最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
最終回だというのに、いつもより際立って「続いていく日常」を喚起させる第12話。この日常が、GAだ。 今回はAパートが「ナミコさんの欠席」でBパートが「闇鍋パーティー」。闇鍋エピソードは原作では唯一2週にわたって描かれた珍しいエピソードなので、出来れば1話たっぷり使ってやってほしかったのだが、それをぎゅぎゅっと半分にまとめちゃうあたりが、この作品の罪作りなところ。ナミコさんの欠席エピソードだって、本当はもう少し情緒のある、少し切ない話だったと思うのだが。 実際、これまで何度も愚痴ってきた「詰め込みすぎの脚本」は、今回セーブするどころかいつもに増して際立っている。キャストの演技は本当に苦しそうなくらいの早口になっているし、加えて画面の前と後ろで違うことをやって同時にしゃべったりもするので、原作を知らない視聴者は完全置き去りモード。見ているうちにだんだん「デジキャラット」のことを思い出し始めるくらいなので、やはりこれが桜井節ということなのだろう。うーむ、忙しい。なんだかナミコさんが休んでいたのはほんの数分程度の間だけだったぞ。 とはいえ、この2本を最終回に持ってきたのにはそれなりの理由があり、GAの特徴である賑やかさ、色彩の面白さ、そして美術絡みの悪ふざけなどの要素が非常に伝わりやすいのが、作中でも最も長い闇鍋エピソードなのだ。Aパートの欠席ネタは、そんな度の過ぎた賑やかさと、メンバーが1人欠けたことでどこか雰囲気の違う彼女たちの様子がきれいに対比するようにセッティングされている。ノダたちの言葉を借りるなら、ナミコさんのありがたみがよく分かる配置ということだ。 こうした構成の工夫の甲斐あって、ラストエピソードとなった闇鍋会は非常に気持ちの良いテンポで進む。ただでさえ短い尺なのに「面白い顔だなー」なんて原作中の小さな台詞も全て詰め込み、極限まで盛り上がる晩餐の様子が高密度で描かれる。まくし立てる台詞のラッシュも、全て最後の力尽きた静けさの存在がいや増すために。「悪のりは計画的に」というノダの名台詞と、丁寧に全てを平らげて手を合わせるキョージュの対比が映える。 そして、ラストは一応オリジナルで締めており、今回出番の無かった美術部軍団には闇鍋絡みで意味深な引きを、そして1年生には続いていく日常を意識させるラストカットを。美術部連中の闇鍋については、原作中であーさんが思い出話としてちょっとだけ口にしており、是非とも今後見てみたいパートである。トモカネ(兄)が本気を出したら命に関わりそうな具材も平気で引っ張り出しそうだし。あぁ、そういえばAパートでもオリジナル要素としてトモカネ兄妹の絡みが(片方は意識がない状態で)臭わせてあり、何とも奇妙な感じがした。原作だと本当に一切絡まないからなー。 そして1クールのシリーズを締めくくるラストは、本当になんでもないただの会話。結局この作品が何を一番描きたかったのか、非常に示唆的なシーン選択であろう。個人的にはキョージュが「みんながいいなら」と判断をゆだねている台詞が非常に印象的で、原作を読んでも分かるが、孤高に見えるキョージュが、実は一番友情と和を尊ぶ乙女心の持ち主だったりするのだ。さりげない台詞選びがなかなか素敵でした。 エンディングは今回初披露の曲と、素猫。ちまっこいキャラクターが寄り集まって1つの絵を描き上げることで幕を下ろすというのも、また非常に示唆的なシーン。ところで、キョージュが持ってたはさみみたいなものは一体何だったんだろう。 PR ○「ハヤテのごとく!!」 5→5 なんか気付いたら終わったらしい、だらだら見てただけの作品。原作を全く読んでいないのでどの程度原作準拠でストック分を消化していたのかも分からないのだが、今回もちょいちょい新キャラが増え、ぼんやり見ている身にはだんだん分からないことが増えて大変だった。まぁ、知らないキャラが出てくるとストーリーが分からなくなるような作品でもないので、特に問題無いわけだが。 1期の「川口版」に比べると、個人的にはより好みに合致したデザインになっていた今作。何せ岩崎良明&藤井昌宏という組み合わせで、個人的にはこの2人が参加しているといかにもJ.C.っぽいイメージになる。キャストの関係から「ゼロ魔」なのか「まほらば」なのか、どっちに似ているか考えながら見たり、随分不純なスタンスで視聴していた気もする。おかげで中身については正直特に語るべき言葉もない。金朋の新キャラが出てきたり、ヒナギクとハムスターの間の友情物語やなんかが進展したり、少しだけナギの母親の存在がクローズアップされたりと、一応ストーリー部分での進展は1期よりも多かったくらいだろうか。そういや堀江由衣のシスターなんかもいて、「あぁ、岩崎作品だからな」と思ったりもした。 そのくらいの印象。この調子だったら3期とかもあるのかな? 個人的には贅沢なキャスティングを横目で聞いているだけでも文句はないので、やってくれるならそれはそれでうれしいです。その場合は雪路の出番をもうちょっと増やしてくれるとさらにうれしいです。最近あんまりナバの声が聞けてません。 あと、この作品で気に入っていたのはエンディング。1期エンディングは賑やかしの合いの手が気持ちいい純正萌えソングながら、伊藤静の歌唱がなかなか堂に入っていたし、2期は曲の方はちょっと難があるものの、最後の「ゾッ」のところなんかはやっぱり可愛い。書き文字、ポイントなどを多用するチープな岩崎演出の真骨頂です。この調子で「瓶詰妖精」の2期とかやらない? 前評判は聞いていたので覚悟はしていたのだが、実際に見てみるとやはりダメージの大きな第10話。富士山は……富士山はやらないって言ったじゃないですかぁ! ストーリー自体は、「ひたぎクラブ」以来の2話完結なので、非常にシンプルな構成。単に忍野の計らいで除霊にいっただけだし、その方法だってシンプルなもの。「蛇は2体いた!」