各方面に迸るカロリーに遠慮がないラブコメラノベアニメってのは初めての体験かもしれない。一応今回は3人目の「負けイン」である小鞠がメインとなるエピソードだが、なんとついに正式な「勝負」を挑んだ初のヒロインとなり、そのせいで尺が伸びたのか、初の話数跨ぎでの結果待ちとなった。まぁ、よりによってこれを書いてるのが放送から1週間以上経過した後なので世間的には結果が出た後だろうし、そもそもタイトルに書いてあるんだから結果は火を見るより明らかなわけだが……これまでの「事実上の負け」ではなく、正式な黒星が付く初のヒロインとなりそうな小鞠。今まで以上に悲壮感が漂いそうなのだが、これをうまいことギャグに収めてくれるのだろうか。

 今作の迸るカロリーは本当に各方面に隙なく張り巡らされており、今まで出てきたヒロイン勢が全員どっかイカレてるのは当然として(?)、ちょい役で出てきた生徒会の人もおかしいし、なんなら商店街のおっさんが言ってることまで狂ってるので主人公のツッコミが追いつかない。こうして世界の全てが徹底してギャグに塗り固めてくれるのはとても安心だし、もう「そういう世界」だと割り切ってしまえば視聴者サイドは余計なことを気にせずギャグに身を任せることができるのがありがたい。そもそも好きな漫画に「めだかボックス」が入ってる私が「設定盛り盛りでハナからイカれた連中の集まるお話」が嫌いなわけがないんですよ。

 そして本作のエロい、違う、偉いところは、そうしてギャグの種としてばら撒かれた「負けイン」勢が、確かに「ヒロイン」としては欠陥品に見えるが、「主人公」としてはきちんと立脚できているという部分。今回はほぼ食い役に徹していたせいでバーベキューの恐ろしさを伝えるだけの役割になった八奈見ですらほんのちょっとのシーンで男前っぷりを見せてくれているし、映像美として今回感心したのは焼塩と主人公が転んでしまった砂浜のシーンの細かいモーションやカメラアングルの取り方である。あのシーン1つ切り取っただけでも、「焼塩が主人公のラノベ」だったらクライマックスとして置いといてもいいくらいだ。そしてこの2人、まだ3話目だというのに展開される「水着デ合宿!」イベントに万全の調整を合わせ、お為ごかしではない全力の水着シーンを見せてくれている。焼塩は日焼け後のフェティシズム! いいね、最高だ!(CV中村悠一) そして八奈見はワンカットで叩きつける谷間の美学。こいつ、このスタイルでライバルのことを牛扱いしてたのかよ。こいつが「負け」側に回されるメタ環境、いくらなんでもわんぱくすぎませんかね?

 そして、こんだけ「負け」の先輩方が堂々たる立ち回りで存在感を発揮しているというのに、その重圧を押し除け、堂々と「ヒロイン」の座に上り詰めようとする小鞠の奮戦。そうだよなぁ、一度「勝負」を乗り越えなければ「負け」の烙印は押されないわけで、それがどれだけ劇的なものかで今後の印象も変わってくる。これ、真っ向勝負で相手役の部長がどう立ち振る舞うかも重要なのよね。これで適当なあしらわれ方をして男の株が下がっちゃうと、「まぁあんな男ならフられて正解じゃない。こっちからフッてやりなさいよ」みたいな大義名分が成立してしまうため、「負け」要素が大きく減退してしまうのである。部長が100点の返しをし、BL先輩もそれに輪をかけて「イイ女」ムーブを見せてこその「負け」。さぁ、どうなる次回。

 
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 先輩はおとこのこ、第17話。またも同時期のアニメと不思議なリンクを見せる展開。可愛いは、作れるんですねぇ。

 というわけでお久しぶりですが、しばらくは溜まったアニメを追っかける形で通常の倍量消化していく必要があるので感想は軽めに。今作も1回くらいスキップしてもいいかと思ったけど、やっぱアマラリルクの面々が出てくるといちいち愉快なもんで無視するのも忍びないわ。

