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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「うちの会社の小さい先輩の話」 4→4

 正直1話目以降に特に新要素もなかったので減点してもよかったんですが、一応、サブヒロインのゆみりが可愛かったのでその分だけ忖度しました。

 まぁ、この手のイチャイチャ系は本当に雰囲気が合うか合わないかだとは思うんだけど……肝心のメインヒロインである「先輩」がさ、「小さい」ってのを売りにしてるんだけど、「猫っぽさ」みたいなものを割と前面に押し出してくるじゃん。そこが微妙に気に入らんかったのよね……曲がりなりにも会社の先輩なわけでしょ? 愛玩動物みたいな可愛らしさを発揮して後輩とイチャイチャする図がなんか卑怯な気がして……というか、猫は猫そのものが可愛いのであって、「猫っぽさを発揮する人間」は単なる「おつむが足りない人」なのよ。そういう愛で方はあんまり好きじゃない。

 映像は取り立てて特徴はないが、上述の通りの理由から特に先輩がネコっぽくデフォルメした時のあざとさがややマイナス。いや、多分このキャラ設定で貧乳だったら減点してなかったと思う……。巨乳とネコ属性、致命的なまでに相性が悪すぎる気がして……(個人の感想・性癖です)。「なんとか先輩を魅力的なヒロインにしなきゃ」ってんで要素を盛り込みすぎて渋滞起こしてる感じかな。社会人生活ってこんなにユルくて大丈夫なのかという心配もある。同じシーズンに社畜の無惨な勤労生活を描いた作品が複数あったからなぁ。……単なるやっかみではないかと言われたらそうかもしれん。萌えアニメの設定にやっかみ出したらもう末期じゃないかい?

 まぁ、この手のTwitter発信みたいなひとネタヒロインものはこんなもんよね。

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BLEACH 千年血戦篇 -訣別譚-」 ―→―

 これもまぁ、現段階で何か言う意味もなさそうだから一旦スルー。いや、別にいいとか悪いじゃなくて、どうせ続きがあるんだし、訳わからんから適当に見てるだけだし、あんまり評価する意味がないと思ってるだけ。

 適当に見てるだけなんだけど、適当に見ても程よく笑っちゃうセンスがすごいね。気合いが入ってるので最近多いリバイバル作品の中でもトップクラスの作画状況だし、比較的恵まれた作画リソースで、ほんとに馬鹿みたいなバトルが繰り広げられる無駄遣いの陶酔感。今期は(今期も)私のイチオシ、マユリ様の活躍が光ったのも嬉しかったですね。

 しかし……BLEACHってこんなに適当な能力バトルだったっけ。俺の記憶してる範囲だともうちょい「少年漫画らしさ」みたいなものにこだわってた気もするんだが……ほんと、能力設定が「さっき思いつきました」みたいなのばっかりで笑ってしまう。それでも「適当すぎるだろ!」みたいなツッコミを超越したところでオサレバトルが繰り広げられるのが最大の魅力なんだろうなぁ。クインシー連中、ほんとに「なんでそんな能力なん?」って変なのしかおらんな。個人的にはそんな中でも女の子軍団……っていうかおいちゃんと奈央坊の活躍が際立ってたのもありがたいところです。あと比較的珍しい「悪そうなサトリナ」が楽しめたのも評価ポイント。中の人の話題が多くなるのは、適当にしか観てないからです。

 

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○「め組の大吾 救国のオレンジ」 5

 土曜夕方の読売枠、新作はこちら。相変わらずサンデー勢力が強いなぁ、と思いながら見始めたのだが、無印の「め組の大吾」はサンデーだったけどこちらは月マガ連載とのこと。まぁ、音羽系列なのでマガジン・サンデー間で動くのはそこまでおかしなことではないけども。

