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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「涼宮ハルヒの憂鬱」 ー→5

 様々な話題を振りまき、現代アニメに問題提起をするだけしまくって幕を下ろした「新作」ハルヒ。良くも悪くも話題性のつきない作品である。

 今回の全26話をどのように評価するかで、アニメ視聴の姿勢というのがよく分かる。とりあえず、問題を1つ1つ解体して評価する必要があるだろう。

 まず、旧作と新作を混交しての放送という形態について。「時系列順に並べ直して放送する」ことの意味は分かる。1期は話数シャッフルという突拍子も無い企画が話題を呼び、成功したわけだが、制作した人間からすれば、「きちんと時系列順に並べても面白いんだぜ」という部分をアピールし、改めて物語を見てもらいたいという気持ちもあるだろう。新規作成部分だけを抜き出して放送すると物語としての連絡に乏しくなってしまい、観る側に余計な負担を強いるのも事実。新規ユーザーを開拓することを考えるなら、改めて再放送する意味は小さくない。普通、深夜アニメは再放送による新規ユーザーの獲得なんて期待するべくもないのだが、この作品には、それだけの期待が持てるだけの話題性があったのだ。しかし、新規ユーザーを狙った目的が顕著であるだけに、やはり既存の視聴者に対して不親切だったのも事実。放送開始時には新作が挟まれるかどうかも分からなかったし、分かった後も、新作を観るために旧作を見直すか、パスするかを選ぶ必要があった。視聴者に無駄な負担を強いる危険性という意味では、メリットとデメリットが割りにあったかどうかは微妙だ。そして何より、後ろ暗い話題のせいで、どうしても「山本寛の幻影を消すための時系列順放送」という裏側が見えるようで仕方なかった。

 次に、実際の新作エピソードである「笹の葉ラプソディ」と「溜息」。これは、やはり素直に「流石の京アニ」と褒めるべき部分。「溜息」の方は55ページ区切りというアニメ作品として全く意味のないこだわりなんかが非難を読んだりもしているわけだが、そんなことに気付くのは原作読者だけで、知らない人間からしたら「そんなもんか」という程度のもの。それよりは、きちんと京アニクオリティを維持して「間をつなぐ」ことに成功していたという部分の方が重要だろう。間に「笹の葉」と「溜息」が挟まることで1期のエピソードでばらまいた伏線がきれいに回収されているし、構成も過不足無い分量を消化している。何の含みも無しに新作としてこれが与えられたのならば、充分に好評だったものと推察できる。

 で、最大の問題点である「エンドレスエイト」だ。アニメ「ハルヒ」の趨勢を決定的なものにしてしまったこの8話のエピソード。個人的には、特に退屈することなく8回とも見られたし、「長門達の味わった絶望的なループの再現」というコンセプトで、この無謀としか思えないチャレンジに踏み切った冒険心は評価したい。様々な意見はあるだろうが、視聴者が「絶望的な」気分に陥ったのは間違いない事実。これ以上無い形で「無限ループって怖くね?」を表現出来たことになる。無限ループを最もよく伝わる形で伝達する方法は、当然無限ループが一番手っ取り早いのだ。そしてこの企画は本当に思いつきだけで出来るものではなく、毎回毎回、バンクなど1度も用いずにきちんと「新作エピソード」として製作、放送している。確かに同じエピソードを何度も見せられる視聴者は苦痛を感じるが、同じエピソードを作り続ける人間の方が、その何倍もの苦痛を味わっているはずだ。「楽したいから」とか「おもしろ半分で」とか、そんな生中な気持ちで出来る企画ではなかった。

 しかし、「前人未踏であること」は、やはり「偉業」とイコールではない。寒風吹きすさぶ「ハルヒ」の跡地を見るまでもなく、世間的にはこの挑戦は評価されなかった。アニメの視聴者なんてものは単なる「消費者」に過ぎないのだから「評価されるか否か」を前提として創作する必要は必ずしも無いとは思うが、現代において、アニメは確実に「商品」である。その視点を意識すれば、この「挑戦」は決して「商品」たり得ないことは、まともな人間ならば想像出来たはずなのだ。「視聴者を楽しませよう」とするならば、自分たちの目指した「表現」はそれに合致していないことに、気付くべきだったのだ。アニメーション自体の完成度の如何を問わず、この企画は、商品として失敗であった。