とブチャラティのお株を奪うような一応の「サプライズ」はあったものの、だからどうしたというレベルの捻りだし、そのことで阿良々木が傷つき、千石の知り合いに呪いが跳ね返ったところで、これまでのシリーズのように萌えたり盛り上がったりという要素も特にない。あくまでこの「なでこスネイク」シリーズは幼女の裸、ブルマ、スク水の肢体を楽しむだけのエピソードだったと断言してしまっても良いだろう。あえてシナリオ上の気になった点を上げるとするなら、神原が阿良々木を助けに入った時の「誰が一番大事なのかを考えてくれ」という台詞。彼女の言う「一番大事な人」というのは、もちろん千石ではない。となると、蛇に狙われて命の危機に瀕した阿良々木というのが最も素直な読みなのだが、ぶっちゃけ、神原はそこまで「阿良々木が大事」であるわけではない。「阿良々木にとって最も大事な人を考えろ」という意味だとしても、その筆頭に阿良々木本人が来るのは不自然だろう。となると、このときに「一番大事な人」だったのは、やはり「阿良々木が傷つくことで悲しむ」ひたぎのことであると考えるしかない。ひたぎのことを思えば、神原が「一番辛い役」を買って出たのも頷ける。最近すっかり出番が無くなってしまった戦場ヶ原さんだが、きちんとキャラクターの行動原理には影響している。 とまぁ、一応シナリオラインも追ってはみたものの、今回の「富士山リターンズ」には目を覆うしかない。送れて放送される関西版では富士山同様にフォローが入るかとも思ったのだが……やはり無理だった(ひょっとしたら一部改善されている可能性もあるけど)。延々と画面に張り付くロングショットの1枚絵、移動を現すために使い回される先週の背景画、巨大な目のアップ、そしてクライマックスでちらつく黒齣、赤齣、白齣。確実に音声と画がかみ合っていない部分も散見され、久しぶりに「制作側が敗北したアニメ放送」であった。前述のように「シナリオが特に盛り上がらない」ものであるだけに、本来なら「野外でスク水1枚をまとってもだえ苦しむ幼女」や「見えない蛇と戦う阿良々木」などのビジュアル面でのセールスを最大の見どころとして持ってこなければならないはずなのに、実際流されたのは数枚の絵を添付しただけのラジオドラマ。これでは流石のシャフトもフォローのしようがない。まぁ、さんざん苦労してはいるみたいなのだが……撫子派には絶望感しか与えない一本。逆説的にDVDは売れるのかもしれないけどね。オープニングは頑張ってたし。 今回の放送は画の方については諦めたので、もう音声ドラマだけを聞くことになったわけだが、改めて、花澤香菜もつまらん落ち着き方をしてしまったなぁ、としみじみ思った。カミナギという素晴らしい棒キャストでデビューしてしばらく奇跡的な駄目っぷりを発揮してくれていたのに、最近は特に目立つこともなく、普通の演技になってしまった。棒なら棒でイライラしたのは間違いないのだが、目立たなくなると、嫌悪感ではなくて無関心になってしまうんだよね。何か一皮むける役が欲しいところだ。 永遠の幸せとは何か、各々の思惑が交錯する第11話。前回までの雰囲気から一転、二人の関係に、静かながらも確実な変化が訪れている。 ホロをよりしろとした商取引はロレンスの才覚もあって円満に進み、エーブの野望と、ロレンスの夢は着実に手元へと近付いてくる。しかし、そうなればやはり考えなければいけないのはホロとの関係。ロレンスが店を持つことは、つまり旅の終わりを意味する。たとえヨイツが無くなっていようとも、ホロの旅の終わりは、やはりこの町ではない。 「ぬしの取り乱した姿が見たい」と、何気なく切り出した別れの決意。それは唐突ではあったが、前回の事件の顛末もあり、不思議と二人の間に浸透していく避けられぬ結論。「幸せな関係もいつかは終わりを告げる」と言い、「終わるならば、幸せがあるうちに幕を引くのも1つの手」と、ホロは既に決まったかのような物言い。「納得がいかない」と一度は反論したロレンスだったが、ホロの提案も、無論思いつきで語っているようなものではない。自分の夢に対する思いも本物であり、その提案は、飲まなければいけないかのように見える。リゴロの侍女メルタは、「好きなものをぼんやり見るだけで一日が終わるくらいの幸せはあってもいい」と漏らし、ロレンスはその言葉に、自分と賢狼との関係の本質を感じ取る。ロレンスにとってホロとは何なのか。この町で2人の「幸せな関係」は幕を引いてしまって良いものか。2人の間に、大きな決断の時が迫っている。 ストーリー上は、最後に武装蜂起が起こったことが最大の転機であるが、個人的には聖母像の謎の方が気になるファクター。教会の前で見つけた「塩」という因子との関係も気になるところではあるのだが……さて、エーブの本意とはどこにあるのか。そして、この町での「商売」は、どういった顛末を迎えるのか。 今回も会話劇を中心に進んだので画面での変化は乏しいのだが、これまでのような感情のぶつかり合いを控えた宿屋での2人の「相談」が、薄暗い中でじっとりとした密度を持って描かれる。ホロは軽口も交えてあくまでいつも通りの態度を保持していたが、提案を受けたロレンスはやはり諾々と従うわけにはいかない。2人の「駆け引き」のレベルが、ようやく本音の部分に到達することになるのか。次回は「とめどない涙」。幸せを追い求める方法に、正解があるのだろうか。 Battlewise Valor 戦識の武勇 (1)(W) C インスタント 対象のクリーチャーはターン終了時まで+2/+2の修正を受ける。占術1を行う。 普通のジャイグロ。カラーバイの調整以降、白はこの手の「緑のパクり芸」を使うことに遠慮が無くなってきた。「白は緑よりも修正値が小さいけど、軽量のトリックが使えるのさ!」とのことである。「勇壮の時(ISD)」とかと比べてどれが強いかはなかなか難しいが、多分、これはおまけ効果が弱い方のカードだろう。いや、他の環境と比べても仕方ないけどね。「軽量で対象に取れて占術出来る」。いうことなしだろ。
