最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
○「ゆるゆり」 5
ついに現れた、実は案外今期は出てきていなかった純正日常系作品である。ひらがな4文字、女学生の日常、さぁ、毎度お馴染みタイムの始まりだ! とはいいつつも、この作品は掲載誌が「百合姫」というとんでもない名前の雑誌であり、名前にもそのものずばり「ゆり」の文字。密かにリリアン女学園に憧れる身としては、「あら、どのような心の交流を見せて頂けるの? ひょっとして性別が逆転した『世界一初恋』くらいの密度はあるんじゃなくて?」なんて期待してたんだけど、いざ始まってみれば、一番近い作品は「苺ましまろ」という……いや、監督繋がりなら「みなみけ」の方かな。まぁ、とにかく割とアホ、というか間抜けな方向でした。百合を待っていた分の期待感は、一体誰に頼んだら返してもらえるんでしょう。ごきげんよう。 で、そんな期待はずれな作品になってしまったわけだが、「日常系ギャグアニメ」では「みなみけ」「みつどもえ」という2本の実績を持つ太田雅彦監督。なかなかの手練れである。原作は知らないので推測するしかないが、多分原作もそこまで大笑い出来るような漫画では無いだろうし、アニメにしたからって人気が大爆発、ってなテイストでもないだろう。そんな中にもきちんと笑いのポイント、アニメで際立たせたら美味しそうなポイントを選び抜き、的確に映像化させて確実にニーズに応えている。実際に大爆笑するようなシーンは一度も無いわけだが、タイトル通りの緩さに、適度な刺激とニヤニヤが加わると、まぁ、こんなもんなら文句はないかな、というくらいの結論に落ち着くのである。ひょっとしたら、ここ数年で生み出された作品の中では「けいおん」が一番テイストの近い作品なのかもしれない。 百合要素はおまけ程度に据え置くとして、メインとなるのは狂言回し京子の無茶な言動がメイン。キャラ的には「みなみけ」の夏奈に比べるとまだ勢いが足りないが、適度な性欲との絡め方はちょっと新鮮。そして主人公であるはずのあかりが「特徴がない」ことを最大の特徴とする部分は、意外な変化球であった。この手の作品の主人公なんて確実に天然系でせめてくると思っていたのだが……今後どうやっていじっていくのかは興味深いですな。そういや、なんでこの手の作品って大体4人組で構成されるんだろうね。「苺ましまろ」「けいおん(同学年だけ)」、「らき☆すた」もそうだし、「Aチャンネル」「ひだまりスケッチ」もそう。はっきり5人の作品って、ぱっと浮かぶのは「GA」くらいだ。4人が構成しやすいのかな。ただ、この作品の場合は学年が違う人間が2対2で分かれてるのが新鮮だな(あ、ましまろもそうか)。こうして色んな作品を比較していると、やっぱり松岡美羽が化け物であることがよく分かるのである。どんだけ必死にボケても「美羽の下位互換」にしかならないし、どんだけ厳しく的確に突っ込んでも「千佳の下位互換」にしか見えないんだよなぁ。 さておき、女の子いっぱいの作品なので中の人の話をしたいわけなんですが、今作はメイン4人をほとんど若手の知名度が低いキャストで構成されている。かろうじてネッサ役津田美波と最近気になっていた大久保留美だけは認識できるが、他2人は全然知らない。そして、この4人が絶妙に「まぁ、目くじら立てるほどではないか……」っていうくらいのスキル。決して褒められないのだが、まだ聴けるくらいの。ま、まだまだ若いですからね、この作品をきっかけに精進して欲しいと思います。やっぱこうして聞くと大久保留美が一番安定してるかな。この子は近々一山当てそうな気がする。そして、こんな4人が担当しているのがオープンエンドの楽曲なのだが、エンディングが割と好みでした。コールアンドレスポンスを基調としたお祭りソングなんだけど、案の定曲作りがfuntaであった。ちびちび仕事してくれてるfuntaなんだけど、UNDER17と絡んでた時期からのファンなのですよ。この手の文化はきちっと受け継いでいって欲しいもんだなー。 PR
○「神様のメモ帳」 5