 原作は未読。無印作品も全部未読で、名前は聞いたことがあったけど作品の中身は全然知らない。「あれ、無印も昔アニメになってなかったっけ?」と思い込んでいたのだが気のせいだったらしく、多分作者が同じってんで「capeta」とごっちゃになっていたのだろう(「capeta」もさっぱり観てないけど)。まぁ、「消防士をテーマにした作品だ」ってことくらいは当然知ってるし、消防士が主人公ならどんな作品なのかはおおよそ想像できるけどね。

 というわけで1話目はそんな予想からあんまりはみ出すこともないスタート。いきなり大都市壊滅シーンから始まって「ゾンビパンデミックかな?」と不安になったが、そこから話は出会いの物語へとロールバックしたので、あの大災害はあんまりメインで描かれることはなさそうだ。1話目は「運命の3人」というサブタイトルになっており、主人公っぽい八代拓のキャラ、そして「大吾」という名前の榎木キャラ、ヒロインポジションの佐倉さんという布陣が中心になる様子。「大吾」がいたので「あれ? どういう時代の話なんだ?」と首を傾げたが、こちらも確認したところどうやら「め組の大吾」の「大吾」とは別な大吾らしい。ややこしいな。まぁ、同じ名前の若者が、旧版大吾に命を救われたとかなんとか、そういう話になるんじゃないかな。どの程度旧作と絡みがあるかで理解しやすさも変わってくるのだが……「MIX」みたいに「元ネタ分からないと観てても意味ないよ」みたいな展開は勘弁してほしい。さすがに20年以上も経ってからの続編だったらそこまでがっつり絡み合うこともないとは思いたいが……いや、どうだろうな。キン肉マンだって原作知らなかったら読む意味ないわけだし……このリバイバルの風潮、ほんとのほんとに大看板の作品以外だとユーザーを選抜してしまうデメリットがだいぶ大きい気がするぞ。

 アニメの方はというと、土曜読売枠って基本的に「(ヒロアカ以外は)大したことない作画で流す枠」っていうイメージがあったのだが、こちらの作品はブレインズベースの制作ということで画面はかなりかっちりしている。比較的頭身の高いキャラにリアル路線の背景描写。シリアスなストーリーも加味するとあんまり休日の夕方にだらだら楽しめるような作品にはなりそうもないのだが、スタイリッシュ・消防官アクションがいい画で見られるならそれはそれで面白そうだ。ただ、人命にかかわる仕事だから厳しいってのは重々承知だが、やっぱこういうバリバリに体育会系の現場描写は苦手である。引きこもり陰キャはこういう描写だけでも精神ダメージを喰らう。みんな、火の元には気をつけろよ。

 

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「デキる猫は今日も憂鬱」 4→6

 今期何かと気になったGoHands作品の2本目。GoHandsアニメついてのあれこれは「すきめが」の項目参照。その上でこちらの作品は、「慣れたし、味わいもよくなった」という事例である。

 映像についての基本的な評価は大筋では「すきめが」と変わらない。GoHands特有のクールでごちゃついたデザインはあんまり作風に合わないと思っていたし、情報量の多さが武器になる作品ではないので、この作画である旨みはあまりない。ただし、今作はそこに1点だけ大きな違いが生じる。それは大型獣と化した非実在にゃんこ、諭吉そのものである。

 「すきめが」には存在しない「非現実」の存在は、徹底的に現実世界に寄せて執拗に細かく描かれた世界を作る理由となる。誰がどう見てもリアルに寄せた都会の風景に、ただポツンと現れる変な猫。このミスマッチを狙えばGoHands作画にも意味がある。1話目時点では「この作画だから諭吉が浮いちゃうじゃん」と思ってしまったが、どんな作画であろうとも、諭吉は世界から浮いてしかるべきなのだ。そうして「おかしなもの」であるはずの諭吉という存在をあの手この手でいじり倒し、少しずつ魅力を引き出していく。そんな作劇なのであれば、最初から思い切り違和感を引き立たせて「変な猫」の「変さ」を強調するデザインはきちんと意図されたものだったということだ。もちろん、そうして作られた諭吉というキャラクターが魅力的であることは必要条件だが、「そこさえきちんと描けてればいい作品」で手抜かりはなかったと思っている。中心がはっきりしてれば、あとは単に「作画がいいアニメ」になるのよね。

