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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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Afflicted Dserter 苦悩の脱走者 (3)(R) U
クリーチャー・人間、戦士、狼男
3/2 変身条件・<狼男>
 

Werewolf Ransacker 狼の荒らし屋
クリーチャー・狼男
5/4 変身条件・<狼男>
このクリーチャーが〜に変身するたび、あなたは対象のアーティファクト1つを破壊してもよい。そのアーティファクトがこの方法で墓地に置かれたなら、〜はそのコントローラーに3点のダメージを与える。
 
 4マナ3/2は、「実は狼男で一番弱いんじゃないだろうか」と我々コミュニティで囁かれている「苛まれし最下層民」と同じステータス。割と死にやすいし、変身してもこいつはパワーが1点不足気味の5/4。コモン以下のステータスはちょいと残念だが、変身の裏表が能力発動のトリガーとなる新システムが内蔵されており、クルクル裏返るたびに「粉々(SHM)」が撃ち放題。まだまだ世の中にアーティファクトは元気なので、リミテッドでも適当に入れておけばナチュラルに対策出来てちょい嬉しい。ま、実際に人狼がクルクル裏返ることなんてそんなにないんだけどね。意図的に変身を戻してやりたい時がある人狼ってのも、なかなか味があっていいじゃない。
 
 
Alpha Brawl 頭目の乱闘 (6)(R)(R) R
ソーサリー
対象の、対戦相手のコントロールするクリーチャー1体は、そのパワーに等しい値のダメージを、そのプレイヤーのコントロールする他の各クリーチャーに与える。その後、それらのクリーチャーは、パワーに等しい値のダメージを、そのクリーチャーに与える。
 
 やっぱりこれが「このセットのラスゴ」だったでござる。テキストは何だかややこしいが、敵クリーチャーが複数いた場合、一番パワーの高いクリーチャーを選べば大体の場合は相手だけラスゴ効果が発生すると思えば間違い無い。ただし、8マナもかかる割には効果が不安定で、たった1体クリーチャーをバウンスされたり、非対象にされるとフィズってしまうし、クリーチャーのパワーを下げるだけでもラスゴ効果とは言えなくなってしまう。「突然偉い人が暴れ出して同士討ちを始めたぞ!」というフレーバー的な面白さを追求したのは分かるのだが、コスト面でもうちょっと便宜を図ることは出来なかったもんだろうかね。「冒涜の行動」が思いの外優秀だっただけに、このカードの残念さが際立つのであった。
 
 
Blood Feud 血の抗争 (4)(R)(R) U
ソーサリー
対象のクリーチャー1体は、他の対象のクリーチャー1体と格闘する。
 
 制限を取っ払った「ライバル同士の一騎打ち(MOR)」。確かに種族による制限が取っ払われたのはありがたい部分もあるのだが、そのせいで2マナも重くなってしまったのは痛し痒しだ。現在も「地獄の口の中」は使われているのだから、このカードの6マナも許容範囲ではあるのだが、積める枚数が制限される6マナ域に決定打と言えるかどうか微妙なカードというのはちょっと勿体無い気もする。でもまぁ、1枚で相手クリーチャーを2体屠れる(多分)というのはやはり魅力か。なるべく使いやすいデッキを意識して組むしかないな。こうして振り返ると、やっぱりローウィンは強いなぁ。
 
 
Burning Oil 燃える油 (1)(R) U
インスタント
〜は対象の攻撃クリーチャー1体かブロック・クリーチャー1体に3点のダメージを与える。
フラッシュバック・(3)(W)
 
 2マナ3点火力は充分な効率だが、白のフラッシュバックを実現させるためなのか、赤のスペルのくせに戦闘に絡んだクリーチャーしか除去出来なくなった。こうして白との便宜を図ったおかげでなんだか窮屈になってしまうのは、「意のままの射撃(EVE)」の時にも起こった現象。赤としては釈然としないところだろうが、アドバンテージを得るための措置なので我慢してもらおう。制限があるとはいえ、戦闘に絡まないクリーチャーを除去したい状況がそこまで多いわけではない。行きは2マナで気軽に使い、その後も4マナのフラッシュバックが墓地で目を光らせるというのは絶妙なセッティング。リミテッドレベルでなら、あるだけ引いても用途に困ることはないはずだ。マックスで6マナ6点火力にもなるしね。
 
 
Curse of Bloodletting 流血の呪い (3)(R)(R) R
エンチャント・オーラ、呪い
エンチャント(プレイヤー)
いずれかの発生源がエンチャントされたプレイヤーにダメージを与える場合、それは代わりに2倍のダメージを与える。
 
