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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ○「もしドラ」 4

 本来ならば3月に一挙放送しているはずだった、NHKの謎のアニメ枠。結局、約一ヶ月遅れで4月末〜5月頭に放送されることになり、ここに新番組としてカウントされることになった。念のために正式タイトルを書いておくと「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」である。

 原作は未読。もちろん「マネジメント」なんぞも未読。とはいえ、流石に噂になっている上に、NHKでやたら特番を組んで事前情報を流していたので、大体の内容についてはぼんやりとイメージ出来ている状態。そして、このアニメを手がけるのがあの浜名孝行監督、構成が藤咲淳一、制作がI.G.ということで、期待せざるを得ない状態である。何せ、NHK繋がりではあの「獣の奏者エリン」の製作陣なのだ。今回も何かとんでもないものが飛び出すのでは、というのは今から楽しみである。

 が、1話目のスタートはどちらはというとスローで悩ましい。もともと啓発本であり、ラノベチックである奇妙な媒体なので映像化が易しくないのだろうが、1話を見る限りでは、わざわざアニメにして放送する意義はあまり感じられない。映像全体はのっぺりしていてどこか安っぽい感じばかりが先立っているし、もちろん野球についての描写なんかもあっさりで目を引かれない。まるでNHKの教育番組のようにドラッカーを引いた部分を文字テロップで表示し、1つ1つをわざわざキャラクターが読み上げ、説明していく段取りもどこか予定調和じみていて単調だ。元々そういう本が原作なのだから仕方ないといえばそれまでだが、それならわざわざアニメにする必要も無いのでは、と思えてしまうのである。啓発本として読みたいならばちゃんと原典に当たるべきであろうし、ラノベ的なものが読みたいなら、もっと手軽で純度の高い「お話」がそこら中にごろごろしているだろう。どうにも、スタンスが中途半端だ。

 結局、この作品はやたら売れまくったらしい原作の人気にあやかったアニメなのではないか。原作を気に入った人間が、主人公のみなみ達が動く姿を見て、気に入った作品を動画として追体験出来るようにするのが主な目的で、このアニメから、さらなるファンの拡大というのはあまり望めないように見える。一度話題になったものを再解釈してアウトプットする時点で、原作が持っていた発想の新規性などは犠牲にされてしまうわけだし、物語としての側面が強まり、「解説書」としての役割が弱くなってしまうアニメでは、どうしたって食い合わせの悪さは出てくるだろう。そうした齟齬はある程度覚悟の上で構築されているのは分かるのだが、やはり新規の視聴者にとって、この作品がそこまで魅力的であるとは思えないのである。

 とはいえ、ダラダラと見続けるのに不足がある、というほどのものでもない。今後はみなみが動き出して具体的な「新規さ」を確認出来るパートが始まると思われるので、1つの青春ドラマとして、どの程度面白いものになるのかはゆっくり(と言っても2週間だが)見守っていきたいとは思う。

 この作品の一番の功績は、ぴかしゃがNHKのメディアで暴れ回る大義名分を与えたことだと思われる。元ソフトボール部の怪童、日笠陽子。彼女は、このお堅いアニメの内容を、自らの才覚でどの程度マネジメント出来るのだろうか。もう、そっち方向の興味ばかりが先に立ちますわ。

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 気づいたら公式にもフルスポイラが。
今回はエラい早いな。

<緑>

 

Beast Within 内にいる獣 (2)(G) U

インスタント

対象のパーマネント1つを破壊する。そのコントローラーは、3/3で緑のビースト・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。

 これはなかなかやりおるスペル。見ての通りの2種類の用法があるカードだが、そのどちらとして見ても、かなり強力な効果が得られるのではなかろうか。1つ目は、自分のいらんパーマネントを潰して3/3を得る使い方。緑には「ヴィリジアンの密使」という最良のパートナーがおり、3ターン目に「密使」が殴り(多分スルーされるだろう)、返しで殴ってきたクリーチャーを、突如現れた3/3ビーストで返り討ちにしつつ、土地をのばすのである。3/3瞬速クリーチャーは大体4〜5マナの価値があるわけで、追加コストがかかるとはいえ、それが3マナで手に入るのはありがたい。除去などで潰されるカードを燃料にしてしまうのも、無駄が無くていいだろう。そして、もう1つの側面は、緑が使える万能パーマネント処理としての使い方。確かに3/3ビーストを与えてしまうのは安いデメリットではないかもしれないが、壊すのが「蔵錬成のドラゴン」やら「解放された者、カーン」だった場合、3/3のビーストなんて比べものにならん。トークンなんてカスや。こんなお手軽取引が3マナインスタントで出来てしまうのだから、こんなに嬉しいことはない。出来ることなら、相手の最大級の脅威に備えて、序盤はグッと堪えて温存しておきたいスペルである。リミテッドなら必須クラス。構築でも、「草茂る胸壁」なんかがあれば3/3ビーストはある程度無効化出来るので、緑の万能スペルとして採用しても良いかもしれない。

 

Birthing Pod 出産の殻 (3)(ΦG) R

アーティファクト

 (1)(ΦG)(T)、クリーチャーを1体生け贄に捧げる:あなたのライブラリから、生け贄に捧げたクリーチャーの点数で見たマナ・コストに1を足した値に等しい点数で見たマナ・コストを持つクリーチャー・カードを1枚探し、それを戦場に出す。その後、あなたのライブラリを切り直す。この能力は、あなたがソーサリーを唱えられるときにのみ起動できる。

 食物連鎖(MMQ)」と似たようなギミックを持つが、その素体は「適者生存(STH)」に近く、実質的なアドバンテージ爆発マシンとなりうる世にも恐ろしいカード。3ターン目にプレイすれば、あとは好きなクリーチャーをガンガン出世させてとんでもない化け物にまで生まれ変わらせることが可能だ。美味しく頂くコツは、187で能力を持ったクリーチャーで使い回すこと。例えば「戦隊の鷹」から「粗石の魔道士」、「オンドゥの巨人」とかいう繋ぎ方をすれば、起動するたびにアドバンテージが広がっていく。これが緑デッキならば2マナで起動できるってんだから大したものだ。現在は「獣相のシャーマン」という似たような仕事をするエースがいるが、こちらのカードはキャスティングコストを踏み倒せるのが最大の売り。過去に栄光を掴んだ「レベルチェイン」のごとく、何か幾何学的な美しさを見せるクリーチャーの5段活用とかが見られるようになるのだろうか。何はともあれ、いじってみたいカードではある。リミテッドだと……次のパックで「ヴィリジアンの密使」が取れると信じて。

 

Brutalizer Exarch 非道の総督 (5)(G) U

クリーチャー・クレリック

3/3

〜が戦場に出たとき、次の内から1つを選ぶ。「あなたのライブラリからクリーチャー・カードを1枚探し、それを公開し、あなたのライブラリを切り直した後で、一番上に置く」「対象のクリーチャーでないパーマネント1つを、そのオーナーのライブラリの一番下に置く」

 総督サイクルの緑は、1人だけ6マナと無闇に重たい。緑は時たまサイクルでこういう迫害を受ける時があるのが残念であるが、最近は「原始のタイタン」とか当たりを引く確率も上がっているので我慢してあげよう。で、このカードだが、コストに見合った3/3が総督シリーズの中では異質だ。ついでに能力も圧倒的だと嬉しいのだが、1つ目の効果は「俗世の教示者(6ED)」なのでそこまで強力ではない。まぁ、リミテッドではサーチ能力はそれなりに強力なので、無駄ということもないだろうが。そして、もう片方の効果は万能のパーマネント対策。緑なのでクリーチャーには触ることが出来ないが、土地からプレインズウォーカーまで、広範に対応出来て、しかもほとんど後腐れが無いのは二重丸。出来るなら、この能力をメインで使っていけるようにしたい。何にせよ除去であるから、リミテッドでは及第点。なんだ、最強の土地破壊スペルは、緑にあったのか。

 

Chancellor of the Tangle 絡み森の大長 (4)(G)(G)(G) R

クリーチャー・ビースト

6/7 警戒 到達

あなたはゲーム開始時に手札からこのカードを公開しても良い。そうした場合、あなたの最初のメイン・フェイズに、あなたのマナ・プールに(G)を加える。

 大長シリーズの緑は、案の定マナを操る。ちら見せ効果は1マナを生み出すというささやかなものだが、それでも1ターン目に得られる1マナは重要だ。「草茂る胸壁」がすぐに展開出来るし、「極楽鳥」「ラノワールのエルフ」などの2体展開も可能で、2ターン目以降も恒常的にマナ・リソースで上回りやすい。アドバンテージを活かしてさっさと7マナに繋げられれば、こいつ自身が場に降り立って突撃を始めるシーンも見られるかもしれないのだ。サイクル中では最も戦場に近いクリーチャーである。でもまぁ、出た後のステータスが適当過ぎる気はするけどな。そりゃ強いんだろうけど、結局除去ではあっさり落ちるわけで。リミテッドだと「まぁ、肉だし」っていう理由でとって「飲み込む金屑ワーム」と比較されてちょっぴり寂しくなるくらい。