 そしてこれは嬉しい誤算というか、想定してなかった楽しさではあるが、思いの外「ポンコツOL福澤さんの日常」という要素も楽しかった。幸来さん、可愛いよね。石川由依ボイスの絶妙に「ちゃんとしてそうで抜けてる」感もおいしくて、彼女が諭吉に甘やかされたり、どやされたりする日常風景は思いの外滋養成分に満ちていた。穿った見方をすれば「頑張って働いてるアタシ、家に帰ればあたしのためになんでもやってくれるスパダリの諭吉」という少女漫画的配置でもあるのだが、単なる甘やかしで終わらずに飴と鞭で「ダメ女を育てる猫」という滑稽な構図がちゃんと活きているのである。

 「猫キャラなのに猫としての可愛さを求めにくい」というヘンテコな諭吉を最初はどう受け止めていいかわからなかったが、やっぱり猫は可愛い。CVが安元だろうと、その事実に変わりはない。今作を見た後にAT-XのCMを見ると、また味わいが変わる。そうでもない。

 

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「AIの遺電子」 5→5

 なんやかやで毎週観ちゃうタイプの作品。終わると言われたら「あ、そう」くらいなんだけど、どこかにちょっと寂しさが残るくらいの。

 1話目時点で「AI版ブラックジャックやねん、秋田書店はどんだけブラックジャックを擦り続けたら気が済むんや」くらいの感じで適当に見始めた作品だが、私は1つ大事なことを忘れていた。そう、ブラックジャックは、面白い漫画なのである。それをAIというテーマで焼き直した今作は別に手塚治虫の遺伝子が息づいているというわけでもなかろうが、ブラックジャックという大作漫画のフォーマットを借りて新しい山を築いているわけで、1話1話を短く切りながら1クールで大きな流れを作っていくシリーズアニメとはかなり相性がいい構造。もちろん小話それぞれに当たり外れはあるのだが、別に大して響かないハズレエピソードがあったとしても、ハナから何かに期待してるわけではないので「今週はこんなもんやろ」でおしまいだし、たまたま刺さるエピソードになれば「おっ、今週は面白かったやん」と言える。

 幸いにして、「AI」というテーマはまさに現代だからこそホットな話題でもある。時代としてはちょい前の作品ではあるが、AIに対する希望にしろ不安にしろ、現代を生きる我々と大差はない。今になって「うーん、洒落になっとらんなぁ」と身近に感じる話題も増えてきているおかげで、「AI版ブラックジャック」は「ブラックジャック」に近づいている感もあるのだ。あまりリアルに寄せ切らず、多少戯画的に描いているおかげで話半分で受け止められるというデザイン性もマッチしている。これはこれできちんと成立していた作品だったのだな、ということが再確認できただけでも収穫のあるアニメだった。

 まぁ、ちょっと寂しいくらいなので2期3期を求めるほどでもないのだが、もし2期があるなら喜んで迎え入れたい。原作ストックはそこそこあるはずだし、今期の反響次第では充分有り得るんじゃないかしら。

 

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「彼女、お借りします(第3期)」 ―→4

 3期目ともなると大きな印象の更新もなく……「続ければ続けるほどにキャラに愛着が湧く」っていう方向の付き合いもある中で、「続けても続けても同じところを懲りずにぐるぐるぐるぐると……」っていう印象もある。

