最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
○「パパのいうことを聞きなさい!」 4
視聴時にパッと思いついた一番しっくり来る表現は、「取るに足らない」作品。すごく悪い意味に見えるけどそうでない部分もあって、「まぁ、大体予想出来る内容だから、わざわざピックアップする必要は感じないアニメだなぁ」と、そういうこと。普段私があまり良くない意味で使う「ラノベ的な」という形容詞が一番しっくり来る、そんな中身である。 何が凄いって、全てのパーツがどこかで見たことがある気がするものばかりで構成されている点。主人公の設定もそうだし、謎の巨乳ヒロインとその関係性、そしてタイトルからしてメインプロットとなるであろう3姉妹との繋がり、3姉妹それぞれのキャラクター。どこかで見たことがある。まぁ、ここ最近のアニメなんて大体「どこかで見たことがある」ものばかりで構成されているのがほとんどなのだろうけど、それでもここまでの既視感を与えるのはなかなか難しい気がする。特にあれだ、長女の外見がどう見てもハルヒかゆりっぺだ。次女は中の人繋がり「こじか」のりん、末っ子は……ちびきかな。はいさーい。 でもまぁ、全部見たことがある、というのは流石に穿った見方であり、なんでもかんでも過去のテンプレートに押し込めようとする見方はいけない。この作品は最近「ウルトラジャンプ」なんかでも無茶な企画でコミカライズされており、アニメ化に先んじてゲーム化まで決まっているようだ。わざわざここまで力を入れてプロモーションされているということは、きっと何か「売りたくなる」魅力があるということなのだろう。それが分かるまで、ダラダラとでも追いかけるのはやぶさかじゃないですよ。取り立てて悪い点があったわけでもないですしね。 ん? 良い点はどこなのかって? ん〜………………人妻の声が大原さやかだ、っていう点じゃないでしょうか。「人妻ゆであがりました〜」とかね。いいですね。日本3大人妻声優の1人ですからね(残りは井上喜久子17歳と伊藤美紀さん。俺調べ)。あと、キタエリが歌うオープニング曲も割と気に入ってる。「おちんこ」の時も思ったけど、キタエリの歌は元気な方がしっくり来ると思います。そして、駄目な点ばかりあげつらってみたけれど、脚本が荒川さんだっていうのは地味に大事なポイントだと思うんですよ。最終的に大崩れはしないんじゃないかと、そういう期待はあるのです。なんくるないさー。 中の人については、既に2人ほど触れてしまったので他はないのだが、気にしておかなきゃいけないのは、長女役の上坂すみれでしょうか。いや、声を聞いた感じで特に何か印象があるわけじゃないんだけど、どうも、この新人さん、ネット上で話題になっているのをよく見かけるのですよ。この若さで既によく分からないキャラを固めてるらしいぞ、と。ミリタリー好きのお嬢様らしいぞ、と。なんだその属性。もちろん、まずは役者として実績を残してからでないと議論の余地はないんですけどね。 PR
○「妖狐×僕SS」 5
毎度のことながらMBSで延々番宣うってたもんだから、あんまり新鮮味が無いスタートを切ってしまうという、いいんだか悪いんだか分からない状態の作品。ちなみに、CMを見てた時の第一印象は、「このメインの女の子、なんかアニメ版ネギまのエヴァンジェリン(しかもXEBEC版)に似てるな」という至極どうでもいいもの。ガンガン原作でどんな内容なのか全然しらんし、正直、さほど注目していたわけではない。監督も知らん人だし。「ベン・トー」で何度かコンテを務めた人だが、そこまで印象に残っているわけでもない。 で、1話目だが、なるほど、悪くない。この作品のメインテーマと面白さの胆がきちんと分かるようになっていて、取り立てて盛り上がることが無かったはずのエピソードながら、起承転結のまとまりがよく、退屈せずに見ることが出来た。基本的な設定は全てどこかで見たことがあるようなものばかりなのだから、それできちんと画作りが出来ているのは良いことだと思う。david proは「ベン・トー」でも一山当てた感のあるスタジオだが、今作も作画面での心配は必要なさそうで一安心だ。 設定を改めて覗いてみると、何に似てるかといえば「黒執事」だ。主人公に対して盲目的な忠誠を誓う怪力乱神のサポートがつき、それが魔のものである。執事は悪魔だったが、SSは妖怪だ。そしてその周りにも似たような属性の連中がうじゃうじゃしているという。ただ、はっきりと異なっているのは、「黒執事」の場合には同性同士の忠義関係であったというのが1つ。シエルとセバスチャンの関係は、あくまでそっちの方々専用の萌えポイントであり、こちらの作品の方が汎用性は高い。ただ、主人公としてのステータスは、シエルの方が見応えはある。あちらは出自や志に色々な要素が含まれており、今作の主人公・凛々蝶の場合、いまのところ単なる不器用なツンデレである。そして、SSが張り付いている忠義の理由も、今のところ「そうだからそう」としかいいようがなく、セバスチャンの持っていたどこか怪しげな「忠誠」に比べると底は浅そう。トータルすると、こちらの作品の方が、よりシンプルに「主人とその僕」という関係を完成させており、気楽に見られるが、その分そこをいじっても仕方ない、という感じだろうか。 あとはまぁ、凛々蝶にどの程度好意を持ち、分かりやすい表現にするなら「萌えられるか」というのがポイントになってくるだろう。1話目からお着替えシーンのサービスや足舐めプレイ、その他扇情的なシーンが多数用意されており、そっちの道を進む紳士には嬉しい配置になっている。ただ、個人的には「金持ちが理由で虐められていた過去があるために捻くれた」っていう後ろ向きな設定がピンとこないので、現状はまだ見守るフェイズだと思っています。