 

Corrosive Gale 腐食の強風 (X)(ΦG) U

ソーサリー

〜は全ての飛行を持つクリーチャーにX点のダメージを与える。

 ファイレクシア版「暴風(M10)」。Φマナ仕様なので「ハリケーン(10ED)」などの既存スペルよりも1マナ軽くプレイ出来るようになったり、緑以外の色でプレイ出来るようになったわけだが、実際は他のΦマナスペルほどの影響は無い。フライヤーだけを根こそぎしたい色というのは基本的に緑であり、白や青はまず使わない。Xダメージを全体に、という大ざっぱな効果なので、1マナの差もそれほど影響が無い。結局、このスペルを最もよく使うのは緑のデッキであり、使う場合にはライフが勿体ないので普通に緑マナで、というのが基本になるだろう。一応赤もこのスペルを使う価値があるが、赤は緑と違って火力で各個撃破することが多いので、わざわざこのスペルを入れてどの程度のうま味があるか定かでないのだ。とりあえず、これでようやく「飛行機械の組立工」に対する答えが出来ました。当然、脇にこっそり「飛行の呪文爆弾」を入れておくと中吉。青と白はこれを警戒する必要が出てきたわけだが、腹いせに「空への跳躍」とか入れておくと末吉。

 

Death-Hood Cobra 死の頭巾のコブラ (1)(G) C

クリーチャー・蛇

2/2

(1)(G):〜はターン終了時まで到達を持つ。

(1)(G):〜はターン終了時まで接死を持つ。

 コモンで2マナ2/2の熊に、状況に応じて便利に使える2つの能力をパッケージ。コストがかかるのは面倒だが、どうせこの能力なら使っても1回か2回だ。けちけちせずに使ってあげよう。2つとも能力が起動できれば基本セットドラフトで抜群の安定感をみせた「命取りの出家蜘蛛(M10)」と同じ活躍が見込めるし、早めの展開から装備品を握ってタフネスを上げてやれば、接死でブロッカーを薙ぎ払いやすくなる。感染が無いので今ひとつ立ち位置が明確でないのだが、後のパックで「荒廃後家蜘蛛」が取れる保証は無いのだし、とりあえず1枚おさえておいて、フライヤーに備えたいところである。改めて見ると、「ソーンウィールドの射手(FUT)」ってやっぱりハイスペックだったんだな。

 

Fresh Meat 新鮮な肉 (3)(G) R

インスタント

このターン、戦場からあなたの墓地に置かれたクリーチャー1体につき、3/3で緑の、ビースト・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。

 なんかヤな名前でビーストを呼び出す、緑の肉体再利用術。この手の「このターンに死んだクリーチャーを新たな命に」というのは緑の専売特許で、最も似た効果を持つカードには「鉤爪の統率者(ONS)」がいるし、回収役には「這い集め虫(RAV)」なんてカードも。そして、このカードはクリーチャーではないが、より直接的な方法でクリーチャー数をそのままに維持してくれる。単純に1体の保証をするだけでも3/3瞬速クリーチャーが4マナなら高い買い物ではなかろうし、2体以上ならごちそうさま。レアにしては地味に見えるカードだが、4マナインスタントが1枚で勝負を決められる可能性は大きい。最も相性が良いのは、エルドラージ原産の各種落とし子トークンだ。大量の落とし子を一気に墓地送りにし、その全てをビーストにしてやれば一気にとどめの一撃を見舞うことができる。落とし子からマナが出まくるので「マナ漏出」されにくいのも地味にセールスポイントだ。他にも単純に「審判の日」対策に採用出来るし、「エルフ」のようにマナが出やすいビートデッキならば、相手の「紅蓮地獄」対策としても充分。色々と可能性を感じさせる、楽しいカードである。でも、なんか名前がヤ。

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<赤>

 

Act of Aggression 攻撃的な行動 (3)(ΦR)(ΦR) U

インスタント

ターン終了時まで、対象の、いずれかの対戦相手のコントロールするクリーチャーのコントロールを得る。そのクリーチャーをアンタップする。それはターン終了時まで速攻を持つ。

 毎度お馴染み「反逆の行動(M11)」の新バージョンは、トータル5マナと重たくなったのに効果は全く一緒で、しかも対象に対戦相手のクリーチャーにしか選択できなくなっている。なんでこんなコトになったかというと、1つはやはりΦマナおかげ。4ライフを支払えばどんな色でも赤っぽいアクションを取ることが出来るし、これ以上軽くしたら他のカードに比べてエラいことになってしまうので、このコストが限界。そして、なんと言ってもインスタントになったことが大きな違いだ。赤の誘拐スペルでは「捕縛の言葉(TSP)」以来なので約5年ぶりのインスタント誘拐。アタックに使う場合には結局ソーサリータイミングで使うので意味は無いが、相手のアタックに応じて使うことでアタッカーを減らして相打ちを狙うことが出来るのは大きなメリット。感染が多い環境なので、たとえ相打ちに果てなくても、一時的な同士討ちが後々まで影響を及ぼすことが出来るのは追い風だ。いっそ4ライフ払う価値も、結構あるというのが怖いスペルだぞ。

 

Artillerize 石弾化 (3)(R) C

インスタント

〜の追加コストとして、アーティファクト1つかクリーチャー1体を生け贄に捧げる。

〜は対象のクリーチャー1体かプレイヤー1人に5点のダメージ与える。

 コストが倍になって、レアリティを下げた「爆片破(MRD)」。コストが増えた見返りとして、ついでにクリーチャーも投げ飛ばせるようになり、追加コストの支払いに困ることはほとんど無くなった。「爆片破」の場合、2マナで5点という破格のダメージ量のおかげで当時は大活躍したスペルなわけだが、コストが倍になったこちらにはそこまで輝く魅力はない。ただし、コモンになって手に入りやすくなり、生け贄対象が大きく広がったことで、より手軽にデッキイン出来るようになったので、リミテッド環境では影響力が増したと見た方がいいだろう。4マナ5点でも破格であることは変わらないのだし、やろうと思えばこれを4発撃てばゲームは終わるのだ。アドバンテージロスなど気にせずに、ガンガン打ち込んでいくのが良いでしょう。「眼魔」さんと「ヴィリジアンの密使」さんが嬉しそうにこちらを見ているので、是非オファーを。

 

Bludgeon Brawl 棍棒での殴り合い (2)(R) R

エンチャント

クリーチャーでも装備品でもないアーティファクトは、装備・(X)と「装備したクリーチャーは+X/+0の修正を受ける」を持つ装備品である。Xは、そのアーティファクトの点数で見たマナコストである。

 オリカかと思うような見事なアホさ加減を誇るエンチャント。なんと、全てのアーティファクトが装備出来るようになり、その効果はマナコストに比例する。カード名からすると、その辺にある金属片を握り締めて殴り合う光景なのだろう。確かに「呪文爆弾」で殴ったら1点くらいは痛そうだし、「イシュ・サーの背骨」を引っこ抜いてブン殴ったら7点くらいは痛そうだ。でも、「憤怒の三角護符」が2点分で、「思考の三角護符」が5点なんだ……めっちゃでかいんだろうな、青護符。正直、どうせ彼我ともに同じ効果になるカードなのでわざわざプレイする意味はあまりない。とにかく非クリーチャーアーティファクトを並べるデッキならば追加ダメージになりそうにみえなくもないが、そのデッキが単にパワーを上げるだけの装備品を求めるとはあまり思えないのである。せいぜい面白半分で出しておいて、「ちょっ、お前、そんなんで殴ってくるんじゃねーよ!」とか情景をイメージして楽しむのが正しい使い方だと思われる。お勧めアーティファクトは「旅人のガラクタ(5DN)」。絶対に1点どころじゃなく痛い。

 

Chancellor of the Forge 溶鉱炉の大長 (4)(R)(R)(R) R

クリーチャー・巨人

5/5

あなたはゲーム開始時に手札からこのカードを公開しても良い。そうした場合、最初のアップキープの開始時に、1/1で速攻を持つ、赤のゴブリン・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。