Cavalry Pegasus 乗騎ペガサス (1)(W) C クリーチャー・ペガサス 1/1 飛行 〜が攻撃するたび、攻撃している各人間クリーチャーは、ターン終了時まで飛行を得る。 いきなりコモンから危ない臭いがするクリーチャーが出撃。何しろ「訓練されたコンドル」と同じような能力が1マナ軽くなり、更に人間限定とはいえ、一気に全軍付与の可能性が出たのである。どういうことやねん。こんな華奢なペガサス1体で大量の人間軍団を一手に持ち上げられるというのだろうか。イニストラードが落ちるので「教区の勇者」で先陣を切る人間デッキはある程度制限されるだろうが、リミテッドならば充分にスタメンを張れる、なかなかの危険因子。ペガサスのくせに強いとか珍しいな。
Celestial Archon 天界の執政官 (3)(W)(W) R クリーチャー エンチャント・執政官 4/4 飛行 先制攻撃 授与(5)(W)(W) エンチャントされたクリーチャーは+4/+4の修正を受けるとともに飛行と先制攻撃を持つ。 授与能力のお目見えとなったカード。オーラとしての能力が「天使の運命(M12)」とまるきり同じなのでクリーチャータイプは天使でいいじゃないか、と思ったが、何故かマイナー種族の執政官だ(そもそも執政官って種族じゃねぇだろ、といつも思うのだが)。素出しでも5マナ4/4の充分レアで、リミテッドならば何の文句も無いレベル。更にこれが7マナ溜まると直接相手にダメージをたたき込む疑似速攻みたいな使い方も出来るようになる。クリーチャーモードよりもオーラモードの方が重いのは、当然その後除去られてもクリーチャーとして再起動出来る利便性のため。相手としては突然膨れあがった小兵をなんとしても打ち落とさなければならないし、もし倒せたとしても今度は執政官本人が舞い戻ってくるというのだから質が悪い。全体除去への耐性も高いので、リミテッドなら何にせよ鬼である。まぁ、せっかく高いコストを払っても「帰化」とかされるとしょぼん具合が半端無いけども。
Chained to the Rocks 岩への繋ぎ止め (W) R エンチャント・オーラ エンチャント(あなたのコントロールする山) 〜が戦場に出たとき、対象の、対戦相手のコントロールするクリーチャー1体を、〜が戦場を離れるまで追放する。 なんと、1マナ軽くなった「未達への旅(ZEN)」。自分のクリーチャーが対象に取れなかったり、書式がM14以降のものになっていたりするが、まぁ、およそ使い方は「未達への旅」と同じわけで、構築での採用実績を持つ万能除去が更に軽くなったのだから、そりゃ強いに決まっている。一番大きな変化は、当然妙なかたちで与えられた使用条件である。イラストを見れば分かる通り、このカードは敵をふんづかまえてどこぞの山奥に拘留するカードなので、自分の領地に山がなければ使えない。一応のデメリットとして「山を壊されるとこれも壊れる」なんて違いもあるが、そんな心配はほとんどなかろうから、一応「ボロス限定でしか使えないよ」ということだと思えばいいだろう。まだまだギルドランドは元気なのだし、デッキ次第では充分有用な白除去として運用出来るはずだ。どうせだったらうら若き女性クリーチャーをふんじばって悦に入りたいカードである。ラヴィニアさんあたりが「くっ、殺せ!」って言ってる薄い本が出るかもしれないぞ。
Chosen by Heliod ヘリオッドの選抜 (1)(W) C エンチャント・オーラ エンチャント(クリーチャー) 〜が戦場に出たとき、カードを1枚引く。 エンチャントされたクリーチャーは+0/+2の修正を受ける。 今回各色に用意されたキャントリップオーラのサイクル。全て2マナのコモンで、場に出たときに1ドロー出来るのが共通仕様。2マナキャントリップということなので、オーラ自体の効果は本当におまけ程度のささやかなものである。つまり、効果が云々ではなく、とにかく手札を減らさずにクリーチャーを対象に出来るようにするのが1つ目の目的であり、更にパーマネントが増えるので信心稼ぎにも使えて、このセットのテーマであるエンチャントも水増し出来るという、至れり尽くせりのグッドアイディアだ。とりあえずリミテッドなら入れておいて損はないが、いくらキャントリップと言ってもあんまりオーラばかり詰め込んでいると「ドローしたいのに土台となるクリーチャーがいない」なんて事態も割と頻繁に起こるので、やり過ぎには注意。
Dauntless Onslaught 不屈の猛攻 (2)(W) U インスタント 最大2体までの対象のクリーチャーは、ターン終了時まで+2/+2の修正を受ける。 各色にサイクルで与えられた「2体まとめて対象に取れる」インスタントの白版。ほぼ「共生(USG)」の色変更スペルと言えるが、白くなったことで多少重くなり、対象選択が緩くなった。使用範囲はリミテッドだけだろうからこのスペルで1体のみを増強するタイミングはそうそう無いとは思うが、元のスペルの難点だった「1体だけだと唱えることすら出来ない」という問題が解決されているので、一応コストが上がったことは許容出来るだろう。そして、この世界の白にとって、「まとめて2体の対象を取る」ことの意味はかなり大きい。白に数多く存在しているヒロイック持ちをまとめて2体誘発出来る上に、戦闘時のトリックとして運用出来るためだ。サイズアップ系のヒロイックなら、これ1枚で2体を+3してカウンターまで残ることになる。そりゃ確かにヤバいからアンコになるのも仕方ない。いかにも「そういう目的で使ってね!」ってカードなのでそのまま使うのも癪だが、強いのだから仕方ないよね。
Decorated Griffin 受勲したグリフィン (4)(W) U クリーチャー・グリフィン 2/3 飛行 (1)(W):このターン、あなたに与えられる次のダメージを1点軽減する。 トップブリーダーに選出された癒し系グリフィン。タップ能力じゃないので中盤以降にマナが余りまくれば割と馬鹿にならない防御性能を発揮してくれるが、僕らが5マナのフライヤーに要求している仕事は多分コレジャナイ。……まぁ、「ザリーチ虎」のアグレッシブ版くらいに考えておけばそこまで間違ってないと思う。でもこれ、アンコモンなんだよなぁ……。
