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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
○「超速変形ジャイロゼッター」 5
普段はあまりタッチしないことにしている、夕方放送の子供向け作品。なんで触れないかって言うと、朝夕のこの手の作品までカバーしようとすると完全にキャパを超えてしまうから。結局「イナズマイレブン」も好きだったのにスケジュール的な問題で途中で挫折してしまったり、どうも視聴が続かないことが多く、それならこの手のジャンルはさっぱり諦めよう、という風に線引きしていた。ただ、今期の新番組ラインナップを見ている中で、これだけはちょっとチェックしようかな、という気になってしまった(つまり、明日放送の「獣旋バトルモンスーノ」は多分チェック出来ない)。 観ようと思った理由は大きく2つ。1つは、その制作体制である。監督が高松信司、そしてスタジオはA−1Picturesだ。夕方向けの陣容としてはかなり珍しいラインナップ。これは流石に観ておかなきゃいけないかな、という気にさせる。そしてもう1つの理由は「井上麻里奈が少年主人公」という。過去にも実績が無かったわけではないみたいだが、これまで一度も「麻里奈の少年主人公もの」というのを見たことが無くて、これはせっかくのチャンスだし、しかも1年もの長期作品になるならたっぷり楽しめるだろう、と思ったわけである。その他のキャストもなかなか良い面子が揃っており、期待度は高かった。 そして、そんな期待には応えつつ、なんかもう、色々大変な1話目だった。ほんと、どこまで行っても突っ込みが追いつかない。いや、子供向けアニメなんてそんなもんだとは思うが……それにしてもなかなか尖っておる。思い出せるだけでも書き連ねていくと、いきなり冒頭から「キャスター関ってまんまかよ!」。「近未来っぽいのに教習所古めかしいよ!」「縦列地味だよ!」「かぁちゃん兼ね役かよ!」「イナバウアー!」「基地て!」「指令て!」「変形て!」「絶望した!!」などなど。まぁ、きりがない。ロボットものとして突き抜けてたのは、タイトルとコンセプトから「変形ロボット」を期待してたのに、変形シークエンスに一切「変形」の要素が無かったところですね。もう、「再構築」だよ、あれ。どこかどうなったらあれが出来上がるんだよ。キラッって光ったらいつの間にかロボット。それは「変形」じゃなくて「変身」っていうんだ。 いやー、まぁ、勢いは凄まじい1話目でしたよ。お約束しかやってないはずなのに、1つとして油断出来ないでやがんの。これはまぁ、1年間同じ勢いで突っ込み続けることは無いと思うけど、なかなか挑戦的な所信表明だったのではないでしょうか。それにしても、最近車関係の協賛アニメが多いね。「放課後のプレアデス」もそうだったし、一応「輪廻のラグランジェ」も近いものがあった。自動車が売れないからあの手この手でイメージ戦略を図ってるのかなー。でも、これが気に入った子供たちは車好きになるのかなー。なったとしても、購買層になるまでしばらくかかるなー。その頃の自動車ってどうなってんのかな。電気自動車ってこれから普及していくのかなぁ。ちなみに今作の作中で出てくるのは「AIカー」って言われているのだが、見た目はフツーの国産車なんだよね。しかも割と排気音が出てることを考えると、あいつらガソリン車だ。てことは変形後のジャイロゼッターの動力もガソリンエンジンだ。……それってつまり……「IGPX」か?! ま、車に興味が無い人間からすると単なるお笑いロボットものっていうカテゴライズで問題無いと思います。そもそもエンディングでロボット踊らせてる時点で真面目にやる気は無いと思います。「ダンスを踊るオープンエンドは名作」っていう流れがあるけどさ、ロボットに踊られても細かい振り付けわかんねーよ。あと、オープニングがマッチっていうのもいきなり吹いたポイントだよな。妙にじっとりしたオープニングだったよ。どういうコンセプトやねん、と思ったら、マッチも一応車に関係してる人間だったのね。