忍者ブログ
最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
[1128] [1129] [1130] [1131] [1132] [1133] [1134] [1135] [1136] [1137] [1138]
 「IS<インフィニット・ストラトス>」 4→4

 今期最大のフーン枠。世間では「CLANNADは人生」のテンプレに追加して「ISは養豚場」という表現が生み出されたらしいが、なるほど、上手いことを考えたものである。ただ、それってつまり入場できるお客さんをかなり制限してるってことで、イマイチ食指が動かない人間にとっては、単なる「キツめの臭いがするもの」でしかないのが正直なところである。

 先に評価すべき点をあげると、なんと言っても画面の安定感。サテライトあがりの菊池康仁とエイトビットの製作体勢は「マクロス」の例に倣わずとも終始不動のもので、シリーズを通じてやたらめったら明るい青空を基調とした画面構成は、見ているだけでも気分が高揚する。キャラクターの造形も細かく、実に丁寧で、なるほど、女の子が可愛く描けていればいい、というノルマならば十二分に達成出来たといえるだろう。これだけ無節操にキャラクターを上書きしていく方式だというのに、なんだかんだで全ヒロインが(そこそこ)埋もれずに頑張って自己主張が出来ていたのも、ひとえに見ていて萎えないだけの画の力があってこそだろう。ちなみに、個人的にはネタ要員になったときにどれだけ輝けるか、というのが評価ポイントになったので、セシリアが好みです。ラウラの情けない姿も良いね。

 とまぁ、「養豚場」としての仕事は全うしたであろうこの作品だが、いかんせん、それだけでは中身がなさ過ぎる。上にはセシリアが好み、と書いたが、何故彼女が良かったかというと、彼女の人生や一夏との絡みには、主義信条やキャラクターのバックグラウンドに依拠する要素がほとんど無いためである。セシリアが一夏について回るのは、最初の一騎打ちで敗れた悔しさの裏返しがスタート地点であったが、そこからは単に周りを取り囲む有象無象と同レベルに、「何となく一夏について回る」だけの役割。そこには辛い過去も、執念も存在していない。だからこそ、単純に彼女だけは面白がれた。

 ただ、残念ながら他との絡みだとなんだか変な臭いがする。一番残念だったのは、最初に応援していた箒だ。彼女は最後の最後で専用機を手に入れて一発逆転、最終的には箒エンドで幕を閉じるという、理想的な幼馴染みポジションだったわけだが、「専用機が無くて落ち込む」というイベントの描き込みが全く厚みを持っていない。どちらかというと世界に400台程度しかないISの専用機を、こんなところの女子学生が大量所持している事実の方が問題だと思うのだが、箒の場合、そんなたいそうなものを持ちたいと思えるだけの背景が無いのだ。おかげで、最後に浮かれるイベントや、浮かれついでに一夏に怒られるイベントもなんだかよく分からないテンションになってしまっている。そもそも、ちゃんと任務を遂行していただけの箒が、一夏の勝手な行動の巻き添えを食らって悪者扱いされる流れがおかしすぎて、彼女が落ち込む理由がぜんぜん分からないのである。

 他のキャラクターも似たり寄ったりだが、結局、この作品は「キャラさえ可愛く見えりゃそれでいいんじゃね?」という大義名分を過剰にはき違えてしまい、物語の下地づくりを放棄してしまっているのだ。おかげで、メインシナリオを気にしてしまうと、ストーリーに没入することが出来ず、「可愛いヒロイン」要素もおまけ程度の扱いに感じられてしまう。そうなれば、もう萌えるどころではないのである。本当に、この作品のシナリオを考えた人間は一貫したシナリオラインを組もう、という意識があったのだろうか? 分からんねぇ。

 ま、どこまでが原作の責任で、どこからがアニメスタッフの怠慢なのかは分からないので、単純な原作批判をするつもりはないが、いかに「萌えハーレムアニメ」だからといって、ここまでいい加減にものを書かれると流石についていけませんよ、というお話でした。

 でも、中の人に責任は無いな! 麻里奈もゆかなも可愛いな! 花澤は反則だな! ぴかしゃはラジオが本命だからアニメの中身は別に気にしないこととする。以上だ!