Divine Verdict 神聖なる評決 C (M13などから再録) インスタント 対象の、攻撃クリーチャー1体かブロッククリーチャー1体を破壊する。 まもなくスタンダード落ちするセットからの救済再録。M14ではこの枠が構築クラスの「天界のほとばしり」に入れ替わったので、この先輩カードは割と影が薄い。まぁ、このカードの元の形はリミテッドで活躍していた「首のへし折り(LRW)」なのだから、このカードだって充分ありがたいです。ただでさえ怪物だの何だのとサイズ無法な連中が暴れ回るセットなので、タフネスを気にせず屠れる白除去はどんな形でも文句は無いよ。多分、このセットで一番頼りになるコモン除去。
Elspeth, Sun’s Champion 太陽の勇者、エルズペス (4)(W)(W) M プレインズウォーカー・エルズペス <+1>:1/1で白の兵士・クリーチャー・トークンを3体戦場に出す。 <-3>:全てのパワー4以上のくリーチャーを破壊する。 <-7>:あなたは「あなたのコントロールするクリーチャーは+2/+2の修正を受けるとともに飛行を持つ」という紋章を得る。 【4】 早速登場、毎度お馴染みセットの目玉、プレインズウォーカー様のご登場だ。今回は2年休んで3バージョン目のお披露目となるエルズペスさん。愛する終の棲家(予定)であったアラーラのバントはニコルさんの慰みものにされ、応援要請を受けて駆けつけたミラディンはあえなくファイレクシアの手に落ちた。数あるプレインズウォーカーの中でも「頑張ってるけど報われない」ランクの高い彼女に、今度はどんな物語が待っているのだろうか。 さて、見ての通りの6マナプレインズウォーカー。重たくなるとブーイングというのがこの業界のお約束であるが、書いてあることは当然きな臭さが止まらない。まず、プラス能力がかつての小マイナスである。この変更はガラクが4マナから5マナになったときにも起こったもので、「1マナ追加しただけでその変化はどうなのよ!」と驚きの声が。確かに6マナはキツイが、一度出してしまえば、そこからは自前の防衛線がいともたやすく張れてしまうのだから、それだけで期待感はムンムン。更に驚くべきことに、普通なら最終奥義に認定されるべき全体除去が、登場直後に起動出来る小マイナスになっている。巨大な怪物と殴り合う世界観を反映してか「大物潰し(ISD)」風の味付けだが、出てきた直後にアドバンテージをかっさらい、相手のプランをガタガタに出来るの6マナソーサリーは充分使えるラスゴである。しかも、即起動でも死なずに生き残るあたりがどこぞの闇の領域の人とはものが違う。 基本的に、この2つのモードさえあれば完結している存在といえるだろう。相手側に大物がいればいったんリセットを起動、それ以外の時は手軽に増員。これを繰り返していけば、いつかは1/1の大軍勢が相手を押し潰すことが出来るのだ。流石にそれだけでは悠長すぎるという場合のために、ゲームを早く終わらせる最終奥義の紋章モードも搭載しているので、そこは各人自由に使ってくれて構わない。こうしてみると「迷える民衆を率いて巨悪を打ち倒す孤高のヒロインエルズペス」のイメージが実に見事な絵になっていることが分かる。困った時には彼女の背中を追いかければいいじゃない。ちなみに、隣にギデオンさんを置いておくと彼もエルズペスにどつかれたりする。まぁ、彼の場合は殴られても死なないからいいんだけど。仲良く仕事しようぜ。
Ephara’s Warden エファラの管理人 (3)(W) C クリーチャー・人間、クレリック 1/2 (T):対象の、パワー3以下のクリーチャー1体をタップする。 このセットのタッパー。持っている能力は「コーの網投げ(ROE)」と全く一緒。パワーとタフネスが1ずつ増えたら、何故か2マナも重くなってしまった。「コーの網投げ」自体が割と便利なカードだったのだから文句を言っても仕方ないが、流石にこのコストアップは時流に乗っているとは言えない。「パワーが低いクリーチャーを押さえる役割」は当然早めに場に出てこそ意味があるのだし、ぞろぞろと化け物が登場し始めるコスト域になってしまっては、魅力は半減どころか8割減である。腐ってもタッパーだが、腐らせた管理責任者に文句を言っても良いとこだ。
Evangel of Heliod ヘリオッドの福音者 (4)(W)(W) U クリーチャー・人間、クレリック 1/3 〜が戦場に出たとき、あなたの白への信心に等しい数の、1/1で白の兵士・クリーチャー・トークンを戦場に出す。 信心を参照してトークンを出すカードが今回は白青黒の3色に収録されているが、数で押す戦略を得意とする白には、6マナアンコモンの形で与えられた。自身のコストのおかげで最低でも2体は確定しており、このコストを考えれば4〜5体くらいは普通に狙えるだろう。「高まる献身(DKA)」などレアクラスのトークン生成スペルに並び立つスペックなのだから、このコストも納得というものだ。クリーチャーの形を取ったことで出し入れによる再利用も容易になったし、リミテッドでもデッキを間違わなければゲームを決められるだけのリソースを提供してくれる。速攻とパワーを与える「オーガの戦駆り」との相性が良いし、白は「ヘリオッドの槍」「勇気の道」などの全体増強も多い。デッキの基盤にもなりそうな完成度の高い一品。
Fabled Hero 威名の英雄 (1)(W)(W) R クリーチャー・人間、兵士 2/2 二段攻撃 英雄的 - (+1/+1カウンターを1つ〜の上に置く。) 成長型英雄の中ではおそらくステゴロ最強。何しろ3マナ2/2の二段攻撃。色拘束も割と普通。もう、今やこれくらいは普通のスペックになってしまっているのか。そして、これが対象になればググッとサイズアップってんだからふざけてやがる。オーラ1つでほぼゲームエンドクリーチャー。「大型化」とかぶち込むと恐ろしい未来が待ち受けている。魔法の言葉「除去耐性無いし」を使えばこの程度のカードもよくある話ですよねー。環境が変わって呪禁バントは色々苦しくなるかもしれないが、呪禁じゃないオーラでも充分通用しちゃうんじゃないか説。「アタック」→「『破滅の刃』」→「レインジャーの悪知恵」。突然の4/4二段!!