 黒球の中へとさっさと突入したヒーロー御一行。どんな阿鼻叫喚の世界が広がっているかと思ったが、今のところはそこまでおっそろしいことにはなってなかった。ただ、なんとなくタイムリミットは設定されたくさいので小走り程度には急ぎましょう、くらいの感じ。そしてそこに現れるアマラリルクからの刺客1号、ドキくん。分かりやすい単細胞なパワー系おバカキャラかと思わせておいて、うちに秘めたるユメ系男子要素がミスマッチを起こすという、実にアマラリルクらしいバグり方をした一筋縄ではいかない相手だ。単なる敵、単なる悪というスタンスじゃないのもなかなか面倒くさくて、話しても分かんないけど、上手くハマれば話は通じる。いや、通じてないけど御することはできる。ピルツさんの全く狙ってなかった憎まれ口がうまいことハマり、一度は同盟関係まで行きかけたが、テルの余計な一言ですぐさま決裂。まぁ、そりゃそうよ。そしてカワイイに憧れるユメ系男子VS格好いいに憧れる男の娘(不本意)というとんでもねぇマッチメイクに。ツィベタちゃんの事例を思い出せば多分ドキくんも何かしら辛く悲しい因縁を抱えてるんじゃないかとは思うのだが、この2人のバトルはどこまで行ってもちょっとお笑い要素が入ってきちゃうのはいいんだか悪いんだか。

 さらに今回のボスポジションとなりそうなウツロをサポートしているみさおボイスの謎天使に加え、今回も来てくれました、我らがアイドル・クフフさん。ツィベタちゃんの件では純粋に悲しんでくれていましたが、彼女のことは一旦乗り越えたんでしょうか。もう以前と同じ調子でかっ飛ばしてくれてますね。しばらくクフフさん劇場が見られたらそれでいいんだけどなー。

 

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 どうも、アニメデトックス中おじさんです、第27話。どんな環境下でもTVerの利用で手軽に観られるのがプリキュアのいいところですよね。おかげでこの1週間は前回以上にデトックス状態だったんですが、ここだけほぼリアタイ視聴。

 しかしまぁ……アニメを抜いてた状態にアバンのユキまゆをいきなり摂取するのはショックが大きすぎて身体に悪い……最近ちょっと心配になってきているんですが、なんかこぅ、全体的な方向性としてネコ派に配慮してくれすぎている気がするんですが、イヌ派の反感を買ったりしませんかね? いや、僕的にはありがたいばかりなんですけど、毎週毎週しっかりとニーズに応えすぎるくらいにたっぷりのユキまゆを提供してくれるもんだから、ありがたすぎて逆に心配になってきた。いや、誰も文句を言わないならこれでいいんですけどね。まぁ、ユキまゆがたっぷりだからとてコムいろも不足してるわけじゃないから問題ないのか。

 というわけで今回も中心に居座っているのは我らがユキさんなわけです。まさかの「ネコは蛇が苦手」ネタでまるまる1話。ユキさんの情けない姿や甲斐甲斐しい姿がたっぷり拝めて言うことなしですが……実際のところ、猫VS蛇ってどういうマッチメイクなんでしょうね。流石に私も猫を飼ってる時分に蛇と接敵させたことがないので、特段苦手なのかどうかはよく分からんかった。よく流れてくる猫きゅうり動画なんかを見てると確かに本能的に警戒してる様子はありそうな気もするのだが、冷静に考えりゃ蛇に限らず普段見たことのないオブジェクトを見たら警戒するのは当たり前だしなぁ。猫一般の傾向と捉えるかどうかはまた別問題な気がします。少なくとも今回のお話で言えるのは、「ユキさんは蛇が苦手」ということだけです。