〜が戦場に出たとき、1/1で速攻を持つ、赤のゴブリン・クリーチャー・トークンをX体戦場に出す。Xはあなたがコントロールするクリーチャーの総数である。

 「大長」シリーズの赤は、ちら見せ効果でゴブリンをプレゼント。ご丁寧に速攻までついている「怒り狂うゴブリン」なので、かなりの確率で1点を削ることができる。これに合わせて「ゴブリンの先達」も出撃させれば完璧だ。そして、実際に場に出たときの性能として、さらにゴブリン軍団を追加で送り込める。自分自身が出ているので最低1体、コストを考えれば2〜3体は期待出来るだろうか。「包囲攻撃の司令官」レベルを越えることが出来れば、そこそこの性能といえるだろう。ただ、ゴブリンというスピード重視のギミックに、この巨体は流石にそぐわない。構築ではあんまり目立たないキャラだな。

 

Fallen Ferromancer 堕ちたる鉄術士 (3)(R) U

クリーチャー・人間、シャーマン

1/1 感染

(1)(R)(T):〜は対象のクリーチャー1体かプレイヤー1人に1点のダメージを与える。

 ようやく登場した、この世界のティム役。一応「トゲ撃ちの古老」とか「燃えさし鍛冶」はいたけど、手軽に毎ターン使えるティムって初めてですからね。で、そんな期待のカードだが、「感染」の2文字を手に入れるため、コストは相場よりも1マナ重たく、起動に2マナもかかる面倒さんになってしまった。でもまぁ、感染ティムの恐ろしさは説明不要なレベルなので、このくらいのコストでも妥当なんだろうなぁ。タフネス1は死にやすいから注意が必要だが、数ターン生き残るだけでも、あっという間に盤面は支配できるはず。「面倒だからマンバに大石弓でいいです」とかいう発言は却下な。

 

Flameborn Viron 炎生まれバイロン (4)(R)(R) C

クリーチャー・昆虫

6/4

 世の中には、2種類のクリーチャーがいる。バニラクリーチャーと、そうじゃないクリーチャーだ。そして、こいつは前者だ。一応並べておくと、「斧研ぎの巨人(LRW)」のタイプ変更クリーチャーだ。ローウィン世界では巨人を支援したり、戦士を支援したりするカードはあったが、この世界に昆虫を支援したり、バニラを支援したりするカードはない。せいぜい「剃刀ヶ原の打つもの」と仲良くするくらいが仕事だ。まぁ、ティラナックス先生も仕事が出来るんだから、赤でも案外いい仕事があるかもしれません。世界のどこかにオオアゴ……なんだ、その、な奴が居た気もするけど、気のせいだ。「炎生まれのヘリオン」との、同じ釜の飯を食ったコンビの活躍に期待。

 

Furnace Scamp 焼炉の悪獣 (R)

クリーチャー・ビースト

1/1

〜がいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージ与えるたび、〜を生け贄に捧げても良い。そうしたなら、〜はそのプレイヤーに3点のダメージを与える。

 今回ちょいちょい与えられたサボター系クリーチャーの最小バージョン。うまいこと1ターン目にキャストして2ターン目に通れば、そのままサクってトータル4点のダメージ。1マナ火力としてはかなりの性能。赤には「恐慌の呪文爆弾」とか「浸透の稲妻」みたいなブロック抑止カードもあるし、中盤以降にずらりとクリーチャーが並ぶようになったら、1点ダメージのコイツが無視される状態も訪れるかもしれない。とにかくワンパンチ4点狙いだけに絞って、超前のめりの赤単ビートとかを組みたいなら、チャレンジする価値のあるカードだろう。3枚以上かき集めれば2ターン目4点もそこそこ現実的だし、序盤にライフを減らせれば、相手のΦマナ運用に幾ばくかの不安を与えることも出来るしね。中盤以降に引いちゃったら「浸透のレンズ」とかで誤魔化すしかないな。ちなみに、「汚れた一撃」を併用すると、2ターン目から毒を5つのせるミラクルプレイも不可能ではない。レッツトライ。

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<黒>

 

Blind Zealot 盲目の盲信者 (1)(B)(B) C

クリーチャー・人間、クレリック

2/2 威嚇

〜がいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、〜を生け贄に捧げても良い。そうしたなら、対象の、そのプレイヤーのコントロールするクリーチャー1体を破壊する。

 どうでも良い知識だが、このクリーチャーのように戦闘ダメージを与えた時に誘発する能力を、「サボタージュ能力」(略してサボター)と呼称する。……はずだったのだが、最近その手の呼び方をあんまり聞かないのは何故だろうね。187効果みたいにそこまで数が多くないせいなんだろうか。さておき、こいつもそんなサボターなわけだが、よく見るとクリーチャーの皮を被った単なる除去呪文である。威嚇持ちなのでそれなりの確率で防御網をかいくぐることが出来て、うまいこと相手に触れたら自分を犠牲にしてどんなクリーチャーでも分け隔て無く殺すことが出来るという。「黒もアーティファクトも殺せるんだから、『破滅の刃』とか『喉首狙い』とかよりも強いじゃん!」と一瞬思ったのだが、考えてみりゃ、黒とアーティファクトのクリーチャーは普通にコイツをブロックできるのであんまり意味は無い。この世界では並み居るアーティファクトクリーチャーをどうやって乗り越えるかが課題だが、そこさえ何とかすれば、3マナで使えるクリーチャー除去で、ところによりダメージソースなのだから、かなり使えるコモンなのは間違い無い。しかし、盲目な上に盲信者とは、目ぇ見えなすぎだろう。

 

Caress of Phyrexia ファイレクシアの愛撫 (3)(B)(B) U

ソーサリー

対象のプレイヤー1人は3枚のカードを引き、3点のライフを失い、毒カウンターを3つ得る。

 実は初めてな気がする、なんの制限も無しに問答無用で毒カウンターを押しつけるカードである。しかもまとめて3つもの毒を届けられるため、感染デッキではフィニッシュホールドとして存在感のあるカードだ。また、これだけで勝てない場合には、いっそ自分に使ってドロースペルにするという運用も可能。「野望の代償(8ED)」と比べると著しく効率が悪いが、毒殺スペル、ライフルーズスペルとしてのモードがあることを考えれば致し方ない。結果的に3枚ドロー出来るなら、誰も文句は言わないだろう。相手に使う場合には、これ1枚でゲームが終わる状態に持ち込めれば、何枚引かれようと一緒なので問題無いのだ。ふむ、リミテッドなら充分使用範囲内だと思われるが、あとは終盤手札に来て途方に暮れる準備をするだけだな。

 

Chancellor of the Dross ドロスの大長 (4)(B)(B)(B) R

クリーチャー・吸血鬼

6/6 飛行 絆魂

あなたはゲーム開始時に手札からこのカードを公開しても良い。そうした場合、最初のアップキープの開始時に、各対戦相手は3点のライフを失い、その後、あなたはこの方法で失われたライフの総数に等しいライフを得る。

「大長」サイクルの黒は、ゲームスタート時に23対17からスタートできるという、結構ひどいギミック。まぁ、初手にコレがある時点で6枚スタートみたいなもんなので大して得した気もしないんだけど、リミテッドの場合は、「あんなデカブツがおるんかい……」と相手のテンションを下げつつ、今回のブロック特有ギミックであるライフの支払いに対してちょっとした抵抗感を与えることが出来るのである。うむ、まぁ、悪くないよね。7マナ6/6飛行絆魂ってのもシンプル過ぎるけど割とひどいしな。サイクルの中では一番シンプルで使いやすそう。

 

Dementia Bat 狂気コウモリ (4)(B) C

クリーチャー・コウモリ

2/2 飛行

(4)(B)、〜を生け贄に捧げる:対象のプレイヤー1人は、手札を2枚捨てる。

 「精神腐敗(M11)」をその身に宿したコウモリ。一応ハンドアドバンテージが得られるのだから無駄ではないが、流石に3マナのソーサリーを10マナかけて使うのは馬鹿げているだろう。一応、インスタントタイミングで起動できる点だけは勝っているが、だからといってこのコスト分の価値があるわけではない。クリーチャーとして見た場合も、5マナ2/2ではそこまでの魅力もない。基本的にはグルグル流れる側のクリーチャーである。まぁ、黒の5マナフライヤー枠には「煙突のインプ(MRD)」という帝王が控えてらっしゃるので、この程度の微妙性能では歴史にも残るまいが。

 