今期3つ目のラノベ原作作品。もっと多いかと思ったら意外にまだ出てきてないな。まぁ、最近は漫画原作もラノベ原作もあんまり区別が付かないけどね。 オープニングは、岸田メルのキャラ絵ということで「花咲くいろは」を思い起こさせる雰囲気。ただ、開始数分で野郎主人公と分かり、しかも例によってモノローグが多くて持って回った「肥大した自意識」トークが多く、「はいはい、ラノベラノベ」という印象。更に現実感の薄いキャラクターが立て続けに登場し、ニートがどうのこうの言い始め、あげくニートと名乗っているくせに探偵を名乗るとかいう自己矛盾を孕んだヒロインが登場したあたりで、「これは痛々しい、今期の電波女枠か」というしんどいイメージを固めてしまう。 で、そこで初めて気がついたのだが、何と1話目が1時間放送という特別形態の番組だったのだね。前半部分では事件への導入と舞台設定の紹介を描いただけで、正直イラッと来る部分が多いし、事件そのものも地味だし、身勝手な介入の仕方だし、分かりにくい。1話目としてはあまり親切な導入とは言い難い。しかし、これが1時間枠の前半となると話が変わってくる。ちゃんと解決までを一気に書いてくれるなら、対象の分かりにくさも許容出来るし、これだけ地味で、わざわざ取り立てるのも面倒臭そうな事件の方が、逆に「だからこそこいつらが介入している」という舞台裏の設定は説得力を持ってくる。少しずつ意志を持って動き始める探偵団と、それに振り回されながらも自己を失わず、要所要所でちゃんと「考える」ことをしてくれる主人公。事件が分析され始め、解決へ向かうあたりから、次第に没入度が上がっていく。そして、アリスがその答えを詳らかにした時、何故かキュッときた。よく分からない感情だったが、なんか、そういうところに落ち着くのがまっとうなようで、それでいてちょっと残念で、結果として、キュッときた。この印象は、決して悪いものじゃない。 改めて振り返ると、監督・コンテに桜美かつし、演出には神保昌登の名前がクレジットされており、クライマックスに向けてのどうにもやるせないようなあの切なさは、桜美監督の得意分野であったことが思い出される。今回物語の主役となった木村未来や佐久間翔子といった人物の造形についても、メインキャラたちのようなクドい味つけはなされておらず、あくまで1人の人間の陥った若さ故の悩みを素直に描出する方向に描かれている。事件としては陳腐かもしれないし、探偵の行動が面白いものだったかは定かでないが、1つの人生のエピソードとしては、悪くない描かれ方だったのではなかろうか。 この視聴後感は、1時間という特別枠で描かれたが故の恩恵である。これが前半30分で区切られて「問題編」「解決編」のようなブツ切りになっていたら、最後の翔子と聡の感情はあまり共有出来ないものだったであろう。未来の視点を中心として、少しずつ佐久間翔子という人物の造形を掘り出し、それを一気にゆがめていくことで、今回の結末が得られたのだ。これは、気を配って時間枠を伸ばした制作サイドのナイス判断である。こうして紹介がてらに一通りまとまった事件を見せてもらえれば、次回以降は話が寸断されてもある程度はついていくモチベーションを維持することが出来るだろう。今期では珍しく、脚本部分に期待してみたい、ちょっと気になる作品である。あとはまぁ、アリスのキャラが痛々しくないギリギリで踏みとどまれるかだなぁ(現時点でややアウトなんだけど)。 中の人については、珍しく男性キャストから行ってみよう。主人公鳴海を演じるのは、松岡禎丞という聞き慣れない名前。それもそのはず、まだ若いアイムの新人である。「割とどこにでもいそうな声」と言ってしまえばそれまでだが、初めて聞く割には随分安定した仕事ぶりだったように思う。男性新人はなかなか出てきにくいのが現状なので、是非とも頑張って欲しいところだ。その他、メインヒロインアリス役には、「ロウきゅーぶ」でも登場していた小倉唯。今期いきなりメインで2本とは、なかなか気合いが入っている(事務所的にね)。そして、「メイン2本」なんて仕事量を軽々と凌駕するのは、園芸委員こと彩夏役の茅野愛衣。前期のめんまに続き、今期は「神様ドォルズ」「神様のメモ帳」の神様2連打。全く毛色の違う役だが、どちらもばっちり行けてるところを見ると、プッシュされている理由も分かろうというものだ。面白くなってきましたな。しかし、何回聞いても小野Dのヤクザもんは迫力ねえな。静雄ちゃんみたいな愛されキャラになるのがオチやで。
