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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
違うでしょうに駄目でしょうに死ぬでしょうに第6話。本作では初めてかもしれないね、一応真面目な話になったのって。おかげでちょっとした違和感はあったものの、終わってみればぐるり回って1話に戻る。悪い話じゃない。
そういや、結局妖精さんはどんだけマイクロ波が苦手だったのかよく分からなかったな。前回の夜逃げの様子を見ると結構致命的なダメージを喰らうのかと思ってたけど、今回は途中で突然やる気がなくなったのはマイクロ波の影響だったわけで、「単にすごくだるくなった」レベルだった。ちゃんと仕事はしてたわけだし、案外平気なんじゃなかろうか。相変わらずのミラクルっぷりでわたしちゃんを助けてくれてたしね。見たところ前回までは1体しかいなかったのに、今回やたら増えてたし。あれは15fくらいあったんじゃなかろうか。ビルの20階から落ちても大丈夫なレベルですね。 ゲストキャラとしては、ぴおんに加えてどう見ても勇者王な感じのおやげさんが登場。一人でやたらとハイテンション。いつも通りといえばいつも通りだ。中の人的に見れば一応なのはA’s以来の対決といえるかもしれない(ティアナは黙って見てるだけだけど)。檜山は使いやすいネタなので、これまでも色んなところでネタキャラとしてパロディをされていたわけだが、今作での扱いは、「台詞はいつも通りだけど画面上では猫がじゃれてるだけ」という心温まるものに。どう考えても惑星探査機がスライムを装着して巨大にゃんこになるいわれはないのだが、やっちゃったものは仕方ない。妖精さんがノーチラスを形成出来るくらいだからその辺は気にしないことにしよう。いっそのことぴおんも何か装着して巨大動物王国でも展開してくれりゃ面白かったのに。 結局、探査機2体を巡る悲しかったり難しかったりするお話は、わたしちゃんの髪の毛を代価にちょっといいエピソードとして収束。正直、この作品にこういう「なんだか悪くないもの」は期待していないので何ともコメントしにくいくらいのお話にはなってるんだが、衰退しかけている人類が過去にどこまで頑張っていたのか、とか、妖精さんがいなくても色々とおかしな世界だった、といううことは垣間見えたので、これはこれで良しとしましょう。あーでも、やっぱり妖精さんが活躍してくれた方が単純に笑える話になるんだけどなー。わたしちゃんも割とシリアス目だったのであんまりネタふってくれなかったし。やっぱり相方の問題だな。ぴおんが相手だと素直すぎて毒が足りないんだ。Y氏ほど濃くなくてもいいけど、もう少し突っ込みが冴える相手に登場してほしいところです。 PR
はやいもので、ネット配信版としては最終回となる第3回の放送開始だ。今回も時間は十数分程度と大したもんじゃないのだが、それでも充分過ぎる徒労感が味わえるこのクオリティは流石だ。まとめ録りだったとしたら中の人たちは確実におかしくなっていると思われるぞ。完全台本には違いないが、よくもまぁ、これをきちんと録れたもんだ。最近、自分の中でまた(いつもそうだけど)戸松熱が上がってきており、彼女の声を聞くだけで無闇にテンションがあがるのだが、名古屋はそんな中でも唯一無二のポジションを堅守してくれているので、本当に素晴らしい音源である。
さ、いつも通り福岡の「うえぇぇぇ!」で幕を開けた中身ではあるが、今回は大きく分けるとメールのお題を元にして3部構成となっている。まとめると「うざい対決」→「パラディン」→「属性の話」という流れだが、メールの中身から綺麗にオチまで繋がっているのが見事。中でも、出だしにして完全にクライマックスとなってしまった「うざい対決」が今回最大の聞き所。単なる罵り合いの一幕、しかも2人して無駄に語彙が乏しく、本当に子供以下の対決。「都道府犬」でたとえるなら山形姉妹の喧嘩にも劣る。本当にこの2人はガチで仲が悪い。仕方ない。ここはせっかくの機会を利用して、2人のテポドンクラスの破壊力を堪能しよう。リアル中の人でも「ウザさ」勝負なら負けてないだけに、この対決は何か大切なものを賭けた魂の削り合いのように聞こえてくるものだ。 「中のエビからウザいに決まってますぅ〜」。この台詞は良い。福岡に1ポイント。コレに対する名古屋の反応が「エビちょ〜かわいいですぅ〜!」。斜め上の反応。確かにダイエットの時に見せびらかしたり、謎のエビ装備を披露した時にもチラ見せしてたパーツだし。鮮やかなピンク色にドキドキなのかもしれない。1ポイント。そして、以下のくだりは合わせ技で100ポイントです。「このブス〜」「ゴルァ! ブスとかぁ お前ぇ!」「ワシャシャシャ! ブスブス、ブス〜!」「んぎゃぁ〜! マッテ、テメ、オンマェ〜! オルァ!」 …………………………福岡も名古屋も言葉の汚さでは定評のある地域ではあるが……このくだりだけで着ボイスとかほしい。完全に名古屋じゃなくて戸松になってるあたり、特に。 2つ目のメールは、宮城回の一幕から、「パラディン」話。聞き取りにくいというメールが多数あったとのこと。確かに、一回聞いただけだと分かりにくい部分はあったのかな、早口だったし。でも、個人的には割とあっさり聞いていたので、そういう反響があったのは意外。しゅがボイスが聞き取りづらいわけないじゃないですか。