拍手

PR

○「Steins;Gate」 5

 初っぱなからのポカーン具合がどうにも判断しづらい作品。1話目で判断しにくい作品らしい、ということはちらほら漏れ聞こえる評判から知ってはいたが、うーむ。

 原作がゲームで、しかも最近何かとお騒がせ要素となるニトロプラスの制作。東京の一都市を舞台にした、やや電波トビ気味の主人公を中心としたオタク文化満載の物語。更にいとうかなこによるオープニングとくれば、同社のアニメであった「カオスヘッド」を思い出す。そして、その「カオスヘッド」も、1話目の段階では謎に満ちており、様々な期待を抱かせるだけのパワーがあった。しかし、その後次第にストーリーはどうでもいい方向へと流れ、最終的には謎も秘密もぶん投げたような終わり方をしてしまっていた。どれだけ世間で騒がれようとも、先入観無しでこの作品の1話を見て、あれと同じにならないという保証はないだろう、という懸念ばかりが先立ってしまう。謎をばらまくだけなら誰でも出来るし、会話主体の物語なので、それを思わせぶりに配置するだけならばそれほどの労力を要する作業ではない。そして、それが後への期待感に特に繋がっていないとすると、今の段階で特別高い評価にはならない。

 ただ、「カオスヘッド」と大きく違うのは、制作にWHITE FOXが入っており、画面の質の保証はされているという点。どこか虚ろな世界の描画はなかなか印象的だし、「ゲルバナ」のとんでもない造形なんかは、かなりのディティールまで追究して描かれている。このあたりの画面の見栄えは素直に評価点として見ていいだろう。その上で、シナリオラインを今後ダラケさせずに引っ張れるとするなら、一応は「楽しみな作品」といえるかもしれない。今のところ、妙なキャラクターたちのアクの強さがちょっと鼻につく感じですけどね。特にあのデブハッカーね。どうしても、こういう「リアルで2ch用語を話す奴」って、アニメの中に出てくると気にくわない描写になりがちだよね。ただ、コイツの場合はそれが徹底しているので、最後の方になるとむしろ気にならなくなったんですけど。ごめん、クレジット見て初めてセキトモだって分かったわ。こういう役できっちりそれっぽく決めてくるのは流石やなぁ。

 まだまだ何かを語れるような段階ではないので、「まぁ、一応続きは見るけど」という程度の認識。ここから今期アニメの中でどのくらいの地位まで登ることが出来るのか、気にしつつ見守っていこうと思う。ちなみに、監督が佐藤卓哉でキャラデザが坂井久太っていうコンビネーションは何故か「苺ましまろ」と同じ布陣だったりするな。どうでもいいけど。

拍手

「これはゾンビですか?」 5→4

 うーん、なんだかよく分からない作品だったな。ものすごいごった煮でとにかく思いついたことを全部ぶち込んでみた、みたいな作品で、その「思いつき」に統制が取れておらず、どこに行きたいのかを誰も分からない状態になってしまっている、そんな印象である。分からなくなったのは視聴者だけでなく、制作スタッフも、そして原作者についても、そんな気がする。

 面白い部分は割と面白い。ギャグに特化している時にはそれなりに笑える要素も少なくなかったし、現代ラノベの残りカスの塊みたいな、とにかく属性だけを山のように盛りつけてそれを垂れ流すだけ、というアイディアも、実は案外メタネタとして悪くないのではないか、という気にもなった。しかし、その程度のネタ回しは、本気でギャグに振り切れた作品の命がけのチャレンジには敵うものではない。中心となるアイディアが無いままに走り出してしまったが故に、体幹が維持できずにフラフラしているだけなのだ。

 たとえば、えげつないネタの1つに魔装少女となった主人公歩の姿があるが、既に現代アニメでは「キワモノ魔法少女」のジャンルはほとんどの道を走り追えた後で、野郎が変身するくらいではトップランクのネタとは言い難い。世の中には魔女の孵卵器や白い悪魔など、もっとえげつない魔法少女が山ほどいるのだから。でもまぁ、「歩がもっと可愛く!」とか、そういうネタ回しはちゃんと設定をいかしているので悪くないとは思ったけど。豚骨ラーメンの回とか、突っ込みようもないくらいに突き放してくれた方がこの作品のテイストとしてはありがたかったか。

