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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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<以下の文章は、放送当時に執筆されたものである>
 
 
○第11話「滲んだ頁」
 脚本・高木登 絵コンテ・名村英敏 演出・吉田俊司 作画監督・安田京弘、野尾高広

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幽霊の最後の反乱、第10話。序盤の方は見ていて冷や冷やしましたよ。この作品の事前予告で亮介が言っていた台詞は「寝取りますから」だったわけだが、まさか肉体そのものを「生き取られ」るんじゃないかと。どんなホラーだ。

 今回は亮介君(の中の人)が大忙しの、「次第に現実に戻り始める」ターンとなっている。ただ、亮介君自身は気が気でない状態で、いきなり夢世界の店長が反旗を翻し、自らの葬式に導いてくれるというサプライズ。「どれだけお人好しだ」と言われていたが、島尾に身体を貸す約束をしたときは、べろんべろんによってましたからね。意識がもうろうとした状態に契約を持ち込むなんざ、どこぞの白い悪魔よりも質が悪い取引だったのよ。結局、島尾のやりたい放題を止めることは叶わず、亮介君は哀れ海の底。生身と幽体が決定的に入れ替わってしまった。

 しかし、このまま生者が死者に取って代わられるホラー展開だと誰も得をしないが、流石に今まで組み上げてきたこの物語がそんな終わり方をするはずはない。散々憎まれ口を叩いて好き放題やっていた島尾だったが、内心ではこの状況がどれだけ異常なものであるかはちゃんと理解している。わがままだし、自己中だし、どうしようもなく苛つく存在なのは間違いないのだが、この男は一応「大人」なので、どこまでが自分の出来る限界なのかは、おそらく分かった上での振る舞いなのだろう。なし崩し的に正体がばれてしまったことを大人しく受け入れ、そのままピクニック気分で念願の六花さんとのお食事会へ突入したにも関わらず、それが「最後の晩餐」であることは覚悟しているようである。

 もちろん、そんな島尾の覚悟は知る術もない亮介は慌てる……わけでもないな。最初のうちは変わり果てた自分の姿を見て細かく突っ込みを入れるなど忙しそうにしていたが、途中から無力感に疲れたのか、だんだん適当になり、最終的には幽体として漂っていることを楽しんでいるようにすら見えた。この若者、やはり図太い。六花さんの惚れる男は、なんか色んなところでズレた連中な気がする。いや、こんな超常現象への正しい対処の仕方なんてしらないけども。

 乗っ取る側、乗っ取られる側、双方が現状をおよそ理解しており、利害関係も実はそこまでかけ離れているわけではない。「納得いく死別などあるはずがない」と亮介は独りごちていたが、島尾だってそんなことは重々承知しているわけで、多少のわがままに付き合ってくれている気の良い若者のことはいくらか気にしつつも、どこかで蹴りをつけて、この関係を終わらせることになるのだろうことは分かっている。一夏の思い出としては、できすぎたくらいに愉快な記憶である。

 ただ、そうも言っていられない人が約1名。島尾の存在に気付き、それを受け入れた六花さんその人である。目の前にいるのは良人だ。それは分かる。しかし、それではどこからどこまでが島尾だったというのか。あの海は、あの夜は。別にそれが島尾であることは構わない。だが、「葉月亮介という存在はどこにいるのか」という疑問が出ることによって、どうしようもない彼女の心情が問われることになる。目の前の男が島尾篤であるなら、自分は同じ人物を2回好いたことになる。それはそれで問題は無いだろう。しかし、その前段階に、別な男の存在があったとしたら。その感情は嘘だったのか、島尾はそれを知っているのか。島尾には六花しかおらず、亮介にも六花しかいない。だが、六花には島尾もいれば亮介もいる。この齟齬を、どのように埋め合わせれば良いのか。改めて故人の前に持ち出された「現在の感情」を前に、幽霊は何を思うのか。クライマックスである、修羅場ともいう。

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<緑>

Bramblecrush/茨潰し(ISD)」 U

 もう、土地を壊すのは赤より緑の方が得意なんじゃないかな、とか思ったが、気付けば最近引っ張りだこの「酸のスライム(M13)」さんが退場か。ランデス冬の時代が続く。

 

Briarpack Alpha/茨群れの頭目(DKA)」 U

 意外なところからの延命再録。いや、お前がいたらからどやねん、っていう話ではあるが。そういや基本セットの緑って大体瞬速枠があるんだな。

 

Brindle Boar/斑の猪(M12)」 C

 肉がうめぇというより、軟骨がうめぇのよ。多分。

 

Deadly Recluse/命取りの出家蜘蛛(M13)」 C

 安心安全の2マナ蜘蛛。大丈夫、「空殴り」も接死は持ってない。

 

Fog/濃霧(M13)」 C

 「フォグ系」「ジャイグロ系」という言葉が安心して通じる世界。

 

Garruk’s Horde/ガラクの大軍(M12)」 R

 1年だけ休んで帰ってきたガラクの大量のお友達。書いてあることはそりゃ強い。ほら、これと一緒にメーレクさん入れておくと(ry

 

Giant growth/巨大化(RTR)」 C

 おかえり! ……あれ、お前、こないだもいたよな。そしてやたら活躍してたよな。

 

Giant Spider/大蜘蛛(M12)」 C

 帰ってくるならなんで前回休んだん?! 幻滅しました。インドリクさんのファンになります。

 

Gladecover Scout/林間隠れの斥候(M12)」 C

 さしもの私も「これって再録……だよね?」と不安になるレベルでの地味キャラ。一応「緑は呪禁色」ということを端的に表すカード。

 

Howl of the Night Pack/夜の群れの雄叫び(M10)」 U

 今更狼出してもボチボチ狼男は根絶されるぞ(既にいないという噂もある)。まぁ、リミテッドだと単体でクソ強いんだけどな。

 