Favored Hoplite 恩寵の重装歩兵 (W) U クリーチャー・人間、兵士 1/2 英雄的 - (〜の上に+1/+1カウンターを1つ置き、このターン、〜に与えられる全てのダメージを軽減する) 白には割と多い、成長型英雄の1体。1マナ1/2で登場し、少しずつ大きくなるクリーチャーというと、私が愛した同盟者、「ハーダの自由刃(WWK)」に近いセッティングだろうか。ただ、同盟者ならばデッキさえ間違わなければ出した後に放っておいても大きくなっていったが、このクリーチャーは有効利用したければ手塩にかけて育てる必要がある。やはり、この程度の細かい戦力を育てるのにいちいち手札からオーラや増強でサポートするのはあまり気が進まないのである。一応ダメージ軽減ギミックがあるので、繰り返し使いたいギミック、たとえば「試練」サイクルなんかを使う場合にはそれなりの土台になる可能性はあるが……どうかねぇ。
Gift of Immortality 不死の贈り物 (2)(W) R エンチャント・オーラ エンチャント(クリーチャー) エンチャントされたクリーチャーが死亡したとき、そのカードをオーナーのコントロール下で戦場に戻す。次の終了ステップの開始時に、〜をそのクリーチャーにつけた状態で戦場に戻す。 「まやかしの死(MMQ)」「不浄の契約(AVR)」など、色を転々としている「死んだら復帰」オーラの豪華版。ただ、先輩たちは青や黒の特性を持っていたのでクリーチャーが死んだ時に持ち主のいかんを問わずにパクってくるという能力を持っているが、このカードはあくまでも白の不死性を表すものなので、純粋に自分のクリーチャーを保護する目的のためにしか使えない。破壊不能を与える「不滅」に近い効果になるわけだが、大きく違うのは殺されることによって戦場に出入りするという点。どこぞの天使の例を見ずとも、世界は常に187能力を中心に回っている。そういうクリーチャーにこれをつけることで、永続的にムーヴが楽しめるという寸法だ。リミテッドレベルだと殺しても殺しても帰ってくるクリーチャー+オーラに対処する方法は限られているのでとてもやっかいである。一応、オーラが戻ってくるタイミングがクリーチャーとずれているのが抜け道なので、どうしても処分したい場合は2回分の除去をまとめてたたき込むしかないだろう。まぁ、「オーラを割る」とか「張られるのに対応して殺す」っていういつも通りの方法が一番の答えなんだろうが。
Glare of Heresy 異端の輝き (1)(W) U ソーサリー 対象の、白のパーマネント1つを追放する。 今回アンコモンには、これと同じように自分と同じ色をヘイトするカードが各色に収録されている。過去にも同じように「自分の色にダメージを与える」カードはあったが、このようにサイクルとして明確に登場したのは初めてではなかろうか。サイクルは全て軽量のソーサリーかインスタントだが、対抗の仕方はそれぞれの色らしさを残している。白は自分と同じ色を問答無用で追放する。他の色がクリーチャーなどタイプを制限されていたことを考えると、パーマネント全てを完全に消し去ることが出来るこのカードは容赦無く強い。ダメージでも破壊でもないので、再生だろうが破壊不能だろうが問答無用だ。まぁ、「白ければ」という条件が最後までネックになるわけだが。単色推しのこの環境なので、リミテッドでこれらのカードがメインから入ってくることは考えにくい。どのくらいの早さでピックするかで、同色との対決構図が大きく変わってくる難しいカードである。ここまで素体が強いと、メタ次第では構築級も見えてくるかもしれないが、その色が強くなればなるほどミラーで地獄を見るという、何とも歪んだサイクルになりそうだ。
Gods Willing 神々の思し召し (W) C インスタント 対象の、あなたのコントロールするクリーチャー1体は、ターン終了時まであなたの選んだ色1色に対するプロテクションを得る。占術1を行う。 今回多数登場する、「ついでにちょこっと占術」スペル群の1つ。サイクリングとかもそうだったけど、基本形にちょい足しするだけで新しい世界のカードになるってんだから、便利なもんである。まぁ、アヴァシンの時の「ちょっとだけライフ足し」は世界観もシステムも関係無かったから何が何だかよくわからんかったけど。この手のカードの欠点は、一切コメントで書くことが無いという点。だってこれなんか「リミテッドで入れておくとそれなりに便利」くらいしか言うことないやん。あと「神様の思し召しっつっても、割と微々たるもの」とか。まぁ、最軽量の占術カードだし、固め打ちするときには便利なのかもね。
Heliod, God of the Sun 太陽の神、ヘリオッド (3)(W) M 伝説のエンチャント クリーチャー・神 5/6 破壊不能 あなたの白への信心が5未満である限り、〜はクリーチャーではない。 あなたのコントロールする他のクリーチャーは警戒を持つ。 (2)(W)(W):2/1で白の、クレリック・エンチャント・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。 このテーロス世界を象徴する5柱の神々のサイクルが、このゴッドサイクルである。コストからは想像も出来ないほどのステータスに破壊不能、それに全軍にキーワードを付与する常在能力と、更に休眠状態でもサポート出来る起動型能力のパッケージが共通仕様。ただし、神様とは言っても割と世知辛いところがあるので、信仰心が一定数以上にならないかぎりは重い腰を上げてくれないというデザイン。白のゴッドは、明らかにゼウスがモチーフであろう太陽の神である。ステータスは充分、起動型能力は警戒持ちの2/1が無制限に湧き続けるというなかなか節操のないクオリティ。白は序盤からパーマネントを並べやすく、この神様に満足頂ける戦場を作り出すのも比較的容易だろう。エンチャント推し環境でもあるので、元々エンチャントが得意分野だった白ならば、万一墓地に行っても「オーラ術師」で回収するなんて荒技も可能だ。まあ、やっぱりこのサイクルはマジゴッドだよ。