R・ドロシー・ウェインライトォォォオ! 第15話。まさかのビッグオー来ましたよ。さとう監督! 誰に突っ込まれたいねん! 登場直後にCV矢島晶子で吹いたんだが、そのまま進んでいったらドロシー(違う、シス)の生みの親の声が宮本充でやがんの。違うよ、ドロシーの開発者はロジャースミスじゃないよ。いやー、わらかしてもらいました。このまま行くとヒーローTVは「ビッグオーショータイム」を始めるんですなぁ。ひょっとしてパラダイムシティの原型ってここなんだろうか……ついでに放送後のCMでビッグオーのBDの宣伝まで入れてきやがった。……買うか。
とまぁ、小ネタはさておき、今回の主役はスカイハイ。虎鉄の能力が減退してる疑惑とか、バーナビーの親がアンドロイド開発の草分けだったとか、色々と後に繋がるお話もあったけど、そんなんどうでもいい。今回は1から10まで全てスカイハイだ。お話の中身が、久し振りにやたらしっかりしていたので、そんな印象が強い。そして、スカイハイさんは基本的に愛されキャラなので、とても暖かい目で見られる内容になっていたのが大きい。たとえそれが悲恋になるだろうことが早々に予想出来たとしても…… ジェイク事件の傷跡は、意外にもスカイハイの心の中にまで残っていた。大活躍していたキングオブヒーローは、ジェイクと対峙して、初めてテレビカメラの前で敗北を喫した。そのことが原因で彼は軽いイップスに陥っていたのだろう。それを打開してくれたのが、偶然にも彼が出会ってしまったアンドロイドのシスだった。彼女からしたらたまたま適当な受け答えをしていただけのはずなのだが、相変わらず思い込みが激しくて一人上手なスカイハイさんは、そんな自動音声の返事でも立ち直るきっかけにしてしまった。そのついでに、たまたま深夜に起こったアンドロイド暴走事件でも見事な活躍を見せ、彼の悩みは一気に解決。ランキングではまだ2位だが、きっとすぐに立ち直ってくれるはずだ。二度と来ないあの娘を待ちながら…… うわぁぁぁ! 泣けるがな。いや、なんかスカイハイが主役だからどこか滑稽ではあるんだけど、こんなに切ないお話もなかなか無いぞ。ホントにスカイハイは良い奴だよなぁ。リアルであのシティの住人だったら間違い無くスカイハイを応援するよなぁ。だっていつもの台詞回しでしゃべろうとしたらシスに遮られて、「うわっ、決め台詞言えてねぇでやんの」とか思ったら、その後に続いた台詞が「また明日、明日また」だぞ。泣けるわー、この人なんか知らんけど泣けるわー。でも顔濃いわー。 あれ? そういえば今回牛角さんって出番あったっけ……
○「怪盗天使ツインエンジェル〜キュンキュン☆ときめきパラダイス!!〜」 3
タイトルなげぇよ。それにしても……なかなかすごいものが出てきたぞ。「Rio」→「戦国乙女」と繋がったパチンコ原作アニメが今期も継続しており、アニメ業界がいかにパチンコと密に繋がっているかが確認出来る状態になっている。そして、「Rio」はどっかぶっとんだ悩める作品、「戦国乙女」はなんだかんだ言って最終的にアリだった気がする作品と、実は案外嫌なところに突き刺さる作風が続いているのである。さて、今作は。 一言で言うなら、古い。全てが古い。年代でいうなら丁度10年前、とにかくなんでもいいからアニメにしちまえ、ってんでありとあらゆるアニメが作られ、露となり消えていったあの時代の臭いがする。キャラクターデザインを皮切りに、どうでもいいシナリオ、設定、そしてギャグのノリ、中身、テーマソングの構成、キャスティングに至るまで、どれをとっても現代風に見えない。制作を手がけるのはその当時から一線級のJ.C.であるし、監督はまさかの岩崎良明。これは……ひょっとして新たな形のおっさんホイホイなのか? 一言で片付けるなら、面白い要素など特にない。タイトルが長いくせに怪盗でもなければエンジェルでもパラダイスでもない。ギリギリ意味を持つのは「ツイン」の部分だけだが、オープンエンドを見る限りでは既に釘宮ボイスの3人目の存在が仄めかされており、あっという間に「ツイン」ですらなくなりそう。何がやりたいかさっぱり分からないのに、何をしているのかはすごく分かりやすい。あったよなぁ、こういうアニメ。そんで、あの当時だったら何も考えずに「ほー、これがアニメですかー」みたいなノリでちょこちょこ見てるくらいの。つまり、トータルすれば欠点らしい欠点も無いように見えるのだが、そもそも無いのは制作者のコンセプトの方だったりするのだ。アニメにした、という事実が発生した時点で役目を終えている作品な気がする。 