 というわけで冒頭から散々な目に遭わされたユキ。その埋め合わせのようにしてまゆからはベッタベタに甘えた愛の言葉を散々囁いてもらったし、まさかの石化能力のおかげで戦闘中もべったりでしたからね。普通「苦手なものとの対決エピソード」って苦手を克服するために扱われるものなんだけど、ユキは今後も蛇は苦手なままだろうから、何がやりたかったかって言えば「普段から高慢ちきなユキに苦手なものをぶつけて慌てふためく様子を楽しむ」ってそれだけなんですよ。……性格の悪い脚本ですね。いいぞもっとやれ。

 そのほか、ユキにスポットが当たり続けていたおかげで「ユキ×悟」というこれまであまり掘られてこなかった関係性もいくらか観測できて、まゆさんは悟の様子をいちいちチェックしてるわけですが、色恋になど1ミリも興味がないユキからしたらそういう視点で悟を見る必要もなく、「こいつはこいつで変な人間だよな〜」くらいの興味だろうか。ユキさんの周りの人間、まゆにしろいろはにしろ(そしてすみれさんにしろ)極まった連中が多いので、悟もそんな変な連中の1人でしかないんだよな。そして、ユキ回とは言いつつも今回ツチノコを倒したのは実質悟の手柄であり、いわばユキにとって悟は恩人でもある。まぁ、だからって今後この2人の関係性が変わることもないんでしょうけどね。

 初の「非実在ニコガーデン生物」を処理し、今後のガルガルはユニコーンだろうがリバイアサンだろうがなんでもOKという既成事実ができた。ぼちぼち、敵性勢力も本気出していい頃なんじゃないでしょうか。いまだに影すら見えないのが恐ろしいよな。なお、「もしかしたらアニマルタウンの町長が黒幕とかいう展開がワンチャンでもないかしら?」って一瞬期待したが、CV的に絶対なかった(流石に敵組織2週目はないやろ)。

 

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 諸事情により、本日よりしばらくアニメ視聴環境が安定しないためにブログ更新をお休みします。体調不良とかでは全然ないです。だいたい1週間程度で戻ってくる予定ですし、もし配信なんかを見て更新できたら更新することもあるかもしれません。

 

 今年の春にもあったやつですね。今後も春夏はこんな感じで休止期間が発生することになる気がします。まぁ、今回はちょうどオリンピックも重なって放送休止のアニメもいくつかあるし、休むにちょうどいいタイミングかもしれません。その分休み明けのアニメ視聴負担が尋常じゃなくなるのだが……。

 

 

↓おひねり先
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 ちゃんとテリー止めたの魔雲天でしたね、第3話。できれば原作通り「ケケケ〜」までみたかったけど、奴らの活躍は来週までお預けだ(次回予告のステカセ素敵)。

 順当に進行しております。1話2話がだいたい原作3話分ずつの進行で、今週もちょっとツメ気味ではあったが一応約3話分が終わったのでスピードは悪くない感じかな。ただ、意外だったのは対話シーンとかと比べると試合シーンの方が時間を削りにくくて尺を食ってる印象があったこと。視聴前はさ、なんだかんだ言って試合中ってそこまで複雑なことするわけじゃないからもっと尺詰めてサクサク行けるもんだと思ってたんだけど、やっぱ一応は(失礼だな)プロレス漫画なんだよな。ちゃんと試合の展開を描き、そこに説得力のある画を乗せようと思ったら試合シーンの方がたっぷりの尺を必要としていた。まー、考えてみりゃ詰められる台詞尺とかも試合中の方が少ないもんな。今後は1話2話と違って試合シーンが中心になっていくので、中弛みせずにどのように見せていくのか、今後も期待。