Lay of the Land/地勢(APC)」 C

 「へぇ、今回は地勢になるのか。まぁ、定番か」と思ったら、実は初の再録だったという事実。似たようなカードが多いせいか全然久しぶりって感じじゃないな。

 

Naturalize/帰化(GTC)」 C

 知ってた。

 

Plummet/垂直落下(M13)」 C

 安定の緑除去。いや、構築で見たことはないんだけども。リミテッドだとメインで入れておきたい欲求ががが。

 

Ranger’s Guile/レインジャーの悪知恵(ISD)」 C

 緑の呪禁推しが半端無い。基本セットでこんなん使われたらイラッと感が半端無い。

 

Rootwalla/ルートワラ(10ED)」 C

 久しぶりに基本セット入り。「あぁ、緑色の眼魔ね」とか言われると、ちょっと隔世の感。

 

Scavenging Ooze/漁る軟泥(CMD)」 R

 再録って言っても、統率者戦からのカードなのでぼくは実際に使ったことも使われたこともない。たまにレガシーなんかのフォーマットで使われているのを見て「なんだこいつ」って思ってた。なるほど、確かに無闇に強そう。なんでこいつ2マナなん?

 

Trollhide/トロール皮(M12)」 C

 リミテッドだとすこぶるウザイけど地味オーラ。無理矢理比較すると、これが「怨恨」の代わりに入ってきたとも言えるわけで……

 

Verdant Haven/新緑の安息所(GTC)」 C

お馴染み「再録する意味ないやないか」枠。マナコントロールカードが被るってのは、かなりのハズレ感。今回これと「地勢」かよ……。

 

Windstorm/暴風(M10)」 U

 やさしいハリケーン。優しい雨の仲間。ハナガ……サイテョ。

 


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 覚醒稲葉に待った無し、第10話。日本よ、これが沢城だ。

 先に書いておくと、今回のシナリオってかなり紙一重だと思うんですよ。こと伊織と姫子の言い合いのシーンなんかは、「流石にラノベ的だなぁ」と思うような言い回しがちらちら見えてどこか落ち着かない部分があったし、何よりふうせんかずらの振る舞いが腑に落ちない。彼が「終わらせよう」と思った契機は一体なんだったんだろう。元々「面白いから」という理由だけでやっていることに疑問を差し挟むのも無駄なことなのだろうが、「ヒトランダム」の時には伊織の入院、死の危険(のふり)という大きなイベントがあったからこその打ち切りだったと解釈しているのだが、今回の「キズランダム」において、ふうせんかずらが満足するような何かが起こっただろうか。姫子の改心がそれなのだとしたら、ふうせんかずらも随分優しい存在だったということになる。

 また、ラストでわざわざ登場して姫子を煽った動機も謎だ。あそこで姫子に余計な心配をさせた悪戯は、「ヒトランダム」のときの煽りに似たような部分はあるが、影響を受けたのが姫子1人であるという点が決定的に違う。前者は「ここで誰か一人が死ぬっていう条件を突きつけたらどうなるのかな」という興味があればやったかもしれないが、後者の場合、姫子が慌てて駆けつけて「なんちゃって」というだけで終わることは目に見えているのだから、わざわざやる必要が無い。仮に伊織と姫子の争う様子が見たかったのだとしたら、伊織の身体を乗っ取って姫子にだけ伝達したのは不充分な仕込みといえるだろう。まぁ、「何となくそうしたかったから」と言われるとそれまでなんだけども。

 などと、気になった点を挙げてみたものの、やはり今回は今作の大きなターニングポイントとして印象深い回となった。当然、主人公となるのは姫子と伊織の2人である。姫子の方にばかり目がいってしまいそうになるので、あえて先に伊織の方のメンタリティも追ってみたい。伊織が姫子の感情に気付いたのは、彼女が傷ついた自分の指を見つめて取った行動がきっかけだった。それ以前の慌てふためく様子なんかもヒントにはなっていただろうが、あれだけの仕草から的確に姫子の心情を指摘してみせたということは、おそらく伊織は以前から予感めいたものはあったのだろう。それが蓄積していたからこその、「欲望解放」だったと考えるのが自然だ。

 姫子に向かってたたみかけるような欲望解放は実に良いタイミングで発動した。彼女の持っていた欲望というのは何だったのか、今となってははっきりしないが、「真実を知りたい」という欲望、もしくは「自分の気持ちを伝えたい」という欲望だっただろうか。一目見てそれが異常な状態であると気がついた姫子は、険しい顔で自分を問いただす伊織の気持ちが、嘘偽りの無い真実であるとすぐに理解出来ただろう。だからこそ、見たこともないようなしおらしい様子で、諾々と伊織のペースに流されたのである。伊織の持っていた感情、その中でも「稲葉が好きである」というのが本当だと分かったからこそ、今までひた隠しにしてきた弱い自分を晒したのである。普通の展開なら「愛情と友情の両立なんてちゃんちゃらおかしい」ってな意見も出てくるべきところなのだが、伊織の持っている強烈な仲間意識に支えられ、この一触即発の三角関係を容易く形成する基盤が整えられた。そうしてみると、永瀬伊織というのは実に器の大きな女性である。

 対比的に、今回は弱さばかりが際だったのが稲葉姫子ということになる。自分が本当はどう思っていたのか、そして、認めたくない感情からどのように逃げていたのか。全てを白状させられた姫子は、なんとも弱々しい存在だった。伊織の言を借りるなら、それもひっくるめた「本当の姫子」ということになる。取り繕ってきた「完全無欠の稲葉姫子」は瓦解し、残ったのは年相応の可愛らしい少女であった。そして当然のことながら、こちらの方が何倍も魅力的なのだから困ってしまう。子猫のように怯える姫子も、同級生に人生相談してしまう姫子も、身も世もなくなきじゃくる姫子も、自分のしたことの恥ずかしさで身もだえする姫子も、今まで見たことが無い姿なだけに、致命的な破壊力。ほんとに、それだけ。