多分、あまりにも場違いな単語が飛び出したせいでみんな脳が追いつかなかっただけだ。知らない人からしたらぽかーんな単語だしね。「47都道府犬のDVDを買ってるマニアックなヒトなら知ってると思うけど」って、さらりと視聴者が全員ひとまとめにされたが、一応、福岡がパラディンについて説明してくれた。ネットゲームにも精通した福岡さんの丁寧な解説で、初心者も安心。ただ、彼が披露しようとした「パラディンにまつわるいい話」が聞けなかったのは心残りである。「赤い洗面器の男の話」みたいに今後永遠に謎になってしまうのだろうか。このくだりの締めは名古屋の「そういう日もあるだがね!」だったのだが、この台詞は茨城回の時のものですな。決め台詞なのかな。 そして、トリをつとめるメールは大分絡みの「妹属性」のお話。投稿者に対して実にフランクにどん引きしてくれている2人が新鮮。中の人ネタで繋ぐと、福岡はマジもんのヤバい人を紹介する「ひだまり荘の自由人(および十人)」をやっていた経験があり、どん引きには定評がありますな。そして、「妹属性」というフレーズをパラディンの「光属性」と対比させていじるというなかなかの新機軸。こちらも、中の人的には数々の妹を歴任してきた福岡が、妹属性の何たるかを丁寧に説明してくれています。「半径3メートル以内に妹がいると、パラメーターが著しく低下する、まさに諸刃の剣、死と隣り合わせの属性」とのことだが、果たしてその剣、相手に向けた刃は存在しているのだろうか。 ちなみに、福岡の属性は「小町ちゃん属性」。みんな知ってる。「アニメ見ていると、何もかもど〜でも良くなる」らしい。そして名古屋は「自分属性」。「自分が楽しければ他人の苦労もいとわない。大変優れた選ばれし属性」とのこと。うん、知ってる。聖闘士星矢における光属性くらいレアだぜ。ここまで純度が高いのは。 などと、本当にどうでもいいネタで無事に最後の放送も終了。あとはコミケで販売されるDVDに収録されたラジオ4本目にちゃんと福岡も出てくることを祈って待ちましょう。 ○「ギリギリ!ツンデレ幼なじみ愛知犬」 いつもの間違った方向のおまけコーナー! 今回も名古屋が一切の制止も聞かずに振り抜いてくれているぞ。まず、イラストの制服姿が可愛いじゃないですか。犬+セーラーということで、完全にどこぞの資本主義の犬と戦う気が満々な気もするが、「スカートの丈はその部分まででいいのか」「足としっぽの立体的な位置関係はそれがベストなのか」など、波紋を呼びそうなデザインである。ちなみに、確実にノーパンである。ほら、萌える要素だよ! 穿いてない幼なじみだよ! ……ダメか、そうか…… 「あ、どっこいしょー!」というエクストラ1話でも聞かれたお馴染みのかけ声から幕を開ける幼なじみとの何気ない、いつも通りの朝の風景。これをツンデレと言っていいのだったら大体の性犯罪は許されると思うけど、大丈夫、Mならご褒美じゃない? 少なくとも戸松ファンなら確実にご褒美じゃない? 名古屋が自分を評して「黄金色の美少女!」と言ったのが斬新過ぎて良い。「黄金色」ってのは「美少女」の形容には使われないよなぁ。すげぇなぁ。時間が経つとカピカピになるなぁ。乾燥するのが怖いからこそ、鞄に牛乳ぞうきんを入れていた可能性が微レ存。 完全に余談だが、戸松ってそこまで幼なじみキャラのイメージ無いよね、と思って振り返ってみようと思ったら、何故か最初に思い出したのが「遊びにいくヨ!」の真奈美だった。普通に考えたら、まずはあなるを思い出すのが正しいと思うんだが、やっぱり「幼なじみ=当て馬ポジションの報われないキャラ」という図式が確立してしまっているせいだろうか。一応「屍鬼」の恵も幼なじみポジションといえばそうなんだけども。こうしてみると、きな臭いキャラしかいないのが戸松クオリティすな。名古屋の場合はきな臭いというか、既に爆発物として処理済みだ。
六花さぁぁあぁん! なんやねんこの人! 普段はそれなりに大人な常識人なはずなのに、時たま「少しは男の気持ちを理解して!」っていうタイミングが出てくることがあるの。しかも、大体致命的なタイミングで。そらもうあんた、プロポーズと大体同じ意味だと解釈していいんですか?! ご飯にしたらお風呂にして、その後は(ry
さて、やっぱり冷静に視聴すること能わぬ作品ではありますが、今回は突然お話が技巧的な方向に飛びました。亮介がいるのがずっとメルヘン空間ということで、アニメ的にはかなりいじり甲斐のあるシーンである。元々松尾監督の美術感っていうのは結構独特で(エンディングの1枚絵なんかでもよく分かる)、今回の「メルヘンランド」の情景についても、基本は「島尾の描いたスケッチの世界」だと思うのだが、そこから多少エキセントリックな方向にのばしたり、とにかく「花屋の夫婦」という存在感が増すように、色遣いも多くて鮮やかな色調になっている。話としては延々1組の男女が会話を続けるだけ、というおそろしく地味な(はずの)作品なので、こういう場面で見せられると楽しくて良いですね。 いや、まぁ、あんまりそういう要素を楽しむ精神的余裕もないのだが。今回は、メルヘンチックな手法を用いて何とか亮介と島尾を分離させ、2人の男連中に互いのことを理解させる、というパートになる。島尾は亮介の身体を乗っ取ることによって彼の(視聴者すら知らなかったような)パーソナリティを文字通り「身をもって」知ることになったし、亮介はメルヘンワールドを通じて、島尾という1人の男が生涯をどのように生き抜いてきたのかを知ることになった。