どこまで狙ってやってるのかもう分からないわ。 中の人の話。まぁ、前述の通り、麻里奈がかっ飛ばしてるのが聞きたかったからそれだけで満足なんですが、まさかの母子兼ね役とか、無駄に重たいことやってるのが笑える。「絶望的に!」って千里ボイスで言われても、その後猟奇殺人に発展するイメージしかわかねー。メインヒロインはどうやらゆかちの模様。うん、可愛いと思う。でも、実はサブっていう意味なら陶山さんの方が気になるんだ。陶山さんってあんだけ声に特徴があるのに、なんでこんなに脇で使いやすいんだろうね。その他、三宅健太、中田譲治、田中理恵といったどっちかというと悪役でいいんじゃないかと思える面子が司令部を囲み、「これじゃ悪役側は誰がやるねん」と思ったら黒田崇矢だったというオチ。納得。関さんのアナウンスで自動車変形ものだから、もうそのまんま「ゴ〜オンジャー!」って言ってほしい欲求が止まらない。 PR
○「緋色の欠片 第二章」 4
今期、関西地方で新番組の口火を切ったのはこちら! …………総集編じゃないですかー! ヤダー! なんなのよ、読売系列の2期ものは必ず総集編で振り返らなきゃいけない決まりでもあるの? 確かに新規組でも入りやすい……って、そもそも深夜アニメの2期目なんてほとんど新規の期待なんか出来ないと思うんだけど。しかもこの作品の場合は対象層が偏ってるんだしさ。 というわけで、点は付けてみたものの、よく分かりません。まぁ、1期と一緒です(当たり前)。一応、完全に映像使い回しってわけじゃなく、2期の始まりを臭わせる程度の新規映像も交えてのれっきとした「2期1話」扱いなので本当に処理に困る。分割2期だからスタッフも変わらないし、ストーリーも1期では一切完結してなかったから「新しいスタート!」って感じでもないしなぁ。これの1期は「女性向け」ってことで切る番組の筆頭候補だったにも関わらず、「マンパ」枠の最初にいたせいで結局見続けてしまったっていう、微妙なポジションの作品だし。同じディーン製作で同じく乙女ゲー原作の薄桜鬼は割と面白いだけに、こちらの扱いの難しさはどうしたものやら。今期はシナリオもクライマックスに向けて盛り上がってくれるのかなぁ。
「ココロコネクト」 5→5
まったくもって意図していなかった騒乱に巻き込まれたおかげで余計なオプションが色々とついてしまった不幸な作品。しかし、その製作姿勢は一貫した理念があり、充分に、与えられた使命を全うした完成度になっていたように思う。 元々不可思議な立ち位置の作品である。学園が舞台で、しかもなんだかよく分からない連中があつまる「文研部」という集団が対象になっていることから、いわゆる「ダラダラする日常系」のようなセッティングに見えるが、決してそんなものじゃない。かといってバトルがあるわけでなし、超能力を使える主人公がいるわけでもなし。徹底的にメインキャラ達が地味な嫌がらせの「被害者」に回り続けるというセッティングからしてなかなか新しいものである。こうした、何とも形容しがたい不可思議な設定をアニメ化するにあたっては、前例が引きづらいので制作も大変だったことだろう。開始直後は「けいおん風の絵柄」ってなあたりも話題に上っていたが、いつしかそうした「何かの焼き直し」という風味も薄れ、すっかり「ココロコネクトの世界」になっていた。 白眉なのは、なんと言ってもその「現象」の与え方で、余計な理屈は付けず、とにかく「人智を越えたもの」によって「起こることだけが決まっている」怪現象を相手取って戦うというのは非常に珍しい。そして、そんな中で「現象を止めるためにあらがう」のではなく、「現象の中で個々の関係を培っていくためにあらがう」というのも特殊なポイント。余計な外装を引っぺがせば最終的に残るのは「痛みを伴った青春劇」である。恋愛もそうだし、自己形成という思春期独特の心の動きも、あの手この手で揺さぶっていくことで、それぞれに成長を促していくのである。考えてみれば、アニメ化された3つの事件は、自己形成と他者理解という、人間関係の基礎の基礎を築くためのルーツに必ず触れている。