 個人的には、今回は女の子どうしの絡みがメインとなったので、その部分だけでも楽しかったです。でも今作は百合作品ではないのです。仕方ないので、藤島さんに頑張ってもらうかなぁ。姫子が太一とくっつくことになれば、自然と伊織はあぶれてしまうわけで、そうしたら藤島さんが美味しく頂けばいいじゃないの。よく分からないキャラ付けでどんどん良い人になってるわよ、藤島さん。この人将来何になりたいんだろうな。

 今作で実に気が利いているな、と思うのは、今回のプロットのように、「絶望的な状況、災難としか思えない設定が、最終的にプラス方向に転じる要素を見せられる」という部分である。「ヒトランダム」の時には太一の機転という訳の分からない形で唯たちを救うのに一役買っていたし、どう考えてもデメリットだらけだと思えた今回の欲望解放も、伊織と姫子の対話を成立させるための重要なファクターとなっている。欲望解放が無ければ、頑なな姫子があそこまで観念して本音をぶつけ合うことはなかったわけで、いつの間にか「終わってみれば良い思い出」みたいな扱いになっているのである。まぁ、自宅謹慎食らった唯からしてみれば洒落になってない思い出ではあるのだが。こうして表面的には「ファンタジー」な作品なのに、落とすところは「青春群像劇」で処理しているのは、なかなか上手いな、と思える部分。

 上手い、といえば。やっぱり、中の人の話ですよ。こちらも先に挙げておきたいのは、伊織の中の人、豊崎だったりする。今回の伊織の欲望解放のシーンは、普段の伊織のキャラから遊離させる必要があるにも関わらず、「意外と激しい奴」としての伊織を維持しなきゃいけないという紙一重のバランスである。しかもクライマックスで台詞が全力全開ラノベ節という、非常に厳しいシーン。これを成立させられるあたり、やっぱり持ってるなぁ、ということは感じる。

 あとはまぁ、稲葉の中の人ということで。なきじゃくるところでクライマックスかと思ったら、最後の校舎裏のシーンで憤死ですよ。あの姫子は反則だわなぁ。みゆきちの自由自在の年齢幅の上げ下げが激しく、乱高下のせいで酔うかと思ったわ。最近はかわいい系のみゆきちボイスがなかなか聞けないので、このまま姫子さんには頑張ってもらいたいものです。

 余談だが、今回のエピソードで伊織が姫子を励ますシーンで「自分が好きな稲葉をもっと信じろ」みたいな台詞があったわけだが、なんだか稲葉の中の人と後藤沙緒里のエピソードを思い出させる。イイハナシ。「お前が信じる俺を信じろ」は結構な殺し文句ってことですな。

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 教頭がロボット兵器なら紗羽ちゃんは超人、第11話。なんだあのスペックは。あんな狭い空間で突如バク転出来る運動神経があるのかよ。即興で振り付け担当なんて無茶ぶり以外のなにものでもないのに、何で出来そうなんだよ。歌って踊れて馬に乗れて弓まで扱える完璧超人めが。しかもビキニアーマーがきわどすぎるぞサワーニャ。乳もヤバいが下もすげぇヤバい。

 物語は急転直下、とはいえ、このあたりの展開までは予想された未来の1つだったので、そこまで驚きの展開とは言い難いか。まぁ、改装改築だけだったら教頭たちがあんだけ落ち込む必要は無かったわけで、やはり突然舞い降りた結末は「取り壊し」しかない。……どうなんだろうねぇ。確かに少子化に歯止めがきかない現代日本において、私立の専門学校はなかなか厳しいのは間違いないだろうけども……少子化で悩む地域にマンション作るのはええんかい、っていうね。なんかね、あんまりあの学校が経営難と結びつかないのよね。あまりに校舎が綺麗すぎて。しかもどう見ても新築っぽいのさ。今週紗羽ちゃんと和奏が話してたトイレなんかも、めちゃめちゃ綺麗だったでしょ。あれで築20年以上とか言われても信じられないよ(まひるさん達がOGなんだからそれくらいは経ってるはずなんだけど)。それがついにつぶれてしまうというのだから、そりゃぁ衝撃である。白祭中止を言い渡された学生たちもそうだが、仕事場と母校を同時に喪失してしまう教頭のショックは特別なものがある。そりゃぁ電池も切れるってもんだろう。

 学園祭が無くなる、だけならば青春ドラマならどうにかなる。過去には似たような設定のアニメもちょいちょいあったし、「歌」というキーワードからイメージするのは何故か「まなびストレート」だったりもする。学校側が何か無茶なことを言い出すが、主人公を中心とした生徒たちが一丸となることでそれを阻止してハッピーエンドに持ち込む、それが学園ドラマのテンプレートだろう。しかし、残念ながらこのアニメの場合、取り壊しについては待った無し。校長も教頭もしょげかえっているので大人を巻き込めば何か大きなムーブメントになるかも、とは思うのだが、いかんせん上からの強権が大きすぎる。既に重機のたぐいが校内に入っており、多分今から取り壊しを阻止しちゃったら、それこそ億単位の損失もあり得る話。「この学校はもう終わる」、それは決定事項のようだ。