 でもまぁ、私は個人的にアニメ作品を「商品としての出来」という尺度で評価する必要は無いので、8回続いたあの夏の2週間も、その他の新作も、そして最後を締めくくる旧作の「ライブアライブ」や「サムデイインザレイン」といったヤマカンの魂の咆哮も、全てひっくるめて、やっぱり面白かったとは思う。劇場版も決まっているようなので、次回こそは「汚名返上」といって欲しい。

 今回の出来事は、対岸の火事としてみる分には非常に面白かった。あれだけ熱狂的な「ファン」が着いていたと思っていたのに、これしきのことですっかり評判を落とすあたり、現代のアニメ消費層がどんな視聴をしているのかがよく分かる。作り手側も色々と大変である。 

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○「怪談レストラン」 5

 朝日放送のゴールデンという、ちょっと珍しい時間に突如現れた子供向け怪談番組。ゴールデンタイムで怪談アニメというと「学校の怪談」が凄く懐かしい。あれもなんだかんだで結構根強い人気があったし、いつの時代も、お子様たちは「こわいはなし」に興味津々だ。調べてみると原作本のシリーズは1996年からスタートして既に「〜〜レストラン」シリーズで50冊以上が発表されているロングセラーらしい。私の小さい頃はそれこそ「学校の怪談」シリーズだったけど……あれが姿を変えて再生産されてるってことなんだろうか。

 子供向けで学校をメインの舞台にした怪談話なんてものは大したパターンがあるわけがなくて、全貌が知りたかったら「地獄先生ぬ〜べ〜」を読めば大体カバー出来てしまうくらいだと思うのだが、この作品の場合、純粋に「怖さ」だけを追究して子供を泣かせる怪談シリーズとは一線を画しており、冒頭に登場して司会進行(「世にも奇妙な物語」におけるタモリポジション)を任されるのは、けらえいこの臭いが漂う「幽霊ギャルソン」。古式ゆかしい風体のちょっとおどけた幽霊は、全く恐怖を感じさせずに物語への導入を担っている。

 また、「怖い話が苦手な方も大丈夫ですよ」とギャルソンがお勧めしてくれる通り、怪談の本編もそんなに怖がらせるような仕上がりにはなっていない。もちろん話の筋自体は非常に分かりやすいテンプレートなのだが、無駄に恐怖感を煽る演出を避けて、非常にスピーディーに物語の勘所だけをなぞっていくジェットコースター展開。まず先に「怖がらせよう」という意志のあった既存の「怪談」ものとは、ちょっと仕上がりが違うのだ。

 原作は当然見たことがないので分からないが、ひょっとしたらこの「あまり怖くない怪談」という奇妙なジャンルが、息の長いシリーズ展開につながる新しい形なのかもしれない。当時の私のようなピュア・ナチュラルチキンな心を持った小学生は、たとえ作り話だと分かっていても、この手の話を聞くと夜眠れなくなったり、泣き出したりしてしまうものだが、この「レストラン」シリーズなら安心だ。話の筋を追うことが出来て、なおかつ別に怖くない。小学生が「怪談」に求めるのは「お話としての不思議な情報」が主なわけで、怖がることに焦点を置かず、「物語のテンプレート集」としてこのような媒体が存在してもおかしくはないのかもしれない。

 アニメーションとしても、アフターケアはひょうきんな顔をしたギャルソンが締めてくれるので一安心。子供向けなのでそこまで気合いの入った画があるわけではないのだが、家族で夕食の卓を囲みながら見るアニメとしては、なかなか面白い落としどころかもしれない。少なくとも「フェアリーテイル」よりはこっちが良さそう。「お父さんの小さい頃にもこんな話があったなぁ」とかいう会話が生まれれば完璧である。こういうアニメがあるっていうのは、訳もなくほっとさせられます。