これまでのお話では亮介→六花←島尾という本当に一方通行の関係のみだった世界に、突然亮介←→島尾というインタラクションが生まれたわけだ。この「男同士の理解」が今後の展開にどのように影響を与えることになるのか(というか、そもそも男同士は理解するつもりがあるのか)。とりあえず、次週の冒頭が風呂場から始まるかどうかで明暗が分かれそうである。 でもなー、こうして見るとほんとに旦那の器がちっちゃいからなー。流石に風呂には入れてくれないと思うなー。あとは「自分が嫁と一緒に風呂に入りたいかどうか」という欲求とのせめぎ合いになるんだろうけど。でもさ、まさかわざわざ乗っ取りを許可してくれた亮介の身体で、ここまで傍若無人に振る舞うことになるとは思わなかったよね。コンタクトの件は知らなかったから仕方ないとしても、勝手に金使ったり、勝手に髪切っちゃったり(しかもダサさを狙って)。今まではなんとか「それでも六花ちゃんの幸せを一番に考えているので、彼女が幸せになるんだったら相手が亮介でもしょうがないんだよ」という感情があるのかと思ったが、どうも、心底亮介のことは認めたくない模様。まぁ、自分でも仕方ないと思っている部分があるからこその、やっかみの部分もあるんだろうけどさ。亮介君は身体に帰還した時に、一体どんなリアクションを見せてくれるでしょうか。 一方の亮介君はというと、メルヘンランドで肩乗り店長やらコスプレ店長やらを見て心ここにあらずといった状態。まぁ、あの生き物はやたら可愛らしかったから仕方ないけど。普段からぬぼっとしてるキャラだが、こういうトンデモ展開でもあんまり動じないのはすごいな。自分の身体がどんな風に扱われてるか、心配じゃないんだろうか。 そして六花さんですよ。今週も好き放題揺れてくれてましたね。結局、目の前にいるのが実の旦那だということには気付く由もないわけだが、その割に頑なだったり、ほだされてみたり、忙しい御仁である。まず、旦那のシャツを譲る気は無い。遺品は処分しろ、と(口だけでも)旦那は言っていたが、そんなことは出来るはずがない。あの感じだと、家の中にはほとんど島尾が生きていた時のままに色んなものが残っているのだろう。亮介は仮に六花さんの横を勝ち取ったとしても、その後も随時旦那の幻影と戦わなきゃいけない予感がする。 しかし、旦那の遺品については頑なだったが、ひもじそうにしているバイトを見て、一緒に食事をしてあげるくらいは余裕。ここで旦那の食器を使うのは大丈夫なのだ。そして、久しぶりの感覚に少しずつ揺さぶられてもいる。おそらく、実際目の前で飯を食っているのは本当にその旦那なわけで、食べるリズム、仕草、面影が旦那のものであるからこそのフィードバックがあったのだろう。おかげであのラストである。やりたいことが斜め上だなぁ。どこまで考えてしゃべってるもんだろうか。男の側からしたら、もうこの言質を取った時点でゴールやぞ。 とまぁ、結局最後の一言で全部持って行かれた感はあるのだけど、実は今回のベストシーンは「六花ちゃん」って名前を呼ばれて返事をさせられるところ。「はい」「はい」「はいはい」って、3回応えているのだが、全部色合いが違う。そのナチュラルな反応がね、本当に切なくなるんですよ。目の前の男の子のことを見てるんだけど、多分、一瞬旦那の面影を見てるんだろうなぁ、って。くそう、中の人は下の名前呼ばれるの好きなくせになぁ。
第一部完、第5話。綺麗に終わったもんだが、来週から人格交代の妙味が見られなくなるのがちょっと残念。
とりあえず「ヒトランダム」と題されたチャプターが終わったということになるらしい。あの「ふうせんかずら」がやめると言ったからってやめるのかどうかは定かじゃないが、流石に人格交代でやりたいことはやりきったということなのだろう、ひとまずはここで決着である。 先んじて書いておくと、筋立て自体は本当にベタだし、大した新鮮味はない。これまで4週にわたって様々な内面を描いてきた人格交代の結末に「死」という課題を持ってくるというのは分かりやすくはあるが、非常に阿漕だし、ベタだし、選択の幅が少ないので面白味に欠ける。これまで人畜無害(すごく悪い意味で)を貫いてきたふうせんかずらが直接伊織の身体を支配してタスクを進めるというのもスマートじゃないし、「誰を殺すか」という選択を迫るのは、これまで多々あった「人格が交代するが故のトラブル」とは無縁のもの。これで「誰かと誰かの運命を逆転させて、肉体ごと死を交代できる」という課題ならばもう少し悩みようもあったろうが、伊織が誰かの身体を乗っ取って生きていく、なんていう選択肢は選べるはずもないわけで、「死の選択」としてもあまり緊迫感がない。もっとも、「まだ5話だから誰も死なせるわけにいかない」というメタ的な判断も緊迫感を削ぐ一要因にはなってたんだけども。 端的に言ってしまえば、非常に「とってつけたような」幕引きで、これまでいくつかのポイントで面白いプロットが出ていた脚本だけに、この幕引きは正直勿体ない。「終わりらしい終わり」を用意しないと片付かない気がするという、刹那的なラノベ媒体だからこその難点といえるだろうか。別にあのまま自然に収束する事に問題があったようにも見えないだけに、何とも惜しい。 ただ、散々悪態をついてみたものの、ベタはベタなり、とってつけたなりの片付け方としてはまとまっており、1つのアニメシリーズの終わらせ方としては、決して悪いものではない。