 あまりにも無体な状況になすすべもない合唱部の面々。まぁ、元々白祭に向けての準備自体がかなりのムリゲーっぽかったのだが、それでも無くなってしまうと言われればしょげてしまう。各人がそれぞれのシナリオで目標を見いだしかけていた状態だったのだが、そんな中でどうしようもない上からの圧力がかかって1つの目標が挫けてしまうというのは、ちょっと奇妙な構図ではあるが、これも1つの「若者の夢がくじかれる図式」と言えるのかもしれない。たとえば前回個別シナリオを終えたウィーンは、小道具作りというミッションに並々ならぬ情熱を燃やしていたが、それが必要無くなった。進路を模索することで新しい未来を探る紗羽は、やったこともない振り付け製作に困惑していたが、実際に作業を始めた彼女は間違いなく輝いていた。それなのに、彼女の新しい目標はあっという間に閉ざされてしまったのだ。美術部との交渉がうまくいった大智、声楽部との折り合いまで付けて歌を歌おうとした来夏も、同じようにして「とにかく目の前に作った目標」を挫かれてしまったのである。

 ここで「何が何でもやりたいんだ!」という流れで暑苦しい青春にはならない。何せ、来夏以外の面子は結局「巻き込まれて」流れでやっていた作業なわけで(大智に至っては結局役職を全うできなかったし)、駄目だと言われたら悔しいには違いないが、そこは大人しく諦める程度のことだ。皆を煽動していた来夏だって、中止と言われて暴れるようなことも出来ない。自分だけでなく、あの憎らしい声楽部も、教頭も、同じように白祭の中止にはダメージを受けているのだ。自分だけがどうこう言っても仕方ない状況なのである。

 そんな中でも、ただ1人だけが全く迷いを持っていなかった。ここにきていよいよ出てきた、主人公坂井和奏。白祭の中止でみんなの顔色がどんよりと曇り、抗えない流れの中に「仕方ない」を抱え込んでいた中で、和奏だけは一切笑顔を崩さず、回りを気にせずに目標に走り続けた。夕暮れの廊下に集まる5人の構図で、明らかに和奏だけは「変わらない」姿勢を維持し続けていたことが対比的に描かれている。彼女にとって、白祭はあくまで「自分の目標」の部分の1つでしかない。彼女は「白祭が出来なくなること」をさして問題とは考えなかった。彼女にとって必要なのは、あくまで「歌を作ること」であって、「白祭を成功させること」ではなかったのだから。

 彼女を見れば、他の面子だってそうだったことに気づける。白祭が出来ないからって、彼らの持った夢には何ら変わりはない。だったら、自分たちの力で、自分たちの「白祭」を作ってしまえばいいのである。ようやくゴールが見えた。彼女たちがやるべきは「学校生活の最後の歌」をやりきることだ。それはもちろん、この学校の最後ということにもなるだろう。それならば、教頭だって目標は違わないはず。もちろん、教頭の積み重ねた年月と、和奏たちの年月は意味が違う。教頭から見れば、和奏たちのやろうとしている「歌うこと」はひょっとしたら子供のお遊びに見えるかもしれない。それでも、その背後にまひるさんがいるのだから、彼女は理解を示すことは出来るはずだ。

 さぁ、どうなるんだ、ロボット兵器。

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 どんなイベントなのか、告知を見ても見当がつかなかったのでちょっと悩んだのだが、わざわざ近くに声優さんの方から来てくれるってんだから、やっぱりいかない理由は無かろう。ということで、行ってきました京都文教大学。企画タイトルは「京都文教大学社会学部 開設記念講演会・アニメ『らき☆すた』聖地鷲宮から学ぶコンテンツツーリズムーアニメ声優・商工会職員・研究者と考える地域振興ー」というもの。……ほら、やっぱりわかんねぇ。一応「オープンキャンパスの一環」って言ってるし、メインの登壇者は大学の講師だし、どんなイベントなのかは未知数。これでいざ言ってみたら回りに真面目くさったおっさんが固まってたらどうしよう、とか一瞬不安もよぎったのだが、今をときめくアイドル声優2人呼んでおいてそんなわけないよね。
 
 一応、不安はあったので一時間ほど前に会場入り。話によると朝7時から並んでいた剛の者もいたらしいが、実際には一時間前の段階でも会場の前列1/3程度が埋まっているくらい。講堂クラスの大教室だったので、キャパは500人といったところだろうか。それなりに前の方に席が取れたし、最終的に講堂は大体埋まるくらいのレベル(いかにも講義らしく、ちらほら席に隙間が空いているくらいの状態だったので、多分入場者は400〜500程度と思われる)。まぁ、やっぱり企画が怪しいから遠慮した人もいたのかもね。
 
 オープンキャンパスということで、メインとなる講義開始前には学部の案内アナウンスが入る。「これこれこういう学部があって、こういう売り文句で学生を募っていて」という話。ただ、いかんせん観客の大部分は明らかに入試など金輪際縁のないおっさん、もしくは少なくとももう受験はしたくない学生だらけなので、しゃべってるメインの先生(講義をやる岡本健という先生)も半笑い。ただ、声優を呼ぶっていう時点でどういう客層が来るかは既に理解済みだったようで、いかにも講師らしい、軽快なしゃべりのおかげで観客との相性は悪くなかった。まぁ、そもそもこんな企画を実行する時点で、先生自身も「そっちの気がある人」なわけで。オタク連中の扱いは手慣れたもの。ただ、やっぱり「講義」っていう意識があったのか、最初の説明が終わった後に起こった拍手にはびっくりしていた。そりゃ、声優イベントならことあるごとに拍手するけど、講義で導入が終わって拍手が起こることはないだろうさ。
 
 今回の主旨となる「コンテンツツーリズム」についての概念導入を15分ほどのレクチャーで済ませ、いよいよゲスト入場となる。鷲宮の商工会の人と一緒に現れるかとふくの2人。前日にツイッターで散々京都を歩いていた写真が出ていたので、なんか「おー、ほんとに来てた」みたいな印象。大講義室だったおかげで多少距離があったのであんまり細かいやりとりが出来るロケーションではなかったのだが、まぁ、この2人はいつも通りのテンションでしたね。ホームグラウンドじゃない特殊なイベントだったので多少緊張してた、というか探り探りだった部分はあったものの、互いに気を遣わなくていい手慣れたコンビだし、一緒にいた鷲宮商工会の人とも何度か交流があったおかげで顔見知りだったこともあり、トークは終始和やかムード。
 