 で、そんなお子様視点を完全無視してキャストの話。メインキャラを務めるのは白石涼子と浅野真澄。なんか、すごく青二が絡んでる臭いがします。こういう仕事でしぶとく残ってるのを見ると、荒鷲先生も事務所移して良かったなぁ、と思わずにいられない。 

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 今期はあんまり感想が書きたくなるような作品もないなー、というよく分からない悩みを、最も嫌な方向から解決してくれた絶望の第2話。すまん「ミラクルトレイン」、お前よりも「もうやだこの国」な作品は存在していた。腐女子のパワーというのもものすごいものがあるが、やはり男性ヲタ向け作品の方が、芸術点は上を行く。やおいやBLがいる場所は、萌えエロが既に三千年前に通過した場所なのかもしれない。

 視聴してからざっと見ただけでも分かるのだが、この第2話、既に各所で話題を呼んでいるようだ。そらそうだよな。これまで様々なアニメが作られ、ギャグもシリアスも実に多種多様な角度から創作が行われているわけだが、ここまで「バカ」の一言が似合う創作物も珍しい。たった1つ「パンツ」というキーアイテムをとことんまで突き詰めることで、ここまで馬鹿馬鹿しいものに仕上げてくるとは。このスタッフ、ほんまもんや。確認すると、コンテ切ってるのは斎藤監督本人。まぁ、これは仕方ない。こんな気の狂ったコンセプトで他人に指示を与えるのは無理だろう。そして、演出には奥野耕太。……奥野さん、何してはるんですか。あんたやっぱりすげぇよ。

 具体的に何がバカなのかはエンディングを見れば分かるのでここでグダグダ説明する必要も無いだろうが、野暮とは知りつつ更に余計な掘り下げを行いたい。まず、この作品を支える大事な要因の1つに、前回感想でも取り上げたキャラクターのデフォルメ化がある。ギャルゲー原作などの萌え作品の場合、野郎のキャラにも「愛らしさ」のステータスを損なわないためにデフォルメで描くというのはよくあることなのだが、この作品の主人公は、これが徹底している。最近だと「ケメコデラックス」の三平太なんかが近いイメージだが、極端な場合には他のキャラクターが全員普通の等身なのに、智樹だけが1人でずっとデフォルメを維持している場合もある。そはらが水たまりを渡るシーンからの連続モロ未遂シーンなんかは、デフォルメでやってるからギャグになるが、もう、あり得ないレベルで色々アウト。いや、どう弁護しようがやっぱりアウト。これが世間の選択だというなら、とりあえず「乃木坂」の湯気をとってくれるようにYTVに乗り込むべきだとは思う。

 他にも、非常に爽やかかつ鮮やかな映像を使って真顔で小ネタを連発しているために、息つく暇もない。最初は羽ばたいていただけなのにブルマを境にジェットで飛び出す下着類(正確にはジャージやスパッツも飛んでるから下着じゃないけど)、ご丁寧に包帯だけは何の爆音も出さずにひょろひょろと飛び出す。幼い頃の回想では、智樹が偉そうにそはらにチョップの指導を行っており、幼児の瓦割りという非常に珍しいシーンもみられる。現在あれほど智樹が恐れている殺人チョップだが、実際はお前が伝授したんじゃないかと。ご丁寧にそはらはどんな体制からでも打撃はチョップ限定。チョップを連打で繰り出せるヒロインってのは珍しい(「SOUL EATER」のマカくらいか)。

 そしてエンディングでは大群を成すパンツを、何故か鷲が捕獲して持ち去る。「あぁ、これが弱肉強食の自然の摂理か」……って、鷲は巣に持ち帰った後に途方に暮れたんだろうなぁ。パンツがきれいな群れを成して飛んだり、疲れて樹にとまってみたり、非常に細やかな表現が見事なのが、かえってこの作品の病巣をくっきりと浮かび上がらせる。パンツのみをわざわざCGでモデリングして美麗なグラフィックに仕上げるという手間のかけ方は、「努力」でも「演出」でもなく、単なる「病気」だ。あぁ、褒め言葉ですけどね。そしてバックに流れる歌がちょっと懐かしい感じでまたいい歌なんだ。もう、こんな国に誰がしてしまったんだ。