 何が驚きって、今確認したらこの作品、まだ原作も終わってないらしいということ。アニメですら「まだ終わらんのかい……」と辟易させる状態で、よくもまぁ続けることが出来ているもんである。そしてこの停滞感がそのまま作品の感想に直結してしまう。アニメ3期は「ばあちゃん、ついに逝く!」という大事件が起こったので大きな転換点となったシーズンのはずなのだが、これだけの転換点があったにも関わらず、終わってみれば未だ「レンタル彼女」。さすがにこの関係性を正常だと思う人間はいないだろう(まぁ、初っ端から異常な関係であることは前提な気はするが)。ラブコメ作品は引き延ばすために「付かず離れず」の関係をどうにか維持し続けるってのがお約束展開ではあるが、本作の場合はその停滞感をちょっとずつ前に進めるためのイベントがいちいちクリティカルすぎるため、「おめぇ、そんだけのことがあってなお停滞するってのは……」と呆れが強めに出てしまう。主人公・和也がイカレてるのは共通認識で「史上稀に見る好感度が低い主人公」なのは間違い無いだろうが、そんな和也の停滞に時間を止めたように付き合い続けている水原の方もだいぶおかしい。もう、この有り得ない寸止め劇を見せ続けられるのは勘弁してほしい。

 何が残念って、アニメとしてのクオリティは決して低くないということ。2期までの状況は忘れてしまったが、3期は事件の大きさもあり、演出のテンポも作画状態もなかなかよかったのである。このクオリティでちゃんと「完!」と言ってもらえればそれなりの好印象で幕を閉じられたかもしれないんだけどなぁ……さすがに、4期はもういいよぉ……。

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○「お嬢と番犬くん」 5

 多分みんな思っただろうけど、タイトルは「組長(孫)娘と世話係」でいいと思いました。

 日本のフィクションではお馴染みの、イマジナリー・ジャパニーズ・トラディッショナル・ジャスティス・YAKUZAもの。何故か知らないけどフィクションの中のヤクザは優しい。いや、本物がどうかは知らんけどさ、多分優しくないよね、だってヤクザだし。まぁ、そりゃヤクザの家で愛でられて育った娘さんからすりゃ家族なんだから優しく見えるのもしょうがないけど……暴力で全てを解決する男を優しいと認識してしまうのはそれだけでモラルハザードな気がするよ。

 正直第一印象はあまり良くなかった。それはヤクザがどうこうとかじゃなくて単にキャラデザがあんまり気に入らなかったからで、「ヒロインの目が他のキャラと比べてもやたらと大きすぎてなんか怖い」とか、「男の方の目に光が宿ってなくて、その目でモテるのはマイキーくんだけにしてくれ」とか思ったから。原作は「別フレ」掲載作品とのことで、「ヤの字のあんちゃんに育てられたもんだから密かに恋心を抱いちゃった女の子」という、男サイドからはあんまり共感も愛着も得られない設定だし、オタクが一番苦手なタイプだなぁ、と思っていたのだが……その後の展開でのテンポは悪いもんじゃない。割とサクサクギャグの流れにも振れたし、メイン2人のキャラデザはちょっと怖いけどモブも含めた世界全体のキャラは割と普通。監督が高本宣弘氏なので演出にもだいぶクセがあってちょっと食べにくいのだが、飲み込むのを邪魔するほどのクドさがあるわけでもない。トータルで見れば「まぁ、ヒロインの可愛い様子が描かれるならワンチャン」くらい。でもなぁ、1話目時点で恋心が確定してる上にスキンシップが多すぎるから、男目線だと「さっさとやることやれよ」くらいしか感想がないんだよなぁ……多分男サイドが「親目線」でしかないから、そこをどうやって異性の関係に持っていくかの勝負だと思うのだが、少女漫画のエグさがどの辺りに出るかが決め手になりそう。

 

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「聖者無双〜サラリーマン、異世界で生き残るために歩む道〜」 3→2

 今期「レベル1〜」と双璧を成すなろう作品。よくもまぁここまで、と感心するくらいにダメにダメを重ねてあるので、良識のある人ならいちいちこんなんに時間を浪費せずに意義のある人生が送れるだろう、というのが唯一の評価ポイント。

 「そんなん言うんだったらお前もさっさと切ればよかったやんけ」と言われそうだが、それに対しては「まったくもってその通りだな!」としか返しようがない。3話切りという必殺技を手に入れたのだから、前クールまでの判断基準なら文句なしに切っていただろうし、今期だってキープしておく意味は本当になかったのだが……。