阿漕なやり方には違いないが、主人公である太一の「ジョバー」としての性質がこれ以上無い形で表に出ていたし、その姿勢に対して、きちんと姫子の口を通じて「狂っている」旨を伝えたわけで、単なるキャラ設定としての無茶を、1つの特異点として浮き彫りにしておくというのは、今後のシリーズを考えれば悪くないことだし、必要な手順だったと見ることも出来るだろう。伊織と太一の仲についても、あそこで多少強引に横やりをいれておかないと、今後の文研部5人の関係性を続けてネタ回しをするためにはギリギリのラインである。どちらかというと、「幕引き」のエピソードというよりは、「一応風呂敷をたたんで次に向かうエピソード」としては良い終わり方だったのではなかろうか。 個々のキャラの片付け方についても、太一は上述の通りだし、渦中の伊織についても、「実は前回のエピソードで一切問題は解決してなかったんだ」というのが分かって一安心。唯や姫子と違って太一の荒療治を喰らっていなかったのは彼女だけなので、そう簡単に片付いてもらっちゃ困るのだ。今回の騒動でどのように二人の関係性が動いたのか、次回の表情が楽しみである。また、彼女は今回「人格が入れ替わったふりをして太一を揺さぶる」という、本人も「ひどいこと」と分かっている行動に出た。これは今まで出てきそうで誰もやらなかったことだけに意外な展開で、さりげなく「他人の望む他人を演じることを強いられた」伊織という人格を補強する行動でもある。あのシーンの伊織の涙は結構ショックだった。 そして、メインシナリオの陰でこっそり株を上げているのが義文だったりする。冒頭の真正面からの告白タイムは男らしくて悪くないと思ったし(そういえば、あのシーンで突然人格が入れ替わったら、覗いていた3人はどうするつもりだったんだろうな)、病院のワンシーンで、「伊織の身体と一緒に死ぬべきは伊織であるべきだ」と発言したのがすごく印象的だった。誰もが思っていても口に出せないそれを「誰かが言わねばならない」として口にする。これが出来るのは相当な男前。今まで単なる軽薄な奴だと思っていたが、一気に見直しました。 雨が降って地が固まったのかどうかはまだ分からないが、こんな面倒くさい5人が次回もまた何かをやらかすのか、次も楽しみですよ。ちなみに今回、久しぶりに藤島さんが登場した。また彼女は別次元で何か悟ったようなことをいってらっしゃったが、この温度差はなかなか愉快である。あの子、ガチなんだなぁ。あのキャラクターデザインでおでこ全開カチューシャ装備のスタイルは、色々と反則である。誰か、ちょっと髪の色をいじってコラを作ってみる気はないかね。 そうそう、今回も人格入れ替わりは錯綜して有効利用されていたわけだが、またしても沢城先輩の一芸にため息をつくことになった。クライマックスの病院での伊織役、これがまたすごいんだ。みゆきちは「呼吸からキャラを得る」という手法を採っていることを語ってくれたことがあったが、このシーンでの姫子は、間違いなく伊織になっている。というか、間違いなく「豊崎のリズム」になっている。沢城声で「豊崎の呼吸」だったのでそこに何とも言えない違和感を覚えてしまうくらい顕著に、「キャラが違う」ことが浮き彫りになるのだ。まさに職人芸、神業。独特の「うぇへへ」っていう笑い方も完全再現で、本当にこの作品をスタートする前に豊崎観察を行ったんだろうな、というのがよく分かる。もちろん、「姫子のふりをする伊織」を作った豊崎も負けてはいないのだけど。あー、この面白さが来週から無くなってしまうのは、声オタとしては残念至極だ。
AT−Xでこのほど放送されたOVA作品。特に事前情報があったわけじゃないのだが、データを見たらなんと佐藤順一の新作ってことだったので、とりあえず録画だけしておいて、ゆっくり見てみた。まぁ、これがまたね。驚くほどに「こういうの」なのね。サトジュミスはすっかり「日常系萌えの伝道師」みたいになっちゃったなぁ。もっと弾けてくれてもいいと思うんだけども。
そして、「またこういうのなのか」と思いつつも、楽しんでみちゃうんだなぁ。本当に、安定感の固まりみたいな人だよ。確実に安打が出る方向にしか打ってこないからハズしてこない。「たまゆらと一緒やん」と言われればそれでおしまいなんだけど、「たまゆら」でやったような外装で、ちゃんと「これはオリジナルなんで」という見せ方が出来るというのが偉いのである。うーむ、こういうので満足してしまうとなんか勿体ない気もするのだが……シングルヒットはシングルヒットなりの良さだよね。 今回はなんと協賛企業としてHONDAの名前がクレジットされており、テーマとしてもまさかの「バイクっ娘」である。と言っても、「RIDEBACK」みたいな全力疾走バイクではなく、あくまで山岳地帯で通勤通学が大変だから必死で原付の免許を取っただけ、という女子高生のお話。友達どうし、全員が原付で登校してくる学校ってのはすごくシュールな光景である。どうなんだろ、実際にこういうところってあるのかな。舞台がどこだかは分からないけど、確かにこんだけの山道で自転車通学は大変そうだものなぁ。バイク文化が花開いている女子高生たちってのは、それだけでなんだか新鮮。そして、協賛企業があるので当然このバイク描写はむやみやたらに気合いが入っている。こちとらバイクなんて乗ったことないのでさっぱり分からないが、多分1台1台のディティールまできっちり区別されてるんでしょうね(そして多分全部ホンダ製品なんでしょうね)。