 呪い版の「ラースの灼熱洞(10ED)」。コストは大体適正と思われる5マナなのでそこまで恵まれたもんではないが、一応相手だけダメージが2倍になるのだから、悪いカードではないだろう。うまいこと陰鬱「硫黄の流弾」が打ち込めりゃそれだけで10点入ったりするし、「貫かれた心臓の呪い」との合わせ技なんかでもそこそこヤバい。攻め気の強い赤なら、マナカーブの最後に設置しておき、相手のライフ計算をひっくり返すのも面白いだろう。一方構築の場合はある程度コンボ的な要素を回すために使うことが考えられるが、やはりどう考えてもこれだけの狭い効果に5マナはネック。「モグの偏執狂(STH)」のような相性のいいカードがあればいいのだが、現状ではネタカードの域を出ない。
 
 
Erdwal Ripper エルドワルの切り裂き魔 (1)(R)(R) C
クリーチャー・吸血鬼
2/1 速攻
〜がいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、〜の上に+1/+1カウンターを1つ置く。
 
 吸血鬼デッキの胆にして悩みの種、「血に狂った新生子」。彼女も彼女なりに頑張って生きているのだが、どうしても1ターン待っている間に相手に準備を固められてしまい、最初のワンパンチが遠い。「これで『炎歩スリス(MRD)』のように速攻があればなぁ」と、思ったプレイヤーも多いのではなかろうか。そして、そんな吸血鬼フリークのために、ついに速攻を付けたバージョンが登場した! ……3マナであった。惜しい。これで2マナならいいんだけど……3マナか。まぁ、相手の油断を突くことが出来る速攻能力は吸血鬼にとって悪い相談ではない。とにかくワンパンチが入ってしまえば、次のターンから3/2で殴れるわけで、「交差路の吸血鬼」と同じくらいのパワーはあるのだ。目の前に「片目のカカシ」とかが立ちふさがったら諦めろ! 大丈夫、「新生子」と違って、立派にブロッカーとしての役割は果たしてくれるから!
 
 
Faithless Looting 信仰無き物あさり (R) C
ソーサリー
カードを2枚引き、その後手札を2枚捨てる。
フラッシュバック・(2)(R)
 
 同じ墓地環境だったオデッセイで登場した「入念な研究(ODY)」の亜流カード。「入念な研究」はアドバンテージロスという致命的な欠点があるにも関わらず、わずか1マナで2枚も手札が捨てられて墓地が3枚も肥えるカードとして、スレッショルドやマッドネスが天下を取っていた当時の環境では大活躍した。1ターン目に1マナのソーサリーを撃たれたと思ったらいつの間にか場に2体のトカゲが舞い降りていた、なんて場面に出くわしたプレイヤーも多いだろう。今回のスペルは、あまりそうした戦術とは相性が良くない赤に配属されたことでどのような活躍を見せるかは未知数であるが、フラッシュバックとの相性は良好だし、事故率が下がるので無茶なデッキも組みやすい。中盤以降に引いても手頃な調整役を務められるし、フラッシュバックを搭載したおかげで相対的にアドバンテージロスという欠点まで埋め合わせてきた。はっきり言ってコモンとは思えないスペック。軽さを信条にしたこの世界ならば、1マナでここまでの仕事が出来るというのはベストフィットである。今後のドラフトでは是非とも狙っていきたいカードだし、構築クラスでのお目見えも狙えるんじゃなかろうか。
 
 
Fires of Undeath 不死の火 (2)(R) C
インスタント
〜は対象のクリーチャー1体かプレイヤー1体に2点のダメージを与える。
フラッシュバック・(5)(B)
 
 今回のコモンメイン火力。方向性としては2倍「霊炎」、もしくはインスタント版「炎の稲妻(ODY)」。コスト面は行きに関しては3倍なのでちょっと効率が悪いが、帰りのコストは先人達に比べて特別高いというほどでもない。色を広げる必要はあるだろうが、これくらいのコストならフラッシュバックも充分視野に入れた上で動けるはずだ。2枚以上かき集めれば、序盤の制圧も容易くなる上に後半も思いがけぬタイミングで飛んでくる2点火力は油断出来ない。これは赤にとっては純粋に喜ばしい火力なのではなかろうか。何より、イラストがゴスロリで艶めかしいのである。いや、あんまり可愛くない気もするけど。やっぱり洋ゲーのイラストはロリよりムチムチの方がいいなぁ。
 
 
Flayer of the Hatebound 憎悪縛りの剥ぎ取り (5)(R) R
クリーチャー・デビル
4/2 不死
〜か他のクリーチャーがあなたの墓地から戦場に出るたび、そのクリーチャーは、対象のクリーチャー1体かプレイヤー1人に、そのパワーに等しい値のダメージをあたえる。
 