「ヒトランダム」は自己と他者の境界性を揺さぶることで「自他とは何か」を問い、「キズランダム」ではさらけ出した欲望を先鋭化することによって「自己とは何か」を突き詰める。そして「カコランダム」ではトラウマとなるタイミングの記憶を引っ張り出してくることで「自己を作り出してきたものは何か」を問い直すことを目的としている。「人格入れ替わり」とか「時間退行」とか言われるととたんにSF臭だが、描写の目的だけを考えれば、これはカウンセリングや、意識調査の基本事項と変わらないことをやっているのである。 そうした、ある種「地味な」テーマでありながら、画面を見ていれば決して退屈しないものであるし、「地味な」部分を黙々と掘りさげるしかないために、とても丁寧な描き込みが実現している。最後の伊織についてはちょっとどうかな、と思う部分もあったが、「カコランダム」における義文の立ち位置や、「キズランダム」での姫子の結末などは、納得出来る部分も多かったし、見ていて非常に新鮮だった。今期は割と多かったが、これもプロットが面白くて「原作を読んでみたいかも」と思わせるラノベ作品の1つだ。こんな作品をアニメにしろ、と言われてもなかなか難しかったと思うが、それをしっかりと形にして伝えてくれた川面監督をはじめとするSILVER LINKのスタッフの手腕も、大したものだと思う。川面さんはなぁ、妙なケチさえつかなければいいデビュー作になったはずなんだけどなぁ。同時進行で「乙女はお姉さまに恋してる 二人のエルダー」の方も担当していて、そちらも悪くない出来だったので、川面さんの仕事ぶりを確認したい人にはそちらもお勧めである。 最後に中の人のこと。まぁ、今作は特に中の人の影響が大きい作品でしたからね。数々の無茶ぶりにも挫けずに見事な仕事を見せてくれたメインの5人はとりあえずお疲れ様です。誰が一番かと問われたらやっぱり稀代の名キャラクター姫子さんの中の人と言いたくなってしまうが、今作は5人とも本当に良い仕事だったので比べられない。これはキャスティングした側の手柄でもあるとは思うけど。是非、続編も見たいところですよ。
「この中に1人、妹がいる!」 3→4
読みがハズレてちょっと悔しかった作品。いや、でもさ、これの1話目を見てこき下ろすのはしょうがないよね。期待出来るようには見えないもんね。 いや、最後まで見た現在だって、こき下ろせることには変わりない。大した映像が用意されているわけでもないし、問答無用で主人公に擦り寄ってくるハーレム設定を延々12話繰り返しただけなのは紛れもない事実。キャラクターの心理描写に期待するなんてあり得ないことだし、有象無象の「萌えもの」と一緒に処理してしまって問題無い作品だったのは間違いないだろう。 しかし、思っていたのとはちょっと違う方向にスパイスが効いていたことも認めなければならない。1話目視聴後の新番チェックで、私は以下のような感想を書いた。「ひょっとして、そのうち伏線回収して手がかり集めて、消去法によって学園中の女生徒からたった1人の妹を限定するっていう本格モノにするんだったら面白いかもしれない」。最終的に、実はこれに近い展開になってしまったのが予想外なところである。もちろん「学園中の女生徒から」っていうのは言い過ぎだが、序盤にいきなり携帯の限定で人数を絞っておき、そこから容疑者を二転三転させてきちんと「限定で揺さぶる」「捜査の過程を見せる」という必要最低限のプロットが作られていた(作ろうとする意志が見て取れた、という方が正確か)。単なる痴女軍団にしか見えなかった5人の容疑者たちについても、実は各々に思惑があり、それが偶然にも絡み合って、不可思議な「全員が妹のふりをする集団」という謎現象が形成されている。もちろん無茶苦茶な部分もあるわけだが、「妹」というたった1つのキーワードのためにここまで馬鹿馬鹿しいプロットを真剣に作ろうとした努力はなかなかの間違いっぷりだ。ラノベ作品のプロット部分でここまで驚いたのは久しぶりのことかもしれない。 そして、今作の場合、そうした「各々の目的のための妹争奪戦」という犯人当てのプロットが、それぞれのキャラクターの個性と萌えポイントにも直結している。