Despise 蔑み (B) U

ソーサリー

対象の対戦相手は、手札を公開する。あなたはその中からクリーチャー・カードかプレインズウォーカー・カードを1枚選ぶ。そのプレイヤーはそれを捨てる。

 時代を反映してプレインズウォーカーも狙えるようになった、「村八分(7ED)」の完全上位互換。「村八分」の時点で充分強いカードだったものが、現環境を左右しているプレインズウォーカーたちまで狙えるようになったのだから、その効果は素晴らしいの一言。メインで突っ込んでもビート相手ならばクリーチャーが落とせるし、コントロール相手でもそれなりの確率でプレインズウォーカーを狙うことが出来る。現在は「脅迫」「コジレックの審問」という2枚のハンデスが大活躍しているが、その歴戦の1マナハンデス戦線に堂々の名乗りを上げる1枚となりそうだ。秋以降に「コジレックの審問」が落ちてからが本番かな。リミテッドでも、クリーチャーが狙い撃てる1マナカードは協力無比。ようやく、このミラディン世界にも実用に耐えるハンデスが来たことは喜ばしい。万一プレインズウォーカーを見付けちゃったときのお祭り感は異常。

 

Dismember 四肢切断 (1)(ΦB)(ΦB) U

インスタント

対象のクリーチャー1体は、ターン終了時まで−5/−5の修正を受ける。

 黒マナ1つならマイナス2(「見栄え損ない」)、黒マナ1つと無色マナ1つでマイナス3(「最後の喘ぎ(RAV)」)、黒マナ2つならマイナス4(「闇の掌握」)である。なら、黒マナ2つと無色マナ1つだと? 答えは当然、マイナス5だ。少しずつ成長を続ける黒のマイナス除去シリーズは、ついに「悪残の天使」をも巻き込む5点に到達した。そして、このスペルがファイレクシア産なのが素晴らしい。やろうと思えばライフ2点+(1)(B)やライフ4点+(1)というモードが選択できるため、多少無理をすれば黒くないデッキでも仕込めるし、黒いデッキでもいくらか低コストでキャストすることが出来る。リミテッドなら文句なしの満点除去カード。構築の場合はライフの支払いは悩ましいが、タフネス5クラスのクリーチャーが台頭してくるなら選択肢たり得る。現状はタイタンシリーズや「ワームとぐろエンジン」のおかげで1点足りず、まだお呼びはかからないと見るのが妥当か。そもそも「饗宴と飢餓の剣」でおじゃんだしな。

 

Enslave 隷属 (4)(B)(B) U (次元の混乱から再録)

エンチャント・オーラ

エンチャント(クリーチャー)

あなたはエンチャントされたクリーチャーのコントロールを得る。

あなたのアップキープの開始時に、エンチャントされたクリーチャーは、そのオーナーに1点のダメージを与える。

 ちまちまとライフを1点ずつ奪っていく今回のファイレクシア式処罰システムは、実は過去のカードにも存在してました、ということで、ちょいと昔から登場してもらった再録スペル、それがこの「隷属」である。カードのフレーバーもファイレクシアの軍勢に丁度良いものになっているし、まるで誂えたようなしっくり感。ひょっとしたら、未来予知ではなく次元の混乱でも、将来登場するカードが予期して収録されていたのかもしれない。過去の使用実績を考えれば文句なしのトップカードであるし、この世界はエンチャントがやたら割りにくい。重たいので数は限られるが、やっぱり見かけたら引いておいて良いんじゃないでしょうか。

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 ○「魔法少女まどか☆マギカ」 5→8

 ようやくほとぼりも冷めてきたので、ボチボチこの感想を書いていきたいと思う。長きに渡った1月期番組感想も、ここでやっと終わりだ。

 まず、この作品が今シーズンのアニメの中で最大の話題をかっさらっていたことは間違い無く、それにふさわしい出来であったことは断言できる。その上で点数を8で止めたのは、今現在においても、作品本来の盛り上がりと、その周りを取り囲む騒乱の区別が付けられないためだ。アニメを取り囲むムーブメントも含めて1作品と見てしまうというやり方もあると思うのだが、個人的には、この12本のアニメの中に、過去のアニメ史を塗り替えるほどの最大級のインパクトがある、という風には捉えていない。10点満点の10点は事実上空位にしているくらいなので据え置くとして、9点を冠した作品群に列するものになるかどうかは、現時点で決めかねるのが実情だ。今後のアニメ業界の変遷を見て、「やはり『まどか』は時代の分岐点であったか」と言われるようになれば話は別だが、今のところ、そこまでの影響は無いだろう、というのが近視的な見方である。

 とはいえ、冒頭でこんな注釈を書くくらいなので、ぶっちゃけると9点でも10点でもいいんじゃないか、というのが内なる感想だ。その上で意固地になっているのは、多分「こんなん俺の知ってるシャフトと違う」という気持ちが大きいのだろう。長年キワモノの代表として扱われてきた制作集団シャフト。「化物語」でブランドとしての地位を確立させた異端児は、オリジナル作品でついに頂点に上り詰めた。そこに現れた制作スタイルは新生シャフト流と言ってしまって良いものだろうが、万人に受ける作品を打ち出せたということは、そこに本来残っていたアクの強さが無くなってしまったということ。個人的には「化物語」の方がイメージしてるシャフト的作品なので、この作品が面白くなったのが、少し悔しいのである。

 「シャフト的」とは一体何なのか。個人的には、その答えは独特のエッセンス描出にあると考えている。尾石達也、森義博、武内宣之といった面々がその代表格だが、アニメーションの目的を「動かすこと」そのものに見いだすのではなく、「時間軸を持った映像の集合」として大きく捉え、その中で与えられた脚本の要素が伝わる方法を様々な方向から模索するスタイル。それがシャフトのシャフトたるポイントで、それこそが新房昭之の生み出した1つの文化である。もちろんこの作品にもそうしたエッセンスは詰め込まれているのだが、細かく刻んだカット構成や、独特のカメラアングルによるいわゆる「シャフト角度」などは、あくまで過去の作品の蓄積によって生み出された様式であって、この作品のために生み出されたものではない。そう考えると、この作品はあくまで「これまでシャフトが関わり続けた様々な作品で培った技術の総合展示場」であり、「新たな一歩」とは言いにくいのである。常に無茶とも言える挑戦を続けてきたフロンティアスピリットは、この作品ではちょっと物足りなかった。

 とはいえ、「これまでの技術の総合展示」であるとすれば、やはりその規模はとんでもないものになっている。シャフトの技術の粋が、一体どんな目的に使われたかといえば、この作品で最も顕著だったのは、完全に非整合であるはずの諸要素の融和である。具体的には、蒼樹うめ画と、イヌカレー演出と、虚淵脚本。この3点を結ぶラインなど、過去に存在してるはずがなかったのだが、そこに極細の繋がりをみせた奇跡こそが、シャフトの最大功績となった。その上で、「動かすこと」というアニメーションの基本原理においても必要充分な品質を維持し、全ての要素を1本のアニメシリーズの中に抱き込んだ。大抵のグルメ漫画だと悪役が使って負けるパターンの「最高食材を集めまくって混ぜ込んだ料理」を、それに見合った器を用意したことで、名実ともに「最高料理」にしてしまったのである。こんな非道は、普通のスタジオでは実現し得なかったことだろう。

 話題の中心となるのは、やはり虚淵脚本である。ただ、冷静に見返してみると、「魔法少女」というテーマの扱い方が斬新である部分を除けば、残りの見せ方はごくオーソドックスなものである。物語の中心となるのはまどか・ほむら・さやかという3人の少女で、ほむらの物語として見た場合には、最近のラノベやSF小説では割とありそうなライン。シンプルな友情物語としての骨格が最も強く、作品の軸となった基本に忠実な内容。それをエキセントリックな後味にしたのは、ほむらの物語を更に上の視点から観察したまどかの物語。こちらはオチの付け方が突飛で、ともするとトンデモ系のネタにも見られる危険性があるのだが、ほむらの物語との接点が周到に配備されていたおかげで、1本の友情物語のサブテーマとして、こっそりと着地に成功した。そして、まどかとほむらという2人の物語の裏返しとなったのが、中盤を盛り上げたさやかの物語。こちらもシンプルな悲愛であり、なおかつ作品の根底をささえるキュゥべえというシステムの描出に最大限の効果を発揮した。「小メリットを得るために、後の大リスクを背負う」という構造は文学作品などでも多く扱われるジレンマの1テーマであるが、それを「魔法少女」というタームに結びつけて、悲哀として構築したことが、ここまでの新鮮さに繋がったのだろう。分解してみれば何とも理知的なシナリオ配分。けれん味の付け方といい、やはりけちの付けようもない。加えて、地味な要素ではあるが、各エピソードのサブタイトルの捻出も、この作品のインパクトを一段上に押し上げることに貢献した。個人的にベストエピソードだと考えている「あたしって、ほんとバカ」など、何気ない一言にも神経を遣った脚本の見せ方が、細やかな売り方に反映されているのだ。