同じロリっ子でも、九鳳院家の娘さんは立派に名家の矜持を守り通す立派なお方だったぞ。 その他、私が好きな「長屋もの」としての属性があるのはプラスポイントで、賑やかな同居人達とのあれこれを描いていくだけでも手軽にドラマは作れるだろうし、1話目でもなかなかいいポイントを突いてきていたと思うので、そのあたりは楽しめそう。トータルすると、プラス面マイナス面多々ありつつも、安定した「何となく萌え」レベルならそこそこの線は行けるんじゃないかと、そう思っとります。 で、中の人だ。中村悠一にはもう触れないことにして、やっぱりこの場合は凛々蝶役の里菜ちゃんですかね。普段絶対やらないような低い音域での勝負なので、ひいき目に見てもちょっと苦しそう。声を作るのに手一杯で芝居に追いついてない感じが残るのは残念なところ。こういうキャスティングって、もう少し自然に出せる音域の人を選べば済むことだと思うのだけど……あぁ、でも日高里菜声の少女というだけで、それは既に満足出来るものなのです……。その他、性的な視線を送ってくるぴかしゃとか、実はがしゃどくろな花澤キャラとか、女性陣は実に楽しそうな配置です。ぴかしゃキャラが出てきた時には、外見だけで一瞬伊藤静かと思った。ほんとにキャラかぶりする2人である。 Gruul Charm グルールの魔除け (R)(G) U インスタント 次のうちから1つを選ぶ。「このターン、飛行を持たないクリーチャーはブロック出来ない」「あなたがオーナーである全てのパーマネントのコントロールを得る」「〜は飛行を持つ各クリーチャーに3点のダメージを与える」 何とも不思議な色合いになってしまった奇妙なチャーム。一目で「お、強い」と分かるのは一番下のモードだけである。この「針の嵐(9ED)」の亜種モードは、コストパフォーマンスが非常に高く、リミテッドレベルならばかなりの数の飛行クリーチャーをなぎ払える。現在リミテッドで有効なアーキタイプの1つであるアゾリウスの飛行ビートみたいなデッキが出てきたら、これ1枚で信じられないようなアドバンテージも夢じゃないだろう。他のモードについてはやや地味な印象だが、リミテッドで使えるのは上のモードだろうか。1つ目のモードは「尻込み(USG)」なので確かに2マナのインスタント。グルールはとにかく攻め一辺倒のデッキになるはずなので、中押しのタイミングでこいつを使えばうかうかしていたオルゾフなんかをなぎ払うことが出来るだろう。これに加えて湧血が決まれば気分爽快だ。タイミングが非常に限られている上にインスタントである意味があまり無いのが残念ではあるか。で、悩ましいのが真ん中の能力ということになる。「刻印(USG)」は確かに赤の能力だし、過去に「子守り大トカゲ(CSP)」なんてカードもあったので緑の能力にもなっているのだが、わざわざチャームに入れるほどの能力なのかどうか……。現在、もっとも頻出するパーマネント強奪の事例は「士気溢れる徴募兵」によるものだと思われるが、わざわざその対策に入れるってのは考えにくい。相手の墓地からカードを釣るリアニカードもあるが、どれもこれも大してメジャーではないだろうし、このカードが活躍するタイミングがあるようには見えない。一体何を考えてこの効果が導入されたのか、謎である。まさか、一気に大量のコントロールを奪うカードが世の中にあるということなのか……ん? 悪鬼の? 血脈? ? ? まさか!! ……分かった「妖術による金」だ。 Gruul Ragebeast グルールの憤怒獣 (5)(R)(G) R クリーチャー・ビースト 6/6 〜か他のクリーチャーがあなたのコントロール下で戦場に出るたび、そのクリーチャーは対象の、対戦相手のコントロールするクリーチャー1体と格闘を行う。 どこの球団でも1人ぐらいは置いておく、ベンチの乱闘要員。何かというと真っ先に飛び出してきて、理由も特に無いけど殴り合いを加速させる。こいつの場合は7マナというヘヴィコストの時点でなかなかバッターボックスに立つ気はなさそうだが、とりあえず出た時点で1打点稼げるので、リミテッドレベルならば合格。っつうか、ほぼ1体除去が確定してるんだから白の始原体よりも優秀な気がする。ただ、問題はそこからだ。後続で出てきた自軍クリーチャーは全部こいつの指導の下で乱闘義務が発生する。勝ってるうちはいいのだが、相手が残した最後の1体が「世界棘のワーム」とかだと、こっちが出したクリーチャーがもれなく死んでいく。一緒にひ弱な進化クリーチャーとか入れてると、選択の余地がないのでボロボロになったりもする。まぁ、グルールの人たちなら当然大丈夫ですよね。先んじて「ベラドンナの行商人」とか置いとくと、たとえステータスで負けてたとしても延々ベラドンナ砲が飛び続けたり。楽しそうではあるな。 High Priest of Penance 贖罪の高僧 (W)(B) R クリーチャー・人間、クレリック 1/1 〜にダメージが与えられるたび、あなたは対象の土地でないパーマネント1つを破壊しても良い。 このおじいちゃん、こんな能力やったんか……大人しそうな外見の割りに案外エグい。白と黒がコンビを組めば「名誉回復(APC)」の色ってことでほぼ全てのパーマネントに手を出すことが出来る。いや、実は白だけでも余裕でいけるんだけど、完全に破壊する仕事のためには黒が必要だ。フレーバーとしては、この偉いおっちゃんを殺してしまうと天罰が下るとか、そういう使用なんだろう。クリーチャーとして見ればどんな巨大な相手にも相打ち以上に持ち込むことが出来るのでブロッカーとしては当然最強だし、出すだけ出しておいて自分から突然「捕食」で殴り合いに持ち込むなんて因縁の付け方もあり。