きちんと将悟とのフラグ立てがイベント中で行われているし、「妹のふりをする」という無茶なシチュエーションも、案外無理なく成立しているという。年齢の問題やDNA鑑定のギミックなど、「最初からそこ調べたら早いやんけ!」みたいな当然の突っ込みポイントはことごとくかわし、なおかつ裏をかいてサプライズにまで繋げて見せたり、実はミステリとしても案外ハズしてなかったりするのである。この作者、一体何なんでしょうね。 まぁ、これだけ褒める部分は褒めるが、その上でアニメとしてはやっぱりしょーもない部類だっていうのも確かなので。意外に楽しんでしまった、という屈辱感も含めてこのくらいの評価で落ち着いておきたい。名和監督は、本当に「こんなん」に縁の深い監督だが、「おと僕」とかこれとか、割とプロットが複雑で見せられる作品の方が向いてるんじゃないか、っていう気もする。そりゃ「R−15」で実力を発揮出来る人間なんているわきゃないわな。 最後は中の人の話。やはりメインの5人を見ていくべきだと思うが、予想外だったのがあやねるが割と良い仕事をするようになってきたんじゃないか、っていうこと。他の連中に比べるとまだどうしても拙さは残るのだが、ボチボチ自分の声の特性は自覚しはじめたような部分があり、甘ったるい部分でも臆することなく演技出来るようになってきている。最終話の印象が強いのでプラスの評価が出やすいのかもしれないが、案外どこかで吹っ切れたらすごい女優(笑)になれる器かもしれません。あと、亀ちゃんの相変わらずのフリーダムさも面白い比較対象になるか。この後亀ちゃんはどこに向かうんでしょうね。 ただ、実を言うとメインヒロインが5人とか言っておきながら、私の本命は衣楠だったりするので……マジで将悟は衣楠と結婚してしまえばいいと思う。小清水キャラは馬鹿っぽさを残しながら伸び伸びしていると本当に気持ちが良いなぁ。秋からはショコラーデさんの活躍に期待。
終わった? 終わった、最終話。まぁ、残った話数はまだどこかで作られることになるらしいので、とりあえず、今回のお話はこれでおしまいである。
「あ、それでいいのか」というくらいにあっさりと片付いてしまったのは、過去の2エピソードとは随分印象が違う部分。これまでずるずると引きずってきた伊織の家庭事情についての話だったので、そう簡単に片付くわけが無いだろうと思っていたのに、蓋を開けてみればこれまでの諸問題の中で一番あっさりと片付いているのだ。そういう意味じゃ正直拍子抜けではあったのだが、どうも、問題解決直前のふうせんかずらの動きがどこか奇妙だった気もするので、案外奴が陰で動いた結果なんじゃないか、なんて邪推も可能だったり。 「家庭の問題は母子の勘違いが産みだしたものだった」というオチだけを切り取ると、確かにしょうもない。ただ、そのことを切り出して確認するための段階を踏むのが今回のエピソードだったわけで、そこまで行くことが出来た伊織の精神的成長が、今回の1話に現れていると見るべきなのだろう。必死に(勘違いとはいえ)他人の望む自分を演じ続けてきた伊織。他人の顔色をうかがい続けていたせいで、自分の人生において「他人」は警戒すべき存在にしかなっておらず、誰かを信頼するということが出来ないでいた。次第に打ち解けはじめた文研部内においてもその基本姿勢は変わっておらず、このたびの時間退行で記憶がフラッシュバックすることも重なって、これまで抱え続けてきた悩みは、更にふくらんでいた。 それを打ち破るための「信頼」の現れが、前回の義文たちのエピソードであり、それを見ていたからこそ、伊織はついに最後の一線を越えることが出来たのだろう。太一との関係性はもちろんだが、お互い腹を割って話すことが出来るようになった姫子とのつながりも同様。まさに「この五人がいれば」こそ、彼女は長年の問題を打開することが出来た。これまで13話もの間くすぶり続けてきた伊織の過去についての問題は、今回をもって完全に浄化されたものだと思われる。まぁ、あのかぁちゃんの性格を見ていて、今まで何を悩んでたんだ、という気がしなくもないが。