 そして映像部分では、蒼樹うめ先生と劇団イヌカレーという、水と油の2つの要素による融和が見どころ。うめ先生の絵は、序盤に看板としての魔法少女を売り込むのに効果があったことに加え、最終的なシナリオの中心が「2人の少女の友情物語である」という部分に大きな影響を与える。現代アニメとしてのセールスを考えた上で、「起点と着点はやっぱりうめ絵で」という決断は、実はものすごい英断だったのではなかろうか。そして、その「蒼樹うめの世界」を一時的にぶっ壊してこの作品のメインテーマである「魔法少女システム」を現前させるのが、イヌカレー空間である。「絶望先生」で初めてアニメとして世に現れたイヌカレー空間は、その異質さから「とにかく意味の分からないもの」を描くのに最適なツールであると判断されたのだろう。「これまで一切無かった魔法少女の世界を描く」という無理難題を見事にこなしてみせた創造力には頭が下がる。そして、こうした要素を全て巻き込んで、1本の流れを作り出したのが、シャフトの力だったわけだ。改めてみると、このボーダーレスな多層世界の結合の難度がどれだけ高かったかが分かるだろう。

 そして、やっぱり最後は中の人の話。この作品を評する上で、中の人たちの功績を語らずに終わるのは片手落ちの誹りを免れない。基本的には「3人の少女達の物語」であるから、やはりそのキャストが最大功労者といえる。美樹さやか役、喜多村英梨。彼女無くして、12話を完走するだけの持久力を得ることは出来なかった。鹿目まどか役、悠木碧。多層世界に現れる幾人ものまどかと、最後に人の理念をも越える概念存在へと昇華したまどか。これが「生きている」ように聞こえるというだけで、それはもう事件であろう。そして暁美ほむら役、斎藤千和。これこそが千和、これでこそ千和。やはり本物の持つ風格は、他を寄せ付けない。もちろん、その他水橋かおり、野中藍、後藤邑子といった面々も良い仕事をしてくれました。何一つ不満はありません。

 全ての要素において、不満の出る部分はなく、ただひたすら溜息だけが漏れ続けた。色々と悩みの尽きないアニメ業界であるが、オリジナル作品でここまでの結果が出せたのだから、まだまだ表現技法としての可能性は残されているはずだ。さて、次の地平は一体どこになるのか。今後も、シャフトに限らず、多くの制作者たちが「次なるまどか」を作り上げることを期待してやまない。

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<青>

 

Argent Mutation 銀白の突然変異 (2)(U)

インスタント

対象のパーマネント1つは、ターン終了時まで本来のタイプに加えてアーティファクトでもある。

 「液鋼の塗膜」をインスタントで行うトリックカード。これによって金属術を誤魔化したり、プロテクションを有効利用してみたり出来る……かもしれない。ただ、「液鋼の塗膜」の場合、恒常的に使えて、しかも自身もアーティファクトだから金属術が維持しやすいっていうのが売りだったし、「粉砕」と絡めての攻撃手段としても活用出来たのだが、このように一時的効果にしてしまうと安定感がなくなるし、マナを喰うので他の除去との併用もやりにくい。別に2マナくらいのキャントリップでも良かった気がするのだが……やっぱりアーティファクトであることが重要なんですかね。「よじれた映像」程度の、あんまり興味が湧かないカードである。

 

Arm with AEther 霊気の武装 (2)(U) U

ソーサリー

ターン終了時まで、あなたのコントロールするクリーチャーは「このクリーチャーがいずれかの対戦相手に戦闘ダメージを与えるたび、対象の、そのプレイヤーがコントロールするクリーチャー1体をオーナーの手札に戻しても良い」を得る。

 自軍クリーチャー全てを一時的に「霧刃の忍び(BOK)」にしてしまうソーサリー。戦闘ダメージトリガーなので使い勝手は良くないが、一瞬でも数で有利になることが出来れば、その優位性を拡大しながら一気にテンポを稼ぐことが可能になるのは強い。理想的には、白と組んでマイアトークンなどで数を水増ししし、中盤で相手が展開したブロッカーを2体以上排除することが出来ればラッキー、くらいだろうか。また、フライヤーなどで軸がズレた戦闘が生まれれば、相手はクロックの計算が狂うことになり、様々な点で齟齬が生じてくるはずだ。青の特性を考えれば充分強力なトリックといえるだろう。ただ、今回は各種「総督」シリーズなど、187能力を持つクリーチャーがそれなりに収録されてしまっているので、あんまり使いたくない場面に出会う場合も多いのは気になるポイントではある。

 

Blighted Agent 荒廃の工作員 (1)(U)

クリーチャー・人間、ならず者

1/1 感染

〜はブロックされない。

 毎度お馴染みアンブロッカブル小粒クリーチャーだが、感染持ちなので事実上のパワーは2となり、2マナ2/1アンブロッカブルならかなり優秀。装備品の土台に使うと「ニューロックの透術士」以上の可能性が生まれる、攻めの起点とも言えるカードである。感染持ちがちゃんと揃う前提ならば、本家黒の「疫病のとげ刺し」よりも優秀なのだから、その強さは歴然だ。ただ、残念ながら青ではその前提は通らない。青単色で見た場合、今回収録された感染持ちクリーチャーはコモンで2枚、アンコモンまで入れても3枚。3パックのうち1パックに2〜3枚ってことは、「包囲戦」環境の白と同じくらいの数になるわけで、独力での感染デッキは難しい。一番すっきりするのはお隣黒とのコンビネーションで、そこに青のお家芸である増殖を絡めれば、一応形になる可能性はあるだろうか。

 

Chained Throatseeker つながれた喉首追い (5)(U) C

クリーチャー・ホラー

5/5 感染

〜は防御側プレイヤーが毒を得ていない限り、攻撃出来ない。

 6マナ5/5感染ということは「ファイレクシアの巨大戦車」と同じスペックであり、ワンパンチでゲームが終わっちゃう危険性を孕んだひどい奴。そして、問題点が3つほど。1つ目は「デメリット軽くない?」。相手が1つも毒を持っていないと殴りにいけないのでモヤモヤするようだが、6マナのカードを出す時点で、感染デッキならどうとでもなる条件。2つ目は「アーティファクトじゃないんだよね?」。「巨大戦車」はアーティファクトだったからこそ対策手段があったが、単なる青いホラーでは「粉砕」も「存在の破棄」も効かない。割とヤバい。そして3つ目は「え? コモン?」。……ま、3枚以上入れられるコストではないからあんまりたくさん出られても困るけど……リミテッドがつまらなくならないといいけど。

 

Chancellor of the Spires 尖塔の大長 (4)(U)(U)(U)

クリーチャー・スフィンクス

5/7 飛行

あなたはゲーム開始時に手札からこのカードを公開しても良い。そうした場合、最初のアップキープの開始時に、各対戦相手はライブラリを上から7枚墓地に置く。

〜が戦場に出たとき、対象の、いずれかの対戦相手の墓地にあるインスタント・カードかソーサリー・カードを、そのマナコストを支払うことなくプレイしても良い。

 青の大長はスフィンクス。5/7フライヤーは白の天使を上回るサイズであり、登場時の効果もレアにふさわしい派手な効果。これで「ジェイスの創意」なんかがプレイ出来れば万々歳だろう。ただ、その分ちら見せ効果の方は正直いらない風味で、ライブラリ破壊は片手間で7枚くらいやったからといってどうなるものでもない。初手に4枚集まっていれば相手のライブラリが一気に半分からスタートすることになるが……その手札では確実に負けるだろう。もしライブラリ破壊デッキを組むとしても、このカードがデッキインを検討されることはまず無いと思われる。あるとしたら、私のようにリミテッドで「叫び角笛」って格好良くない? と思える人間が、浮かれて1引きしてしまうくらいである。まぁ、リミテッドなら普通に7マナで出せば充分過ぎるくらいの能力なんだけどね。

 

Corrupted Resolve 堕落した決意 (1)(U) U

インスタント

対象の呪文1つを、そのコントローラーが毒を持っている限り打ち消す。

 2マナで色拘束無しの確定カウンターは久し振りに達成した快挙なのだが、使うための条件は決して易しくない。リミテッドならば黒か緑との併用が責務で、何とか序盤に「悪性の傷」あたりで相手の身体を蝕んでおきたいところだ。もっとも、そこまで頑張らずともこの環境には「冷静な反論」や「鋼の妨害」といったそれなりに優秀なカウンターは存在しているわけで、青だからといって無理に毒を狙ってまで引きに行くカードでもないだろう。あくまで序盤から青黒なんかが視野に入った時に、ついでに押さえておけばよいカードである。一応、相手が「胆液の鼠」や「ファイレクシアの槽母」とか使ってくれているなら自分から策を弄さずとも使うことは出来るが、「槽母」は出てくる前にカウンターしたいからあんまり意味が無い。