 やってる内容は、まぁ、ネット上でネタにされてるようならき☆すた神社の今昔物語ですね。大学の講義っていうのはちょっと緩い、でも、声優イベントというにはちょっと固めで色々生臭い、そんなお話。適度にネタ動画やスライドも交えてしゃべってくれていたので、90分眠くなることもなく、主催者側の想定した通りの楽しみかたは出来たと思います。まぁ、メインでしゃべってる岡本先生はちょっとオタク連中に気を遣いすぎ、とは思ったけどね。自分のホームなんだからもう少し「講義なんだ」っていう自信を持ってしゃべってもらっても良かった気がする。ずっと平身低頭じゃ、不純な(?)動機で聞きに来たこっちが申し訳なくなっちゃうよ。いや、ありがたかったけども。
 
 で、あとはメインの(?)2人のことですよ。福原香織は、多分髪を切ってから初のイベントじゃなかろうか。ツイッター写真なんかだと、ロングに慣れてる身としては「なんか思い切っちゃったなー」程度の印象だったけど、今日は衣装と合っていたこともあり、「短くした方がいいかも!」と思えるくらいのものだった。そして、これまでの鷲宮関係のイベントはほぼ全てに携わっている「らきすた大使」みたいな立ち位置のおかげで、今回の講義のテーマにそったトークがきちっと出てくるのが好印象。こうしてみると「らきすた」は本当に愛されてるなー。今日も何回か出てきた言葉だけど「二期」はあるのかねぇ。
 
 加藤英美里の方は、まぁ相変わらずですわな。前日にちゃんと「アドリブアニメ研究所」を見て気持ちの準備をしていったので耐えられたが、遠目で見ても分かる可愛らしさである。これは2人に共通して言えることなんだが、イベント中ずっとやたら姿勢がいいので、綺麗さが倍増しに見えるのかもしれない。声優さんってのは発声のためにいつでも姿勢を気して生活しているんだろう、椅子に座ってもしゅっと背筋が伸びていて、すごく真面目な印象になる。当然発声は圧倒的であり、登場時に他の登壇者と同じマイクでしゃべってるのに、この2人だけうるさいくらいに音量が違うという。「声優たちが集まった飲み会は声のでかさが桁違いだからすぐ分かる」という業界あるあるを聞いたことがあったのだが、あながち嘘じゃないんだろうな。ものすごい声量だもの。
 
 とりあえず今期一発目の声優イベントは、ちょっと変化球だったけどもお手軽に堪能出来ました。こういうイベントが出てくるあたり、現代の声優産業の特殊さがよく分かる。ちゃんと人が集まるしなぁ。ちなみに、客席には鷲宮を支える精鋭のらきすたファンも駆けつけているらしく、商工会の人からは何度か客席いじりをされていた。御輿担ぐだけじゃなくて、御輿作るとか、わざわざ上海の万博まで御輿を届けて担ぐとか、何がそこまで狩り立てるのかと畏敬の念すらいだくパワーを持つ純血のらきすたファン。すごい存在である。他には、最前列に「七森中歌合戦」のTシャツ着た人も。うむ、中の人的には合ってるが、イベントの銘柄にあわせようよ。まぁ、多分ファンの人も今回のイベントがどうなるかは探り探りだった部分はあるんだ。声優登場! と同時にリウムを取り出して振りだした人もいたのだが、回りが制止したのか、「これは違う」と思ったのか、すぐに引っ込めてたし。まぁ、良いバランスの客席だったんじゃないかしら。
 
 かくいう私の隣には、真面目にルーズリーフを取り出して熱心に講義をノートに取る若者が。「高校生なのか、ちゃんとオープンキャンパスの目的にそって参加しているんだな。俺みたいなおっさんが参加してたら申し訳ないか」と思っていたのだが、とりだしたペンケースには「Sphere」の文字が。……うーん、グレーゾーン。

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 燃やせ命のライオネットボンバー! 第23話。集結イベントと見せかけて、実は蒼摩の修行と成長を描く蒼摩メイン回だったでござる。「敵陣突入!」っていうサブタイトルのような緊張感は無かったものの、暑苦しいバトルシーンにお約束の友情描写、そして久しぶりの噛ませ臭全開の白銀聖闘士と、この作品のテイストがちゃんと思い出せる回になっています。

 どこで示し合わせたのかさっぱり分からないが、気付くと再会している光牙組と栄斗組。のんきに飯を食いながら「ちょっとバベルにでも行ってみるかぁ」というお話。「忍者を舐めるな」とはおっしゃいますが、何で敵陣本拠地の情報まであっさり入手出来てるんだか不思議で不思議で。その能力があるんなら、お前ら忍びだけで何とかアリア奪還くらいやってみせてよ。龍峰も一緒に行動してたんだったら、「なんだこいつ、いつの間にそんな情報手に入れるんだよ……」と気持ち悪くなってもおかしくないんだがな。スパイ疑惑が湧かないのはやっぱりこいつらが基本的にアホだからなんだろうか。

 そして、「たまたまほとんどの白銀聖闘士が出払っている」という、とてつもないラッキータイミングで突入をかける4人。バベルを守っているのは私闘に明け暮れることに一切の躊躇いが無いという、将としては問題有りのソニアさん。唯一守りについていたのが「パーフェクトスクェア!」という素晴らしい防御技のみをもつ盾座の人だけ。こりゃぁ本当に風が来てます。ただ、やっぱりソニアさんは普通に強かったらしく、栄斗・龍峰コンビをホーネット・スティンガー一撃で吹き飛ばすという活躍を見せる。前回蒼摩と戦った時は火の遺跡という相手のホームで戦ったからこそ後れを取ったわけで、ハンデが無い状態ならばまだブロンズごときに負ける人ではなかったらしい。