「あんな声が出せるなんて」って、そりゃぁ出せるでしょうよ。田中敦子なんだから。今期アニメのキーワードは、「田中敦子が本音をしゃべったらハッピーエンド」。 まぁ、ふうせんかずらの登場のタイミングとか、流石に今回のエピソードはちょっとご都合主義が先んじていたかな、という気はするんだけどもね。「キズランダム」までは問題の解決の仕方に常に痛みを伴っており、それなりに生々しさを感じさせるものだったおかげで魅せられる部分があったが、今回は「お話のためのお話」みたいで、ちょっと肩透かし。まぁ、こんだけややこしい話を書いてりゃ、1回くらいこういう展開もあるでしょう。冒頭でくるくるはしゃいでたロリ唯が可愛かったから、今回はそれで良いのです。 強いて心残りをあげるとするなら、結局姫子さんが時間退行であんまり被害を受けていなかったことかな。あの子こそ過去を突っついたら色んな黒歴史が転げてそうで面白いと思うのに。ロリいなばんをもっと見たかったのに。どうも「キズランダム」でやりたい放題やっちゃったせいで、ラストエピソードは彼女の影が薄かった。あんだけ幸せそうな顔されちゃ、いじりづらかったかねぇ。
「織田信奈の野望」 5→5
予想以上に真面目にやって真面目に終わった「戦国もの」。頑張っていたのは間違いないし、それなりに結果を残したのも間違いない。この手の柳の下のどじょう作品の割には、最後まで退屈せずに見られたのがその証拠である。 「思いの外真面目」というのは、それこそ前例が与えた先入観によるものである。「戦国美少女もの」という謎のジャンルはいつの間にやらすっかり定着してしまっており、わざわざ挙げるのもアホらしくなるくらいに似たようなタイトルが乱立した。本作もそんな中の1つであり、しかもビジュアル面では数多ある類似作品の中でも特に「萌え」に特化した作画になっている。おかげでロリータ半兵衛やらに大量のファンがつくことになり、作品としてはこれ以上無い形で本懐を遂げたことになる。個人的には作中ではやっぱり信奈が一番映えていたと考えているので、その信奈の作画が最後まで徹底的に描き込まれ、綺麗なままだったことは、大いに評価すべきことだろう。どれだけベタだと言われても、世の中はやはり「かわいいは正義」なのである。 そんな中で、最後に不満が残った部分も。それは、「キャラ萌え」と「真面目な戦国もの」を両立させる上で発生してしまった多少の齟齬である。この作品の基本プロットは、サルが自分の持っている戦国知識を活かしてシミュレーションゲームのように出世を狙うが、後半になると歴史改変によりそうしたアドバンテージが通じなくなり、あとは男気で見せるようになる、という、いわば「タイムスリップもののお約束の面白さ」と、「少年漫画的根性もの」を加えたサクセスストーリー(かつラブストーリー)である。序盤はとんとん拍子で進んだものの、後半にサルの言動が揺れはじめると、それが元で信奈との衝突も多くなっていく。そして、信奈をみたいがためにこの番組を視聴している身としては、このメインとなる展開にどうしても辛いものを感じてしまうのだ。 ほぼ毎週信奈とサルは意見の相違で衝突していた。信奈の場合は一応「一国の主としての判断」が絡んで来るのだろうが、そこにサルという個人を介入させてしまう迷いみたいなものが不足している。毎回毎回、「サルのおかげで助かった」と思っていながら、何故か次の週にはその功績を忘れ、「サルの戯言なんか使えるわけない」と、今まで以上につんつんした態度に戻ってしまう。そうした「感情のリセット」はサルにも同様にあって、「可愛い女の子とのラブストーリー」として見た場合、その部分だけがどうしても不自然。序盤にあれだけ心を通わせたと思ったのに、中盤以降で「やっぱりお互いこれっぽちも信用してないやないか」と思うとショボンとしてしまうのである。結局、それが元でサルか信奈のどちらかが絶対絶命のピンチになるという展開もお約束だし、後半になると、サルは「どれだけの人から生かしてもらっているのか」ということを回りの人間から次々に説得されるのに、それも学習できずに「信奈のためにここで死ぬ」とわがまま勝手に暴れるばかり。