それでも、「一周回って面白い」という一番使っちゃいけない概念がむくむくと鎌首をもたげるのがこまりもの。檜山ボイスのイケメン生徒会長が出てきただけなら苦笑いで済むけど、それがタキシード仮面様になったらやっぱり笑うよ。もう、配役のセンスとかネタ回しとか、正しいんだろうけど全部古い。あー! なんだろうな、このもやもや感は。駄目だよゆかりん、あんたのキャラクターは檜山ボイスの変態仮面と夜の町で遭遇したらろくなことがないだろう(主に海成市上空あたりで)。もう、なんかどうでもいいや。毎週見る要因は中の人的なもの以外に見あたらないが、古くさい岩崎演出を見ているだけでどこか安心してしまう自分がいるっていう……岩崎さんとか渡部高志とか、J.C.STAFFは古参の小ずるい監督を揃えすぎたと思うよ。くそう、岩崎さん、もっと目の醒めるような仕事しようよ。あたしゃあんたのファンなんだよ。 中の人的には、メイン2人、田村ゆかり・能登麻美子コンビが意外にこれまで絡んでこなかった組み合わせだけに、なんとも新鮮。敵役に新谷っていう配役も、絶妙にどこかに届いてない感がたまらない。一条みゆ希や清川元夢などを贅沢に配しながら、何故か悪役の手下はヤング師匠っていうね。なんか小野坂さんだけ浮くわー。こういうアニメで声当ててるの久し振りだからかなー。新谷にぞっこんラブっていう設定があり得なさすぎるからかなー。 最後に一つだけ。ユニットで歌うのはいいんだけど、あの田村ゆかりの歌に麻美子をデュエットさせるっていうのは、軽めの罰ゲームなんじゃないか? 釘が上手いこと間に入ってるからごまかせてるんだろうか……アイドル声優は大変だね!
7月8日 ドラフト模様(NPH,MBS,SOM)
ピック順 【Thraxi】→【Metallica】→【Alessi】→【Mei】→【Serra】 暑いよー、なんでクーラーも無い夜中に肩寄せ合ってドラフトやってんだよー、マジで人死にがでる可能性があるよー。でも冷えピタ貼れば大丈夫だよー。せっかく大箱で買ってきたのに、なんでみんな冷えピタしないんだろう。色々捗るぞ。 もう来週はM12の発売。バリバリ剥きたいけど、剥くための環境がない。俺のチャンドラさんに会える日はいつになるやら。
○「バカとテストと召喚獣にっ!」 5
1年ちょっとの間を空けての2期目。久し振りのはずなのだが、その間のラジオがあるのであんまり懐かしい感じもしない。そして、ラジオのせいで完全に別な作品としての楽しみがベースになってしまっているせいで、アニメの中身とか正直あんまり頭に入ってこないっていう……どなたか「ひとみごっつ」をお持ちの方はいらっしゃいませんか? すごく欲しいんですが。 さておき、2期目である。2期目といってもスタッフはまったく変わっておらず、せいぜいオープニングテーマが変わったかしら、という程度の差。そして、おそらく1期で一応本筋と呼べるストーリー部分は追ってしまったのだろう、もう、お話とかどうでもいい適当極まりない中身。タイトルが「バカとテストと召喚獣」なのに、テスト要素も召喚獣要素もなく、ひたすらバカのみをクローズアップする内容になっている。……そして、この作品の場合、それで正解である。正直、毎週こういう中身でいいんじゃないかな。1話目は各キャラの活躍のバランスも取れてたし、冒頭から玲さん出ずっぱりだし、ムッツリーニの活躍も増えてるし。これが理想の「バカテス」な気がしてきた。翔子のテンションなんかが無駄に凝ったエフェクトで描かれるおかしな力点もいい塩梅です。 映像などについては、特に言うことはありません。大沼監督の適度なおふざけはクド過ぎもせず、かといって淡泊というのでもなく、この作品の馬鹿馬鹿しさを適切なさじ加減で色づけしてくれていると思います。あとはもう、各キャラと中の人の無駄なリンクを楽しむだけです。この作品はねぇ、何故か中の人要素がそのまんま見やすいんですよ。下野母さんもそうだけど、何故か女性キャストはキャストとの乳リンクが成立するっていうね。おかげで(?)普段は常にローテンションのミズハスが活き活きしてる感が出るのです。何ででしょうね。 やっぱり原田ひとみは化け物であり、馬鹿者である。それが分かるだけでいいじゃない。そして、キャストの中で一番好きなのは津田健次郎大社長だったりするんですけど。ナレーションのついでに波のエフェクトまで「ざざ〜ん」ってやってる社長の声に思わず吹いてしまう。フリーダムだなぁ。