 また、ヒロインの乱立っぷりが消化不良でイマイチ活かし切れていないのも勿体ない部分。結局歩の中では一番大事な存在はクーだったと思うのだが、それを埋め合わせるくらいにハルナが頑張ってしまい、どこを見たらいいのかがブレてしまった(ユーの魅力が、結局中途半端に終わってしまった)。最終的に、一番親しみやすいヒロインが割と常識人のトモノリだってのも頂けない。ギャグが武器にならずに阻害要因になってしまうようでは、ハーレムものとしての設定にかみ合わない。当然、シリアス展開になると、「ろくにバックグラウンドもないのになぁ」と不安になってしまうこともマイナス要因だろう。やっぱり、要素だけの切り貼りで成立するほど、物語というのは甘くないのである。

 おかげで1話1話を「独立したよく分からない流れのギャグ」として見た場合には、それなりに楽しく見られたというのがこの作品の評価点。毎回妄想ユーが誰になるのかが楽しみだったし、メガロの造形なんかも割と楽しかった。そういえば、中の人で言うと、今作で一番頑張っていたのはハルナ役の野水伊織か。最近はすっかり新人臭さも消えて、安定感のある仕事が出来るようになった。お歌の方はそこまで大したものではないが、今後はエースの看板を背負って一線で戦っていくことになるのだろう。なかなか楽しみである。……結局、クー役の月宮某にとって、この作品はどうなんだろうな。作中でほとんど声が聞こえなかったから印象がぜんぜん無いわ。

拍手

  いきなり大量のレア情報がリークした。しかし、これが日本語版であることも加えて、めちゃめちゃ胡散臭いから困ったものだ。あまりに斬新過ぎるコンセプトが嘘くさいし、これまでウィザーズ社は締め付けの度合いを次第に強め、リークの時期を完全にコントロールしていたことも疑念を膨らませている。

 が、あまりに胡散臭いために、逆に本当にも見えるというのがラストエキスパンションの悩みどころ。嘘情報なら、逆にもう少し真実味があってもいい気がするのだ。このやきもき感は、この時期特有の「釣られるか、無視するか」ジレンマである。

 でもまぁ、最近は本当に情報管制が厳しかったからね。ちょいと懐かしいこの空気で、とにかく本物だと思ってチェックしていきましょう。

 先に断っておくけど、「デマでも僕のせいじゃないからね!」

 

 

 

開放された者、カーン (7) M

プレインズウォーカー・カーン

【6】

<+4>:対象のプレイヤー1人は、手札を1枚追放する。

<-3>:対象のパーマネント1つを追放する。

<+4>:〜により追放された全てのオーラでないパーマネント・カードを別にして、ゲームを再び開始する。その後、それらの別にしたカードをあなたのコントロール下で戦場に出す。

 今回のリークの嘘くささを決定的にしているのがこのカード。すっかりファイレクシアに取り込まれ、悪の親玉面をしていたカーンが、あっさりと解放されてしまっているのだ。捕らわれの玉座から元気に立ち上がったカーンの姿は、その清々しさに突っ込む気力も起きないものだ。で、その効果であるが、やっぱりおかしい……初期値が6、1回の起動で10の忠誠値。確かにカーンのウルザに対する忠誠心を考えればこのくらいはやってのけそうな気もするけど、「ソリン・マルコフ」よりも1マナ重いだけの無色プレインズウォーカーがここまで死ににくいというのはどうだろうか。しかもプラス能力が充分強い。リリアナさんが泣き出しちゃう。そして小マイナスが「名誉回復」で、大マイナスがハンデ戦の「Shahrazad(ARN)」だ。確かウィザーズ社って「Shahrazad」効果は封印したんじゃなかったっけ……とにかくひどいカードだな。ある程度マナが出るデッキならば、とにかく何も考えずに放り込んでおくと、出せれば勝てるという。これ、印刷していいの? やっぱデマだろ。

拍手

○「花咲くいろは」 6

 さぁ、やってまいりました、今期本命の2、P.A.WORKS制作の「花咲くいろは」だ(本命シリーズが何本あるかは未定です)。なんでもP.A.WORKSの創立10周年記念作品らしく、P.A.ファンには見逃せない1本となっている。スタッフには、「CANAAN」製作陣の安藤真裕・岡田麿里・関口可奈味などが名を連ねており、「CANAAN」ファンとしては期待せずにはいられない。安藤監督、岡田マリー。俺はあんたがたを信じているぜ!