 ドラフトだと無闇に強い「護符破りの小悪魔」や、地味にありがたい「燃え投げの小悪魔」のおかげですっかりイニストラード赤で定位置を手に入れた感のある種族、デビル。そんな好評にお応えして、再び6マナレアで登場したニューデビルだ。ステータスは4/2とちょいと小さめだが、不死を持っているので無問題。そして、墓地から蘇ったら突如炸裂する「火炎舌のカヴー(PLS)」ばりの狙撃能力。こちらは5点飛ぶ上にプレイヤーも狙える大盤振る舞い。そりゃレアだ。そして、こいつの場合は自分だけで無くて他人の帰還もカウントしてくれるというこのセットならではのおまけもついてくる。墓地からクリーチャーが登場する機会ってのはそこまで多いわけじゃないが、期待のニューレア「墓所這い」とのシナジーは何がなにやらだし、今回は様々な色に不死クリーチャーも配置された。もちろん「掘葬の儀式」や「スカーブの殲滅者」で強引に実行してしまってもいい。とにかく、「プラスアルファで楽しいおまけ」と書かれているだけで色々楽しみたくなるじゃないか。6マナレアだからそこまでの悪さはしないだろうが、色々と楽しそうなクリーチャーである。
 
 
Fling 投げ飛ばし (1)(R) C (M12などから再録)
インスタント
〜を唱えるための追加コストとして、クリーチャーを1体生け贄に捧げる。
〜は対象のクリーチャー1人かプレイヤー1人に、生け贄に捧げたクリーチャーのパワーに等しい値のダメージを与える。
 
 陰鬱サポートの自主的サクリ手段といえば、現在では「縫い師の見習い」や「グリセルブランドの信奉者」などが活躍しているが、そうしたサクり手段を模索していると必ず引き合いに出されるのが、この「投げ飛ばし」だ。M11環境ではこれと「反逆の行動」のシナジーが赤の基本戦術となっており、相手クリーチャーをぶん投げてすっきりした経験を持つ人も多いだろう。そんなわけで、現在も基本セットに収録されていて現役バリバリのこのカードが、新発売のセットに入っていても誰も文句は無い……わけがないけどな。「帰化」や「予言」もそうだったけど、やっぱりこういう細かいところで少しくらいサービスしてくれてもいいじゃないか。同名再録だと、実質的にパックの相対価値が下がることになっちゃうんだよね(まぁ、コモンだから誤差みたいなもんだけどさ)。いや、あるなら使うけどさ。「裏切りの血」を必死に探すけどさ。これで「チフス鼠」をぶん投げて「え? ダメージソースってクリーチャーじゃないの?」みたいな失敗をする「チフスフリング」が流行ると見た。
 
 
Forger Devil 炉の小悪魔 (R) C
クリーチャー・デビル
〜が戦場に出たとき、〜は対象のクリーチャー1体とあなたにそれぞれ1点のダメージを与える。
 
 戦場に出たときに1ダメージの1/1クリーチャーといえば「火花魔道士の弟子(M10)」だが、このクリーチャーは、能力を「投火師(TMP)」風の痛み分けシステムにしたおかげで、最軽量の1マナで実現させた。プレイヤーに飛ばなくなった部分はややマイナスであるが、この手のクリーチャーを使うのは大抵序盤のせめぎ合いの時、つまりはプレイヤーに使うプランを考える必要がない場合だ。そう考えれば、余計な贅肉をそぎ落とした1点火力は強力無比である。この世界にはタフネス1で処理したい生き物が山ほどいるし、戦闘や「霊炎」などを絡めれば1マナ1/1とは思えない仕事を充分にこなしてくれる。クリーチャーである点も、青や黒との相性を考えれば役に立つ部分。ことリミテッドでの運用を考えるならば、ほとんどデメリット無しの素晴らしい選択肢である。まぁ、誰もいないところにプレイすると噛み付いて自爆していくっていう謎の難点はあるんだけどね。
 
 
Heckling Fiends やじる悪鬼 (2)(R) U
クリーチャー・デビル
2/2
(2)(R):対象のクリーチャーは、このターン可能ならば攻撃する。
 
 赤の名物である攻撃強制に特化したクリーチャー。一応青の「魅惑するセイレーン(M12)」と違ってタップが要らないので連続起動が可能な点はプラス要素だが、このコストでは連続起動を考える意味はあまりなさそう。そして、現在のリミテッドで「夜毎の狩りの呪い」が大活躍という話も聞かない。つまり、わざわざ2/2のアンコモンデビルに付けられたところでそんなにありがたくないということである。せいぜい、「チフス鼠」や「待ち伏せのバイパー」を構えてよいしょと起動するのが一番輝けるシーンだろう。デビルは特にシナジーも無いし、あまり進んで使いたいクリーチャーではない。
 
 
Hellrider 地獄乗り (2)(R)(R) R
クリーチャー・デビル
3/3 速攻
あなたのコントロールするクリーチャー1体が攻撃するたび、〜は防御側プレイヤーに1点のダメージを与える。
 