 

Deceiver Exarch 詐欺師の総督 (2)(U) U

クリーチャー・クレリック

1/4 瞬速

〜が戦場に出たとき、次のうちから1つを選ぶ。「対象のあなたのコントロールするパーマネント1つをアンタップする」「対象の、いずれかの対戦相手のコントロールするパーマネント1つをタップする」

 総督サイクルの青は、1/4というがっちり体型と、一人だけ手に入れた瞬速によるトリック風味が売り。1/4が瞬速で出てくるだけでもそれなりに意味はあるが、187能力によって「ぐるぐる(7ED)」として運用出来るため、どちらかというとインスタント呪文としてカウントした方が早いかもしれない。3ターン目の相手アップキープに土地を寝かせても良いし、嫌なアタッカーの一時凌ぎにも使える。自身のパワー1と突如アンタップした味方による突発ブロックでコンバットトリックにもなるかもしれない。何がどう使えるかは定かでないが、あったらそれなりに嬉しいかもしれないくらいの能力。とりあえず「大石弓」キープの方向で。

 

Defensive Stance 防御姿勢 (U) C

エンチャント・オーラ

エンチャント(クリーチャー)

エンチャントされたクリーチャーは、−1/+1の修正を受ける。

 あ、うん。……青のお得意、パワー/タフネススイッチのちょっとしたおまけカード。これで+1/−1だったら除去としてのニーズが大きかったんだけど……相手のパワーを1減らして、感染による死亡を遠ざけよう。「ノーンの僧侶」とかにプレイしてお互いどうしていいか分からない微妙な空気を楽しむのも乙なものである。

 

Gitaxian Probe ギタクシア派の調査 (ΦU)

ソーサリー

対象のプレイヤー1人の手札を見る。

カードを1枚引く。

 青ファイレクシアの親玉であるギタクシアス先生の調査の様子をカード化したものだが、先生の圧倒的な威光は一切反映していない、単なる「のぞき見(ODY)」である。1マナキャントリップなので悪いところもないけど、だからどうした感は満載。よほどデッキに有効カードが少ないか、よほどデッキに引きたいカードがある場合の圧縮装置として使うのがいいだろう。また、0マナキャントリップは現時点では他に比較対象もないので、そういうニーズが案外あるのかもしれない。

 

Impaler Shrike 突き刺しモズ (2)(U)(U)

クリーチャー・鳥

3/1 飛行

〜がいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えたとき、〜を生け贄に捧げても良い。そうしたなら、カードを3枚引く。

 青の4マナ3/1フライヤー、と言われて真っ先に「霧衣のウミツバメ(LGN)」を思い出すのは、多分あの環境でドラフトをやりまくっていたせいに違いない。次点は「空民の鏡守り(CHK)」ね。リミテッドならそこそこお世話になるステータスで、妨害さえ入らなければパワー3のフライヤーは充分ゲームを決められるステータスである。ただ、世界には飛行対策も多ければ、手ぐすね引いて待っている「燃えさし鍛冶」や「電弧の痕跡」もいる。そこで、ワンパンチ入れられればすぐにでも満足できるサービスをお届けできるのが、このカードの強みだ。3点クロックを失うのは難しい判断ではあるのだが、それでも3ドローはあらがえない魅力がある。殴れるうちに殴っておいて、さっさとアドバンテージを頂きに行くのが良いだろう。とにかくワンパン通せればいいので「ニューロックの透術士」との相性がいいし、「浸透のレンズ」で相手をもやもやさせるというのも悪くない。コモンレベルなら文句なしの頑張り屋さんである。

 

Jin-Gitaxias, Core Auger 核の占い師、ジン=ギタクシアス (8)(U)(U) M

伝説のクリーチャー・法務官

5/4 瞬速

あなたの終了ステップの開始時に、カードを7枚引く。

各対戦相手の手札の最大値は7枚減る。

 法務官サイクルの青は、サイクル中でも最大の重さを持つ、理不尽の化身のような存在である。10マナといえばあの「コジレック」先生と同じコストなわけだが、なるほど、この能力なら本当に仕方がない。っつうか、サイクルなのに一人だけはっちゃけすぎである。瞬速持ちを活かして、まず相手のエンドステップにキャストしてみよう。すると、相手の手札制限は「ヴェンセールの日誌」が大好きなマニアでも無い限りは0枚になる。つまり手札全捨て。こいつを処分する手段は一瞬にして失われる。その後こちらのターンが回ってきてエンドを宣言すると、今度はこちらに7枚の福音がもたらされる。もう、確実に邪魔なレベルのドロー。「君もあんなに捨てたんだから、僕も捨てないと駄目だよね!」なんて白々しい台詞を吐きながら、ターンエンドに大量の手札を捨てることになるだろう。ドローはマストなので数ターンで自分のライブラリに殺される危険性も残虐そのもの。青の親玉なんだからもうちょっと思慮深い能力でも良かった気がするのだが……まぁ、とにかくすごいことになるのは間違い無いだろう。出せば、あっという間に勝つか、あっという間に負けるかのどっちかである。構築なら一応「ジェイスの消去」を1枚でも置いておければ勝てるカードにはなるが、「エルドラージの寺院」の手助け無しで10マナのクリーチャーを出すことが出来るんだろうか。あと、悪いことは言わないからリミテッドではやめておけ。

 

Mental Misstep 精神的つまづき (ΦU) U

インスタント

対象の、点数で見たマナコストが1の呪文1つを打ち消す。

 これは革命的な呪文だ。過去に似たような仕様の呪文には環境を席巻した「呪文嵌め(DIS)」があるが、このスペルは、Φマナというシステムを利用し、「呪文嵌め」の理念をさらに1マナ分押し進めた形になっている。1マナで2マナの呪文をカウンター出来れば遅い青のデッキは有利に立てる。同じことは、1マナの呪文を0マナでカウンターした場合にも言えるはず。現環境なら「ステップのオオヤマネコ」「ゴブリンの先達」「稲妻」「定業」が打ち消せるし、下の環境、レガシークラスになったらその対象は激増する。これらのカードが与えてくるダメージを考えれば、2点の支払いで済むなら充分過ぎる効果になるのだ。悩ましいのは、このスペル自体は青でなくても使えるという部分、まかり間違って、このスペルで得意げにカウンターしようとしたら相手からも飛んでくるという可能性も0ではない。うーん、カオス。まぁ、正直なところ、1マナのスペルを打ち消す必要性は、「呪文嵌め」の時の2マナに比べるとかなり少ないので、現時点では、メタ次第でサイドボード投入から、というのが一般的な使い方になるだろうか。リミテッドの場合は流石に限定的なので使い切れないとは思うのだが、緑相手の「風の突き刺し」「ミラディンの血気」「変異原性の成長」、黒相手の「悪性の傷」「煙霧吐き」、赤相手の「感電破」「圧壊」と、ピンポイントで刺さる局面も無くはない。1戦目で相手の様子を見て、どうしても不安ならサイドから使ってみると意外な結果が待ち受けているかもしれないぞ。

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 あかん、やっぱりいちいちツボる、第3話。出演者全員が楽しそうで何よりやん。

 前回のベルゼブブに続いて、追加の悪魔登場。そして今回は、中の人が中井和哉。もう、あれか、悪魔は全員青二声優か。小野坂・神谷の時点で「お前等完全に遊んどるやろ」としか思わなかったのだが、そこに中井さんが入ってますますカオスに。ほんと、男性陣はものすごく楽しそうだなぁ。そういや飛田展男も楽しそうだ。飛田さんは水島作品に呼ばれることが多いんだけど、何故か「大魔法峠」とか「ムダヅモ無き改革」とか、全部ギャグ方面なんだよね……そんなに使いやすいんかな。

 で、そんな男性陣に囲まれてるのがサトリナなわけですよ。一体どんな状態でアフレコしてるんだろう、と想像するだけでカオス。今回ようやく女性悪魔が登場して仲間が増えたかと思ったら、なんと中の人は小林ゆう画伯……駄目だ、完全アウェーだ。正常な人間が一人もいねぇ(監督含む)。頑張れサトリナ。本当に巻き込まれキャラが画になってるぞサトリナ。無茶な要求にも完璧に応えているぞサトリナ。隣の画伯が猛り狂っているけど気にするなサトリナ。

 ……全キャストにとんでもないチャレンジを与えている今作ですが、15分と短いおかげか、画的にも結構力が入ってます。そんなに絵で見せるウェートの大きくないギャグだとは思うのだけど、ストーカーが窓から脱出するシーンとか、アンダイン登場シーンとか、無駄に力が入ってていちいち笑えるんだよなぁ。ま、アンダイン云々は画伯のせいだとは思うんだけどさ。現場で見てる人は楽しさ半分恐ろしさ半分なんだろうなぁ……もう、何言ってるか全然わかんねぇよ。あれが許されるのは色々すごいよ。もう、好きにしてくれよ。