どうも、キャラの考えていることが追いにくく、感情移入しにくい作品であった。 ま、どうしたって1クールのアニメ作品でイベントを繋げていこうとするとワンパターンになってしまうのは仕方ない部分ではあるのだが……もう少し話の展開にバリエーションを与えてくれた方が、付加価値がついて面白くなったんじゃないかな、と思うのである。いや、付加価値っていうのは光秀との料理対決とかではなくてね。 ただ、そうしたラブロマンスとしては不満はあったものの、真っ当な「タイムスリップもの」としての骨子は出来ていたし、落としどころとしては妥当であったと思う。ラストの比叡山焼き討ちの解題の仕方なんかは割と上手かったと思うし。ボスキャラがややショボかったのは残念だが、史実と照らし合わせるとこれは仕方ない部分だったか。あ、繰り返しになりますが、女の子は可愛いと思いますよ。ぼくは信奈ちゃんだけど、実は松永久秀も結構好き。あと、浅井とお市の性別ネタなんかはちょっと面白かった。であるか! というわけで中の人だが、やっぱり伊藤かな恵である。時点は矢作パイセンかな。ここ最近の作品で織田信長を演じた役者、っていうのも結構なラインナップだが、実は光秀を演じた人間を並べる方が迫力がある気がする。参考までに一部作品の信長→「若本則夫」「豊口めぐみ」「小山力也」「大久保瑠美」「伊藤かな恵」。光秀→「速水奨」「喜多村英梨」「田中秀幸」「日笠陽子」「矢作紗友里」。……やっぱバサラのギャグっぷりが半端無い。
「境界線上のホライゾンⅡ」 5→4
なるほど、分からんかった! なんや、そんな感想ばっかりだな。流石にアニメ視聴本数のキャパがきつすぎて1本1本の理解に割く時間が少なすぎる気がする。いや、それにしたってこの作品は無理だと思うけどさ。 やっぱり基本線は1期と一緒。それを考えると、「2期目なんだからそろそろこの作品世界にも慣れて、多少なりとも理解も深くなるんじゃないか」という期待はあったのだが、残念ながら、こちらの理解が追いつくスピードを上回る圧倒的速度で新キャラが増えていくという、あり得ない独走劇を演じられてしまった。そりゃ挫けるわ。いくらなんでもこの量は無理。もちろん、これで話に興味が湧けば、時間外の予習復習を重ねてバッチリ理解しよう、という意気も起こるのかもしれないが、この2期目はそういう意味では1期以上に弱かった気がする。いくら何でも視点が多すぎて、どこを中心に見て良いのかさっぱり分からないからだ。1期はトーリが「主人公」として(形だけでも)立っていてくれたので「トーリがホライゾンのために頑張っている話なんだな」という解釈が基盤にあったのに、2期になると全裸の主人公は本当に影が薄くなり、事態はより混沌とした方向へ突入してしまった。 バトルシーンだけでも時間的に相当長いが、それぞれのバトルが何を目的としているのか分からない、というのがまず1ハードル。1期も正純の対決で「ディベート」なんてよく分からない方式があったが、今回も作家どうしの対戦で不可思議なことをやっていたり、野球部軍団がよく分からないノックで戦っていたり、あらゆるレベルで視点が揺さぶられる。野球部軍団なんてどう考えてもギャグとして扱うべきキャラにしか見えないのに、あいつらも、エリザベスたちなどのメインの戦闘も、全て同じ温度で描かれている。正直、そこが一番理解出来ない部分だった気がする。シリアスなバトルをやっているのは良いし、忍者と傷有りのラブストーリーなんかは分かりやすいから充分見ていることが出来た。しかし、どうもそれらのシナリオラインを「メインにする」という比重の置き方ではないのだ。原作ファンから見たらひょっとしたら「どのバトルだって面白いんだから、全部がっつり描いてほしいんだよ!」ということなのかもしれないが、知識の乏しい視聴者は、寄る辺を失って途方に暮れるだけである。そういう意味では、より世界が広がってしまった2期の方が、1期よりもハードルは高かった。 まぁ、結局「分からんかった」で終わりなんですけども。忍者と傷有りメインの話は割と楽しかったんだけどねぇ。