 とにもかくにも、2話目で一気に話題をさらった超絶バカアニメ。ただ、「ケメコデラックス」も2話がピークであとはトーンダウンした、なんて実績もあるので、来週も同じように感想が書きたくなるかは分からない。今のところトピックス立てたのがこれと「超電磁砲」って……今期のアニメは大丈夫なんだろうか。

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○「FAIRY TAIL」 4

 一応見てみた、マガジン連載原作のアニメ化作品。よりにもよってこれがゴールデンで放送されるっていうのは……いや、まっとうなのかもしれない。でも本家(?)であるワンピースが移動したってのに……図太いな。

 真島センセイについては、毎週マガジンを読んでいるのに読もうと思った機会が1度もなく、原作についてもよく分からない。ただ、1話を見る限りではそのおおよそのイメージを外れるものではない。つまり、これを見るならワンピース見てればいいってことだ。キャラクターの造形だってシナリオラインだって、どこが面白いかと言われると頭を抱えるしかないし、アニメーションとしても特に奇抜な点も、努力がみられる点もない。ま、ひょっとしたら家族団欒の空間でダラダラつけておくテレビとしてはちょうど良いのかもしれないけどね。今のご時世、ゴールデンでアニメやるだけでも貴重かもしれません。この時間はどうしてもジャンプ漫画に偏りがちなので、マガジンにも頑張って欲しいもんである。

 とはいえ、一応見たからには見どころも探さないと。この作品の一番の見どころは、釘宮がやってるネコキャラ。なんかすっとぼけてて良い味出してました。釘はこの番組の前の時間帯にやってる「たまごっち」でもメインを張っているので、釘宮病患者にとってはよい処方箋になるかもしれません(一応「たまごっち」も新番組で、視聴はしたのだが、流石に感想を書くポイントが見いだせなかった)。中の人ネタなら何とでも言えるので楽です。 

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○「ご姉弟物語」 4

 原作タイトルが「バカ姉弟」なのだが、何故かアニメ化に際してこんな分かりにくい変更が成されている。理由はよく分からないのだが、やっぱり早朝にやる番組で「バカ」はまずいのだろうか。でも「ご姉弟」っていう言葉の意味もよく分からないよな……

 原作は未読。ヤンマガを開くとよくカラーで載っているので何となく気になってはいたのだが、結局ろくに読んだことがなくて、絵柄のイメージなどから勝手にシュールなギャグ作品だと思っていたのだが、わざわざ早朝にアニメ化される作品だったということは、どうもそこまでネタがエッジなわけでは無かったらしい。制作もシンエイ動画が担当しており、分かりやすく言えば「あたしンち」の後続番組ということだ。雰囲気は非常に似通っており、実写取り込みを使ったオープニングや、昔ながらのアニメの雰囲気を残した背景の描き方など、何も考えずに日曜の朝を迎えるのにはちょうどいいかもしれない。まぁ、つまりはそこまで必死に追いかける作品でもないってことなんだけど。

 一応1話だけ確認して雰囲気は把握した。メインキャストが松岡由貴と小林由美子というのは鉄板であるが、小林由美子の少年役は「東京マグニチュード8.0」とまるきり同じなので、声を聞いてるだけで何となくもの悲しくなってしまうのは内緒。

 来週からわざわざ録画してまで見る必要は無いな、と思ったら、来週登場する新キャラのキャストが……一応2週は見るべきかな! 