原付通学っていうと、「CLANNAD」で杏が乗ってた印象くらいしかないなぁ。伸恵ねえちゃんも通学に使ってたっけ? キャラクターの配置は、全力で前向きだった「たまゆら」とはちょっと違って、4人娘のうち主人公だけが完全に内向きでペシミスト。これって性別を裏返すとラノベで一番鬱陶しい「醒めてる系主人公」になる気がするんだけど、少女であるというだけでちょっと許せる不思議。回りの友人たちにはおっきな夢が一杯あるのに、自分だけ夢が無いと嘆いて、何となく都会に出たいと思っている田舎の娘っこであるが、たった30分のお話だったので、彼女が結局最終的に「何かを頑張ってみる」ことにしたのかどうかは分からずじまいという。そのくせ、金髪巨乳の外人さんの影響で「何かが変わった」という非常に端的なメッセージ性だけが残されている。なんだ、この本当に何の中身も無いシナリオは。そして、何故こんなシナリオなのに「なんか、いいんじゃない」と思える終わり方は。我ながら、ちょろいな。 でも、要所要所でやっぱり上手いと思わせる部分はあるんですよ。ちゃんと「バイク」っていうツールを絡めて思春期の女の子が一皮剥けるミッションを作っているし、バイク要素を活かすための画がちゃんと描けている。深夜のツーリングシーンは本当に「どこか不安で、どこか楽しい」という感情がにじみ出ていて、「若い頃にはこういうことをやってみるべきなのかもしれないなぁ」と、生粋の引きこもりでも思えてくるものだ。そして、非常に安直ながら「原付ぐらい持っててもいいなぁ」とか思えてくるのは本当にちょろい。いや、買わないけどね。お金無いから(免許はある)。そういや過去に「放課後のプレアデス」なんて自動車販促アニメもあったが、あれ、実際に多少なりとも効果があったって本当なんだろうか。突然HONDAのバイクが売れ始めたりしたら……もう、アニオタが確実に食い物にされるぞ。 結局、何が楽しかったかと問われれば、やっぱり中の人のことを書くのが一番手っ取り早い。サトジュンの使うキャストならいつも通り? と思いきや、今回の組み合わせはなかなか他では見られないものだ。というか、そもそも後藤沙緒里がメインの時点で非常に珍しい。(弱)さんキャラとしてはちょっと珍しいタイプの出し方をする主人公、結局ウジウジしているのはいつも通りではあるのだが、テンプレしゃおりキャラよりはかなりはっきりしゃべる方だったので、なんだか新鮮だった。そして、その回りを固めるのはキタエリ、はやみん、そして矢作パイセン。この絡みも当然初めて見る組み合わせ。そして、実にフリーダムな組み合わせ。正直、全員がメイン張れるレベルで、しかも作中での描写からは誰メインにしても問題無いくらいのウェイトだったので、万一これで馬鹿売れしたら4人分のお話で全部作れるかもしれん。つまり、「わんおふ〜hitotose〜」が作れる。 そして、母親役には今期フル回転の久川綾が相変わらず登場しており、そこに出てきたのが金髪巨乳のおねーさんキャラ。登場時に「もう、サトジュン作品で金髪巨乳といったら1人しかいないじゃない!」と、身構えていたら、まさかの画伯だったので斜め上過ぎてリアルに顎がカクンってなった。ひどいなぁ、と思っていたのに、視聴が終わる頃には「これは良い画伯」と思えるくらいの親和性だった。単に「訴えるよ!」っていつ言われるかはらはらしてただけかもしれない。まぁ、楽しそうで何よりである。 あと、個人的にびんびん来たのが、バイク屋のおっちゃんをやっていた菅生隆之氏。あかん、もうホントにめろめろになる。あの声で人生観を説かれたら、そりゃ納得するしかないわ。
何故レンジにいれたし。第6話。良い話、本当に良い話。先週の「悲しい」に続いて今週も「悲しい」はあるのだが、「嬉しい」が混じったこの感情は本当に良いものだ。どちらかというと今週の方が泣いたかもしれません。前に誰かに聞かれたけど、私は「泣いてる」と書いてる場合にはマジ泣きしてます。割と涙腺緩い方。最近はプリキュア23話リピートして毎回泣いてるんだけども。
「泣き」の話には違いないが、今週は確実に「始まる」話になっており、同じ涙でも嬉し泣きである。ふらふらとさまよった和奏の気持ちは、今回無事にたどり着くべきゴールへと届いた。よくよく考えると何で今週のエピソードでもって彼女が解放されたのか、というのは因果関係がはっきりしない部分があるのだが、それでもここまで作り上げられてきた彼女の「想い」はちゃんと伝わってくるので、自然に昂ぶりが分かるというもの。基本的に、おおっぴらに説明を広げるのではなく、和奏・来夏・紗羽の3人の人間関係だけで全てを表しているのが、この作品の上手いところである。 野暮は承知で少し見てみよう。前回、和奏は揺れ動く自分の心に決着をつけるため、「捨てる」ことを選択したところだった。ピアノを捨て、思い出を捨てて、母親に対する自らの喪失感と罪悪感をなげうってしまおうと考えた。しかし、どうやらこれが彼女の本心には耐えきれない所業であったらしい。猫を探して雨の中をうろついたことも原因かもしれないが、心に大きく穴が空いた彼女は、自らの選択である「喪失」の重みに堪えられず、身体を壊してしまう。まさに身も心もボロボロの状態で、彼女が救われる手段は一見すると失われたかのように見える。 そこに、1つ目の横やり、来夏が乱入する。入水と勘違いしてケーキをクラッシュさせるという賑々しい乱入をかましてきた来夏だったが、ごくごく自然に、本作で初めて和奏の部屋に押しかけることに成功している。