 さて、今週も引き続き原作からの変更点を中心に確認していくが、まずなんと言っても気になったのは、分割ビジョンに展開された6ヶ国について、描写こそあれ具体的に「どこ」と説明されたのがグランドキャニオンと両国だけだったこと。これで何が気になるって、「ソ連」なのか「ロシア」なのかなんですよね。先週見た通りに、どうにも背景の様子なんかから舞台が「現代」っぽくなってるんで、ここで「ソ連」っていう言葉を明確に使わなかったことがどうなんだろうと。いや、来週あたりあっさり「ソ連」って言われるかもしれないけどさ。もし「ロシア」と明言されるようなことがあれば、それはそれで話が変わってきそう。

 あとは尺を詰めるためのカット要素が中心で、例えば原作だとテリーの試合中に挟まったバッファローマンのメディカルサスペンション解除描写が無くなった。おかげで「正義超人のメディカルサスペンションの解ける音が聞こえる」っていうマーリンマンの台詞が「あなたの気のせいなのでは?」みたいになっちゃったのがちょっとかわいそうだし、悪魔超人軍の出撃への伏線が1個減っちゃったのでちょっと唐突にはなっちゃったか。まぁ、順序的には来週頭にバッファローマンの描写を入れる形になるかな。個人的にはねぇ、原作読んでてこのお話のラストのステカセ&BHの登場シーンで泣くほど感激したから、できればそこで引きを入れて見せて欲しかったとは思うんだが……ほんとに尺がギリだったからしょうがないか。無理やり入れようとして描写が省かれて「正義VS完璧」の思想の違いみたいな重要なファクターが抜けるのもそれはそれで困るからね。

 ちなみに他のカット要素として大きい(?)のはキン肉マンの怯え描写の低減。主に漏らす描写のカット。まぁ、これは別にいらんといえばいらんし、アニメで克明に描かれても困るからカットでええか。こんだけちょこちょこ要素はカットされてるけど、やはり定番のトンチキマシンガンは丁寧に描いてくれるのがスタッフの愛。あんな意味わかんないことやってんのにね。あれが無くなったらキン肉マンじゃないもんな。無駄に迫力が出てて笑ってしまった。百歩譲って巨大マシンガンが生成されるのはいいとしても、突然競技場の土が盛り上がってきたのはなんだったんだよ。

 引き続き注目して聴いちゃうのは完璧超人軍のみなさんの台詞(笑い声)。ラジアルの「バルル」がうますぎたのでハードルが上がってるが、一番自分のものにしているのはやはり圧巻、檜山ダルメシマンの鳴き声。こちらは文字にすると「ガウガウ」や「ウォンウォン」なのだが、自分なりに解釈して不自然にならない音でしっかり残している。やたら尺を取っちゃって厄介なターボメンの「ボシュー」。いちいち「私発言します」みたいなテンションで呼気が吹き出すターボさんちょっと可愛い。クラッシュはもう余計な小細工無しではっきり「ギガギガ」言うとる。イケボだから許されるが真面目にギガギガ言うてるのが逆に面白い。クラッシュの中の人はあんまり知らんかったのだけど、意外と若手なのかしら? ナレーション畑で活躍してる人みたいね。ピーク役の石毛くんは……大変だが頑張れ。試合中の変化が今から楽しみですね。

 来週はステカセ戦。ステカセさんはあのスピンオフ話を読んだ後なので、また試合の印象変わりそうだなー。

 

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 猫組をオチに使うな、第26話。いや、使え、もっとポンコツユキ様をすこれ。

 というわけで、近年の異常な暑さはもはやプリキュアワールドにおける敵組織以上の脅威ですよ、ということを伝えるための警鐘アニメ。こんなに綺麗に現実世界とリンクして共感できるエピソードが飛び出してくるってのも、1ヵ年計画で作られるプリキュアならではの良さ(?)ですよね。もう、脚本の制作段階で「今年の夏も地獄みたいなアツさでしょうなぁ」ということは予測できてるわけで、それならペットの飼い方講座としての意味も持っている今作で「ペットを飼う上での夏の注意点」をテーマに持ってくるのは当然の流れ。マジで今の世の中、外を散歩しなきゃいけないペットにとっては地獄だろうなぁ……。アスファルトの温度とかどれくらいになってるんだろ。肉球の火傷じゃ済まないだろうな……飼い主の皆さん、ちょっとしんどくても朝夕の良き時間を見計らって散歩に行きましょうね。もはや涼しい時間帯などないとも言われてますが。