 理解されないことを承知で一応苦しみながらも今作を視聴し続けた理由を書いておくと、「もしかしたら他のなろうと何か違うかもしれない」という淡い期待というか、願望というか、悩みを抱えていたせいである。「何か違う」と感じたのは、今作の主人公が「ドMゾンビ」というあだ名をつけられるくらいにとにかく修行に対してストイックで、なろう主人公がおよそ演じない「修行パート」をひたすらに繰り返すという構成だったため。そう、今作はちゃんと(?)低いレベルからスタートし、毎日鍛錬を繰り返すことによって強くなっていく描写があるのだ! 決して秘密のダンジョンにこもってユニークスキルでバグ技を使ったりはしていない。本当に大塚明夫ボイスの師匠について血みどろの特訓を繰り返している。だからこそ強くなり、だからこそSランクを与えられた。そこに納得感があるなら、なろうの枠を飛び越えた「普通の冒険ファンタジー」になるかもしれないという淡い(浅はかな)期待があったのだが……そうはならなかった。ならなかったんだよロック。だからこの話は(略)。

 まぁ、結局ステータスシステムから解き放たれず、面倒になったら「豪運」とかいう意味不明なスキルに逃げてるわけで、そこに横たわるのは純然たるなろうイズム以外の何物でもないのだがね。それに加えて、1話目時点で半泣きだったが、今作のキャラデザは致命的に受け付けないものになっており、ヒロインは可愛くないし主人公のツラはムカつくし、コミカルにしようとした演出がことごとくイラッとさせるという苦行みたいな画面が続く。興味がある人はOP映像だけでも見てもらえばいい。ちなみに曲が悪いとかいう話じゃない。そして当然オープニングは「作画はめっちゃいい方」である。

 これを見ていると、今作で主役を演じた川島零士くんはこれと「英雄教室」の主人公ということで、どうにもアホみたいで恵まれないキャラを当てられる呪いがかかっているように見えてしまう……あれか、もしかしてジョナス役を射止めた代償か。どこまで業が深いキャラなんだ、ジョナスよ(多分ジョナスにまつわる全てに運命を感じてしまう病気)。

 

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○「葬送のフリーレン」 6

 生々流転。次々とアニメが最終回を迎える中、次のアニメは変わらずにやってくる。今期もまだ9月だというのに、早速新アニメがスタートするのである。

 今期1発目となったのはこちらの作品。なんとまぁ、史上初の金曜ロードショー枠を使って2時間ぶち抜き初回放送というとんでもない勝負を仕掛けてきた、誰がどう見ても分かる、文字通りの「これ賭け」作品である。制作はマッドハウス、監督には「ぼざろ」の斎藤圭一郎が起用され、さらにテーマソングはYOASOBIが担当。主演は現代アニメの大看板・種﨑敦美に託された。もう、どこからどう見てもこれ以上ないくらいに勝負を賭けている。これでダメだったらもう、日本でアニメは作れないんじゃないかってぇくらいの気合いの入れよう。

 原作は未読だからなんも知らない状態だったのだが、どうやら過去に諸々の漫画賞とかで注目されていた作品ってことなので、そのバリューも信頼しての勝負だろう。そしてこの2時間スペシャル(一応形式上は4話一挙放送ってことなのかしら?)では、その「賭け」には勝っているように見える。本当に、端々から関係者の全力っぷりが伺える力作だ。これで「1話目が長尺放送」という特殊形態は3クール連続となり、前クールは「It’s MyGO!!!!!」、そのまた前が「【推しの子】」だったこともあり、こちらの作品が「もしこんだけ長尺で放送してコケたら目も当てられねぇぞ」という不安はゼロではなかったのだが、相応の自信がなけりゃ、こんだけ鳴物入りでスタートさせないよね。いや、お見事なもんで。