 というわけで、多少興奮気味の1話目。想定通りに、一分の隙もない美麗な映像の完成度にはただただうっとりするばかり。中でも緒花が東京で見上げた空や、トンネルを抜けた後に見える希望に満ちた海岸の風景、菜子と一緒に見下ろした町の全景など、とにかく背景美術のディティールが本当に見事。このあたりの細やかな仕事ぶりは、「true tears」以降、P.A.のお家芸ともいえる部分。またあの臭いさえするかのような北陸の空気が味わえるかと思うと、それだけでも期待感は高まってくる。「作画に関して一切の不安がない」というのは、新番組を見ていく上で非常に重要なファクターである。

 キャラクターデザインは「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」などでアニメに進出してきた岸田メルが担当しており、これを関口さんなりのアレンジで線の細さをそのままに、グリグリ動けるように画面に落とし込んだ。特に主人公の緒花はくせっ毛の描画がなかなか面倒で、これを丁寧に動かすだけでもかなり躍動感が出る。他にも旅館従業員らしい和装が似合ういかにも日本人らしい美人が大挙する喜翠荘は、単純なハーレムとしても充分機能する見栄えがある。本当に、画的な部分は好みどストライクなので困ってしまう。

 実際のキャラクター造形はというと、緒花はなかなかの曲者である。一見すると今時のチャラい女子高生。その中身もかなり浮ついたところがある女の子で、物怖じすることが一切無いかのような状況適応能力は些か現実離れが過ぎる。まぁ、あの母親に育てられたらこうした刹那的な性格になるか、という気もするのだが、主人公としての語りの部分はやや鼻につくのが気になる部分だろうか。ただ、本当ならもう少し受け入れにくい我の強い人物のように見えるのかもしれないが、声が伊藤かな恵であるために、どこか憎めないラインでセーブされているのは美味しいところだ。その他のキャラクターはまだまだ顔見せの段階だが、1話目からその性格がそれなりに発揮され、みんながみんな、ちゃんと区別出来るようになっているのはありがたい。当たり前のこととはいえ、顔見せの段階で書き分けが出来ているというのはいうほど簡単ではないのです。今回分かりやすく飛び出したのは能登ボイスの中居さんでしょうか。軽めの能登キャラは、最近黒沼やサテライザー先輩ばかりだったので良い口直しになります。

 そして、このアニメで一番のポイントとなるのは、今時女子高生の旅館アルバイト奮闘記というメイン部分だ。1話はお約束の、「商売の厳しさを身体で覚える」展開。客商売をする上での基本となる心意気を、おばあちゃんが3発の平手で教えてくれた。厳しいようではあるが、客商売の場合は日常的に培ってきた常識を一からぶっ壊して「商売用メンタル」を形成しなければ成立しないジャンル。そのあたりの現実の厳しさと、生々しさが心にズンと重い。緒花の主張も分かる部分はあるのだが、まだまだ彼女はケツの青いガキでしかないのだ。少なくとも今回に限っては、全面的にばぁちゃんが正しいのである。今後、どのように旅館の一員として認められていくのか、なかなか興味深いテーマではないか。

 さぁ、とにかく舞台は整った。この畏くも呪われた石川県の地に、舞い踊れ、女子高生。メインキャラの1人、黒髪ポニテの子はものすごく可愛くてキャラもいいのに、声が! 声が!! お前、「すいません」ってちゃんと言えてないじゃねぇかぁぁぁ!

拍手

 ○「日常」 6

 さぁ、やってまいりました、今期本命の1,京アニ製作の「日常」だ。OADの時点では「そこまで大したもんでもないなぁ」という感想だったのだけれど、やはりというかなんというか、本放送1話目ではしっかりと作品の空気を作るために、ちゃんとアゲてきましたね。流石というしかない。

 OADで微妙だった部分といえば、やはりオチのテンポが弱いダラダラした展開。基本的に始終腹を抱えて笑うような作品ではなく、本当にシュールな間の笑いで勝負する作品なので、いくら映像の再現度が高くとも、それがキレの悪いパートになってしまうとどうしたって見ている方には面白くない。かといって原作自体もそこまで細かいネタを繋ぐものではなく、どちらかというと大ゴマでみせたり、1枚絵で見せたり、シチュエーションそのものの不条理で見せたりする部分が多いはずだ。OADの場合、そこの押しが弱かった気がする。