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○「あにゃまる探偵キルミンずぅ」 5

 本放送を見逃してしまったため、再放送でなんとか捕まえた新番組。新番組でいきなり再放送含みの2本が放送されるという形態は「SOUL EATER」と同じで民放では珍しいことだと思うのだが、それだけ力の入った作品ということなのだろうか。

 1話目の率直な感想は、「まぁ、こんなもんだろ」というもの。子供向け作品のわりには安易な説明要素が少なく、画で語る部分が多いのは目を引くが、その分1話での情報量が少なくなってしまい、導入として目を引くような工夫は多くない。変身の理由、組織の存在、変身後の能力、主人公達の生活環境など、どれか1つでもはっきり分かれば芯が通るのだが、全て「何となく」描かれてしまっているためになかなか話の本線が見えにくいのだ。もちろん、それは長大な作品になるだろう、という余計な前情報から先入観を持って見てしまっているせいであり、単に女の子が愛らしい動物の着ぐるみ→本物の動物という2段階変身を行うファンタジーとして見る分には、及第点は満たしている。今後はダラダラ視聴して飽きるまではつきあえるだろう。

 この作品で特筆すべきも、やはりキャストである(どんな作品でもそうだけど)。1話で登場した幼女キャラの中の人を過去の実績で置換すると、主人公が九鳳院紫(悠木碧)、その親友の眼鏡っ子が御景ゆずき(佐藤聡美)、そして謎のコウモリ少女が木之本桜(丹下桜)である。我が心のロリキャラ史では五指に入る3人だ(残り二指は多分草摩杞紗とアトル)。これはもう、どうしようもない。逆らうことは出来ない。

 ただ、今のところ気になるのはこの作品の制作に関わっているJM ANIMATIONという名前。どうやらこの作品、「日韓共同制作」というスタイルをとっているらしい。日韓が手を結んだ作品というと、例えば最近だとズタボロになった「エレメントハンター」がある。「アニマル横町」は幸い大事には至らなかったが、基本的に海外と協力してこの手のアニメにプラス要素が発生する確率は低い。1話は国内スタッフでほとんどまかなっていたようなので目立った違和感はなかったのだが、今後の体制次第では、色々と余計な不安もつきまといそうだ。

 それにしても、今回はサテライト(河森正治)がメイン、制作にハルフィルムが付くという奇妙な体制になっているのだが、いつの間にかハルは企業としては消滅してしまったらしい。具体的にはゆめ太カンパニー(ミラクルトレインの会社)に合併統合される形になっており、名義上は過去のもの。おそらく経済的な問題があったのだろうが、そんな会社が、サンヨーと結びついて懐を暖めているサテライトに使われて、なおかつ韓国資本が絡んでいるっていうのは、現在の日本の歪んだ経済状態をあまりに端的に表している気がする。深夜放送ということもあってか、この「キルミンずぅ」も番組中のCMは当然パチンコのCM(しかもマクロス)。また、吸収された側のハルフィルムで取締役をやっていた佐藤順一も、サンヨーのバックアップを得て「うみものがたり」の制作を指揮していたし、もう、この業界はパチンコが無いと成立しない状態になっているんじゃなかろうか。

 正直アニメを見るだけならどうでもいい話ではあるのだが、純国産のアニメ技術は大切に保護して欲しいものである。 

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○「秘密結社 鷹の爪 カウントダウン」 5

 約3年ぶりにかえってきた、蛙男商会によるフラッシュアニメの新作テレビシリーズ。3年前に登場したときには「なんじゃこりゃ?!」と非常に戸惑ったものだが、いつの間にやら蛙男商会もすっかり勢力を拡大し、様々な場所でそのキャラクターに出会うことが出来るようになった。劇場作品も2作発表されるなどその勢いはとどまることを知らないが、ひとえに制作費が安くすむフラッシュだからじゃねーかという気もする。この芸風は、やったもん勝ちだなぁ。