 ただ、鮮烈すぎて1本の劇場作品を観たような気になった「【推しの子】」とは違い、こちらの作品はどちらかといえばバンドリ寄りの1話目で、「とりあえずここまで見てもらえば作品の空気が伝わるだろうから、あとは楽しみだと思えた視聴者が次週からついてきてね」という、高品質であるが故の余裕が伺える構成。私個人としては設定の上で一番被ったのが「不滅のあなたへ」だったもんだからもうちょい殺伐とした世界が待っているのかと思ったら、なんとまぁ、2時間に渡ってほのぼのエルフと真面目っ子の珍道中が描かれて終わった。「殺伐としてない『不滅のあなたへ』」とも言えるし、「ちょっと殺伐してるかもしれない『ふらいんぐうぃっち』」とも言えるかもしれない。こういう構成で評判を呼んでるってのはすごいもんだな。

 もちろん、話題になる部分もなんとなく理解はできて、「不滅」の場合は不老不死という要素そのものがイレギュラーなもんだから、そこから紡がれる生と死の物語はダイナミックに世代交代を繰り返すとんでも方向に振り抜き、フシはついには概念に成り果てた。しかしフリーレンの場合は(厳密には不老不死ではなかろうが)フシと似たような境遇にありながら、彼女の冒険が一度「終わっている」という設定になっており、今更慌てて殺伐させる必要もなく、ただひたすら追憶と回想だけでもさまざまな物語が構築できる。1回目となる今回はフリーレンの思い出の中の勇者パーティとの繋がりを多方面から掘り下げて下準備をした段階で、「現代」パートは愛弟子(?)のフェルンのみが密接な繋がりを持つにとどまった。ここから先の展開は知らないが、おそらく「不滅」のように1つの出会いがさっさと切り捨てられて次の世代へ、なんて構造にはならず、ここからゆっくりしっかり、フェルンたちとの物語を紡いでいくのだろう。良いじゃないですか。殺伐としない状態でふらいんぐするうぃっちの旅を見てるのもいいもんですよ。……そういう意味は「魔女の旅々」ともつながるのか……よかった、フリーレンがどこぞの美しい魔女のワタシみたいに下世話な性格じゃなくて……。

 「勇者パーティの冒険終了後の物語」という意味では奇しくも「Lv1魔王」との繋がりもあるが、「ゆるめのギャグ」という要素は繋がりつつも、今作はファンタジー要素がかなり強く押し出されるデザインになっているおかげで、下世話な感じはほとんど無く、独自の世界観が魅力に直結している。「長命なエルフと短命な人間の価値観の差」は今度は「江戸前エルフ」でスパイスとして効いていた要素だが、今作はそこがダイレクトに主題に直結し、匂わせるんじゃなくてむしろ真正面から見据えることで逆に希望に転じているという構図も面白い。これでエルダ様→フィッツ君→フリーレンとエルフヒロインも3クール連続ってことになるな……耳が長くなるなぁ。

 とりあえず、こんな雰囲気の作品だとは思ってなかったのでちょっとびっくりはしたのだが、2時間尺でも全く退屈せずに楽しめたので、今後の展開もあまり心配はしていない。本来ならもっと加点してもいい作品だとは思うのだが、まぁ、ゆっくりとした滑り出しだし、過度に持ち上げるよりはゆる〜く付き合っていくスタイルの方があっているんじゃなかろうか。

 例によって最後に中の人の話をするが、まーそれにしても種﨑ワールドの堅固なことよ……今作が「魔法使いの嫁」と同じタイミングでの放送になったのは良かったのか悪かったのかは微妙なところだが、魔法を教える側でも教わる側でも、この人智を超越した空気感は替えの効かないスペシャリテ。こんだけ人の心がわからずぶっ飛んでるフリーレンなのに、歴代種﨑キャラの中ではまだ理解の範疇みたいな気がするのはやっぱヤバいよな。フリーレンと羽鳥チセと双葉理央とヴィヴィと鎧塚みぞれで蟲毒を行ったら、最後に生き残るのは誰なんだろう。(オーボエの音が聞こえてきそうな気がする)

 

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