 地獄乗りっていう名前はすげぇ怖いけど、実際に乗っているのはお仲間のデビルだ。名前のイメージとしては「地獄に乗る奴」じゃなくて「地獄で乗ってる奴」なんだろうかね。さておき、4マナ3/3速攻までなら完全に「タールルーム・ミノタウルス(6ED)」。この時点で基本セットに入るくらいの実力は持っているが、更にこれに「略奪の爆撃(ROE)」ライクな直接火力も有している。トークン戦術などの数で押すタイプにフィットしているのはもちろんだが、とにかく自分で殴れば1点が発生するし、何がすごいってこれを土台に「好奇心」を張ると莫大なアドバンテージが転がり込んでくるのである。4マナ3/3は現在活躍中の「ただれ皮の猪」(陰鬱無し)と同じステータスだし、リミテッドではかなりの活躍が見込めるんじゃなかろうか。
 
 
Hinterland Hermit 内陸の隠遁者 (1)(R) C
クリーチャー・人間、狼男
2/1 変身条件・<狼男>
 

Hinterland Scourge 内陸の災い魔
クリーチャー・狼男
3/2 変身条件・<狼男>
〜は可能ならばブロックされなければならない。
 
 軽量級人狼。2マナで置けて変身後にパワー3ということは「村の鉄鍛冶」と似たような立ち位置だとは思うが、素体の方向性が随分違う。まず、人間状態のパワーが2。これによって、相手にブロッカーがいない場合の効率はこちらの方が良い。ただし、数を並べる場合や、ブロッカーとして使う場合は、こちらの方が不安が多くなる。そして変身後も、先制攻撃を持っていた「鉄鍛冶」の方が総合的な破壊力は上だろう。ただし、こちらは疑似ルアーがついているおかげで相手に選択肢が無い場合には相打ち型の除去として機能することが出来るし、運良くパワー1しかいない場合には一方的なアドバンテージも狙える。総合的に見れば、どんな状態でもそこそこ動いてくれるという意味での安定感はこちらがやや上だろうか。変身せずに出来る仕事が多いのはプラス。そして、装備品や火力などのサポートを加えた時の爆発力は「鉄鍛冶」が上で、1枚で盤面を制圧出来るのはあっち。ま、どうせ使えるものを使うしかないんだから、比べても仕方ないけどね。
 
 
Increasing Vengence 高まる復讐心 (R)(R) R
インスタント
あなたがコントロールする、対象のインスタントかソーサリー・呪文1つをコピーする。〜が墓地から唱えられた場合、代わりにその呪文を2回コピーする。あなたはそれらのコピーの新しい対象を選んでも良い。
フラッシュバック・(3)(R)(R)
 
 「高まる」シリーズの赤は絶対に火力だと思っていたら、意外なことに「余韻(M12)」もどきだった。コストはこの手のコピースペルの中では最軽量の2マナで与えられたが、これは自分のスペルしかコピーできないという制限をギリギリまで許容出来るように設定したおかげだろうか。「余韻」が構築リミテッド合わせたどこかの環境で大活躍! という話は聞かないので、せっかくレアで与えられたのに大して期待が持てるわけではなさそうだが、リミテッドならばある程度スペル寄りのデッキ、つまり青赤フラッシュバックなんかになった場合にはそこそこ面白そう。フラッシュバックまで活かすことが出来ればスペルの効果を4倍にまで引き上げることが出来るわけで、地味なアドバンテージ効率は高いといえば高い。でもなぁ、何かスペル使った上で5マナ捻出するのはしんどそうだなぁ。「迷いし者の祭壇」あたりを活用出来れば、あるいは。
 
 
Markov Blademaster マルコフの刃の達人 (1)(R)(R) R
クリーチャー・吸血鬼
1/1 二段攻撃
〜がいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、〜の上に+1/+1カウンターを1つ置く。
 
 ゲーム序盤でブロックされたくない吸血鬼能力は、先制攻撃との相性がいい。「血に狂った新生子」に「尖った三つ叉」を握らせただけで割と簡単にゲームに勝ててしまうくらいだ。それなら、更に強い二段攻撃ならどうなんだろう、という試作品がこちら。なるほど、確かに一気に2回殴れるので倍々ゲームで打点が上がっていくし、一度でも止められなかった場合の危険度はかなり高い。レアになるのも致し方なかろう。でもさ、やっぱりこのスペックだと3マナになっちゃうんだよね。流石に3マナで設置した1/1クリーチャーなら、相手にも対策手段やブロッククリーチャーは用意しやすいだろう。結局「最初のワンパンチ決めれば何とかなる」という吸血鬼本来の問題点は一切変わらず、このクリーチャーがこれまでの戦略に風穴を開けることはないのである。一応、装備品やオーラとの相性は良いので、「噛み傷への興奮」でもつけてフィーバータイムを満喫してみるのはアリかもしれない。
 
 
Markov Warlord マルコフの大将軍 (5)(R) U
クリーチャー・吸血鬼、戦士
4/4 速攻
〜が戦場に出たとき、対象の、最大2体までのクリーチャーはこのターンブロックできない。
 