 で、1期目をそれなりに楽しめた私は、流石に劇場作品までは見ていないのだが、久しぶりに見るコフィーちゃん(前任者がいやがったおかげで声優が変わって、何故か後任が相沢舞)や吉田君、総帥は相変わらずの様子で一安心。芸風も作風も特に変わった部分もなく、好きな人ならそれなりに楽しめるだろうし、興味の湧かない人は単なる紙芝居という、いつも通りのものである。ただ、いくらか技術的に成長しやがったのか、組織として大きくなってしまったせいか、キャラクターが増えていたり、オープンエンドでは随分凝った演出も見せるようになっている。このあたりの「どうせフラッシュだから安っぽくていいよね」と「でもちょっとオサレな演出も出来るんだぜ」のせめぎ合いが難しいところではあるか。でも相変わらず阿武隈社長は胸から下のイラストが作られてなかったり、無駄に安っぽいところがそのままなんだよな。まぁ、それが味になっているわけだけど。

 とにかく、何かをしに帰ってきたらしい彼ら。まぁ、何となく引き笑いじみた笑いが提供されるのだから文句を言う筋合いのものでもない。作画だ演出だと目くじら立てる前に、こういう緩さで肩の力を抜くのも悪くはないよね。 

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 いくら貞操が危険だからといって、ジャーマンは危ない気がする「とある黒子の変態性欲」第2話。なんだろこのアニメ……さんざん「ささめきこと」の感想で百合について思索したのに、もう、これはこれで一番視聴者が見たいところなんだよな……素敵です。

 基本的にギャグなので、シナリオ面について語るべきことは何も無い。1にも2にもテンポが全ての馬鹿作品。序盤からの黒子が拗ねるくだりはベタな上にちょっとダレちゃったかなぁ、と思いかけたのだが、1回目に拗ねたところでは御坂が「お前が悪いんだろうが」と突っ込みをいれて電流爆破オチ、2回目に拗ねた時には「いきなり過ぎてついていけない」とのコメント。そう、見てる側の印象もまさにそれ。誰がどう見ても頭から尻まで全部黒子が悪いわけで、一方的な変態愛欲が空回りしたところで、拗ねられても「いや、お前のせいだし」というのが普通の感想なのだ。どれだけセンチメンタルなイメージの映像を流そうとも、その絶対的な視点はそうそう動くもんではない。内心「これで御坂が揺れたら興ざめだなー」と思ってたところに、普通に「ついていけない……」という感想だったのですとんと腑に落ちた。良かった。御坂さんは普通の神経の持ち主だ。

 その他にも、映像的には御坂の幼少期の映像(どうみてもラストオーダーにしか見えないのは当たり前か)とか、黒子のランジェリーアピール、プール掃除で汗に透ける女子中学生、黒子のテレポート下着強奪、電流レイプオチと、とりあえずやることは全部やっている。初春のスカートめくりミッションもきちんとクリアだ。全てのシーンがご要望にお応えするために作られており、これでは「禁書目録」とは一体何だったのかと考えざるを得ない。何か冒頭アバンで誰か出てきてたような気もするけど、気のせいでしょう。

 そして、この作品で最も神がかっているのは、そのキャスティングである。初春(豊崎)、佐天(伊藤)の2人に加えて、ちょい役で登場した黒子のクラスメイトは戸松と南條愛乃。ほんと、最近は若手が元気だなぁ。そして寮のおっかない管理人さん(?)役にはナバが登場。新井里美with生天目仁美といえば、「コヨーテ・ラグタイムショー」で結成された禁断の科学反応。声優業界でも貴重な、掛け値無しの「お笑いキャラ」2人。この2人のラジオ復活プリーズ。

 御坂の中の人については今更褒め称える必要も無いのでおいとくとして、感嘆すべきはやはり黒子の中の人、新井里美。この作品の最大の功績は、黒子の中に新井里美を入れたことだ。過剰な性欲に裏打ちされた変態百合女子中学生というのは、非常に美味しくもあるが実は危険なキャラクターで、端的に言えば非常に下世話な設定である。下手なアイドル声優なんかをこれに当てはめてしまうと文字通り「冗談じゃない」話になるし、かといって「可愛らしくない声」を当てれば、黒子の持つ魅力は表現出来ない。そこで、珍獣新井里美の出番だ。おばちゃんと言われればどこまでもおばちゃんだが、その声に含まれる恐ろしいまでの幼児性は奇跡の一品。みっこの手にかかれば、悩殺ランジェリーを身にまとおうが、通販で媚薬を頼もうが、超能力で窃盗に及ぼうが、直接手を下して下着を強奪しようが、全てギャグで済まされる。その上でそこはかとないかわいらしさとセクシャルな部分が残り、決して単なるギャグで済まさないだけの魅力も保持される。キレる黒子、もだえる黒子、泣き出す黒子、デッキブラシをたたきつけられてうめく黒子。なんか、全部すげぇ。新井里美、来年三十路。応援よろしく。