Heliod’s Emissary ヘリオッドの使者 (3)(W) U エンチャント クリーチャー・大鹿 3/3 授与(6)(W) 〜かエンチャントされたクリーチャーが攻撃するたび、対象の、対戦相手のコントロールするクリーチャー1体をタップする。 エンチャントされたクリーチャーは+3/+3の修正を受ける。 アンコモンに位置する授与持ちクリーチャーのサイクルが、それぞれの神の名前を冠した使者(emissary)サイクルである。コモンのニンフサイクルはキーワード能力を与えていたが、こちらはやや特殊な色特性を分け与えるカードになっている。白の使者は「陽動の達人」能力を持ったアグレッシブな鹿。ちなみに、現時点ではクリーチャータイプ「大鹿」は5体しかいない割とレアな種族。まぁ、ビーストと区別する必要あるんかい、という気もするけども。猪とかも。そんな新手の鹿は、「陽動の達人」に1マナ足しただけでワンサイズビルドアップしたのだから、なかなか優秀なクリーチャーなのは間違いない。殴らなければ誘発しないので不利な局面からの巻き返しには向かないが、押しているときに4マナで出てくるクリーチャーとしては満点だろう。ピンチの時にも一応授与が使えればサポートにも回せるし、1体クリーチャーを潰したと思ったのにまだタッパーが残っているというのはかなり鬱陶しい。なるほどアンコモンクラス。でも、流石にこの授与コストは現実味が薄いかねぇ。
この時代の枕は固くて痛そうな気がする第10話。乃枝が髪を下ろしていたり、タマちゃんが洋装だったり、やっぱりサービス回は色々と違うぜ。夜はまだまだ続きますビリーバー。帰りのバスでは隣に座れたのでしょうか。 夏休みを利用しての集中強化合宿。本来なら打倒朝香中を目指してのナインの血と汗と涙の特訓エピソードが描かれるべきなのだが、そこはこのアニメの空気の読みっぷり。百合萌え鏡子をメインに据えて、乙女達のあれやこれにスポットが当たる。きちんとナイン全員の性格が端的に表示されているのが相変わらずうまいところで、今回も枕投げ、肝試しなどのイベントできれいに9人の「あるある」や意外な側面が描かれている。枕投げの方は、勉強が嫌で真っ先に言い出すのが巴、そしてそれ以外の人間は敬遠する……と思いきや、何故かノリノリのお雪。真っ先にぶつけられた晶子のスローイングがきちんとサイドスローだったりするのも芸が細かい。我関せず焉で寝こけるアンナ先生がなかなか色っぽい。 お勉強会では、巴と小梅の馬鹿っぷりにスポットが当たる。巴が駄目なのは知っていたが、小梅も出来ない娘だったのか。勉強できないキャッチャー役ってのも珍しいが……あぁ、鏡子が出来ないのはデフォ。アンナ先生は数学も教えられるし英語も出来るし、なかなかの才媛。まぁ、中学レベルならそれくらい出来るか。 そして肝試しでは、意外にも乃枝だけが極度の怖がり。続いてお雪も肝っ玉が小さいらしい。他の面々はそれなりの態度だったが、ますます雪のキャラクターが掴みにくくなっている。最後まで彼女の内心は分からないまま終わるんだろうなぁ。あと、鏡子が逃げ去った後にぶっ倒れている巴が実は一番のチキンっていうのも意外っちゃぁ意外。 そして、避けては通れない入浴シーン。感心したのは、最近のアニメではすっかり定番になった「湯気」演出がほとんど見られなかったところ。全員がきちんとタオルを使って隠しており、「別にDVDで見せるわけではないです」という意思表示が明確に現れている。湯気商法自体が悪いとは思わないが、地上波で流れる際に不自然な煙幕で画面が壊れてしまうのは本当に気に入らないので、「見せないなら見せない」ときっちり言ってくれるこの作品の姿勢には非常に共感が持てる。別にこれでいいんだ。湯に浸かっている小梅のアホっぽい顔が可愛かったから。まぁ、「乳比べ」が出来ないのは勿体ないとは思うが……タマちゃんなんか横から見てもタオルが必要無いくらいのレベルだしなぁ。 とまぁ、色々なファクターはあるが、今回はやはりドジっ子鏡子の成長が一番の中身。ありがちな筋立てではあるが、要所要所でのコミカルな演出がなんとも楽しい。キャッチボールで真上からボールが落ちてきてパタンと倒れる鏡子はどこかで見たことがある画だと思ったら、「あずまんが」のちよちゃんだ。風呂場でのびた後に見た悪夢は、花畑に佇む鏡子に、枯れ果てた林の中から別れを告げる巴、そして、何故かトライアングルを鳴らす胡蝶。シュール過ぎる。 なんやかんやあって、最後には先生の指導により、努力することの大切さを知る鏡子。早朝練習に励んでいるのがバッテリーの2人というのもいかにもありそうな話であるし、特に晶子は鏡子が共感する部分の多い運動音痴。そんな先輩の姿に感銘を受けた鏡子は最終的にギリギリのフライをキャッチすることで成長を知らしめることになる。「外野フライを捕れるようになるのが一番楽しい時期」らしいので(ソースは「おおきく振りかぶって」)、これを機に、鏡子にも野球魂が籠もったと見ていいだろう。チーム最大の穴である鏡子をこういう形で補強してもらえると、最終戦での期待感は嫌でも盛り上がろうというものだ。 他の面子もきちんと連携を強化し、体力面での補強もばっちり。速球打ちの練習を晶子ではなくタマちゃんに投げさせているのも流石の判断だ。さぁ、その実力をいよいよ発揮するときだ。ただ、個人的に一番驚いたのは、うますぎるアンナ先生のノックですけどね。なにもんだ、あの人。 様々な愛の形が紡がれた第11話。煮詰まっていくストーリーと、片付き始めた人間関係。予想通りの結末とはいえ、涙が止まりませんでした。「彼女・添(She-sou)」というサブタイトルは、前回の次回予告で聞いたときには「まーた恥ずかしいフレーズ考えやがって」と苦笑しか出なかったが、今回のエピソードを見るにつけ、これはこれで、なかなか意義深い。 