 しかし、そこに登場するのが因縁の蒼摩なわけだ。彼の修行イベントについては「回想で描かれただけ」というちょっと軽い扱いであるが、教えを請うたのがあの邪武だった、というのがサプライズである。登場時はどこか主人公のライバルキャラに見えていた邪武。その割には単なる跳び蹴りしか撃てない邪武。気付いたらレギュラーキャラでも何でもなかった邪武。最終的な思い出としては「沙織さんの馬」というキャラしか残らなかった邪武。アナザーストーリーのユニコーンの方が圧倒的に出番が多かった邪武。そんな邪武だが、ひよっこ聖闘士から見れば立派な大先輩だ。なにしろ、先代ライオネット、蛮さんを倒した因縁の相手だ。彼に教えを受ければ、きっとライオネットの魂が呼び覚まされるに違いない。

 邪武の描写についてはほとんど具体的な説明はなく、なんか砂漠っぽいところでテンガロンハットを被り、馬に乗って登場するという、聖闘士星矢というよりもテリーマンを意識したような現れ方。「昔は聖闘士をやっていた」とさりげなく引退済みであることを臭わせながらも、心身ともに落ち着かない蒼摩を見て「そんなんじゃ俺にも勝てない」と先輩風を吹かせる。でも、割と貫禄はあったなぁ。ひげなんか生やしてちょっとダンディさを演出した引退聖闘士は、あれだけアテナに忠誠を誓っていたはずなのに「アテナへの反逆者」の触れ込みであるはずの蒼摩に快く力を貸してくれた。以前の氷河たちといい、こいつらはマルスのお達しについては全然聞き及んでいないんだろうか。

 しかし、引退した身とはいえ、地力で聖衣をもぎ取った先代聖闘士もなかなか馬鹿にしたもんではない。二人で暑苦しく修行した結果、蒼摩は目に見えるほどに成長を成し遂げ、奥義(?!)ライオネットボンバーを習得。多分邪武から先代ライオネットについての情報を得ていたのだろう。「必殺技? あぁ、そういや蛮がなんか叫んでたな。一コマだけwww ボンバー!とか言ってwww あれやればいいじゃんwww」みたいなサジェスチョンがあったに違いない。これが受け継がれる魂かー。

 しかし、実は意外に馬鹿にしたもんでもないライオネットボンバー。光牙が感心していたところを見るに、おそらく「ライオネット・バーニングファイヤー」よりも威力は高い。盾座のおっさんなんか瞬殺であるし、因縁の再戦を果たしたソニアさんからも太鼓判。彼女の大技と相打ちになるという栄誉を賜った。まさかこんなにも早く再戦が叶うとは思っていなかったが、ソニアさんも今回は全力で挑んでくれたおかげで、なかなか良いタイマンバトルになったのではなかろうか。ホーネット・スティンガー以外にも「トワイライト・マリオネット」なるオリジナル技も披露してくれたし、ソニアさんも案外多芸である。蒼摩の親父さんの因縁を残して次への布石を残し、今作のライバル関係の中では一番見栄えのする二人は、再び別れたのであった。

 実を言うと、蒼摩の設定ってなんだかんだで恵まれている。ソニアさんがライバルキャラとしてきちんと引き立ててくれているのに加えて、5人の中では光牙についで2番目に修行シーンに力が入っていたのだから。現時点での修行プロセスは、光牙が氷河との直接対話という一大イベントであり、蒼摩が一応レジェンドである邪武とのトレーニングで2番目。そして栄斗は「忍びの父親」(笑)で、残りの2人に至っては修行すら出来ていない。まぁ、龍峰はあんまりしんどいトレーニングに励むとぶっ倒れそうで怖いけど。あいつの場合、何が起こっても「紫龍の血」っていう売り文句で逃げ切れるだろうしね。

 さぁ、いよいよ次回はエデンとの再戦だ。雷の遺跡でのバトルってことは、当然このままエデン改心イベントも用意されているってことだろう。二人の間で揺れ動くアリア嬢がどうなるのかも注目したい。あと、シャイナさんが何か大事なことを言うらしいのだが、果たして光牙の宿命とは? ごめん、あんま興味ないな。

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9月7日 ドラフト模様(キューブ×3)
ピック順 【Sangriter】→【Serra】→【Alessi】→【Thraxi】→【Mei】→【Metallica】→
 キューブ3回目。流石に、こんだけ手間をかけた企画だと案外飽きずにやってもらえるもんですね。毎回毎回ピック中に聞こえる悲鳴が愉快で仕方ない。やろうと思えば似たような企画でオールシーズン出来そうやな……まぁ、これってその時期のドラフトにあんまり魅力がないっていうのが条件になると思うんだけど。アヴァシン環境はなー、悪いってわけじゃないんだけど、どうもパンチが今ひとつなー。やっぱりラージ1本のドラフトよりも色んな種類のパックが剥ける方が楽しいと思うんだ。その点、次のラヴニカの組成はよく考えたと思う。期待したいところですよ。
 次週は連絡通りにお休みになります。翌週からの残り2週は、パック消化の必要からアヴァシンに戻ります。もしくは、欠員が出たらイニストも可。しばらくタダのドラフトが続いたから、金払うのに抵抗が出そうで怖いな……

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Skyline Predator (4)(U)(U) U
クリーチャー・ドレイク
3/4 飛行 瞬速
 