 こむぎは散歩が必須なので今回のエピソードで苦労するのは当たり前なのだが(人間形態で動き回ればよくね?っていうツッコミは無しで)、普通に考えたらおうちで丸くなってるだけでいい猫組は今回のお話に絡まない。そこでユキさんが何故外出したのかというと、「まゆが買い物を忘れたから」であった。いや、もうそこは1人で買い物くらい行かせろよ……ユキさん、なまじできることが増えちゃったもんだから、ほんのちょっとのことでもまゆを放っておけなくて過保護がますます加速している。こんな天気で猫が外に出られるわけないし、せっかくお家で涼んでりゃいい身分なのに……まゆもまゆで、いっちゃん暑いタイミングで買い物に出かけなくてもいいのにな。この子らは適切なタイミングで適切に不器用である。まぁ、ユキ様は当然のように日傘必須なんですけどね。そこは1人だけ日傘でまゆはカバーしねぇのかよ、っていう。猫は日焼けするんだろうか……。

 そうして脳内妄想までフル回転させるほどにボロボロになった4人(2人と2匹)を救出するのは、いつものように悟の仕事。悟、もはやこの日本の暑さは打ち水などしたところで文字通り焼け石に水だと思うが、それでも律儀に外で活動してるあたりが悟。そんでこいつの家もクソでけぇなヲイ。アニマルタウンの住宅事情はどうなってんねん。きっと悟もえぇとこのボンボンなんやろなぁ。さらに学識も備えて料理などの気遣いも完璧。いろはもこんないい物件を逃すんじゃねぇぞ(とまゆ様がおっしゃっておる)。ここ最近は大福さんの一挙手一投足に注目が集まりますが、まだ特に変わった動きは見せないな……こんだけ頑なにしゃべらないってことは、マジのマジで思わせぶりに誘っておいて最後まで何もないパターンもワンチャンあるのでは?

 メエメエが平気で街中を歩いちゃうくらいにアニマルタウンが狂気の暑さにやられる中、登場するのはラクダのガルガル。しかし今回はもはやガルガルじゃなくて「暑さ」というステージトラップの方が強敵。もはや描写が「炎系の能力を使いこなす敵」とのバトルシーンなのだが、あくまで「炎天下で戦ってるだけ」なんですよね。一昔前だったら「夏休みだ! プールだ!」みたいに浮かれるだけだったシーズンなのに、もはや子供向けアニメで「人もペットも気をつけようね!」というワーニングを飛ばさなきゃいけなくなっているこの地球。ニコ様、助けてください。冷蔵庫で涼んでる場合じゃないです。

 さ、私たちも刺繍糸を買いに行くわよ……。

 
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 やっぱり色々気にさせてくれる、第4話。ほんとになんてことない話しかしてないんだけど、どうにも見入ってしまう不思議な画面。

 改めて、今期の恋愛ラノベアニメはそれぞれに個性がゴリゴリで観ていて楽しい。義妹に双子に負けヒロイン、テーマとしてはもはや古式ゆかしい伝統文化とすら言えるジャンルもあるが、そこにきちんと「現代アニメ」らしさを付与して勝負に出ているために決して埋没しないだけの存在感を発揮している。