こいつをずらっと並べて全体火力を打ち込むなんてのも愉快だ。まぁ、単に「名誉回復」が軽くなった分だけ余計な制限が多くなったカード、と考えればはやいのだが、クリーチャーなので一応殴ることは出来るし、墓地から釣ったりするギミックもなくはない。うまく使いこなせば結構なデストロイヤーになってくれそうだ。個人的には、これを2〜3体並べて「建築家の祝福」なんかでタフネスをあげ、自分の「イゼットの静電術師」でガンガン撃ちまくるっていうデッキを組みたい。ジジイがビリビリしてるだけで相手のパーマネントがどんどん壊れていくという謎展開が楽しそう。まぁ、この時点で4色だけども。 Hydroform 水形 (G)(U) C インスタント 対象の土地1つは、ターン終了時まで3/3で飛行を持つ、エレメンタル・クリーチャーとなる。それは引き続き土地でもある。 読みは「すいぎょう」らしいです。2マナ瞬速で登場する3/3フライヤーである。1ターンしか使えないのでアドバンテージロスだし、他のギミックとのシナジーも特に思いつかない。本当に、「突然3/3が出てきた」ことだけに意味を見いだすスペル。基本的な使い方は、相手の不用意なアタックを潰す除去としての用法、そして残り少なくなった相手のライフへのゴリ押し。どちらもそれなりのニーズで、それなりの確実性、それなりの限定的状況。使われると案外嫌なのは間違いないのだが、どの程度の枚数を投入し、どのくらい使うのかは難しいところ。フライヤーを返り討ちに出来るなら充分ペイするところだが…… Kingpin’s Pet 重要人物のペット (1)(W)(B) C クリーチャー・スラル 2/2 飛行 強請 こんな趣味の悪いペットを連れている重要人物は嫌だが、オルゾフならば仕方ない。3マナ2/2フライヤーという花形ステータスに、いつでもどこでも便利な強請能力付き。旧オルゾフの大先輩である「盲目の狩人(GPT)」には勝てないかもしれないが、立派に仕事をしてみせまっせ。ちなみに、誤訳や製版ミスで叩かれてばかりの翻訳チームだが、こういう言葉遊びのフレーバーでは割と神経を使って訳を作っている。英語の原文は「Debt
and death sound so similar」で「Debt(負債)とdeath(死)は音が似てるから」という意味。そのままだと日本語訳は無理なので、強引に似たような雰囲気で訳を作っているのである。まぁ、この訳だと、日本語版スラルの方が優しい存在に見えるわけだが。 Lazav, Dimir Mastermind ディミーアの黒幕ラザーヴ (U)(U)(B)(B) M 伝説のクリーチャー・多相の戦士 3/3 呪禁 いずれかの対戦相手の墓地に、他の領域からクリーチャー・カードが置かれるたび、あなたは、〜が、名前以外そのカードのコピーとなることを選んでも良い。加えてこれは伝説であり、呪禁とこの能力を持つ。 ディミーアのギルドマスター、ラザーヴさんである。シェイプシフターがトップを張るという前代未聞の事態になっているあたりが流石のディミーアだが、少なくとも前マスターのザデックさんみたいに不祥事起こしてギルド解体にまで転がり落ちなければ悪い首領じゃないだろう。で、Magic世界的にはシェイプシフターってすこぶる地味。何しろ他のカードのコピーになるクローン能力しかないわけで、その焼き直しであるこいつも地味っちゃぁ地味に見える。墓地にいったカードをコピーするクローンは、もっとも近いのが「墓地のプーカ(SHM)」、同じラヴニカ次元だと墓地を潰して成り代わる「ディミーアのドッペルンゲンガー(RAV)」がいたし、どちらも3マナと大して重くない。このカードは素の状態で3/3としっかりしているが、一見するとそこまで重用される能力には見えない。しかし、細かいところに危険なネタが仕込まれている。まず、デフォで呪禁。なんのコピーになっても呪禁。呪禁つきの「グリセルブランド」や呪禁つきの「古鱗のワーム」とかかなり愉快。更に、変身トリガーが絶妙にディミーアしているのが最大のポイントで、クリーチャーカードは別に場から落とす必要が無く、ライブラリから直接落としても反応するのだ。これにより、ディミーア的な石臼カードがガリガリ削りつつ、都合の良いところでコロコロと姿を変える、いかにもギルドマスターらしい野放図さが楽しめる。適当に変身しても呪禁つきなので安心感は抜群だし、相手次第ではコストなしでどんな化け物にでもなれるのだから困ったもの。普通のクローンはメタがはまらないと中途半端なパーツにしかならないが、こいつは素の状態でも3/3呪禁で最低限の仕事が出来てしまう。色々と楽しめそうではないか。こいつを使えば、いよいよ念願だった「殴ってくるトラフト先生をブロックするトラフト先生(もどき)」が実現出来る可能性が。 Martial Glory 軍部の栄光 (R)(W) C インスタント 対象のクリーチャー1体はターン終了時まで+3/+0の修正を受ける。 対象のクリーチャー1体はターン終了時まで+0/+3の修正を受ける。 旧セレズニアが産みだした「力の種(RAV)」をボロス風に翻案したらこんな風になりました、という呪文。例のちょっと独特の書式であるが、日本語版は相変わらず誤解を生みそうで怖い表記になっている。旧ラヴニカの時と同じ書式だったら簡単なんだけどねぇ。こういうときは英語を読んだ方が圧倒的に分かりやすいな。というわけで、モードとしてはバラバラに使ってパワーとタフネスを別々にあげるパターンと、単にちょっと重たい「巨大化」として使うパターンがある。「力の種」に比べると選択肢が少ないのでやや使いにくいが、大隊で殴ることが多いボロスならばこの別々モードが活かせる状況も少なくはないだろう。