○「神様ドォルズ」 4
全く前情報が無い状態で視聴。タイトルからてっきりラノベ的な日常萌え作品まであるんじゃないかと思っていたのだが、一切そんなことは無くてハードな幕開けだったので度肝を抜かれたくらいである。まぁ、このタイトルで日常ものをイメージする時点で病気な気もするけど。 見ていて一番インパクトが大きかったのは、なんと言ってもオープニングである。モザイクのように映像の断片が途切れ途切れに散らばるイメージも強烈だが、それにも増して曲の不安感が恐ろしい。我が心の歌い手石川智晶の歌唱、歌声にはホッとする面もあるはずなのに、ワンフレーズごとにもどかしさを残すリズムのズレが、どうにもならない据わりの悪さを印象づける。これ、ものすごく歌う難度が高い。流石としか言いようがない。オープニングのインパクトだけで、もうお腹いっぱいになった感がある。アバンで「あちゃー、こういうシリアス路線の話だったかー」と思ったらあのオープニングに突入したおかげで、一気に身が引き締まって視聴体勢が出来上がった。そういう意味では素晴らしい出来だと思います。 ただ、正直言うとオープニングがクライマックスだった感は否めない。「村の因習」「隠された力」「意志を体現するロボットのようなくぐつ」など、色々と興味を引くパーツは多く、それらを機能させるための下準備段階といえばそれまでなのだが、話が分かりやすい割には、入ってくる内容が少なくて次回への興味があまり持続しないのである。主人公の青年が村から脱走した悪役に突然襲われるわけだが、それは主人公の過去に動機があるらしい。でも、その部分については一切語られず、主人公は訳知り顔でこの苦境を苦々しく思っている。そして、それを予期してか村からは幼女の援軍がやってきている。「カカシ」と呼ばれるくぐつを操る少女だが、援軍で来たってことは強いのかと思いきや、敵を前に一蹴されており、わざわざあんなでかいものを引き連れて押しかけてきた意味が分からない。とにかく、色々分からない。 もちろん、まだ放送1話目なのだから分からないことが多い分には構わないのだが、そのことが「謎が解かれる次週以降が楽しみだぜ!」というモチベーションに繋がってこないのが難点。主人公が既に色々と了解済みでこの状況を受け入れているせいで、感情移入が全く出来ないというのが問題なんだろうか。導入部の演出を考えると、主人公は「普通の青年」であるという風に見えていたと思うのだが、そのおかげで「じゃぁ、この子の視点で物語を追えばいいのか」と思ったら案外そうでもなかったために、予想とズレてしまったことが問題なのかもしれない。既知の事実が少ないという意味では、主人公が憧れてた女性の方がまだ視聴者視点に近いのかもね。 現時点では、シナリオラインにそこまで引かれるものはなく、映像・演出についても「可もなく不可もなく」レベル。90年代を彷彿させるちょっと古めのキャラクターデザインは、最近では珍しいくらいだけれどいくらかシリアスめなので他の作品との差別化は図れているかな? まぁ、素体は悪くなさそうなので、今後のストーリーの盛り上がりに期待です。まぁ、1話視聴時点で分かることなんてそんなに無いしね。個人的には、岸誠二の監督作品っていうだけで不安になってしまう部分はあるんだけどね。「Angel Beats!」の時といい、オープニングみたいな短い映像をつくる手腕は見事なものだと思うのだが。 キャラクターでは、上述の通りに感情移入がしやすいおねーちゃんが一番好印象かな。パースが間違っているようにしか見えないロケット乳の阿漕さもたまりませんが、中の人が茅野愛衣というのが絶妙。かやのんはこういう役でもすっと入ってくるんだなぁ。これまでロリ系の役しか聞いてこなかったから、実に新鮮です。そして対抗となる能力者少女役には、安定の仕事ぶりに定評のある福圓先生だ。ほんと、この人はいつまでたっても初々しさが残るような声音が印象的。強く耳に残る仕事ではないのだが、さらっと聞かせてくれるのはこの人だけの仕事です。うむ、中の人的にはなかなか楽しみかも。
もう間もなく公開が終わっちゃう! ってんで、最後まで悩んではいたんですが、結局行ってきました。せっかく見られるのに見に行かないのは、やっぱり勿体無いよね。見ようかと思っても「トワノクオン」とかだと劇場が遠くて面倒だものね!