 ついでに追記。「変ゼミ」は早くもあんなが登場。石川出身っていう部分を拾って、石川2大声優のどっちが来るのかと思ったんだけど、新谷が役を押さえにきました。まぁ、流石にこの作品に麻美子はちょっと……ね。新谷さん、方言キャラも割と愛らしくて良いです。

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「ベタ」のポジティブ置換語が「王道」だということに最近気づいた第4話。なんだろね、一から十まで全部予定通りの進行しかしてないのに、不思議と見入っちゃう何かがあるんだよなぁ。

 今回の主役はブルーローズことカリーナちゃん。これまでスポットが当たっていた虎徹とバーナビーの2人とはまた違った視点から「ヒーローとは何か」というテーマを見るためのキャラクターである。単純馬鹿で小さい頃憧れたシンプルなヒーロー像を貫き通す虎徹と、多少のわだかまりもありつつ、それでも見せる職業であるヒーローにこだわりをもつバーナビーは、スタンスこそ違えど、自分がヒーローであることに一切の疑念が無い。これまでのストーリーは、そうしたむさ苦しい男共が「どうしたら理想のヒーローになれるか」を考えるシナリオだ。だが、今回メインを張ったカリーナの場合、ヒーローをやっているのは副次的な目的である。最終的には生涯の夢である歌い手になるため、その足がかりとしてのヒーローである。そして、そんな「半端な気持ち」を起点とすることで、ヒーローとしての「芽吹き」を描くことになる。その描写事態は本当に陳腐極まりないものなのだが、男共との対比がちゃんと出来ているので、見終わった後には「今日も良いものを見た」という気持ちになれるのだ。不思議なものである。

 今回嬉しかったのは、メインの視点が小娘だったおかげか、虎徹が今までよりもグッと格好良く描かれていたこと。いつもよりも多少シュッとしたデザインになっていた気がするし(作監の癖かもしれないけど)、女子高生を相手にも真面目に対話して、決して子供扱いしない態度は、バーナビーなんかよりもよほどジェントルマンの風格が漂っている。いつも通りのさえないおっさんとしての虎徹も好きだけど、たまにはこういう「オトナの余裕」みたいなものを見せてくれるのも良いものです。そんな格好良い虎徹に引っ張られたせいか、バーナビーは早くもデレ気味。二人の間でかわされるやりとりが、素直じゃないながらもスムースになってきているのは、前回から引き続いて、見ていて楽しい部分だと思います。

 最終的に、カリーナはヒーローを続けることになるわけで、彼女のお父さんからするとちょっぴり可哀想ではあるんですが、ちゃんと夢を持つ娘を見守れるだけの器があるお父さんみたいなので、今後の美少女ヒーローがどうなるのか、静かに見守っていて欲しいものです。ちなみに、視聴時に「私がなりたいのは歌手で、ヒーローなんかやりたくなかった」っていう主張の「ヒーロー」の部分を「声優」に置き換えて「あー、こういう奴もいるんだろうなー、具体的に誰とは言わないけどなー」なんて無意味な夢想をしていました。深い意味はありません。

 ブルーローズの中の人的には、歌キャスも出来るのは良いことですからね。最近色んな作品で見るようになったけど、まだまだ要精進ですぜ。「私のホールはとってもコールド」っていう台詞を、いっぺんマジで言ってみて欲しい。

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<白>

 

Apostle’s Blessing 使徒の祝福 (1)(ΦW) C

インスタント

対象の、あなたのコントロールするクリーチャー1体かアーティファクト1つは、ターン終了時まであなたが選んだ色1つかアーティファクトに対するプロテクションを得る。

 白にはお馴染みの「祝福/Blessing」の名を冠する、プロテクション付与インスタント。今回はブロックオリジナルの特性を出すために、対象をクリーチャーだけでなくアーティファクトにも広げており、コストにもファイレクシアマナが導入された。どこをどうみても「剃刀の障壁(MRD)」の上位互換になっているあたりに、「ミラディン人ごときがファイレクシア様に勝とうなんざ1万年と2千年早いんだよ!」という自信がうかがえる。実際、2マナで好きなプロテクションは充分メインで投入できるカードであるし、Φマナのおかげでどんな色でも好き放題トリックとして運用出来るようになっているため、リミテッドならあり得ない頻度で、あり得ない角度から飛んでくるマジキチスペル。山だろうが沼だろうが「疫病のマイア」だろうが、とにかく1マナでも起きていたらプロテクションを警戒しなければならないのである。本当に最悪だ。Φマナスペルは、大体全部ヤバイ気がするので、先頭のこのスペルで先にお断りしておきます。

 

Auriok Survivors オーリオックの生き残り (5)(W) U

クリーチャー・人間、兵士

4/6

〜が戦場に出たとき、あなたは対象の、あなたの墓地にある装備品1つを戦場に戻してもよい。そうした場合、その装備品を〜につける。

 荒廃しきったこのイカれた時代、世紀末にも必死で戦い続けるミラディン人の1人。6マナ4/6とフィジカルでも頑張っている上に、武器まで廃品利用でなんとかやりくりしようとしているその姿勢には頭が下がる。そこそこのステータスでアドバンテージが狙いやすく、更に「アージェンタムの鎧」のような装備品でもコスト踏み倒しが出来るため、デッキ次第では一発逆転のエンドカードの座も狙えるなかなか良さそうなカード。生体武器を引っ張ってくるとちょっと損した気分になるが、この世界は装備品が牛耳っていると言っても過言ではないため、これによってもたらされるアドバンテージは相手に対しても結構なプレッシャーになるはずだ。白の装備品デッキの後詰めに1枚入れておくと、マナカーブの上から下までコンセプトが統一されるので実に綺麗である。ただ、必死でファイレクシアに抗っているはずなのに付いちゃう装備品が「生体融合外骨格」とかだとドラマ的に涙を禁じ得ないので、使う際にはハンカチのご用意を。

 

Blade Splicer 刃の接合者 (2)(W) R

クリーチャー・人間、工匠

1/1

〜が戦場に出たとき、3/3で無色の、ゴーレム・アーティファクト・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。

あなたのコントロールするゴーレム・クリーチャーは先制攻撃を持つ。

 特定の色に与えられた「接合者」サイクル。場に出たときにゴーレムトークンを引き連れてくる能力と、自軍のゴーレムになんらかの能力を付与する能力がサイクル共通のシステムとして与えられている。ちなみに、「接合者」自体は白が最も多くて3体、緑が2体に青が1体という、やや片寄った配備になっている。これはおそらく、ゴーレムを強化していくスリヴァーのような戦術がリミテッドでとりやすいよう配慮された結果なのだろう。そんなゴーレム総本山たる白のレア接合者だが、3マナで1/1と3/3先制攻撃が手に入るわけで、コストパフォーマンスはかなり高い。こいつ自身が除去られても3/3が残るだけで充分だし、ライフを攻めるデッキならば、なかなかの先兵といえるのではなかろうか。ただまぁ、結局レアだし、1エキスパンションにしかいないサイクルなので、「リミテッドでゴーレムデッキ!」とかいう夢はあまり見ない方が良い。あくまで単体で優秀なカード、というだけで止めるしかないだろう。

 

Cathedral Membrane 大聖堂の皮膜 (1)(ΦW) U

アーティファクトクリーチャー・壁

0/3

〜が戦闘中に墓地に置かれたとき、この戦闘中に〜がブロックした各クリーチャーに6点のダメージを与える。

 2マナ0/3と些か低めの壁だが、クリーチャーとぶつかって壊れたときにだけはとんでもない量の報復行為を行うため、実質的には6/3という前のめりステータスとも考えられる。何がひどいって、実際には何が原因で壊れたかは問われないため、例えば2/2をブロックした後で「鉄を食うもの」あたりの餌にしても理不尽な仕返しは可能であるという点。実際はそこまで頑張って運用するようなカードでもなさそうだが、どうせどの色でも使えるΦマナカードなので、一応覚えておくと何かに使える可能性はあるだろう。低マナ域で気楽にアーティファクト数を稼ぐことが出来るし、「選別の高座」あたりのお供として覚えておくと、何か面白いデッキが組めそうではないか。

 

Chancellor of the Annex 別館の大長 (4)(W)(W)(W)

クリーチャー・天使

5/6 飛行

あなたはゲーム開始時に手札からこのカードを公開しても良い。そうした場合、各対戦相手が最初の呪文を唱えたとき、そのコントローラーが(1)を支払わないかぎり打ち消す。