 今作の場合、その個性というのがとにかく熱を奪ってクールにクールに、もはや冷淡に見えるまでに客観を崩さないその描写方針に表れており、今回はいよいよ悠太と沙季の間に余計なわだかまりすら無くなった。いや、無くなっちゃいないんだろうけど、これまでの近づいたり離れたりで一旦穏当な距離感を見定めた2人は、ゆっくりとその距離を維持してコミュニケーションを続ける。おかげでそこに何か新しい事件も生まれないし、タイトルの通りに「生活」が窺えるというだけのお話。どう考えても面白くないだろうこのプロットで、何故かは分からないがただ息を潜めてじっと見てしまうような不思議な引力があるのだ。

 もちろん、これは引っかからない人もいるかもしれないので攻め口としてはニッチな部類なのかもしれない。ただ、個人的にはこうして割り切った演出方針は最近めっきり見かけなくなったもんで、50本を超える今期アニメの中でただ1本だけが持つ個性としては充分意義があると思っている。もちろん、ただダラダラと日常風景を流すだけでは本当に定点カメラの映像を見ているだけでさっぱり面白くないだろうから、「客観」をいかに豊かなものとして切り出して1本の映像作品として提供するかをきちんと考えているという前提の上でだ。

 今回分かりやすく興味を惹かれたのは、やはり本作最大のエッセンスであろう、リビングでただ語り合う兄妹の対話シーン。大きく分けて「追試指導の日」「翌朝」「作業用BGMを提供した夜」と3つの時点でおなじリビングが描かれるわけだが、それぞれに見せ方が全然違う。追試指導の日に興味を惹かれたのは背景のオブジェクトを中心としたカメラアングルの切り取り方。日が暮れた後、光源の位置は基本的に2人が向き合って互いに光源を置いているように見える(実際にはテーブル上の照明の灯り)のだが、その光源に照らされ、2人の間で殊更に存在感を発揮するのが、何故か背景のキッチンカウンターに置かれた花瓶である。なんの花なのかはよく分からないが黄色を基調にそこそこのボリュームを持った花瓶にいけられた花々。それが2人の間に割って入り、まるで2人の架け橋であるかのようにシーンを繋いでいく。この「繋ぎ」の役割は翌朝のシーンでより顕著になり、今度はテーブルに着く沙季、キッチンで冷蔵庫を開ける悠太と2人の立ち位置が分かれるにも関わらず、それぞれを切り出したカットにも必ず花瓶が収まるようなカメラアングルが取られ、2人の間にある花は常に2人の位置関係を示しながらつなぐことをやめない。別に複雑でもなんでもない間取りではあるが、この「花を中心に様々にアングルを切り替える」という演出でもって違和感なく画面に変化を与え、その上で統制した雰囲気を与えるのにも成功している。

 翌日のリビングのシーンは悠太が先輩からもらったBGMを聴いてバイト先の控え室からそのまんまMVみたいに外のシーンを繋いで持ってきた「音楽の終端」に位置するシーンになっており、昨日と変わらず花瓶に真上から光源をとって存在を際立たせることにより、花の確固たる存在感がある種空想的だった「BGMの世界」から昨日と変わらぬ「こっちの世界」に戻ってきたことを示してくれる。1つのツールでもって、野放図に広がってしまいそうな映像にまとまりを与える働きがシーンを跨いでも発揮されているのがさりげなくも巧みな設定である。ぶっちゃけ、ともすればウトウトしちゃいそうなくらいに刺激を抑えた作品ではあるが、多分こうしてきっちり観ることでそこかしこに施された工夫にも気づくことがあるのかもしれない。

 まぁ、本筋のドラマが面白いかどうかはいまだによく分からんけどな。お兄ちゃんが頑張ってくれてるからそれでいいんじゃないでしょうか。

 
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 色々クドい、第3話。蓋を開けてみれば、今期は恋愛もののラノベ作品が並び立つ今どき珍しいシーズンになっている。「狼と香辛料」も入れれば4本あることになるか(小市民シリーズも恋愛ラノベだと拡大解釈すれば5本)。