 大将軍という割にはアンコモンだったりするので、マルコフ家において「大将軍」は結構いっぱいいるものだと思われる。まぁ、かつて登場した「大将軍」たちもアンコモンがほとんどだったけどさ。で、そんな大将軍の能力はというと、なかなか充実した戦巧者っぷりが現れている。187で「夜鳥の手中」を打ち込みつつ、自身も4/4速攻というナイス不意打ちで相手を圧倒する。6マナは当然軽いコストではないが、序盤から攻め立てることに成功していれば、これがとどめを刺すシチュエーションも少なくないだろう。あとは軽さが信条の吸血鬼デッキに、6マナの親分が必要なのかどうかという、根本的な問題のすり合わせさえ片付ければOKだ。うん、なんとか片付けろ。
 
 
Mondronen Shaman モンドロネンのシャーマン (3)(R) R
クリーチャー・人間、狼男、シャーマン
3/2 変身条件・<狼男>
 

Tovolar’s Magehunter トヴォラーの魔道士狩り
5/5 変身条件・<狼男>
いずれかの対戦相手が呪文を1つ唱えるたび、〜はそのプレイヤーに2点のダメージを与える。
 
 もんどろねん! 何か知らんが口に出して読みたいフレーズ。桃鉄の貧乏神っぽく読むと味わい深い。「モンドロねん!」 さておき、怪しげな名前の巨乳な人狼おねーさん。表の状態だと単なるバニラなのでさっさと変身させたいが、変身すると巨乳だった面影が無くなってしまうのが悩みどころ。このままでも3/2という人間とは思えない腕力があるのだし、いっそこのままでも……と思いきや、変身したときの理不尽さは過去最大級。相手がスペル使うと2点。なにそれ。この人を何とか人間に戻そうと思って呪文を連打すると最低4点だ。こいつぁひどい。やりよる、もんどろねん。

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「四畳半神話大系」 5→6

 視聴後の感想が、「面白い!」とか「凄い!」じゃなくて「なるほど!」というものだった。こうして最終回まで見終わった段階で「満足する」じゃなくて「腑に落ちる」作品というのもなかなか珍しいかもしれない。

 正直なところ、中盤の展開はかなりダレていて、あまり真面目に見る気も起こらなくなった時期があった。個々のエピソードにギミックはあるものの、結局それは繰り返し繰り返しの天丼構造を垂れ流しているようにしか見えず、悪評ばかりが集まった「エンドレスエイト」と本質的にどこが違うのかと、訝しんだこともあった。どれだけ画面に変化を加えたとして、この作品の中心に居座っているのは浅沼晋太郎による「私」の語り。その本質が替わらない限りは、この作品の「繰り返し」に意味はないのではないかと。

 しかし、6話からの3択問題のあたりから、ようやくこの世界の意味が分かり、それによって「この作品の見方」も分かった。なるほどという「納得」は、この作品が「繰り返し」などではなく、あくまで「積み重ね」であることが分かったことに対する反応だった。

 「繰り返すだけでなく、積み重ねている」。このシンプルな作品構造は、言葉にすれば簡単であるが、実際のシナリオと画面の構成に落とし込むのは非常に難しい。単に「昔出てきた要素をサブイベントとして臭わせる」程度では、それは要素として散り散りになってしまい、「1本の世界」としての収束をみない。この作品の前半は、そうした「収束」のための準備段階として蒔かれた種であった。

 城ヶ崎や羽貫といったキャラクターが地固めを始め、「私」の様々な経験が四畳半を取り囲み、10話でついに「砦」として完成するに至って、この作品は真の姿を現す。夢うつつの中で過ぎ去った数多のifは全て現実であり、そのすべてが並行した四畳半世界に存在している。そして、それを10話の「私」が断片から回収をしていく。次第に「語り」も視聴者目線にシンクロし始め、最終的に、「私」の目線は視聴者に重なる。モザイクのようにちりばめられた概念の断片は、この「私が作品世界から逸脱し、視聴者に並び立つためのツール」であり、後から「振り返る」のを容易にするための、圧縮ツールの役割を果たしている。最初は「結局『あること』をそのまま描写しただけの画面ではないか」と思っていた個々の演出が、全て結晶として四畳半の各部屋に沈殿していたその様子は、メタフィクションの中の結末としても実に新鮮で、わずか2話の中に10話分以上の中身が詰まっているという事実は素直に心躍るものであった。最終回の小津との関係性、10話以上もただぶら下がり続けた白のモチグマンなど、物語の風呂敷をたたむためのツールも機能的に配置されており、「改めて1話から見直してみたいな」と思わせるだけの説得力を有していた。これは確かに、凄い。