何はなくとも「巨大化」は強いんだから、文句を言う部分は特に無い。 Master Biomancer 練達の生術師 (2)(G)(U) M クリーチャー・エルフ、ウィザード 2/4 あなたがコントロールする各クリーチャーは、〜のパワーに等しい値の追加の+1/+1カウンターを乗せ、他のタイプに加えてミュータントでもある状態で戦場に出る。 神話に鎮座するマッドサイエンティスト。そのメスは誰に対しても分け隔て無く振るわれ、とにかく出てくる後続には全て改造手術を施して+2修正を施してしまう。ゆーたら生きた「集団的祝福」みたいなもんなんだから、そりゃ神話である。先出ししないと意味が無いので「祝福」なんかよりは使いにくいだろうが、その分こいつは4マナ2/4と一応クリーチャーとしても優秀だし、自分のパワーを増強することで更なる増収も見込める。シミック名物であるカウンター絡みのギミックでも祭り状態が演出出来るようになり、カウンターを集めてウーズを作る「軟泥の変転」で大ウーズランドを作ったり、自由にカウンターを移動出来る「シミックの変転魔道士」でこいつに還元して拡大再生産を見込んだり、「ザーメクのギルド魔道士」で大量ドローうはうはしたり、エラい騒ぎである。リミテッドなら当然エンドカード。構築でも「超シミック」みたいなデッキがあればキーパーツとなる可能性は無くもないが、流石に+1/+1カウンターを転がして稼ぐ商売は気長すぎるな。 Merciless Eviction 無慈悲な追い立て (4)(W)(B) R ソーサリー 次のうちから1つを選ぶ。「全てアーティファクトを追放する」「全てのクリーチャーを追放する」「全てのエンチャントを追放する」「全てのプレインズウォーカーを追放する」 全体除去カラー2つがタッグを組むことで実現した、とにかく選び放題な全体除去。何せ「粉砕の嵐」と「神の怒り」と「清浄(CHK)」と、あとなんかプレインズウォーカー虐殺の4モードである。まぁ、ぶっちゃけ数が並ぶパーマネントといえばクリーチャーなのでほとんどの場合にはラスゴになるわけだが、モードがあるというのは良いものだ。プレインズウォーカーを2体並べてご満悦な相手をいじめるのにはもってこいのカードだろう。過去にもこうした「全体除去のモード選択」というと「カタストロフィ(USG)」や「質素な命令(LRW)」なんかがあったが、リミテッドでの強さは自明。クリーチャーで押している状態ですら使える可能性があるのだから、ホントにまぁ、強いのは間違いない。ただ、結局ほとんどの場合に「2マナ重たいジャッジ」となってしまうことは気にかかる。現在のラスゴ枠はモードもなにもあったもんじゃない「次元の浄化」に、奇跡的勝負をかける「終末」、そして鉄壁の「至高の評決」と選択肢は多く、6マナの新入りが入る隙間は正直あまり無い。プレインズウォーカーに触れる部分を売りにして切り込みたいところだが、このカラーリングでこのコスト、果たして受け入れる土壌はあるのだろうか。 Mind Grind 精神削り (X)(U)(B) R ソーサリー 各対戦相手は、土地カードがX枚公開されるまで自分のライブラリを上から公開し、その後、公開されたカードを全て墓地に置く。Xは0にはできない。
ようやく登場した、捻らず真正面からライブラリに挑むディミーア呪文。その仕様はディミーア特産の「Grind」だが、X回チャレンジ出来るとなれば流石に期待値は大きくなってくる。土地の枚数はおよそデッキの6/15くらいだとするなら、このスペルはXの15/6倍の枚数が削れることになる。X=6なら15枚ってことだ。そこまで削れればフラッシュバック「高まる混乱」を上回る効率である。この手のスペルではトップレベルのパフォーマンスだろう。これを引いちゃった私が何も考えずにディミーアに突っ走る未来が見えるような、見えるような。ただまぁ、世間的にはライブラリアウトはそこまで太い勝ち筋でもないし、別に一撃の火力を求められるスタイルでもないですし。1ターン目に出した「写本裁断機」がちまちま削った方がトータルでは稼ぎやすかったりもする。まぁ、浪漫ですわ。個人的には「曲がりくねりのロシーン(SHM)」に声かけたくなるレベル。
Mortus Strider 薨の徘徊者 (1)(U)(B) C クリーチャー・スケルトン 1/1 〜が死亡したとき、それをそのオーナーの手札に戻す。 また人がものを知らないことをあざ笑うような日本語名を付けやがって。「薨」なんて、まず読み方からして分からなかったし、意味も当然知らない。調べて見たら、「薨(こう)」とは「人が死ぬこと、特に皇族などの死」ということである。つまりこのクリーチャーは…………どういうことだってばよ? これが「棺桶」みたいな名詞として解釈出来るなら「徘徊者」は分かるのだが、「薨の徘徊者」ってどういうこと? 「死の徘徊者」ってことか? なんかよく分からんのだが、英語を調べてもよく分からなかった。「mortuary」だと「遺体安置所、霊安室」っていう意味になり、そのものずばり「霊安室(STH)」っていうカードもあるんだけどね。まぁ、とにかくそんな感じのカードなんだろう。能力を見たら雰囲気は分かる。とにかく、死んでも死んでも死なない、一人だけ「永劫の輪廻(TSB)」状態。「闇の帰還者」のようにトップに戻るわけでもないので、こいつの死をリソースに変える「目玉の壺」みたいなカードがあれば一応存在意義は分かるが、単体だとやたら重たい1/1バニラがグルグルするだけである。何かコンボでお呼びがかかる時以外にはあんまり使い道がなさそうだ。「魔の魅惑(TMP)」さえあれば延々クリーチャーをサクり続けることが出来るようになるし、そっち系のコンボだとパーツが少なくてすむのかな?