 さて、こうして文字媒体の原作がアニメ化された完成形だけを味わっているとその中での違いというのが色々と興味深く見えてくるもので、すでに書いているがアニメとして頭一つ抜けているのが「マケイン」。映像クオリティに加えてテンポの良さ、とっかかりのアイディアも含めて、ベタに見えて前例のない作品になっている。「義妹生活」も先入観をぶっ飛ばす思い切った構成で勝負を仕掛けており、いわゆる妹萌えの単純な惚れた腫れたではなく、共同生活を余儀なくされた2人の男女の関係性をじっとりと湿度の高い筆致で描き続けている。

 そういう意味では一番「ラノベらしい」構造になっているのが今作で、「双子」という昔ながらの(というほどでもないかもしれないが)題材でやきもきするような三角関係を構築するところまでは想定内。まぁ、姉(琉実)が1回主人公と付き合って別れるところからスタートというのがちょっと斬新なところだが、2人の個性が全く異なる姉妹の間を、延々主人公がキャッチボールされるようなこの構造はそこまでびっくりするような展開ではない。その上で、男女の関係というよりは姉妹の関係の厄介さの方を優先的に切り出し、三角形の第「三」辺について色々と考えさせる展開はいいプロットになっていると思う。

 惜しむらくは、今作はあまりアニメとしての強みをいかせていないという部分。1話目のように構造そのものにまとまりのある何かが仕込めればいいのだが、流石にシリーズアニメで毎話毎話驚くようなギミックなど仕込めるはずはないため、ここからはおとなしく本線を突っ走るしかないだろう。そしておそらく、本作はこの主たる関係性の妙をどこかしらペダンティックな、やたらとクドい装飾で飾り立てることで個性を発揮する構造になっている。それはそれで悪い方向性だとは思わないのだが、残念ながらあまり映像作品との相性はよくない。

 いや、多分これも見せ方次第だろう。ことに主人公・純と周りの2人(那織、森脇)との対話で様々な既存の創作物の名前が出てくるので、例えばその辺りで出てきたタイトルをそのまま映像に表現してしまう、といった方向性も考えられる(対話してるキャラの後ろに明らかにスターウォーズだと分かるようなキャラを挟み込んでいくような演出)。おそらくそうした見せ方にすれば「台詞の装飾」と「画面の装飾」が繋がってより個性が強い作品に仕上がったと思うのだが、本作はその方向性を選ばず、ただ台詞は台詞として流すことにしている。

 別にその判断が間違っているとも思わない。もしかしたら権利関係の問題で映像に起こせなかった可能性もあるし、そうして描くことで余計な雑味が混ざって対話そのものの印象が薄れてしまうことを嫌った結果かもしれない。その辺りの制作側の意図は想像するしかないが、結果的に出てきたものだけを見ると、どうしても台詞は上滑りしている印象が否めない。脳に引っかからず「まーた訳のわからん奴らが訳のわからん会話してら」くらいで流れてしまう部分が多くなってしまうのだ。1カットに入れ込む台詞量もどうしても増えてしまい、これが西尾維新のように「とにかく言葉数は増やしてるけど実際の中身なんてほとんどない」みたいな対話なら流してしまってもいいのだが、そこに重きを置きたい作品では本質を掴み損ねる結果となってしまう。そこがどうにももったいない。

 でもなぁ、これをアニメとして万全に発揮させる方法は確かに思いつかんよなぁ。アニメ化向きじゃない原作だったと考えるなら、現状ではむしろよくやっていると言ってもいいかもしれない。不満はあるけど、別につまらないとも思わないのでね。

 

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 逃れ得ぬ過去、第15話。やはりここに戻ってくる。そういうお話だから。

 舞台脚本をめぐる原作者VS脚本家の揉め事は、アクアの講じた一計により万事丸く収まった。やはり百聞は一見にしかず。視野の狭かった天才漫画家に、舞台そのものを見せるのが一番手っ取り早い。天才と呼ばれるだけあって感性は一級品だったのだろうし、本当に良いものを見せればきちんとその意義が伝わり、それを作り上げる才覚の重要性にも思い至る。そこで「自分に出来るか」と自問し、現実的な答えを導き出せた鮫島もやはり一角の創作家なのであろう。あそこでムキになって「自分でできる!」と言い出さないだけでも立派なものだ。まぁ、事前に先輩からあんだけ釘を刺されていたこともあるのかもしれないけど。