 しかし、今回1話目はそのあたりの要所をちゃんと押さえて、テンポの良いスタートダッシュに成功している。ネタによって密度やテンポには善し悪しもあるが、間に本当にどうでもいい小ネタを挟んでいくことで多少スベるくらいは気にしないだけの勢いを維持して、そのまま30分突き抜ける姿勢。これなら、いちいち小難しいことを突っ込む必要も無かろう。あとは京アニクオリティを隅から隅まで楽しむだけだ。相変わらず仕事は完璧で、特に原作者の持ち味である独特な背景美術なんかの完成度がかなり高い。色彩設定も「あらゐ流」の塗りが徹底しており、あんな原作でも(失礼)全力で再現して120%を生み出す京アニの矜持が見える。

 個人的には、OADの時同様にはかせとなののパートはあまり好きではない。原作の時からそうなのだが、正直言うとこのパートはあまり面白味が無く、はかせやなのの愛らしさで売る部分であり、あまりこの作品に馴染んでいるように見えない。アニメにするとそれが顕著で、典型的な「ダラダラした部分」になってしまう。今後さかもとが入ってくると更にその様相は加速するだろうから、そこだけはちょっと不安。

 対して、ゆっこ達が暴れる学園パートはサブキャラも充実しているし、メインとなるのはあくまでこちら。1話のウィンナー話の勢いなんかは文句無しで、原作でもかなりトバし気味の話だったものが、京アニの持ち味である丁寧なアニメーションで何倍もの破壊力を得ている。そういえば「らき☆すた」の時もひよりが転倒するシーンで無駄にダイナミックなアクション動画を駆使してみせてくれたりしていたので、そうした「無駄なクオリティ」がこの作品でも見られれば良いなぁ、という期待感はある。

 あとの勝負は、いかに「間の笑い」をアニメの流れの中に組み込めるか、という部分かな。今回一番笑ったのはおそらく「今はヤギだ」のところ(多分原作でもそうだったと思う)なので、こういうネタできっちり勝負が出来るデザインにして欲しいですな。前半のクライマックスはトランプタワーの回とかかな。そうそう、サプライズなサービスとしては、なんと「Helvetica Standard」が作中に挟まっていた。確かに「日常」だけだと間が持たない気もするが、いっそのこと「あらゐワールドならなんでもいいや」とばかりに詰め込まれた異次元は、ちょっと予想外の演出である。実をいうとより荒唐無稽な「Helvetica」の方が持ち味は活かせる気がしているので、今後の絡みが楽しみである。

 いつもならここでキャストの話に移るわけだが、今作はほとんどが初見の連中ばかりで、あまり語るべきことがない。調べてみたら「生徒会の一存(わが家では視聴出来なかった……)」でデビューした連中が多く採用されているみたいで、個人的にはほとんどが始めましてなのである。現時点でほとんど不満は無いレベルだが(なの役だけちょっと気になる部分はあるが)、特に良いというイメージもない。これ以降に何かめざましいものが現れるだろうか。しいていうなら、こんなところでも校長役を任されるチョーさんの安定感ばかりが引き立ちますけどね。震えてないのが、時定高校の校長。震えているのが、やまぶき高校の校長。簡単ですね。

拍手

2010年度・俺的アニメグランプリ

 

 今年もやって参りました。1年間の総仕上げにして、アニメ視聴のモチベーションの1つ、勝手なランキング企画である。このブログ上では2回目ですが(1回目はこちらです)、個人的に勝手に決めていたのも換算すると、既に7年目になるんですよね。すごいですね、暇ですね。いったいいつまでこんなことをやり続けるつもりなんでしょうね。無論、死ぬまで。いや、働きたくなるまで? 分からん、今追いかけてる声優が全員突然死とかしたり、突然結婚ラッシュとかが来たら考えるわ。

 一応断り書きしておくと、タイトル賞の選出は何故か毎年「仮装大賞」の賞に依っている。「単にベストで順位を決めるのは難しいから、なるべく取り上げる作品を増やしたい」っていうのが当初の狙いだったんだけど、流石に無茶が出てきている気もするので、そろそろこの設定も考えた方がいいのかもしれないな。タイトル部門以外の賞は、基本的に3位まで取り上げてある。