Mystic Genesis 神秘的発生 (2)(G)(U)(U) R インスタント 対象の呪文1つを打ち消す。X/Xで緑の、ウーズ・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。Xは、その呪文の点数で見たマナコストである。
「吸収するウェルク(TSP)」が1マナ軽くなった代わりに、なんか色々弱くなった姿。多色化されたのにそりゃないぜブラザー。青に何か適当なマナを足したカウンター部門は、「蝕み(INV)」「吸収(INV)」コンビがヒットして以来、多色セットでは毎回頭を悩ませる部分であり、残念ながらヒット作は同じインベイジョンブロックの「神秘の蛇(APC)」以来打ち止めとなっている。今期ラヴニカでも、アゾリウスがアンコモン(「閉廷宣言」)に逃げ、イゼットは「対抗転変」という体たらくだったため、ヒット作はなかなか繋がらない。そこで、過去に「神秘の蛇」や努力賞の「虚空粘(DIS)」を輩出したシミックが頑張ったのがこちら。確かに相手次第では大きなアドバンテージが得られるのでそれなりに強いのだが、やっぱり「吸収するウェルク」の味を知ってしまっている身としてはちょっとショボン。リミテッドなら決め技クラスのカードなので1引きでもいいクラスだが、構築だと流石に出番はなさそうだ。これがうまみを増すのは、各種居住カードと同席することになる夏以降のリミテッドだろう。これで相手の「スライム形成」とかカウンターして居住を始めるとダイヤモンドユカイ。 Nimbus Swimmer 雨雲を泳ぐもの (X)(G)(U) U クリーチャー・リバイアサン 0/0 飛行 〜は+1/+1カウンターがX個置かれた状態で戦場に出る。 「キヅタの精霊(ODY)」が空を飛んだバージョン。わずか1マナの追加で空を飛べるようになったのは流石シミックといったところ。5マナで3/3フライヤー、6マナ4/4フライヤーと、自由自在にサイズを選べるのでリミテッドの決戦兵器として重宝する。これが「スライム形成」のようにトークンで出てこないあたりはセレズニアへの配慮なのだろうか。一応、どの領域にいてもクリーチャーには違いないので、「心無き召喚」でコストが安くなったり、「ドムリ・ラーデ」で当たり扱いになったりするメリットがある。あと墓地から釣りやすい。釣ると死ぬけど。モミールベーシックにおける2マナのハズレ枠が1枚増えましたね。「誘うワーム(ONS)」ほどじゃないけど。 Obzedat, Ghost Council 幽霊議員オブゼダート (1)(W)(W)(B)(B) M 伝説のクリーチャー・スピリット、アドバイザー 5/5 〜が戦場に出たとき、対象の対戦相手は2点のライフを失い、あなたは2点のライフを得る。 あなたの終了ステップの開始時に、あなたは〜を追放しても良い。そうしたなら、あなたの次のアップキープの開始時に、〜をそのオーナーのコントロール下で戦場に戻す。それは速攻を得る。 オルゾフのギルドマスターは、物語の中では基本的に前作「オルゾヴァの幽霊議員(GPT)」と変わりない。前作は議会の会議場であるオルゾヴァの名前を冠していたが、今回は集団としての組織名オブゼダートを名乗っているだけ。元々集団であるので、特定個人が成り代わったというわけではないのだ。当然、その能力も似たようなもので、前作よりも1マナ重くなった代わりにドレインの量が1点増え、ステータスもワンサイズアップ。決め技としての重量感は確実に増している。変更されているのはドレインのキーとなる出し入れの方法で、前作は他人の命と引き替えにスルスルと除去をかいくぐってきたが、今回はドレインが自動で出来るように特化され、毎回相手のターン中に消え失せることが出来るようになった。トータルで見ると、速度は断然こちらの方が速いわけだが、安定感で言ったら前作にはやや劣るだろうか。1マナ重たくなったことで防御網を敷くタイミングが遅くなるし、何よりもインスタント除去への耐性が無くなり、レジェンドの割にあっさり死ぬようになってしまったのは残念。ソーサリー除去では死なないが、その場合には相手クリーチャーへのブロック任務が果たせないので痛し痒しである。字面だけを見れば前作と同じように見えるが、こちらのカードは自分でアタックすることも含めて、積極的に相手のライフを削りに行くいくらかアグロなデッキで使うことになるだろう。なにげに同じ色の「修復の天使」との相性が良いのが気にくわないポイント。まぁ、出したターンに除去られなければ4点ドレインが確定なんだから、やっぱりおかしいのは間違いないのか。
○「アクエリオンEVOL」 6