殺風景になった和奏の私室は、本来ピアノがあったはずの部分にぽっかりと穴が空いており、まさに彼女の内的心情そのものと言っていい場所。そこにずかずかと上がり込んでくるってのは来夏にのみ許された特権と言ってしまっていいだろう。たとえ和奏が望んでいなかったとしても、ずぶ濡れになってしまった友人を放っておく訳にもいかないのである(もっとも、少しずつ信頼関係は構築していたので、別にぬれてなくても部屋には上げただろうが)。そして、そんな「内側」に食い込んできた来夏に対して、和奏は今まで隠してきた自分の弱さ、母親への罪悪感を漏らしてしまう。この時点で既に彼女が来夏に対して気を許している事が分かるが、タイミングも重要だったのだろう、どうしようもなくて自暴自棄になった和奏だからこそ、どうにもならないと思いつつ、友人に後ろ向きな発言をしてしまう。 しかし、そこで来夏からかえってきたのは予想外の反応だった。「かなわないことも、また思い出の一部」。はっきり言ってしまえば詭弁であるし、大した情感もこもっていない適当な物言いではあるのだが、今の和奏からすると、全く想像も出来ない考え方だっただけに、そのショックは大きかったのだろう。和奏は事前に、来夏がコンドルクインズにどれほどお熱で、それだけ祖父の影響が大きかったということをよく知っている。つまり、来夏にとっての祖父の存在も、自分にとっての母親と同じように、大きなものであるはずなのだ。それをあっけらかんと笑って語る来夏を見て、和奏は何を思っただろう。「叶わなくて良かった」と笑う友人に、何を見ただろう。 そして、「来夏→和奏」という直接的な「ウザい」乱入者とは対照的に、受け止める方向で和奏の心情を 変えたのが、もう1人の主役である紗羽(とサブレ)である。キーアイテムとなる母親のテープの受け渡しも大事だが、面白いのは、来夏とは正反対に、紗羽は和奏との対話で、一切「故人との接し方」「音楽との接し方」などということを口にしていない。和奏が勢い余って「父親に二度と会えなくなったらどうするのか」などと口走ってしまった時にも、ただ黙ってそれを受け流し、和奏をサブレに乗せた。普段紗羽が見ている景色を共有した和奏が、馬の背から何を見たのかは分からないが、不可思議な「友達」の優しさに、和奏は何かを感じ取ったのだろう。 2人の友人の洗礼を受けた和奏はテープを聴くために音楽室に行き、そこで常識のない男声パート2人の脳天気さにも救われている。1つずつ繋がっていく合唱部のリンクが、ここで一気に完成を見る。下地が整ったところで、いよいよ最後の勝負、今は無き母親まひるさんの思い出と、父の言葉を通じて対峙する。前回の食卓は「いないこと」がことさらにフィーチャーされた「欠けた」団らんであったが、今回の画にはそれが一切無い。あくまでも父と娘の2人の食事風景であり、テーブルクロスの配置や、空席が見えないように取られたアングルなどからは、前回とは全く違った食卓の意味がうかがい知れる。それは、立ち直った和奏に対して、父・圭介がまひるの遺志を伝える場である。 娘への思いや音楽への思いを突きつけられ、和奏は再び挫けそうになるが、既にそれを受け止めるだけの下地は出来ていた。新たに「自分の音楽」を作るという目標、そして、母と2人で1つの音楽を完成させるという目標。全てを受け継いで、ようやく、坂井和奏が立つことになった。 ここまで都合6話。少しずつ繋がる人間関係に、少しずつ増えていく声の数。どこかで見たことがあるこの構図、と思ったら、「迷宮組曲」のオルゴールだった。和奏はさしずめ、最後に主旋律を完成させるためのバイオリンの役目である。もしくは「夢を見る島」の楽器集めでも良し。まぁ、あれの場合は最後がドラムだからちょっと雰囲気違うけどさ。 相変わらず情感たっぷりで文句のつけようがない作劇。そして何もかもを丸め込む声の力。恐ろしいまでの充足感が得られる作品である。声といえば、教頭は高校時代からずっとあの声のまんまなんやな。まひるさんもそうだけど。いや、中の人的には実際に高校時代から1ミリも変わってない気がするよ、まひるさん。是非とも子供さんが出来たら一緒に歌ってあげて下さい。
まさかの蒼摩離脱、第18話。やばいやん、このままだと来週から野郎1,女2っていう、聖闘士星矢業界ではあり得ないパーティー編成になるやん。龍峰さんが空気読んで加勢に来てくれないとマジハーレム。でも女性2人に病人1人って、面倒見るのも大変なような……いや、どっちかというとユナ視点で女1人、病人1人、アホ1人の面倒見る方が大変かもしれないけど。
さておき、今回はサブタイが表す通り、最初から最後までとにかく蒼摩のお話。最近どんどんヌルくなっていたし、蒼摩自身もお休み回の影響もあって完全に「単なる女たらしの雑魚」みたいになっていたので、久しぶりに聖闘士らしく、シリアスムードできちっと戦ってくれたのは良かった。話の筋立ては相変わらず単純過ぎるくらいなのだが、これくらい分かりやすく、はっきり描いてくれた方がアニメとしては見られるようになる。単純な「親父の仇ぃ!」なお話なのだが、これまでもちゃんとそのあたりの説明はしてくれていたし、普段がちゃらんぽらんなだけに、シリアスになったときのギャップは気持ちが良い。まぁ、それだけに突然の離脱はびっくりなのだが……蒼摩さん、やりたいことが出来たのは仕方ないけど、この局面でアリアをほったらかしていなくなっちゃうのはどうかなぁ。