マリアは、御法川の教えを受けてカナンに寄り添う。心配しながらも足手まといにしかならない自分にやきもきするが、出来るのはカナンを迎えてやることだけ。震えるカメラのフレームに、カナンを想う彼女の心情がうかがい知れる。 夏目は、米軍と巨大な利権に添う。カナンの友人であるマリアをも口封じのために殺そうとした冷血漢だが、全てを灰にした彼女の中にも、まだカナンの影がちらつく。アルファルドの思惑も、利で動く彼女のあずかり知らぬ領域にある。 アルファルドは、過去の亡霊に想い添う。かつてのシャムの言い残した「絶望」という言葉、そしてカナンという名前。「今」を見ることなく、ひたすら自らの過去に抗う。その目には誰の愛も映らない。 ハッコーは、失った光に添い遂げる。「決める権利があるのは生ある者」。彼女の想いも、また今を見ていない。家族を、村を失い、その元凶でもあった、新たな光であるサンタナを失い、彼女に残されたのは、ただ1人求めてくれた彼に愛を囁き続けることだけ。これも1つの愛の形。 そして、カミングズとリャンの、愛の形。アルファルドが自分を見てくれている。それだけのことをひたすら求め続け、リャンはついに壊れてしまった。目的を見失った目には、ただ障害であったカナンが映る。狂気に呑まれ、いびつな景色を映す目を閉じるため、カミングズは最後の決断をする。リャンのために一度は捨てた命だったが、残された自分の命は、最後の愛を貫き通すために。1人残されたファクトリーでは、彼の愛は、決して添うことは無く。 これまで熱烈に応援してきたリャン・カミングズコンビの最後の顛末は、想像以上に壮絶なものとなった。狂気と呼べるほどのリャンの妄執は、今や愛する人に手をかけるまでになり、狂気の矛先は、まるで誂えたかのように自分自身へ降りかかる。憎きカナンと同化してしまうという選択肢など、冷静な彼女なら絶対に選ぶはずもないものだったはずだが、最後まで愛を拒絶され続けた彼女には、既にそんな判断力はなかった。子供のように幻影におびえる彼女に、カミングズが送った最後の愛。初めて足下に寄り添う最愛の人を見て、彼は何を思ったか。 事実上の(私の中では)クライマックスだけに、その演出面も飛び抜けて良かった今回。悩殺ランジェリーで銃を乱射し、青竜刀を構え踊り狂うリャン。カミングズを殴り続ける際に、邪魔なものとして「愛も!」と叫んだ彼女は、その「壊れ方」が非常に痛々しく、終始張り付いたような笑顔で切り刻まれ、命を落とすシーンはまさに修羅場。もう、ほんとに切なくて、愛おしくて。カミングズも本当に優しくて。最後に絶叫する彼の声が、自動ドアによって遮られてアルファルドの独白につながるシーンなんかも、あれだけの騒ぎに全く興味を示さないアルファルドの冷徹さ、無感情さが一発で伝わる小気味よいカット。いや、ほんとに魅せてくれる。 そしてやはり、今回最大の賛辞は中の人に贈られるべき。水銀燈、トモエなどの嫉妬に駆られる敵役では定評があるが、今回のリャン・チーは、間違いなく田中理恵ヒストリーの1ページに刻まれるべき役であろう。今回の収録のあとは、絶対に喉やられてたと思うし。あー、来週からは出てこないのかー。本当に、お疲れ様でした。 一体この作品はどこへ行きたいのか、だんだん分からなくなっていく第11話。残された希望は、今回も訳の分からないことを口走っているワイプロボだけですよ。「オエカキロボットニ ナリタイ」「ヨウヤク クリア デキソウ」……分からない。きっと深い意味があるに違いない。 今回は季節柄涼しくなる時期なので、それに合わせて風邪っぴきのお話。突如訳の分からないことを口走って唐突に倒れるユーキ。そしてハイテンションの末に同じようにぶっ倒れるユメ。「立て続けにメンバーが風邪でダウンして……」っていう展開は色んな作品にあるけど、倒れた2人が同じ布団で寝るのはなかなか無いよな。常々この作品に濃厚なエロ要素などいらないとは言っているのだが……もう、確実にコトを済ませちゃってるあたりが怖い。そして、広橋ボイスで、しかもウィスパーで「じゃ、汗かく?」なんて言われたら、流石に頭がフットーしそうにもなる。だんだん、ユーキじゃなくてユメが諸悪の根源のような気もしてくる。 そしてついに代理がダウン。ぐったりした代理の後ろ姿から宇宙人説まで思考がトバせるカナは流石だが、そんなおちゃらけた空気もこのあたりが最後。あとはカナが必死に代理に気を遣うも、その思いがどうも他のメンバーとかみ合わない。カナは自己主張をほとんどしないので黙ったままだったが、代理に何も言わずに配達に散っていく面々に、何かわだかまりを感じていたのは確かだ。そしてカナが倒れ、代理が隣で添い寝してくれるという一見大団円にみえるオチも、カナは「私は守られてばかり」と肩を落とすことでハッピーエンドにならない。前回も「私は1人です」と随分ネガティブな発言をしていたカナだが、何か決定的なところで他のメンバーとの間の一線が越えられないようだ。確かに家族でもないし、年齢もまちまちだし、理屈抜きで友情や愛情を成立させられる面子ではないのだが、視聴者としては未だにわだかまりが残っている関係性には、ストーリー上のリアル以上に何かもやもやしたものが残ってしまう。 奇しくも似たようなことをやっていたのが、ちょっと前に放送していた「けいおん」だった。あちらも豊崎キャラが風邪を引いたり、喉を潰したり、萌え4コマ原作なのに友情にちょっとひびが入ってみたりと、今作との共通点が多い。微妙な律の態度に視聴者が何かもやもやしたのも同じだろう。しかし、「けいおん」の場合には律と澪は結局理屈抜きで仲を修復させており、「友達である」ことは前提条件だった。しかし、この作品の場合は、どうやら家族のような連帯感はまだ出来上がっていないということらしい。ラストまでにカナのうじうじした感情は消えてくれるのだろうか。 どうも、初っぱなのイメージのおかげで単なる萌えギャグを期待している身としては、こういうストーリー展開は重い。制作陣はどういうゴールを用意して、このアニメをまとめてくれるんだろうか。