いずれかの対戦相手が呪文を唱えるたび、そのプレイヤーが(1)を支払わない限りそれを打ち消す。

 ゲーム開始時に手札からチラ見せするだけでちょっとだけ有利にゲームがスタートする奇妙なギミックを内包したサイクル、それが「大長」シリーズ。序盤では全く役に立たない無駄なサイズと、それを埋め合わせるチラ見せギミックがセット販売されているのが共通仕様だ。ゲーム開始時に機能するギミックは「力線」と「宝石の洞窟(TSP)」に続いて3種目だろうか(一応「血清の粉末(DKS)」もか?)。白の大長は天使なので、7マナ5/6飛行という大ざっぱで必殺なステータスは充分なレベル。加えて全てのスペルに「マナの税収(PLC)」を仕掛けるという、すごく遠回しな嫌がらせが効いてるような効いてないような。正直、7マナのこいつが登場した時点で1マナの課税くらいどうでもいい気がするけど。どちらかというと、チラ見せギミックの1マナの方が効果は大きくて、事実上、序盤の1ターンを飛ばされているのと同義になるため、どんなデッキにも等しくダメージを与えることが可能になる。大長サイクルのチラ見せでもトップレベルの影響力なのだが、この嫌がらせをしているデッキの初手に7マナの天使がいる時点でどうかという気もする。これもサイクル共通のジレンマですね。いっそちら見せした後に「先読み」とかで退場して頂くのがいいかもしれん。

 

Dispatch 急送 (W) U

インスタント

対象のクリーチャー1体をタップする。

金属術そのクリーチャーを追放する。

 普通に使うだけだと「ぐるぐる(8ED)」にも劣る史上最弱クラスのスペルだが、もう、このカードは金属術が達成出来る前提でなければ意味が無いだろう。条件さえクリアすれば、「剣を鍬に(ICE)」「流刑への道(CON)」と居並ぶ白の最強除去カード群をも越える、史上最強クラスのスペルに跳ね上がる。ここまでのスペックならばデメリットのことなんか考えずに、とにかく史上最強祭りを開くことだけを考えればいいのだろう。リミテッドレベルでも金属術はそこそこ達成出来るわけだし、構築デッキならば言わずもがな。押し寄せるファイレクシア群を駆逐すべく、なんとか金属術マンセーデッキを組み上げるのだ。一応、今後のメタ環境を左右するレベルのカードだぞ。ちなみに、このカードはこの手の条件付き効果変更スペルには珍しく、金属術達成時にも1つ目の効果(タップ)は残っている。どうせリムーブするんだから一緒だけど、デッキに「休賢者(LRW)」とか入れてると一応意味がある。どんなデッキだ。

 

Due Respect 相応の敬意 (1)(W) U

インスタント

このターン、パーマネントはタップ状態で戦場に出る。

カードを1枚引く。

 カード名からすると、馳せ参じるパーマネントが全て傅くイメージなんだろうか。なかなか面白いネーミングだが、置換すると「一時的な「宿命(6ED)」」。キャントリップなので損はしないし、序盤のターンで相手のアップキープに打ち込めれば、土地を縛れるので事実上のタイムワープになる。中盤以降でも、土地を置く予定のマナ勘定が狂わされるのは結構痛いし、ブロッカーを用意しにくくなるために戦闘にも影響が出る。地味なスペルに見えるが、使われると想像以上にキツいスペルではなかろうか。先行する自信がある白デッキならば、入れられるだけ突っ込んでおいても無駄にはなりにくそうだ。ちなみに、基本的には土地を縛るためにアップキープにプレイするのが良いように見えるが、こちらが攻めている展開ならば、相手のブロックプランを崩すため、第2メインフェイズで相手のクリーチャーキャストにスタックしてのプレイの方が効果的な場合もある。色々と使い方が問われるカードだ。

 

Elesh Norn, Grand Cenobite 大修道士、エリシュ・ノーン (5)(W)(W) M

伝説のクリーチャー・法務官

4/7 警戒

あなたのコントロールする他のクリーチャーは+2/+2の修正を受ける。

あなたの対戦相手のコントロールするクリーチャーは、−2/−2の修正を受ける。

 今回各色に登場した、ファイレクシア法務官サイクルの白版。このサイクルは、でかくて重たい身体に、自軍への恒久的メリットと、それを裏返した相手へのデメリットを内蔵させるという、自分に優しく他人に厳しいギミックが共通している。そして、こいつの場合はそりゃぁ出たらエラいこと。お前絶対白いクリーチャーじゃないだろ、という突っ込み待ちのカードだが、これがファイレクシアに染まった世界の白であるというなら致し方ない。一応過去の先輩にも「隆盛なる勇士クロウヴァクス(PLC)」っていう前例があるので、白がこういう仕事を絶対にしないってわけでもないからな。現環境の「鍛えられた鋼」でもフィーバータイムが巻き起こるというのに、このカードは更に「虐殺のワーム」しつつ全軍補強。もう何がなにやら分かりませんわ。流石にファイレクシアのお偉いさんは格が違った。出して1ターンでも生き残って殴れればゲームは終わる。取らない理由は何一つ無い。あまりの統制力のおかげで構築まで見えそう、とか一瞬思ったけど、7マナのカードの時点で割と嘘っぽい。どうせ装備品を張ったクリーチャーを死に至らしめる決定力もないしな。

 

Exclusion Ritual 排他の儀式 (4)(W)(W)

エンチャント

刻印 - 〜が戦場に出たとき、対象の土地でないパーマネント1つを追放する。

各プレイヤーは、追放されたカードと同じ名前を持つ呪文を唱えられない。

 刻印を利用し、特定のカードが複数使われるデッキを締め上げるカード。当然のように土地は刻印できないため、もし構築で使うならば「戦隊の鷹」を押さえるのが今の世界では一番の正解プレイングになるのだろうか。ただ、それは構築で使うことを夢想した場合であり、実際は6マナでこの程度の効果では構築入りはしない。大人しく土地が壊せない「砂漠の竜巻(MMQ)」として、ちょいと重たい除去効果を満喫するがよかろう。窮屈なコストには違いないが、クリーチャーからプレインズウォーカーまで、広範に対処出来る上に後腐れのない、「存在の破棄」の親玉みたいなカードである。一応「分散」などのバウンスでシナジーもあるので、そういうデッキならそこそこのニーズだ。もう、ここまで来たら「イシュ・サーの背骨」でいいじゃないか、って気もするけどな。

 

Forced Worship 強制された崇拝 (1)(W)

エンチャント・オーラ

エンチャント(クリーチャー)

エンチャントされたクリーチャーは攻撃出来ない。

(2)(W):〜をそのオーナーの手札に戻す。

 このセットにおける「平和な心」系オーラだが、何故か今回はブロックを抑止出来なくなってしまった。「まぁ、手札に戻して再利用出来るギミックがあるから仕方ないのかなぁ……」とも思ったのだが、なんだか釈然としない。何かおかしいと思ったら、「手の檻(CHK)」のほぼ下位互換なのだ。一応キャスティングコストが安くなっているものの、繰り返し使うであろうバウンスコストでチャラであるし、防御を抑止出来ないというのはこの手のカードにしては片手落ちである。当然リミテッドの防御手段としては使っていくカードになるんだろうが、先に「拘引」が出ている時点で、なんだか寂しいと思われるのも致し方なかろう。それにしても「手の檻」は便利だったな。イラストはキモかったけど。

 

Inquisitor Exarch 審問官の総督 (W)(W)

クリーチャー・クレリック

2/2

〜が戦場に出たとき、次のうちから1つを選ぶ。「あなたは2点のライフを得る」「対象の対戦相手は、2点のライフを失う」

 各色に与えられた「総督/Exarch」サイクルの白。このサイクルは全てクレリック・クリーチャーであり、場に出たときに2つの対照形になった効果のうちから1つを選んで発動させるのが共通仕様となっている。そんなサイクルの白は、ライフゲインかライフルーズという、ものすごくとってつけたような効果しかもっていないのだが、2マナ2/2という白らしい優れたステータスが売り。場に出たときに2ライフルーズさせる熊というなら、一昔前ならば充分構築に食い込めた人材であろう。リミテッドでもゴリゴリ押し続ける白デッキならば良いアクセントになるし、こういうカードが序盤に見えただけでも、相手はΦマナのためにどのくらいのライフを使っていいかを計りにくくなる。今まで以上にライフというのが難しいリソースになるため、リミテッドならば充分一線で活躍出来るカードになるはずだ。Φマナを考えたら、好きなマナを1マナストックしておけるカードとも言えるわけだし、実はかわいい奴なのかもしれん。

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