 しかし御坂と黒子が胸のことでがっかりしてるシーンは、中の人を知っていると気の利いたいやみにしか思えないなぁ。

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○「ささめきこと」 4

 根強くファンを抱えた百合もの純愛アニメの新作。1期前には「青い花」という作品があり、これもそこそこの評価を得たようだ(私は視聴出来なかったので知らないのだけれど)。「マリア様が見てる」から脈々と紡がれる百合の系譜だが、最近は安易なキャラ萌えに流れる百合というのは飽和状態になってきたらしく、今作のように、丁寧にじっとりと、「まっとうな恋愛として」百合を描くのが流行なのだろうか。

 序盤、非常に平坦な物語が続く。主人公の純夏とそのターゲットである汐の関係性や、汐があこがれる先輩とのピンク色の妄想などが、特に派手さもなく、何となく「有りそう」なレベルで描写され、その展開は非常に緩慢で、ともすると退屈になるくらいの進度である。一応百合属性を揶揄して喧嘩になってはいるが、それだって非常に分かりやすく、単純なものだ。

 これが一変して展開がハードになるのが、汐が先輩と絡み、図書室で泣き顔を見せられるシーン。それまでのぼんやりした雰囲気を断ち切り、はっとするようなくしゃくしゃの泣き顔。そしてその目に浮かぶ確かな憎しみ、嫉妬。汐は打ちのめされて、純夏にしがみついて号泣する。非常に一方的だった「憧れ」が、これまた一方的に拒絶される展開。冷静に考えればみんながみんな我が儘勝手なだけで同情の余地もないのだが、そこに1人、一歩引いた形で見守る純夏をおくことによって、物語が奇妙な変化を見せ始めるわけだ。このあたりのじっとりと執拗な「恋愛」描写は、現実感に乏しいはずなのに、何か脅迫めいた説得力を感じる。

 本来ならあり得ないはずの「3辺が閉じた三角関係」という、実に象徴的なシチュエーションから1話がスタートし、汐は何気なく「私が好きな人が、私を好きになってくれるだけでいいのに」と不平を漏らす。純夏は「そうだね」と素っ気なく答えるだけだが、その後に続く「ずっと友達でいようね」の一言に、どうしようもないほどの失望をもたらされてしまう。このあたりの言葉少ない中でのメッセージ性、ドラマ性は、あとあとまで気になる部分かもしれない。

 どうにも画面が地味なので「退屈」という感想は払拭しきれないのだが、何かこれまでになかったような地に足の付いた新しい百合を見せてくれそうな期待もある。もう少し、奇妙な女性同士の恋愛模様を見守ってみたい。

 1話で登場したメインキャストは、主人公の純夏には流石としか言いようのない高垣彩陽。彼女はミュージックレイン4人衆の中でもひときわ輝くポテンシャルを秘めている気がする。今回の純夏のグッと抑えた声音は、今までのキャリアからはあまりイメージされなかった、また新しい彩陽だ。「Phantom」のアインと被ってもおかしくないはずなのだが、これがきっちり違った色を持っているのが面白い。また、相手役の高本めぐみも、今後の伸びに期待したい1人。デビューしたての3年前から応援している身としては、最近ボチボチ名前が確認出来るようになったのはうれしい限り。そしてそんな乙女道を脇から見守って賑やかすのが加藤英美里。文句の付けようがない、若手トライアングル。彼女たちのキャリアのためにも、是非この作品には成功してもらいたいもんである。頼むぜ、倉田先生。 

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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