というわけで、ちょっと前に観に行ったのですが、既に時期も去り、1日2回上映という少ないスケジュールになっていた本作。平日朝にはもう客もおらんだろうと思っていってみれば、これが案外いる不思議。公開が終わる頃だから、最後のリピーターが来ていたんでしょうかね。当然、客層はそちら方向のおねーさまがたが多くお越しになっていました。ご立派です。 正直、そこまで期待した作品でなかったんですよ。アニメ1期は好きだったけど、2期目はシナリオを真面目に(?)やりすぎてあんまりパーリー出来なかったし、アホな内容とはいえ、あの大舞台である関ヶ原を2時間程度の劇場版でやるなんて無茶な話。どうせ馬鹿活劇のダイジェスト版的なものになるんだろうということは容易に想像出来た。一応記念程度に、というレベルのモチベーションである。 で、終わってみてだが……馬鹿だねぇ。本当に馬鹿だねぇ。面白いか面白くないかと聞かれたら、面白かったですよ。割と画面にはかぶりつきでしたよ。吹き出すのを堪えるのに必死だったシーンもありますよ。このノリはねぇ、腐女子向けアニメ云々とかじゃないね。古き良き「東映まんが祭り」の香りだ。とにかく意味は分からないけどでっかい敵がいて、それをよく分からないうちにでっかい技でみんな協力して倒す。非常に明快で盛り上がれる、日本男児カタルシスですよ。思い切ってここまでの構成にしたのは、スタッフ陣の手柄じゃないかと思います。そこは素直に賞賛して良いかと。 (そういえば、一応以下は「ネタバレ」になりますので注意が必要です。まぁ、気にする人はいないだろうけど) 先に不満な点を上げておくと、どうしても政宗と幸村をメインにしなければならないという縛りのせいで、キャラの見せ方がぶれてしまったことだろう。本作は関ヶ原をメインの舞台として描いているのだから、視点としては三成と家康を中心に持ってくるのが妥当なはず。振り返ってみると、実際にストーリーを引っ張っていたのはこの2人であり、幸村と政宗は、単にどさくさに紛れて喧嘩に混ざった傍観者の立ち位置でしかない。仲裁役の慶次の方がいい動きを見せていたくらいだろう。 そんな状況で、(シナリオ上は)不必要とも言える政宗の描写、幸村の描写に時間を取ってしまったのは、テンポを悪くする一因になってしまっている。信玄候から位を賜った幸村についてはまだドラマがあるのだが、政宗については、あれだけ猪突猛進を小十郎に怒られ続けていたというのに、今回も冒頭で三成とタイマン挑んで負傷、加えて幸村との遭遇イベントでは他人の制止も聞かずに喧嘩をおっぱじめて、最後の大決戦では特に見せ場があるわけでもない。単なるアホの大将である。まぁ、もともとそういうキャラなので仕方がないといえばそれまでだが、今回はそんな政宗の行動が全て悪い方に動いてしまっていたので、あまり爽快感に繋がらなかったのは残念であった。 あと、これは完全に個人的な恨み節だが、今作は「BASARA3」を扱った作品だったはずなのに、孫一が出てこない。鶴姫も出てこない。いや、出てこないことは覚悟してたけどさ、一応3が舞台ならその辺のキャラに一言でいいからしゃべらせてくれれば……ぶつぶつ。今回かすがにすら出番がなかったじゃないか。キャストクレジットで「夢吉・桑谷夏子」って、そっちでしかしゃべってねーのかよ。うーむ、残念。 とまぁ、何点か不満は出たものの、大筋の流れは与えられた時間枠でちゃんとおさまっていたし、特に関ヶ原突入後のお祭り騒ぎはこの作品の魅力がたっぷりと詰まった見事な晴れ舞台。個人的に一番良かったのは、これまで一切登場していなかった「新キャラ」であるはずの石田三成のキャラクターが明確にたっており、そこに人間的な魅力が感じられたこと。今回一番格好良かったのって、三成だと思いますよ。