月曜日は本当にスケジュールがしんどくて、初回スペシャル1時間だったこちらにはしばらく犠牲になってもらっていたのだけれど、ようやくの視聴。なんでしばらく観なかったかというと……見ると疲れるの知ってるからだよ! 絶対に適当に見るとかさせてもらえないでしょ−! 面白かったよ! 振り返ってみれば、初代アクエリオンは既に7年も前なんですねぇ、びっくりだよ。当時どんな風に見ていたかを振り返ろうかと思ったけど、まだその当時は感想を文章化してなかった。残念。その年のアニメグランプリで「技術賞」に選んでるとこみると、多分「うわぁー、CGすげぇな」と思ってたはず。そして最後まで「バカだなぁ」と思いながら観ていた記憶もある。 改めてそんなアクエリオンの世界が帰ってきたのを見ると、「うわ、マクロスっぽい」と思ってしまうのが既にどこかおかしい。正確にいうとマクロスFがアクエリオンっぽいんだよな。アクエリオンが放送から少ししてパチンコ化して、それが大ヒットになっちゃったお金で作ったのがマクロスFだからな(勝手な予想)。そして、そのマクロスFもそこそこ売れちゃったもんだから、今度はそのお金でアクエリオンをもう1回作ればいいじゃない、ってことなんだろうか。今のサテライトの(というか河守正治の)CG作画の根幹がこの作品にあったかと思うと、胸が熱くなりますね。 で、そんな作品だが、1話目から相変わらずのバカ。アニメ・パチンコCMで散々喘いでいたあの世界から1万年と2000年経ったら、なんと男女合体が禁止されている世界である。監督自身もインタビューで言っていたが、今回はそのひとネタでもう出オチの感すらある。「あなたと、合体出来ない」ですよ。アクエリオンのくせに。いや、そりゃ駄目ですよね。公衆の面前でね、そんな堂々とね、合体とかね。まぁ、男同士だったらいいのか、って話になるとますます駄目な気もするけどさ。しかし、そんなところに登場したのが「ドキドキすると浮く」という、既にネタとしか思えない性癖をお持ちの主人公。あー、もう駄目だ。こりゃバカだわ。女の子といちゃいちゃし始めて、ボディタッチからの「やわらか〜い!」ですよ。なんだよ、自重する気ないやんか。さ、後は好きにしておくれ。1作目のバカを乗り越えるのは相当な難行だと思うが、あの見事なネタっぷりに泥を塗らないよう、しっかりやってほしいところだ。大丈夫、河守さんなら真面目にやろうとしてもバカになるんだから。 今作はスタッフ陣もちょこちょこ変わっているが、一番のポイントは、シリーズ構成に燦然と輝く岡田麿里の名前。あー、きちゃう? マリー無双きちゃう? アクエリオンのネタ要素と岡田麿里のえげつなさ……期待は無限大です。この人を野放しにすると、本当に楽しいものが生まれちゃうぞ。その他、菅野よう子による音楽のすさまじさも、オープニングの相変わらずのノリノリ加減も、とにかく「前作の、あの日本人は確実に行き先を間違っちゃったとしか思えない感じのヒット作をもう一度」というやる気がみなぎっている。一体何が待ち受けているやらなぁ。 中の人についても、ちょうど前作からガラッと一世代変えてきたような印象。ここもまたメインが梶君なんだねぇ。梶君、ここ1年くらいの仕事で過労死しないか心配。役どころとしてはこれまでの梶君のテンプレである優男ともちょっと違うし、「ハイスクールD×D」みたいな完全な健全少年ともちょっと違う。前作のアポロの印象が強いのでなかなかハードルは高そうだが、是非この役で面白いものを見せてほしい。対するメインヒロインも、過労死が心配な茅野愛衣。彼女の場合は、まぁ、予想の範囲内のキャラかな。こんだけぎゃんぎゃんわめき散らす「駄目な」ヒロインってのも久し振りな気もするけどね。その他、敵役は森川智之から世代が下がって中村悠一になり、司令官は石塚運昇から藤原啓治へ。何故か小林早苗は続投っていうのがちょっと面白い。みんな、好きにやってくれ!(あ、でもやっぱり最後にキメるところは運昇さんにやってほしいな……) そういえば、前作の眼鏡ちゃんだった日笠山亜美ってどこにいったんだろ……
○「夏目友人帳 肆」 5
現代アニメの隙間を抜くように確実な結果を残し続ける脅威の番組、4期目突入。4期もやるなんて、ひだまりや絶望先生を超えた作品ってことですよ。いや、「ゼロの使い魔」はいいとして。もう、ここまで続けば安定の芸能ですよ。 今期は3期との分割2クールということで、2期と3期ほどの差もなく、あくまで「ちょっとおやすみした3期の続き」という印象。ニャンコ先生は元気だし、夏目とその周りを取り囲む人々の暖かさも相変わらず。何の心配もありません。 この作品が他作品と毛色を異にするのは、その独特の妖怪達の造形にあるだろう。基本的にはハートフルストーリーを展開するシナリオラインなのだが、妖怪達は、ちょっと油断するといきなり夏目の命を取ろうとする。「妖怪は危険」という命題を維持しつつも、その中で夏目が持つ「優しさ」が実を結ぶという、絶妙な配分になっているのだ。そして、そんな不可思議な両義性を更に揺さぶってくる存在として、3期からは的場というキャラクターも登場している。直接的に「妖怪は敵」と認める的場と対立することで、夏目の持つイデオロギーが更にはっきりと描かれている。非常に直接的で、ともすると平板なバトル展開にすらなってしまう恐れがある配置ではあるが、少なくとも今回の1話2話を見る限り、やっぱりこの作品は「夏目友人帳」であり続けるようだ。この綱渡りな感じは、他では味わえない珍味ですな。
○「リコーダーとランドセル」 ー