 今期エントリーされたのは、ある程度最後まで視聴していた以下の67作品。過去の履歴だと、3年前から76本、74本、59本と推移しており、去年に比べると少しは回復したことが確認出来る。それとも、放送本数は変わらないけど、安定して最後まで観られるものが増えてきてるのかな。何にせよ、ある程度数が確保出来るのは良いことである。ただ、今期は震災の影響もあり、この記事を上げる時点で放送が終了していない作品もいくつかある部分だけは、考慮しなければならない。本来の主旨を考えるならば全ての番組が終了するまで待つべきなのだが、これ以上時期を遅らせるのもどうかと思ったので、執筆に踏み切らせてもらった。多少問題はあるが、御容赦願いたい。

 そして、劇場作品については去年が7本だったのに対し、こちらは4本でちょっと数が減った。でも、2011年は現時点で既にけっこうな数の「見なきゃいけない」映画がある気がするので、今後は劇場作品を評価する部門も考えたいところだ。ただ、現時点ではいささか不当なのは承知しつつも、劇場作品については敢えてエントリーからは外している。地上波と比べるのって、基準がないから難しいんですよね。

 

 

○一応ある程度見ていたエントリー作品(アイウエオ順)

「あそびにいくヨ!」「あにゃまる探偵キルミンずぅ」「アマガミSS」「荒川アンダーザブリッジ」「荒川アンダーザブリッジ*2」「インフィニット・ストラトス」「えむえむっ!」「Angel Beats!」「オオカミさんと7人の仲間たち」「おおきく振りかぶって〜夏の大会編〜」「おとめ妖怪ざくろ」「お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!」「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」「会長はメイド様!」「学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD」「刀語」「神のみぞ知るセカイ」「君に届け2nd Season」「海月姫」「黒執事Ⅱ」「けいおん!!」「GOSICK」「これはゾンビですか?」「さらい屋五葉」「屍鬼」「GIANT KILLING」「侵略! イカ娘」「心霊探偵八雲」「STAR DRIVER 輝きのタクト」「ストライクウィッチーズ2」「世紀末オカルト学院」「聖痕のクェイサー」「生徒会役員共」「セキレイ pure engagement」「戦国BASARA弐」「そらのおとしものf」「それでも町は廻っている」「探偵オペラミルキィホームズ」「テガミバチ REVERSE」「デュラララ!!」「とある魔術の禁書目録Ⅱ」「咎狗の血」「ドラゴンクライシス!」「薄桜鬼」「薄桜鬼-碧血録-」「バクマン。」「パンティ&ストッキングwithガーターベルト」「B型H系」「HEROMAN」「百花繚乱サムライガールズ」「FORTUNE ARTERIAL 赤い約束」「フラクタル」「フリージング」「放浪息子」「迷い猫オーバーラン!」「魔法少女まどか☆マギカ」「みつどもえ」「みつどもえ増量中!」「もっと To LOVEる」「ゆとりちゃん」「夢喰いメリー」「四畳半神話大系」「ヨスガノソラ」「Rio –RainbowGate!-」「RAINBOW 二舎六房の7人」「レベルE」「WORKING!

 

○今期視聴した劇場アニメ作品

「いばらの王 –King of Thorn-」「宇宙ショーへようこそ」「装甲騎兵ボトムズ Case;IRVINE –ケース;アービン-」「マクロスF 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜」

<タイトル部門>

技術賞

‘05「創世のアクエリオン」 ‘06「がくえんゆーとぴあ まなびストレート」

‘07「モノノ怪」 ‘08「キャシャーン Sins」 09「化物語」

‘10「デュラララ!」

 作品を作る上での、様々な意味での技術的側面を評する賞。過去の受賞歴を見ると、CGなどの純粋に「映像技術」を評価する向きから、最近は画面構成に代表される画作りの技術力を評する流れにシフトしているようだ。07年からの推移を見れば、中村健治、山内重保、そして尾石達也(新房昭之)と、癖の強い演出家の作品を選り好んでいるのが分かるだろう。

 今期も様々なクドい作品がそろい踏み。純粋な「アニメ好き」としてストレートに嬉しい作品といえば、五十嵐卓哉と榎戸洋司の手によるぶっ飛びロボットアクション学園ラブコメ「STAR DRIVER 輝きのタクト」。いかにもボンズらしい映像美術のレベルの高さはもちろんのこと、言葉選びのセンスには榎戸テイストが全開だったし、それを全て理解した上で取り込み、1つのテレビシリーズとして完成させた五十嵐監督の裁量も見事なもの。アニメオリジナルでここまで面白いものが出来るってんだから、大したものだ。