「絆」をもって日の本を平定することを望む理想家の家康と、ただひたすら失われた主君の仇討ちのみを考えて孤軍奮闘する三成という「和と個」の対立が綺麗に出ていて、合戦のメインテーマが見やすくなっていたのが良かった。最後の大谷刑部の翻心についてはちょっと分からない部分もあったが、ちゃんと三成にも救いの未来が与えられるエンディングも良し。やっぱりいつの時代も友情で努力が勝利の鍵です。 そして、本来なら石田対徳川連合軍という歴史の分け目となる関ヶ原が、まさかの魔王討伐イベントになるというトンデモ設定が素敵。「これは俺の知ってる関ヶ原じゃない!」と叫んでみたものの、こっちの方が確かに「天下分け目の決戦」に見えるのである。完全に闇に堕ちたお市のポテンシャルと、それを巧みに操る怪僧天海(一体何者だってばよ……)の手による、ビッグイベント「魔王復活」。もう、このあたりになると、ひたすら好き放題やってくれた作画スタッフと、怪演・好演のオンパレードだった中の人たちを絶賛するしかない。あのイベントは、男の子だったら燃えざるを得ないだろう。あの魔王は倒すしかないだろう。ほんと、楽しかったです。 いい話的に終わった本編の後では、およそ2年ぶりに見られたあの雑兵ダンスもフルスロットル。いやー、馬鹿だねー。楽しいねー。あんな仕事しなきゃいけないって、戦国時代の足軽たちも大変だなー。 最後に、素敵な馬鹿を演出してくれた中の人たちについて1人1人。今作でMVPをあげるとしたら、それは三成役の関智一だろう。「普段通りのセキトモ」といえばそれまでなのだが、やっぱり彼の持つ熱血指数の高さと、高低を自在に操る没入度の高さは天下一品。「復讐に燃えた孤独な凶王」というとクールで地の底に沈んだような印象があるにも関わらず、三成はそれだけでなく、秀吉に対する盲目的な忠誠心、信仰心が熱く篤くたぎっている。そうした冷酷さと激情のバランスの取り方が、抜群なのだ。今作屈指の名シーンとしては、夜の山中で家康と三成が語り合い、決別するシーンを挙げたい。「秀吉様を過去と語るな!」って、いい台詞だと思うんですよ。 そんな三成に対峙する家康についても、大川さんが頑張ってくれていたと思うのだが、いかんせん主義思想が理想論で軽いキャラだったからね、三成の格好良さと比べるとちょっと水を空けられた感じ。あの真っ直ぐさは大川さんならではだと思うけど。その他、信玄候のいつも通りのテンションとか、小早川秀秋の本当に情けない風体とかは実に楽しかったです。福山潤々自由自在。そして悪役勢。魔王様の中の人については、もう「あー、何言ってるか全然分からん!」という投げっぱなし感がたまらない。声出すだけで芸になるって、本当にずるい。そしてそんな魔王の影で暗躍しながらも、最後は何故かコメディリリーフとして落ちていった天海。やっぱり速水奨はすごい。そんでお市役の能登麻美子ね。でも、今回のお市は強烈な武器を手に入れて自信を持っちゃったせいか、「2」の時みたいな不安定さが無くなってたなぁ。あのおどろおどろしい感じが好きだったんだけど。 あと、鳥肌が立ったシーンで言えば突如現れた毛利の大戦艦がお気に入り。あのシーンの元就の台詞も(はっきりは覚えてないけど)やたら格好良かった気がする。なんだかんだで、やっぱりダーティーヒーローの方が憧れになるもんです。 とにもかくにも、「BASARA」が好きな人間なら後悔しない出来になっているのは確かだ。さぁみんな、劇場へ行こう! もう終わってるけどな! 明智の最期、第14話。辛いお話になりました。これが群雄割拠の乱世の厳しさであることは分かっているが、こういう無情を見せられると、やはり色々と考えさせられるものがあります。 明智軍の包囲網は次第にかたまり、大きくなっていくばかり。加勢に馳せ参じようとした徳川勢にも、羽柴の軍勢が4万を超えたという絶望的な報せが届く。それでも義に殉じようと馬を向ける家康であったが、家臣から上がった声は「三方ヶ原を忘れたのか」という決定的な一言。