 ん? お、おう……なんだこれ。多色でおかしな嵐が吹きすさぶラヴニカ世界にしちゃ普通過ぎる。特別弱いというわけではない。3/3で同じ能力の「フェアリーの侵略者」が5マナなんだから、タフネスが1増えて6マナでもまぁ、分からんではない。ただ、あちらはコモン、こっちはアンコモン。タフネス3と4の間には除去耐性で大きな差があるとはいえ、5マナと6マナの差はそれ以上に大きい。わざわざレアリティをあげてまで習得したいものだったのかと言われると、とてもとても不思議なのである。そして同じ環境には何もかもが上で比べるのも馬鹿馬鹿しくなる「解放の天使」がいたりいなかったり。もう、こいつが世をはかなんで自死を選択しても文句言えないレベル。リミテッドでも使われるかどうか……
 
 
Syncopate 中略 (X)(U) U (オデッセイから再録)
インスタント
対象の呪文を、そのコントローラーが(X)を支払わない限り打ち消す。
その呪文がこの方法で打ち消された場合、それを墓地に置く変わりに追放する。
 
 思わず「ほう」とうなってしまった何とも懐かしい再録カード。オデッセイの時にはコモンの基本カウンターとしてリミテッドでお世話になった「中略」の再録である。オデッセイ当時は墓地環境ということでこのリムーブ効果も意味があり、「象の待ち伏せ(ODY)」とか「炎の稲妻(ODY)」なんかがカウンター出来たら気持ちよかったものである。現在の環境も、あのときと同じようにフラッシュバックがとても元気であるし、ゴルガリ陣営を筆頭に墓地に行くことがプラスになるカードも数多い。このカードが与えてくれる追加効果には大きな意味が生まれるだろう。ただ、当時コモンだったカードがなんで再録にあたってアンコになってしまったのかはよく分からないが……アンコクラスの強さ……かねぇ。確かにカウンターへの警戒が厳しい今の裁定だとそれくらいが無難かもしれないけど、当時を知ってる身からすると、「なんか偉そうになったよな」と思ってしまう部分もある。当時だってそこまで一線級っていう活躍でも無かったし、何より今回のはイラストがやけにイラつくのである。誰やねんお前。
 
 
 
Guild Feud ギルドの抗争 (5)(R) R
エンチャント
あなたのアップキープの開始時に、対象の対戦相手は自分のライブラリを上から3枚公開し、その中からクリーチャー・カードを1枚選んで戦場に出しても良い。その後、残りのカードを墓地に置く。あなたは、同じ手順を行う。この方法で2体のクリーチャーが戦場に出たとき、それらのクリーチャーは互いに格闘する。
 
 テキストだけを見るとややこしいが、こういうカードはイメージで処理すれば分かりやすい。毎ターン、アップキープにお互いが「野生の呼び声(8ED)」的なことをやってクリーチャーに声をかける。これが各陣営の代表。上手いことクリーチャーが見つからなかった側は不戦敗となり、めくった方が一方的にアドバンテージを得てウマーすることになるわけだ。そして、お互いに出すことが出来たらその2者でバトる。殴り合って最後に立っていた方が、その後に戦場で暴れる権利を得られるというわけだ。カード名の通り、ギルドどうしが威信を賭けて決闘に挑んでいる姿をイメージしやすいカードだろう。是非ともクリーチャー登場時には「でか〜い! 説明不要!」などバキ風なアナウンスをつけて盛り上げて欲しい。で、フレーバー優先の6マナエンチャントなので基本的にはネタカードなのだが、今をときめく「実物提示教育」やら「だまし討ち」、そして「全知」のようにクリーチャーのコストを踏み倒せるカードであると考えると案外馬鹿には出来ない。当然エムラクール様を仕込んでしまえば確実に格闘では勝てるわけだし(あぁ、今回登場した緑のワーム相手だと完敗ですけども)、肉の多いデッキならば相手次第で不戦勝からのごっつぁんゴールも期待出来る。構築次第では案外面白いデッキが狙えなくもない。187クリーチャーで確実なアドバンテージを刻んでも面白いし、カラーリング的には解鎖つきのラクドスクリーチャーを呼んで強引に殴り合いで主導権を奪うのはOKだ。普通に使っても、代表選手を選ぶのはコントローラーの後出しなので、都合の良いマッチメイクを狙うことも(一応)出来るのは強みといえるだろう。墓地にクリーチャーを溜める手段にもなるし、何とかしてコストをクリア出来れば、結構色々と愉快なことは出来そうだ。
 
 
Abrupt Decay 突然の衰微 (B)(G) R
インスタント
〜は呪文や能力によっては打ち消されない。
対象の、点数で見たマナコストが3以下の土地でないパーマネント1つを破壊する。
 
 出た瞬間に話題沸騰の、なんでも潰せる「燻し(WWK)」。レアになったとはいえ、マナコストが増えずに対象が一気に拡大し、しかもどさくさに紛れてカウンター防止までついたのだから驚きである。よくよく考えれば、一応コストのつじつまはあっている。黒は「クリーチャーが壊せる色」であり、緑は「クリーチャー以外が壊せる色」(かつカウンターされない色)なのだから、この2色が組み合わさればそりゃぁなんでも壊せる。「疫病沸かし(RAV)」や「破滅的な行為(APC)」などのマスデスカードがそれを示している。ただ、やっぱり2マナっていうのは早いし強い。これの対象となるカードが1枚も入っていないデッキというのはほぼ存在しないと言っていいだろうし、メインで詰んでおけば「燻し」4枚耐性に加えてエンチャント・アーティファクトがナチュラルに対抗可能。何の因果か安いことが売りだった「ヴェールのリリアナ」や「群れの統率者アジャニ」といったプレインズウォーカーまで巻き込んでしまう。もう、世の中には「呪禁がなくばカードにあらず」という流れが固まってしまいそうである。他人事のように眺めているであろうトラフトさんがマジでムカつく。さぁ、トラフトさんのことを考えなければ、色さえ合えば必須のカードのように見えるが、今後の世界でゴルガリカラーはどのようなスタンスになるのだろう。意外に、ゴルガリの先鋒となりそうな「ロッテスのトロール」が再生持ちでこのカードを弾くっていうのは案外面白いメタ設定になるのかもしれない。
 