 監督の個性とこだわりが徹底的に画面を支配した作品といえば、いささか度が過ぎたが「夢喰いメリー」が鮮烈だ。山内重保による重い重いどんよりとしたコンテワークは、未だかつて無い息苦しさを与えてくれた。これが正しい姿勢だったのかは疑問が残るわけだが、どこまで行っても曲がらない個性というのは、それだけで楽しいものだ。更に個性を強めた作品では「四畳半神話大系」がある。原作自体がかなり個性的なものなので、アニメとして成立させるのは非常に難しい作品だったはずなのだが、それを何事も無かったかのように「画」の世界に変質させたのが、唯一無二の才能である湯浅政明である。彼の作るエキセントリックな映像世界は、気づけば「四畳半」ワールドを組み上げるのに最も適した素材となっていた。この奇跡的なコラボレーションは、後の世まで誰も踏み越えることのできない異質な金字塔になったといえるだろう。

 また、毛色は違うが他の人間がチャレンジしない領域という意味では、こだわりの制作集団アームスがお送りした「百花繚乱 サムライガールズ」がある。おっぱいおっぱいは置いておくとしても、墨汁アニメとしての異質さを全面に押し出し、奇妙な湿度でもって表現された「異国」大日本の風景は、良くも悪くも「まねできないもの」になっていたはずだ。

 そして、そんな「サムライガールズ」の特徴の一端を引き延ばした2作品もここで取り上げよう。1つ目は、「おっぱいおっぱい( ゚∀゚)o彡゜」の側面をとことんまで昇華させた異色作「学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD」。荒木哲郎はびっくりするようなアイディアでもって「映像化」を成す監督だが、この作品における彼のこだわりは、男ならば敬意を表さずにいられないめざましいものであった。馬鹿馬鹿しさ100%の「乳抜きショット」を大真面目に描ききった胆力は流石の一言。他方、「じめじめした日本の湿度」という異質さを押し出したのは「さらい屋五葉」。こちらはシリーズを通じてたった1つのコンセプトである「静けさ」にこだわり続けた作品作りを達成しており、アニメクリエイターならばどうしてもやりたくなってしまう「動くこと、見せること」を極力廃したストイックな画作りが、他に類を見ない作品構成に繋がった。こうした息の長い努力こそが、1つのアニメシリーズの完成度を高めるために不可欠なものだろう。

 そして、今期最も「うまい」と思わされた作品というと、1年前の「デュラララ!」を選びたくなってしまった。つまり、今年選んだ監督は、大森貴弘ということだ。彼ほど明確な作意を画面に盛り込む監督というのはなかなかおらず、この「デュラララ!」においても、隅から隅まで、全て「作品のため」に構築している徹底したこだわりには舌を巻く。およそアニメ脚本としては荒唐無稽な群像劇という題材において、彼の構成方針は非常に理知的であり、効果的であった。全ての面が作品を見やすくする方向に働いているにも関わらず、それが単なるメディアの置き換えに終わるのではなく、ちゃんと「アニメーションとしての魅力」として完成し、魅力を一回りも二回りも増すことになっている。本当に細やかなレベルでの「手心」であるため、ともすると見過ごされがちになってしまう作意であるが、1つ1つのエピソードとして各放送回を見ても面白いし、シリーズ全体でくくったときに、全てのエピソードが繋がり、大きな池袋の街の姿を浮き彫りにする。テレビシリーズ1本を追いかけて、最終的に大きな満足感が得られる絶妙なさじ加減となっている。同原作者が描いた「BACCANO!」でもその傾向は充分に楽しめたが、より長く、より大きなシリーズを作るに至って、大森監督の作品方針は1つの作風として完成に至ったように思う。

 こういう作品がどんどん増えてもらえれば、まだまだ楽しいアニメは増えていくのではなかろうか。

拍手



忍者ブログ [PR]
カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
22 23 24 25 26
27 28 29 30
ブログ内検索
カテゴリー
プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
ーーーーーーーーーー
↑越えられない壁
沢城みゆき 斎藤千和 
中原麻衣  田中理恵  
渡辺明乃 能登麻美子
佐藤利奈  佐藤聡美
高垣彩陽   悠木碧
最新CM
[04/20 seachicken]
[04/14 DRAKE]
[04/14 とみしの]
[04/14 とみしの]
[04/13 デュッセル]
バーコード