「シャングリ・ラ」 6→6
初見での評価ポイントは、その美麗なグラフィックと、村田絵の最低限のラインを保持しながらの魅力的なアクション。ヒロインの武器がブーメランという特異な点も目を引き、今期上半期はかなり期待を持たせた1作。この初見での印象は毎週オープニングを見るたびに思い出せるもので、特に奇をてらった演出などはないが、自力で見せられる作品であると思えた。 先に失点部分を上げておくならば、大きくは2点。1つはシナリオ構成上の問題で、やはり、アニメで説明を極力廃しながら見せるには設定が複雑すぎた。炭素経済、カーボニストといったタームはSF作品として見たときには充分魅力的で、説得力のあるセッティングではあるのだが、やはり目に見えない要素であるから、これをアニメの中で反映し、ストーリーの軸とするのは難しい。目に見えない経済パートでメインを務めたのは香凛と涼子という2人の「経済家」であるが、涼子はその存在自体が不明確で、最後の最後まで腹の底の見えない謎の人物だったために説明役には不適。香凛も、11話では幻想のような奇妙なエピソードで心情を表に出してしまったために、今ひとつその立脚点を固定できなかった。このあたりの「観察者」の目がもう少しはっきりしていれば、炭素経済を絡めた主軸の物語にも厚みが出たと思うのだが。そして最終話に代表される、駆け足でご都合主義の展開も、「物語」を見たい人間にとっては消化不良のものであったろう。「見えにくい設定」という問題を解決するためにアニメ的な「見え」を優先するのは正しい判断ではあるのだが、だからといって基本的な筋立てがなおざりになるのはいただけない。 2つ目の大きな難点は、一言でいうなら「GONZOショック」だろう。部分的には素晴らしい作画、動画を見せてくれるのに、これがどうにも安定しない。難度の高い作品であるのは確かだと思うのだが、どうしてもその絵柄のせいであの「LAST EXILE」と比べてしまうのだ。絵だけでも魅せられる可能性のある作品だけに、そこが崩れてしまったのは本当に勿体ない。まぁ、個人的には「咲」よりは力を注いでいたと思うのだが……世間的な評判がこちらではなく「咲」に流れてしまう昨今の風潮では、悩みも大きくなるというものである。 とまぁ、難点も少なからずあるのだが、トータルで見たときには充分合格点を与えられるシリーズだったのではなかろうか。香凛、美邦、小夜子、モモコ、ミーコ、涼子などのキャラクターは充分に立っていたし(主人公は……)、視点が非常に散漫になる構成にも関わらず、とっちらかって意味が分からなくなるギリギリのラインで踏みとどまった。映像だって、13話、19話、最終話と、印象的なエピソードも散見されるのだ。毎話このクオリティなら文句も無かったが、それは贅沢というものだろう。 最終的に普通の少年漫画みたいなオチになった大上段のテーマだが、個人的に勝手にまとめると、この作品の根底には大きく「母性」というテーマがあったのではないか。メインとなる3人の少女、國子、香凛、美邦の3人の共通点は、全て「母を失っている(もしくは存在しない)」という点であり、それぞれが親を思う感情も三者三様である。最終的に、國子は未来を見据えることで自分の出自の大元(母)である卑弥呼を乗り越え、美邦はミーコという奇妙な母性の先に、小夜子という新しい母親を手にした。香凛は両親を失った悲しみに沈むが、その代わりに得難い友人を得、自らがメデューサの母となることで、次のステップへの希望を取り戻している。最終的に東京の「庇護」の象徴であるアトラスが崩壊して夜明けを迎えることになるわけだが、「母性」というテーマが進歩と進化を後押しする要因として機能したわけだ。まぁ、このあたりは勝手な妄言なので、多分スタッフの考えとは合致していないとは思うけど。 とにかく、一本の物語としてのまとまりはそれなりのもの。人気漫画の原作など無しにきちんと作りきったスタッフには賛辞と感謝を送りたい。ただ、あまり売れ行きは良くないみたいなので……GONZO頑張れ、ホント頑張れ。 最後は当然、キャストの話。今作の最大の疑問点は、実は國子の中の人だったりする。いや、美佳子はキャリアもあるし、嫌いじゃないんだが……どうしても「普通の幼なじみキャラ」のイメージが強くてな。意志を持って世界を救う國子役はいまいちしっくり来なかったんだよね。最後まで影が薄かったのは中の人の影響もあるんじゃないかと。ま、隣に譲治さん声と芳忠ボイスのオカマがいたんじゃ、キャラも薄くなるのは仕方ないけどさ。アキバの3老人といい、やたらおっさんのキャラの濃いアニメである。 その代わりと言っては何だが、やはり美邦と香凛の二大幼女の中の人は非常に印象に残った。ゆかちは安定した仕事ぶりだが、美邦様の中の人である有賀由衣という人はこれが初見。その声のおかげで最初はリアル幼女なんじゃないかとすら思ったが、ラジオを聞く限りでは当然普通のおねーさん。今後の活躍に期待です。あとは完全にちょい役だけど、マジカルギーナ役の松元環季ちゃんですかね。キャラソンまで出してるので、出来れば今後は声優業界で頑張って欲しいです。男性では、国仁役のまこっつかな。ヘタレ以外の役も回ってくるといいね。そしてよく分からなかったのが、古河、メデューサ役の柿原。メデューサはいいんだけど、古河さん、最終回以外ほとんどしゃべってないよ。っつうか最終回だけしゃべりすぎだよ。彼に何があったんだ。 |
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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