 「語りによる世界構築」という部分は、最初の感想でも書いた通りに、新房シャフトの演出と被る部分がある。その印象は別に間違っていないし、今でも替わらない。ただ、一つ見込み違いだったのは、西尾維新作品は「語りの負荷を増やすことで構築される要素を前面に押し出した」作品構成であり、この「四畳半」は、「語りが全てを負担しないことには成立しない物語」だったということだ。「この構成でなければ出来ないこと」をやったという意味では、むしろ全く別なジャンルのパイオニアであると捉えてしまってもいいのかもしれない。そして、そうしたチャレンジをするに際して、湯浅政明という才能は実に見事にフィットしていた。観念レベルの昇華という難題を、いきなり1話から「湯浅テイスト」で固めることで自然に解決し、自分の演出技法の1つの結果として飲み込んでしまった豪腕は、特筆すべきものである。

 そして当然、この作品を作ったもう1人の男は、浅沼晋太郎である。「私」の世界である四畳半を視聴者と同じ目線で見るということは、「作品世界に埋没する」ことを良しとする声優の仕事の中でも異色のミッションであったろうし、純粋に体力的、技術的に高いハードルであったことは間違いない。今後しばらくは、この作品が彼の代表作である。他にも小津役の吉野弘行、明石さん役の坂本真綾など、癖の強いキャラクター達をコミカルに演じてくれたキャストの皆さんにお疲れ様を。

 全部が全部これじゃパンクしてしまうが、1クールに1本くらい、こういう「挑戦」があるのはいいことだ。それにしても、最終回のオープニングエンディング入れ替え演出は笑わせて貰った。「これから本編が始まるからね! 終わりじゃないからね! 見てね!」って、そんなに不安ならやるなよ。素晴らしい馬鹿の結晶でした。

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 ○「セキレイ pure engagement」 5

 2年もの時を経ての2期目。一応2期目が出来たってことは、1期目もそれなりの反応があったってことなんだろうか。1期目の最終評価を確認したら、可もなく不可も無しの5点だった。当時の指針としては、草川啓造+セブンアークスは基本的に信用することにしていて、1期もアクションシーンにそれなりの力が入っていた部分を評価していたと思う。ただ、その後の展開では「アスラクライン」シリーズがいまいち盛り上がりを見せずにフェードアウトしていったために、ここのところ苦しい戦いを続けているというイメージ。まぁ、劇場版「なのは」で汚名は返上したと思いたいけどねぇ。

 そんな微妙な心境で見守る、久し振りの鶺鴒計画。1話はキャラクターの説明もそこそこに、2年前のラストからの繋ぎをそつなく見せる程度に留まっている。売りであるアクションはいきなり戦闘ヘリや戦車をぶっ壊すという派手なものだったのでそれなりに見応えがあったし、「おっぱいバトルもの」としては期待してもいいんじゃないでしょうか。他にも草野の植物を使った触手プレイに、結のあっけらかんとした入浴シーン、敵方討伐部隊の阿漕なシャワーシーンなど、この作品に求められている要素は無難にクリアしている。

 個人的にはやはり皆人を囲む面々のドタバタしたギャグテイストが好きで、この数年で一気に存在感を増した花澤香菜演じる草野の「ムーッ!」な感じが素敵。基本的に全員エロOKのあけすけな性格なのでキャラが被ってしまいかねないのだが、あれだけ巨乳キャラが一箇所に集まって、きちんと役割分担しながら賑やかにまとまっているのは今後が楽しみな部分だ。まぁ、ちょっとハードな展開になりそうだからギャグ成分は薄くなりそうだけど……

 個人的にお気に入りなのは、結でも月海でもなくて、おっぱいエロ眼鏡の松さん。中の人が遠藤綾で、綾さんはなかなかこういう声音の役ってやってくれないから聞いてて楽しいんだよね。他のキャスト陣も実に贅沢な使い方で、メインを早見沙織、花澤香菜といった若手で取りそろえながら、ゆかな、大原、生天目、伊藤静に甲斐田ゆきなど、一時代を作った「萌えキャスト」の取りそろえ方がたまらない。まぁ、一番萌えるのは広人役の関俊彦ですけどね! 関さんは変態役やらせても格好いい!

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  「終わっちまったよ……」と思わず呟いちゃった最終話。最後の最後まで、「さらい屋」は「さらい屋」であり続けました。この胸の中の気持ち、どこにどうしていいものやら。

 感情的になって酒を浴びていた弥一に、ついに八木が接触した。薄々感づきながらもはっきりとは問いたださない八木の口から、「誠之進」について語られ、自らの「家」が既に無いことを確認してしまう弥一。今更あの家がどうなっていようが、弥一の今の感情はどうしようもない。「もうふらふらですよ」というサブタイトルは、やけ気味になった現在の弥一の心境はもちろんのこと、憎き「弥一」を探し求めて途方に暮れてしまった彼の人生そのものが悲鳴を上げた台詞でもあるのかもしれない。

 そして、「ふらふら」の弥一に再び接触したのが、彼の人生を大きく曲げてしまった男、仁である。「くたばる前に」と言い置いて、仁は「弥一」の真実を語る。誠之進を拐かした計略に、「弥一」は一切絡んでなどいない。下郎に身を落とし、復讐に身を焼きながら生きてきた弥一の人生は、たった1つの嘘から生まれ、たった1つの告白でどうしようもなく壊れてしまう、脆いものであった。