この枠にはもう点数とかつけませんぜ。良かったよ、今期もちゃんと柴いぬ子さんの活躍が見られるんだね。それさえわかりゃ、その前の3分間なんてどうでも……げふんげふん。 芳文社が身の丈をわきまえた感じで提供してくれるこの2分枠だが、ゆるふわ作品森田さんの後にやってきたのは、割と真っ直ぐギャグ狙いの「リコラン」である。ただ、残念ながら私は原作があんまり好きじゃないんだ。いや、4コマ系のネタとしては多分普通のレベルなんだろうけどさ、この漫画って結局、弟の大人に間違われるネタと、おねーちゃんの子供に間違われるネタの2つしかないじゃない。1巻だけ買って読んだんだけど、わずかな間にあっという間に飽きて、すぐさま売ってしまった。あれを2巻3巻と読む元気は無いわ。アニメでやるのは、そうした「お約束」の一部分。5分枠なので飽きる心配もないし、声と動きが着くことでベタベタ過ぎたネタにもある程度の刺激が得られる。そういう意味では、「アニメ化向き」の作品といえるかもしれない。 何がすごいって、くぎゅの弟が置鮎、というシチュエーションは、今後永遠に訪れないキャスティングだろう、ということだ。それだけでも、ちょっと面白いんですよ。昔「戦国BARSARA」のキャスティングの時に能登麻美子が「まさか若本さんの妹になれるとは思いませんでした」って言ってたけど、そういうレアリティ。
○「Another」 5
さて、色々と大変な作品がはじまってしまいました。何が大変って、どういう視点で見たらいいか、ものすごく慎重に決めなきゃいけないということ。原作小説既読だからネタバレを避けたコメントにしなきゃいけないとか、そういう理由もあるんだけど、なにより、「どうしようもない要素だらけの作品である」ということが最大の要因。だってさ、「すごく好き」がずらっと並んでる作品って、どうしたって普通の目線で見られないじゃないですか。「水島努」「P.A.Works」「ALI PROJECT」「綾辻行人」。どこをどう見たらよいものか。 とりあえず初期配点は平均点にしてあるが、これは「初見の視聴者の掴みとしては可もなく不可もなくレベルだろう」と判断したため。正直言うとやや淡泊すぎる気もしたのだが、そのことについては、「水島監督も、立て続けに面倒な題材を渡されたもんだ」という思いだけが優先した。なにせ、これの直前にやっていたのが「BLOOD-C」なのだ。この「Another」と同じように、最後のどんでん返しまでジリジリと持って行かなきゃいけない作品。無論、「BLOOD-C」に比べればこちらの方が回転は速いだろうから、次回以降に具体的な事件が起これば、事前の知識がない視聴者でも少しずつ走り出すことは出来るだろう。今回はとにかく「こういう方向性の作品なので」という顔見せの役割を果たすエピソードだ。 改めて見て、相変わらず水島さんは無茶をやる人や、というのを再認識した。考えてみれば、小説で読んでいて気にならなかったところも、アニメにするとなると案外難しい。この作品はこれからず〜〜〜〜っと陰鬱な空気を垂れ流して進むわけだが、そうなるとどうしても画面が暗くなるし、動きが無ければ単調になってしまう。言ってしまえば、アニメに向いてないのだ。キャラの心情で何かを見せるような作品でもないし、別な意味でアニメに向かない西尾維新作品のように、画面で無茶をやるきっかけとなるような馬鹿馬鹿しい会話もない。そういう素材を渡されて、なおかつ天下のP.A.Worksがアニメを担当するとなれば、多少無理矢理でも動かしまくってごまかしちゃえ、ってな発想になるものだが、水島さんはそれをしない。この男は、「別に動かない場面なんだから、動かないまま見せるのもありなんじゃない?」というので、しれっと「止めて」くる。病室の見舞いのシーンなんか、普通のアニメじゃ考えられないような長回しの一人称視点にドキドキしてしまった。これが出来るのが、水島努なのである。そしてこれが、作品本来の空気を維持する最善策のように思える。 彼の手によって一度解体された「Another」が、どのような作品として画面に現れるのか、今後が楽しみですね。まぁ、この作品の場合、あんまりP.A.の売りである細やかな人物描写・風景描写が活かされないような気がするのが残念だけど……そこはそれ。PA作品にハズレ無し、じっくり見させてもらいましょ。 中の人については、諸事情により端折るが……阿部敦担当キャラって、やたらと入院してる気がするのは何故だろう。当麻しかり、サイコーしかり。
○「ちはやふる」 5