アリアと一緒にいた方がもう1回ソニアに会う確率は高いんじゃないのかい? 今回は新キャラが1人もおらず、遺跡守りの敵キャラ役をソニアさんが担当しているために毎度お馴染み「今週の白銀聖闘士」のコーナーは無し。その分ソニアさんが頑張ってくれるかと思ったのだが、初登場のときのような無双の強さはなく、ブチギレモードの蒼摩に押され続けるというちょっと残念な展開に。「お前は罠にはまったんだよ!」とか言ってたけど、相手が強くなるフィールドにわざわざ呼び込んでおいて、しかもそこが相手の目的地って、どの辺が罠だったんだろう。「遺跡の力もあるが」って、だったら遺跡の外でタイマンはってたらソニアさん楽勝だったんじゃないか。まぁ、いくら怒りに任せたパワーとはいえ、この段階で「蒼摩が中ボスクラスのソニアを圧倒している!」っていう展開にするには理由が必要だったので仕方ないと思うが。 意外だったのは、ソニアさんの方もちゃんと蒼摩の親父さんのことを覚えていたっていう部分。いかにも「貴様は自分の喰ったパンの枚数を」的なキャラだと思っていたので、「そうか、あのときの……」とかちゃんと記憶に残っていたのを見て、「あれ、案外優しいところもあるんだな」と思ってしまった。その後いかにも悪役っぽい台詞でフォローしてたけど、最初の反応を見る限りでは、ソニアさんは案外根っからの悪人じゃないのかもしれない。今後改心フラグが来て更に女性比率の高いパーティーになったりしないもんだろうか。いや、まずエデンを何とかしないといけないけどさ。 さて、今回は真っ当な内容だったのでそこそこの進捗状況だったわけだが、期待は次回予告にかかってますね。残る遺跡は水と雷ってことで、ようやく龍峰が復帰。しかも紫龍にきちんと絡めたエピソードになる様子で、石化する光牙、そして怪しく目が光る盾。ペルセウス星座ですわ! 未だにドラゴン紫龍の名勝負数え歌として名高いアルゴル戦の再来ですわ。個人的に、幼い頃に「聖闘士星矢ごっこ」をやるときは常に紫龍狙いだった人間だし、幼心にあの目つぶし展開は衝撃だったので、アルゴルはトラウマレベルで印象に残っているキャラなのですよ。なにせアニメ版だと声が神谷明だったんだぜ。白銀としちゃけしからんくらいに恰好いいキャラですよ。まぁ、次回出てくるのはあくまでアルゴルじゃなくて「次世代のペルセウス星座聖闘士」なんだろうけども。メデューサの盾も、なんだか随分システマティックで洗練されたデザインになってしまいましたね。あのごつごつした「そのまんまやん!」感が良かったんだけどなぁ。まぁ、不安も期待も、ちらりと覗いた天秤座聖衣が全部もっていってくれると思いますよ。紫龍さん、今は1日何回くらい心臓を動かしてるのかなぁ。
というわけで、無事に行けました、劇場版。少しずつ1日あたりの上映回数も落ち着いてきたし、そろそろ混み具合も収まってるだろう、ってんでこのタイミング。まぁ、正解だったとは思います。「けいおん」と違ってリピートするほどのものでもないし、ゆっくり1回観て出来が確認出来れば良いかな、という感じ。
<問題無いだろうけど、以降一応ネタバレ注意> 今作のポイントはなんといってもその上映時間で、なんと2時間半という長丁場。1期の映画よりも更に時間が延びて、ゆっくりと作り込んだ世界を堪能することが出来る。もちろん、元が13話あったのだからこれでもギチギチに詰め込まなければならないわけだが、1作目でもシェイプアップは割と上手く機能していたので、スケールダウンは心配せずとも大丈夫だろう、と予想していた。 そして、その予想は大体当たっていて、出来としては「予想も期待も裏切らない仕上がり」。高い金を払って観る劇場作品だが、このクオリティが達成出来たのなら文句は全く無い。1作目でも満足させてもらったが、2作目も立派なもの。やはり「なのは」クラスの注目作になると、下手なものはそうそう出てきやしないですわ。特に「A’s」は個人的にも一番好きなシリーズだし、当然人気もトップレベル。これではずせって方が無理なのかもしれない。 そんな劇場版で最大の注目ポイントといえばもちろん…………、レティ提督の声優変更ですね。 ん? 違う? いや、俺的にはそこしかないよ。元々担当していた鈴木菜穂子さんという方がどうやら声優業を引退していたらしいんですね。劇場で声を聞いてびっくりしましたわ。まさかこんなところでも声が聞けるとは思っていなかった大原ボイス。今現在、無事に退院して絶賛療養中なわけですが、仕事柄声が聞こえてくるタイミングにブランクがあるから全然休んでる気がしないわね。しかし……レティ提督なんてそこそこ重要なポジションで人気作品のレギュラーキャラに食い込みましたよ。ふふふ、これでまた1つ良い仕事が増えたぜ。久川綾(リンディ提督)の同期で親友っていう年齢的なフィット感が恐ろしい。 閑話休題。上述のように、今回の映画で最も注目していたのは、どうやってテレビシリーズの尺を詰めてくるか、という部分。いくら長い映画と言っても、テレビでやった要素を全て詰め込むわけにもいかないし、かといってこれだけの人気作品だとどの部分を切ったりいじったりしてもそれはそれで文句が出そう。パンフのインタビューで脚本の都築さんも書いているけど、本当にデリケートな作業を強いられたはずだ。ざっと観ていくと、一番大きな変更点は変態仮面ことグレアムさんとこの双子使い魔のくだりが全カット。まぁ、これはある意味予想通り。