 あまりの事実を突きつけられて自制を失った弥一は、そのまま仁を川に沈め、自らは「弥一」の墓に赴いて嗚咽するだけ。白いものが空を覆い始め、このままではただ、雪の中に泣き続けることしかできない状態。そんな誰がみてもやるせない状況ですら、「空気を読まずに」介入してくるのが、政之助という男なのだ。恥も外聞もなく彼にもたれかかる弥一。一夜の悲劇は、雪が止むのと同時に、空に上がっていったかのように溶けて消えた。

 いつも通り、梅の店に集まる五葉の面々。弥一がどうなったかはみんな気が気でない状態だったが、そこにメッセンジャーとして松吉が現れる。「五葉は、まだ終わらない」。矢も楯もたまらずに弥一に会いに行く政之助。彼が力なく転がる弥一に差し出したのは、初めておごられる側から差し出す側に替わった、たった1串の団子。政之助が差し出したものを初めて弥一が受け入れた。

 

 うーむ。終わっちまったよ……多分視聴後にほとんどの人間が思うが、「仁の始末は?」というのが最大の心残り。いや、弥一とマサが安定を取り戻せるならばお話としては構わないが、どれだけ酷いトラウマを植え付けられたとしても、衝動的に人を1人始末してしまったことに対する埋め合わせは出来ていない。「義賊」としてなりたつ五葉は人殺しなんて容認できるはずもないし、仁がメッセージを届けるだけ届けて退場したことは、流石にこんな短い時間で消化しきれるものではなかった。

 あとはまぁ、マサ×弥一っていう組み合わせが鉄板っぽく扱われていることに対する感情かな。マサの気遣いは良いのだが、今回のエピソードだけでは弥一があの絶望的な状況から立ち直る理由が見あたらないのだよね。確かに政之助があのシーンで弥一の墓にやって来る理由はなく、あそこで巡り会えたことに運命的なまでの「マサの気遣い」を感じることは出来るが、流石にそれで過去の一番辛い出来事が流されるかというと……うーむ。弥一の心のゴールがいまいち見えませんでした。

 ただまぁ、そうしたブラックボックスを描くための構成としては、今回も徹底的な「静けさ」を維持していたのは1クール見てきたファンにはたまらないもの。白刃きらめく刃傷シーンでも具体的な動きを見せないのはこれまで通りだが、最終回と言うことで、飛び散った血潮が画面上にへばりつくというキツめの演出によって、今回の「事件」が作中でも特別なものであったことを示唆している。そして、執拗な「静けさ」は最後の最後にまで影響を及ぼし、政之助が差し出した団子をほおばった弥一は、特に何かを言うわけでもない。ただ少しだけ相好を崩し、団子を受け入れただけだ。これまでの積み重ねがあればこそ、あのシーンは「エピローグ」たり得るのである。そう考えると、この作品のエンディングはやっぱりアレで良かったのかも。

 最後の最後まで、信じ抜く道を貫いてくれた本作。ずぶずぶと沈み込んでいくような視聴感は癖になりました。本当に、そんなものをわざわざ言葉を割いてまとめていくなど、野暮でござった。

拍手

 今期2つ目の劇場作品は、あの舛成孝二が監督を務める期待の作品、「宇宙ショーへようこそ」! 正直、かなり前から楽しみにしていました。

 まず、率直な感想からいえば、大変面白かったです。劇場でアニメを見てると魂の奥の方を「ガッ」と掴まれて思わず目が潤むことがあるんですが、この作品は何度となくその「ガッ」が発生しました。うむ、非常に伝わりにくい表現になってしまっているけど……泣きそうだったってことだよ。言わせんな恥ずかしい。別に「泣かせる」演出の作品というわけではないのだが、キャラクターの心根が良かったり、物語としてのボルテージがあがったり、ノスタルジーを直撃されたりすると、思わず泣きそうになるんですよね。ちなみに過去に見た劇場作品は、ほとんどうるうるしながら見てます。

 (以下、どう考えてもネタバレが発生するので、未視聴の方は注意)

 さて、まず持ち上げるところから始めたわけだが、序盤は、正直言うとちょっとダレる部分もあった。個人的には最も重要なファクターである「キャストの演技」が耳ざわりなのがどうしても気になってしまい、最初のうちはなかなか物語に入っていけなかった。突如現れた藤原啓治声の宇宙人(宇宙犬?)はおっさん臭くて愛嬌もないし、「ろくにキャラクターの名前も知らない段階で、いきなり修学旅行で月って言われてもなぁ」くらいの印象。劇場作品らしく画面はとてつもなく豪華でつけいる隙もないのだが、正直言って「劇場ならそれくらいは当然よね」とか思っていた。