 さらにアクアからチクリと手痛い一言を刺されていたプロデューサーも自身の進退をかけて動いたため、最終的な落とし所は「脚本家と原作者の直接対話」。冷静に考えれば「そりゃ当たり前に取る必要がある手順なのでは?」と思うところだが、それが出来てきなかったことが業界の歪み切ってしまった部分なのだろう。作品タイトルが大きくなればなるほど、そこに関わる人間が増え、当たり前のコミュニケーションすら難しくなってくる。善い悪いの問題ではなく、それが商業というものなのだろう。身勝手でどこまでも個人活動である「創作」と、万人を取り込み、最大多数の幸福を目指す「商売」。この問題は簡単には解決せず、今後も関係者は議論を続けていくほか無いのだ。

 今回はたまたま(だいぶアクアのおかげがあって)丸く収まりはしたが、その余波で「脚本がゴリゴリに尖って演者負担の大きいものになる」というおまけがついた。ララライの面々は歯ごたえが出た脚本にかえって心躍らせていたし、元々芝居のスキルを持て余していたかなもここにきてフル回転できることに。問題は、本業が舞台役者じゃなかった連中である。まぁ、メルトくんには頑張ってもらうしかないが、ここにきていよいよこれまでの人生のつけが回ってきたのがアクア。どこまでも俯瞰で、どこまでも他人事として自分の人生を生きてきた男に、「感情演技」は高い高いハードルとなって立ちはだかる。それこそ「創作」と「商売」じゃないが、「感情」と「計算」は相反するものである。アクア自身もその辺りがわかっているからこそ「自分は役者向きではない」と言ってあまり表舞台には出ていなかったわけだが、ここにきて急に一番の厄介ごとを求められることになってしまった。この結果が自分の暗躍の末というのが因果なものである。

 お芝居の大先輩・かなの助言は普通に考えたら真っ当なものだし、多分役に立つものだったのだろうが、よりによって何の気なしに出してしまった例が「母親の死」。どうだっけ、かなもアクア(とルビー)の家庭事情が複雑なのって知ってるんじゃなかったか? もしそうじゃなかったら単なるバッドラックだし、なんとなく知っていたとしても、兄妹2人してひた隠しにしてるもんだからかなが真実に近づくのは難しかったのかもしれないが……最悪のトリガーを引いてしまったかなはちょっとおとなしくしててもらうしかない。

 アクアだって自分の地雷要素は分かっているので必死に「楽しいこと」をイメージしようとしていたが、それが全部女の子がらみの記憶だったのがなんやねんこいつ。結局アクアにとって、この人生は星野アイの失われた生を埋めるための代償行為にしかなってないってことなんでしょうかね。よりによって脱却しようとしている自分を引き留め、縛り付けるのが「もう1人の自分」であるのが業の深いところで。あいつもこいつも「アクア」のはずが、転生者の一筋縄ではいかないマインドが必要以上に彼をアイへと縛り付ける。

 そして、そんな逃れられない呪縛に苦しむアクアを見て、どうやら真相にたどり着いてしまったご様子の黒川コンピューター。彼女の観察眼を持ってすれば、ここまで極まっちゃってボロボロこぼれ出てくるアクアの心情の奥底を掬い上げることなんて造作もないことで。いや、どこまで確信に至ったかは分からないけどね。全てを理解した黒川あかねは、その身に宿した「アイ」があれば、アクアにとっての無二の存在にもなりうる。どうなるあかね、どうなるかな。

 追伸:全然出番ないけどMEMちょ元気?

 
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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