新番組ですが、何か問題でも? 文句があるなら読売テレビに言って下さい。何で1クール遅れかねぇ……この差はなかなか縮まらないのだけど、一体何が原因なんだろうか。 さておき、そんなこんなで新番組。既に巷では評価が固まりつつある作品のようだが、初見の人間からしても、「多分、大外れはないんだろうな」と思えるだけの、かっちりした出来である。原作が人気コミックということで、後は原作の味を損なわないように、丁寧にアニメとして再構築していくだけだ。原作は読んだことないので知らないのだが、「多分こんな漫画なんだろうな」というのは想像しやすいのである。 監督は、「NANA」などに続く作品であるためにすっかり読売系監督のイメージになった浅香守生。浅香監督&マッドハウスっていうだけで、特に心配することもないでしょう。いかにも「読売マッド」らしい丁寧で「全方位向け」な画面作りは、どこかで大きく引っかかるということこそ無いが、すんなりと筋立てを追うことが出来るおだやかなもの。1話からいきなりちょっと気分が沈むぼっちストーリーを展開させたわけだが、そこで必要以上に暗くならずに、きちんと「このアニメはカルタを真剣にやる作品です」ということが伝わってくる。余計なことは考えずに、「君に届け」のようにのんびりストーリーを追いかけたいもんです。 中の人については、なんといっても主人公千早役の瀬戸麻沙美だろう。実はこれの前に放送している「ラグランジェ」の無口宇宙人さん役でも登場していたが、そちらは特に印象に残るものでもないので言及しなかった。こちらはめいっぱいしゃべってくれるので色々と興味深く聞かせてもらった。正直、まだ色々と拙い部分はある(こちらの方が収録時期も先だしね)。ただ、若さの残る中でも、きちんと自分なりの役作りをしようとしているのは伝わってくるし、「放蕩息子」の高槻さんの時よりもスキルアップしていることは感じられる。そして何より、ついでに担当したエンディングの歌唱。こちらはかなりのもん。また1人、要注意の若手が出てきたのかもしれませんね。
○「輪廻のラグランジェ」 5
期待してたり、妙なのだったり、色々あるなかで、今期特に事前情報もなく見た作品。おかげで第一印象をまとめると、「突然女子高生が制服を脱いでスク水になるアニメ」だ。そして、いっそそのまま駆け抜けてくれればいいな、という思いもあったりする。 「モーレツ宇宙海賊」に続き、なんとこちらの作品もサトタツが総監督として名を連ねているのは驚きだが、スケジュール的に大丈夫なんだろうかね。メインのディレクションは鈴木利正。最近だと「化物語」の神原OPとか、ひだまり3期のエンディングコンテで見かけた名前。ちょっと褪せたような色づかいで輪郭線をぼやかす効果が特徴的で記憶に残っていたのだが、今作でもオープニングの演出に似たような手法が採られている。そして、今回はXEBEC作品ってことで、「ファフナー」や「ヒロイック・エイジ」あたりの繋がりでのお仕事だろうか。確かに、ロボットの使われ方なんかはどことなくそれらの作品に似ている気もする。 1話目の印象は可もなく不可もなく。典型的な「ガールミーツロボット」のお話で(そんな言葉があれば、だけど)、よく分からない要素がありつつも、「まぁ、お約束ですし」ということで視聴にストレスはない。ロボットデザインもやたら気合いが入っているとのことで、アクション作画や動きの滑らかさなんかもなかなかのレベル。なんでも本気でデザインコンペをやったとかで、「現代人が考えるいかにもな未来的デザイン」みたいなものが見え隠れしている気もする。何がすげぇって、司令室にある管理システムのインターフェースが全部フラットプレートなのよ。逆に落ち着かねぇって。やっぱり管制室はごちゃごちゃしたモニタやキーやレバーがないとなぁ……いや、これはこれで新鮮ですけど。 そして一番肝心なのが、キャラの登場のさせ方だ。1話目はとにかくメインヒロインとなるまどかのお目見えが第一。そして、これはなかなか良いと思う。スポーツ万能でクラスのみんなからも好かれる好人物のまどかは、とにかく人助けをしたい、ってんで「ジャージ部」を組織する良い方向での変わり者。とにかく真っ直ぐな性格や「まるっ!」なんてキャッチーな台詞も小気味よいし、すぱっと脱いでくれる清々しさが映える。水着姿も、ちょっとリアリティを残したようなムチムチ加減が素敵ね。新ジャンルとして「ジャージ少女」が定着しそうな勢いだ。この子は、割と人気が出そうな主人公キャラな気がするわ。対して、脇から出てきた宇宙人キャラの方は今のところあんまり特徴が無い。今後の絡みで、その他のキャラが見えてきてからが本番だろう。 全体的には、期待が持てるパーツは割と多い。単純なロボットものということでなかなか他作品との差を付けるのは容易ではなかろうが、ここいらで久し振りにXEBECの本気のSFも見てみたいものだ。 最後に中の人。視聴の順番の関係で「夏待ち」よりも後になってしまったので更にびっくりだが、何と主人公のまどか役は、石原夏織である。やっぱり良いぞこの子。正直、最初聞いてても分からなかったからじっくり堪能させてもらったのだが、最近だと伊瀬茉莉也みたいな、ちょっと先輩だと水橋かおりみたいな、独特の掠れが出ると何とも愛らしい。まどかのキャラクターにもがっちりはまっているし、これと「夏待ち」を合わせて、今期一気にフィーバーがくるかもしれません。その他はまだあんまりしゃべってないから分からないけど……麻美子は、すっかり「お姉さん役」で定着したわね……女子高生やってもいいんだぜ。黒髪ロングでセーラー服着てもいいんだぜ。地獄に流してもいいんだぜ。 |
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