あの戦での醜態は、家康の未来をも左右した決定的な教えである。意気に任せて進軍を決めようとした家康の表情が強ばる。 そんな状況は何も知らぬ光秀は、既に自らの時代が「三日天下」で終わったことを理解していた。わずかばかり残された部下との「最後の晩餐」では、未来を憂う必要も、部下を守る必要も無い、純粋な「楽しむための夕餉」を久し振りに迎えることが出来た。わずかな手間と発想で無念の晩餐に彩りを添える光秀。「武に尽くすより、数寄に興じてみたかった」と自らの無念が詰まった半生を振り返り、「武など美には勝てぬ」と達観した様子。しかし、時代の動乱を生み出した自らの進退については、きちんと1つのけじめを付けなければならないのも、彼なりの流儀である。 そんな光秀に対して、「反信長」という1つの旗印を拠り所に、延暦寺からの救いが差し伸べられる。信長の命とはいえ、本来ならば僧たちを攻め滅ぼした光秀に恨み言こそあれ、救いを差し伸べるなど想定の外。その信義に感じ入った光秀は、何とか最期の生に賭けてみる決断をする。落ち延びる山中において、延暦寺の僧たちも一枚岩ではないことをしらされることになったが、それでも自分を求める人間がいるのならば、その思いに答えてみせるのが武人である。 しかし、世はかくも無情である。結局、光秀は生を長らえなかった。どれだけ徳を積もうとも、あの「魔王」の下で働き続けた業は容易く祓えるものではない。最期に民を守りながら別れを告げる光秀の目には、燃え落ちる自らの人生そのものが、至上の「侘び」として理解される。一度は思いを異にし、事実、自らの進退を左右して人生に終止符を打つ直接の原因になった男、千利休。彼の身にまとう「黒」は、人生においては喪の色として扱われる。その「黒」に彩られた末期の一瞬に、彼は利休の思惑すら越える侘びの極致にたどり着くことになったのである。艶やかな色彩もいらぬ。余計な人生も、末期を見取る臣下も要らぬ。そして、下の句すら蛇足である。義に篤く、信義を尊んだ1人の武士は、こうして目を閉じたのである。彼の残した思いは、1足の足袋を通して、次の天下に受け継がれることになる。 そんな壮絶な最期とは一切関係無く、気づけば羽柴軍の目利き役として重宝がられることとなっていたのは、信長への思いから頭を丸めることになった古田左介である。数寄の道は信長への忠義、憧れが後押ししていた感情であり、目標を失った今、彼の目にはどんな大名物も心を動かすことはない。……とかいいながら、火炎土器を相手にするとやっぱり変な顔。確かに、これまで持ち続けた「数寄」への情熱は失われたが、彼の性根はどこまで行っても一数寄者。嗜好が遷移し、新たな美の地平を切り開く段階に入っただけで、そこから情熱が消え去ることはなかった。現時点において、彼の目指す道は明確には見えていない。あの事件のとっかかりとなった八角釜によって、新たな美の可能性である土器が粉々になってしまったことが、その「未だ成らざる道」の存在を端的に表しているだろう。 左介の行く道が正しいのかどうか、それはまだ誰にも分からない。しかし、あの明智光秀が最期に思ったのは、最期の一瞬こそ最愛の妻であったが、その直前には、「一途な数寄に迷いがない男」である左介の姿を思い描いている。少なくとも、1人の武人に憧れられた、理想の人生であることは間違い無い。時代は巡り、天下は変わる。左介の美、そして利休の美。大成の時は、まだ先のことなのだろう。 |
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プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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