時空管理局を巡るごたごたについては、確かに削ってもほぼ問題無い部分だったので、影響といえばはやてが幻影の黒なのはと黒フェイトを見なかったことくらいだろう。これで中盤はかなりすっきりして観やすくなった。最終的に管理局が絡むための因縁をリンディ提督の旦那のお話にまとめるというのもすっきりした印象だ。 他にも、ヴォルケンリッターが他の次元などで必死にリンカーコアを回収する行程もかなり短縮されており、映画だけを観ると「いくらなんでもなのは達の世界で暴れすぎじゃね?」という気もするのだが、そのあたりの動機についてはシグナムがちゃんとフォローしてくれているし、場面が大きく変わる必要性も感じられないので、構わないかな、という部分。そもそも「闇の書のページが少しずつ埋まっていく」という演出はテレビシリーズとしての長丁場でこそ意味があるものだったし、多少駆け足で蒐集が進んでも、シナリオ上の違和感はほとんど無かった。 敢えて勿体ない、と思った部分といえば、これまた都築さんが書いていることなのだが、冒頭、テレビ版1話での最大の見せ場だった「友達だ」が改題されて、フェイトの見せ場じゃなくなってしまった部分。ただ、ここについても劇場で観ている時には「勿体ないなぁ」と思ったもんだが、都築さんが説明している通り、シナリオが「なのはとフェイトが同時に敗れる」という風に変更されており、その中に「友達だ」を入れてしまうというのは確かに格好悪い。むしろこの台詞を何とか活かそうとして変更した劇場版の「友達だ」の方が、後々にシグナムとフェイトが急に仲良くなることの不自然さをある程度緩和してくれているので、こちらの方が良かったとも言える。そう、やっぱりこうしてみると1つ1つの要素がきちんと全体構成に向けて変更されているので、1つの像としての完成度は高いんだ。 その他の変更だと、むしろ「削られた」というよりも「ボリュームが増した」という印象のシーンの方が多いくらい。個人的に嬉しかったのは、闇の書の意志(以下リインフォース)の活躍シーンが大幅に増えた事。テレビ版だと最後にちょろっと出てきてはやてに謝るだけ謝ってさっさと2代目に変わってしまった可哀想な子、というイメージが強かったのだが、今作ではナハトヴァールという完全に別な存在としての敵対勢力が存在していたために、ちゃんと1つの意志を持った存在としてのアピールがなされ、はやてを想う気持ちの強さもしっかりと活かされている。もう、いっそこのまま初代リインを生かしたままで幕を下ろしてもいいんじゃないか、と思えるくらいに感情移入出来る存在となっており、小林沙苗ファンには嬉しい構成である。ナハトヴァールの造形についても、テレビ版の適当すぎる触手モンスターのデザインをベースにしつつも、ちゃんと「リインからはずれたバグ」という存在感を出すために人型の部分もあったり、ラスボスに相応しい迫力になっている。 そして、そんな敵キャラ達との戦闘を描くバトルシーンだが、やはり「なのは」といえば大迫力、大火力のバトルが見せ場。ヴォルケンリッターが1人1人違ったギミックで戦闘出来るので、多種多様な武器での肉弾戦は嫌でも燃える。テレビ版1話でも大興奮だったヴィータとグラ—フアイゼンのコンビの活躍はより過剰になっていて実に楽しい。ラケーテンモードの馬鹿馬鹿しい変型ギミックのやり過ぎ感がたまらない。変型・変身はこの作品の最大の晴れ舞台なので、どのキャラもどのデバイスも長すぎるくらいのモーションでたっぷり見せてくれたのはやっぱり「分かってる」。レイジングハートもバルディッシュも、改造後はテレビ版以上にカートリッジシステムの存在感が増していて、いかにも「パワーアップしたなぁ」というのが伝わって素敵。もう、これだけでも充分だったレベル。やっぱり「なのは」の功績の1つって、「ヴェルカ式」という形式を産みだしたことだと思うんだ。 バトル以外に「A’s」で見るべき点というと、やはり阿漕なまでの「泣かせ」の演出だろうか。テレビ版でもぼろぼろ泣いたラストの別れのシーンはもちろんだが、下手したらカットされるんじゃないかと思っていたフェイトの過去夢もしっかり入っていて、リニスやアリシア、そしてプレシアといった「泣かずにはいられない面々」がちゃんと物語を作ってくれた。やっぱりプレシア絡みの思い出は卑怯だわな—。 あとはそうね、中の人の事だと、今回殊勲賞ははやて役の植田佳奈だろうか。実は最近あんまり幼い役をやることが無くなってきている植田佳奈だが、久しぶりに聞いたはやての声は、予想以上に「泣かせる」ものになっていた。基本的になのはとフェイトは遠慮無くいちゃいちゃしているだけなので、健気に頑張るはやてが一番映えるのは致し方ないところですわ。基本的に「家族愛」っていうのに弱いっていう理由もあるんだけどさ。 全体をまとめると、「予想通りの内容。それでも決して損はさせないナイスクオリティ」。あんまりいないとは思うけどこの劇場版から初めて見る、という人でも(一応)耐えられるように作られているし、オリジナルのファンも文句なく楽しめる仕上がりだ。草川監督、お疲れ様です。さて、これで3期の映画が作られるのかどうか。……StrikerSは劇場版一本にまとめるのは不可能だし、正直あんまり望んじゃいないが……Forceだったらいけるかな。個人的に、何とかしてスバルの活躍が劇場で見たいんだけど。偉い人、お願いします。 |
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