エロのバランスも良かったし、最初ギャグキャラにしか見えてなかった忍者も思ったより恰好良く見えたし。そこに集中できる構成だったら、もう少し腰を据えてみようかな、という気になったと思うんだけど。いや、腰を据えなくても良いのかな? 結局、「何かすげぇ賑やかなことが起こってるわ」というのを雰囲気で楽しむっていうのも、1つの見方だったのかもしれない。そういう意味では悪くない作品ではあるのだけど。今期は同じサンライズで「アクセル・ワールド」の方が見やすかったので、どうしても差が感じられてしまったな。 中の人については……やまとなでしこの2人が同じ顔でしゃべってたのが一番面白かったかな。この2人も本当に長いつきあいだこと。あとは……キャラが多すぎてあんま覚えてないけど……あぁ、そうそう、白鳥哲さんが相変わらず良い仕事してた。あの人の声は、ああいう癖のある人物造形で際だちますな。
初のリアルタイム視聴! 第26話。いや、だからって特に意味は無いのだが。
前回からの続き、闇の遺跡さんご提供の過去話シリーズ第2弾である。前回は3人分まとめて同時進行という無茶スケジュールであったが、今回はソニアさんと蒼摩という、お互いの因縁がクロスする2人をまるまる一本かけて描くという、尺に余裕のある構成。この2人は、今までの描写の量なんかも考えるとかなり愛されている存在な気がする。特に蒼摩は、主人公であるはずの光牙を差し置いて、一番さっぱりした少年漫画主人公体質なので、見ていて気持ちよくて良い。今回は作画も良好だったし、なんか、沙織なんか差し置いてソニアさんヒロインでこのまま進行したらいいんじゃないかって気がしてくる。まだ素顔を晒してないのが気がかりなところだけども。 だってね、ほんとに今回のソニアさんったらメインヒロイン。家庭の事情で悩む、心の成長のために努力する、そして、気になるアイツに助けられて心が揺らぐ。ほら、どう考えても主人公側。蒼摩に手を捕まれて引き寄せられるシーンは、もうそのまま2人で抱き合うんじゃないかとすら思えてしまったもの。こんなおねーさんにやられたのだから、きっと一摩さんも本望だろう。南十字星の聖衣がめちゃくちゃ格好悪くても気にしないくらいに。 でも、まさかあのソニアさんの初仕事がこんな適当な展開での白星だったとはなぁ。一摩さんはあれだけ余裕ぶっこいといて瞬殺されてるんだから、本当ならものすごく格好悪い役回りなんだよね。ソニアさんの決意が悲壮なものだからそのやられ役として映えてはいるんだけど、「小娘だと思ってよそ見してたらうっかり死んじゃったおっさん」と考えると、救いようが無い。まぁ、あれだけの衝撃事件だったからこそ、ソニアさんも一生忘れられないだけの事件になってしまったのだろうけど。「何故ソニアはたかだか一介の白銀聖闘士である一摩のクロストーンを持ち帰っていたのだろう」っていう謎は、今回のことですっきり解決しましたね。今までは必死に孤高を気取っていたソニアさんがあんなにか弱い乙女だったとはなぁ。アリアに続いての、強烈な新ヒロインへ名乗りです。今回の蒼摩との関係性を考えたら、やっぱりこのまま仲間入りするしかないな。 その他、一応残りの3人の闇試練のさわりの部分が描かれて次回へ。アリアがたくさんのアリアに囲まれてグルグルされてるシーンはちょっと可愛かったな。そして、光牙は「お前の小宇宙、闇だから−!」という、とんでもない謎かけを食らったぞ。これ、本当だったら割と面白いな。「アリアと光牙は謎の隕石が元で生まれた子供で、その精神状態によって光と闇を行き来する不安定な存在なのである」とかね。光牙ってこの期に及んでキャラが薄いから、いっぺん闇落ちしてみるのも悪くないかもな。代わりにエデンが加入すればバランスとれるだろ。 個人的に今回ツボったのは、ソニアさんの勇姿と、ショタ蒼摩の声。こにたん、無理しすぎワロタ。エデンはちゃんと別役で今井さん呼んでるんだから、蒼摩もキャスト変えたれよ。
「カンピオーネ!〜まつろわぬ神々と神殺しの魔王〜」 4→3