 
Collective Blessing 集団的祝福 (3)(G)(G)(W) R
エンチャント
あなたのコントロールするクリーチャーは、+3/+3の修正を受ける。
 
 集団であることを信条とするセレズニアが、「もう、とにかくでっかくしたらいいよ」とばかりに適当に打ち出したひどいエンチャント。効果にして「栄光の頌歌」3枚分。なんと「敗残のレオニン(NPH)」2体で殴るとゲームが終わる。まぁ、6マナもかかるんだから何してもいいカードではあるのだが、かつて一世を風靡した「エルドラージの碑(ZEN)」と似たような、流石に洒落になっていない臭いを感じる。リミテッドで考えればイメージはしやすい。6ターン目だろうが7ターン目だろうが、1体に+3のオーラが張られるだけでもゲームはそこそこ動く。それが一気に全軍となれば、それって「オーバーランでとどめをさしに来たとき」のイメージなのだ。つまり、「終わる」だ。加えてこのカードを擁するのはトークン大好きセレズニア。苗木やスピリットが突如「巨大化」したら、そりゃジャッジも呼びたくなるだろう。構築レベルでは6マナというコストがネックになるが、ひたすらトークンを並べた後のデザートとしてのカロリーはかなり高い。1ターン目マナ加速から「未練ある魂」をフラッシュバックし、5ターン目にこれをおけばほら、終わる。個人的には突如現れる3体のボディビルダーのような屋根職人とかも見てみたい気がするし、5/5のトラフトを救援に現れる7/7の天使とかも吹く。異次元のゲームやで。
 
 
Loxodon Smiter ロクソドンの強打者 (1)(G)(W) R
クリーチャー・象、兵士
4/4
〜は打ち消されない。
いずれかの対戦相手がコントロールする呪文や能力によって〜があなたの手札から捨てられたとき、それを墓地に置く代わりに戦場に出す。
 
 何一つ弱いことが書かれていない象。3マナ4/4というだけでもよっぽどだが、これがとにかく何が何でも盤面に着地出来るという徹底した予防線が凄まじい。白と緑の敵対色である黒と青を完全に狙い撃ちにしているわけだ。現在、そこまで捨てられる機会は多くないだろうし、カウンターだって「魂の洞窟」1枚でくぐり抜けられることもあり、そこまで警戒レベルを上げる必要のある状況でもないのだが、相手からすると、そもそもこいつが3ターン目(いや、2ターン目か?)に舞い降りることを考えたら、もうデッキに軽量カウンターやハンデスを入れる気が起きなくなってしまう。実際には場に出た後で処理する除去は少なくないのでそこまで大きな影響力があるとも断言出来ないレベルではあるのだが、「こいつが環境にいる」というだけで、世界は大きく歪んでしまう恐れがあるのだ。やっぱりでかいというだけで正義ではあるしなぁ。これって旧ラヴニカでいうと「番狼(RAV)」ポジションかな。だとすると、やっぱりそれなりに怖いのは間違いないよね。
 
 
Supreme Verdict 至高の評決 (1)(W)(W)(U) R
ソーサリー
〜は打ち消されない。
全てのクリーチャーを破壊する。
 
 ついに出た、打ち消されないラスゴ。「時間停止(CHK)」も「精神壊しの罠(ZEN)」無い状態では、基本的にこれは解決されるだろう。つまり、白青のコントロールバンザイということである。M13で「次元の浄化」の再録が決定され、「審判の日」が退場すると決まったとき、私は「これでラヴニカでよっぽどのカードが出ないとキツいんじゃね?www」と書いたわけだが、まさにその「よっぽどのカード」が来てしまったわけだ。もちろん、多色になった影響は一応無いこともない。全てのコントロールに青が入っているわけではないのだし、このコストになったことによってラスゴが使えないというデッキタイプもあるかもしれない。しかし、ラヴニカ世界のもたらす豊潤な多色マナ環境の下では、そんなこたぁ大した問題じゃないだろう。とにかく、カウンターは使えない、そういう次元なのだ。まぁ、もともとラスゴってのはコントロールがビートに対抗するために使うのだから、カウンターを恐れる必要性はそこまで無かったのかもしれないが、どこぞの昆虫というクロックパーミに最適なカードが暴れ回る環境では、同色どうしのボードの奪い合いは日常茶飯事。このカードは一石どころか二石も三石も投じるカードになるのは間違いないだろう。アゾリウスが本気出すとここまでの強権を発動出来るっていうのが驚きである。イスペリアさん、馬鹿にしてごめん。
 
 
Slitherhead  滑り頭 (B/G) U
クリーチャー・植物、ゾンビ
1/1 活用(0)
 
 最軽量の活用クリーチャー。燦然と輝く0コストが、「最低限ですよ〜」と(愛生ボイスで)囁いているわけだが、格安コスト、ゾンビという種族、そして墓地に落ちても一切苦にならないステータスと、実は色々便利な奴である。事実上コストがかからない「旅の準備」のフラッシュバックみたいなもんなので、今回登場した「忌まわしい回収」や、イニストラードの「根囲い」「禁忌の錬金術」などで墓地に直行してもらうカードに最適である。おっちゃんはこういうカードが好きですよ。「息せぬ群れ」に頑張って欲しい。ゾンビファンとして悩ましいのは、今回のゾンビはゴルガリカラーだけど、イニストゾンビは基本的に青黒なんだよねー。これ、シミックが乱入したらもっと盛り上がるのかなぁ。

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