なるほど! 分からんかった! 最後の最後まで「あ、へぇ、ふーん」っていう話が延々展開される話だった。ぴかしゃと花澤、キタエリが牽引してくれなかったら途中で挫折してたと思うんだけど、挫折しても良かった気がする。 「はぐれ勇者」→「僕H」とならんで放送タイミング的にはこれがラストに来る作品だったのだが、この恐ろしい三連星を全て受けきるだけのキャパが私にはなかったようで、これを見る頃にはもうヘロヘロの状態。おかげで、ただでさえ小難しいことをしようとしているシナリオを把握するなんて夢の又また夢。結局、「なんか分からんがどんどんハーレムがふくらみ続ける奴の話」という程度の理解しか出来なかった。…………でも、それで大体あってるよねぇ。一応「神の争乱」というのがメインテーマとしてあり、古今東西、様々な歴史、神話に刻まれた「神」が戦いを挑んでくる、っていうのがこの作品なりのこだわり、というかメイン設定。かろうじて覚えているだけでもアテナと戦い、オシリス神と戦い、そしてペルセウスと戦った。んで、その神話の設定によって相手の能力が分かったり、もしくは相手の性質が変わって作戦を変更したり、なんかちょいちょいタクティクスなことをしていた気もするんだけど、結局いつも決着は「女の子が助けてくれたよ! ありがとう!」だった気がするのは気のせいだろうか。そもそも、これの主人公が気持ちよく誰かに勝ったシーンってあったっけ? ……分からんなりに観ようとしたら、結局分からなかったというオチでした。割と早めに思考放棄しちゃったからなぁ。毎度毎度「しんどいなら観るなよ」と自戒しつつ、一応ゴールインしたから感想的なものを書いておかなきゃ、というレベルの接し方ですよ。 結局これ、どうだったんでしょうね。原作ファンは満足したんだろうか。アニメから観てファンになった人はいるんだろうか。「古霊による戦争」というと、ちょっとニュアンスは違うが最近は「Fate/Zero」という大看板があった。あちらはシナリオラインもさることながら、とにかくufotableの超絶作画でバリバリ見せる、というのが最大のセールスポイントで、あれだけの「大戦争」をコントロールしきったあおきえいの手腕には惚れ惚れしたものだ。こちらの監督は草川啓造、アクションシーンの演出統制なら手慣れたものだと思うのだが、どうも今作のバトルエフェクトは今ひとつだった気がする。大量の剣が乱舞する技(通称アンリミテッドブレイドワークス)なんかも、あまり個々の武具にこだわりがあるように見えなかったから単なる散弾レベルだし、かといって「駆け引き」みたいな面でみせようとしていたとも思えない。そもそも主人公の能力(山ほどの動物)の効果と制限を視聴者が知らない時点で、何をされたって「ふーん」どまりなのである。「ホライゾン」みたいに設定に溢れすぎてギブアップしたいラノベってのはちょいちょいあったが、これはそんな「設定溺死」作品の中でも、ちょっと制作者側に配慮が足りないと思える残念なものだった。設定とかさ、バトルの制限なんかを観ていたら割と厨二心をくすぐられるものだとは思うんだけどねぇ。作るだけ作っておいて、それを活かすだけの筆力がないんじゃなかろうか。 草川作品ということで応援したかったのは山々なのだが、残念ながら今回はスルーで。中の人的には、「はぐれ勇者」とは違って「いつも通り」のぴかしゃがおり、狂言回しとして花澤・キタエリらが配置されているというのは基本形。似たようなセッティングで「オカルト学院」だったらすごく面白かったのに。あと、小倉唯が順調に仕事を重ねており、ここではクール系の役で一稼ぎ。悪い仕事じゃなかったとは思うが、流石にあのエンディングはどうかと思う。何事も向き不向きはあるんやで。あ、でもアテナの中から出てきたメティスがきゃりさんだったのは笑った。わざわざ同じ顔のキャラ演じなくてもええやん、っていう。 |
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HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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