 流れが変わってきたのは、中盤に実際に「宇宙旅行」を堪能しているあたりから。最初のうちは子供だまし、こけおどしだと思っていた子供じみた宇宙の描写が、だんだん狂気を孕んでいるように見えてくる。確かに宇宙人1体1体のフォルムは陳腐なものも多いし、どれもこれも子供の落書きみたいなデザインなのだが、そんなふざけたデザインが、全て個々に画面上を動き回っていることに気付いた時に、ちょっとゾクッとした。この作品は、「とある1つの種類の宇宙人との交流」ではなく、「宇宙との交流」をテーマにしており、そこに集う宇宙人たちは正に千差万別。どんな細かなシーンでも、どんな動き回るダイナミックなシーンでも、そこに現れる宇宙人や奇妙な建物1つ1つが、全て「個々に」生きている。その作り込みの入念さが、この作品の表現したい全てだ。

 「夏のある日のノスタルジー」という大きなくくりでまとめると、見始めた段階では、同じく劇場で見てきた「サマーウォーズ」とイメージが被った。あちらもバーチャル空間の描き込みが偏執的なまでに徹底しており、本作の宇宙人の扱いと被る部分がある。しかし、「サマーウォーズ」はあくまでバーチャル世界を異質なものとして扱っており、それはCGによるサンプリングと、全てを統一的に処理する理知的な配置に現れていた。しかし、この作品は違う。全ての宇宙人は、単に好き勝手にそこにいるだけ。夏紀たち主人公グループの経験している「旅行」と、何ら変わりない重要性で、そこを歩いている。これを全て丁寧に書き込むことで、「宇宙である」という特別さがなくなり、あくまで「普通の作品で描かれる日常風景」の延長が、月や他の星系にも拡大された世界が構築されていく。

 非常に乱暴なまとめをするとしたら、「サマーウォーズ」は手近なバーチャル空間を利用し、そこで未曾有の大事件を巻き起こすことで「日常に非日常をもたらす」作品。対して、この作品は宇宙というとんでもない舞台をエピソードにしながらも、そこに見た目以上の特別さを設けず、「非日常の極みを日常的に描く作品」と言えないだろうか。いくつか例をあげると、端的なのは月に行って一番最初に食べたファーストフード。「コーラはどこも同じなんだね」って、んなわけないのに、それが妙に「近さ」を感じさせる。おっかないルックスのウェイトレスに持ってこられた奇妙なポテトも不気味なハンバーガーも、あくまで「ちょっと見た目の変わった日常の延長」である。また、銀河超特急で移動中に、イスの形をいかにも電車風にしてみせたのも象徴的。「やっぱり修学旅行はこうでなくちゃ」と言っていたが、あそこまで非日常的な世界を満喫しながら、子供達にとっては、あくまで「旅行」の一環なのだ。また、ポチの実家に帰ったシーンなども印象深くて、全然違う星での生活で、家のサイズや様式も全然違うにも関わらず、そこには家庭的な温かさがそのまま表れているし、スケールや文化の違いが、目に見えているのに意識されないレベルにまで内在化している。この「コズミックな日常」というモチーフは、実に鮮烈であった。

 そうした「非日常の中の日常」を存分に堪能し、もういっそそれだけで終わってしまっても構わないなぁと思っていると、ようやく事件が起こる。周の誘拐事件に端を発する、いかにも「映画的な」奪還劇。筋立てはシンプルで特に目新しい部分もないのだが、それまでの旅行パートまででジワジワと組み上げてきた物語の伏線をまとめて放出し、一気にたたみかける構成は流石の一言。旅の途中で出会ってきた仲間達との協力や、夏紀と周の喧嘩を通じて得られた本当の友情、愛情。そうした要素が過不足なく集結して、夏紀のいう「ヒーロー」像が完成する。事前にポチの家で「周の夏紀に対する気持ち」は語られていたが、クライマックスではそれまで溜まっていた夏紀の周に対する気持ちが爆発し、そのパワーが巨悪を打ち砕く。どの子供達にも等しく活躍の場が与えられているし、やや説明不足ながらも無茶なことをやっていることが嫌でも伝わってくる敵側の悪辣さや小憎らしさも引き立つ。冷静に見ると「単に力比べで勝ってぶん投げただけ」というお粗末な決着なはずなのだが、全ての台詞と、回収しきった伏線の重みのおかげで、これが説得力のあるカタルシスを構成する。本当に、見ていて気持ちが良い。

 繰り返しになるが、この作品の持ち味は「日常」と「非日常」のバランスの取り方、見せ方。自分でもよく分からない感情だったのだが、地球に帰ってきた面々がそれぞれの親の車で帰路につくシーンでは、そのあまりの「平凡さ」に感極まってしまった。それまではずっと「銀河を超速で走る列車」だとか「クラゲのような外見でめちゃくちゃブースト出来る飛行機械」とかに乗って冒険を楽しんでいた子供達が、ひとたび地球に降り立てば、普通のワゴンやセダンでおうちへ帰るのだ。そして、こうした「普通の車」と、「特別な宇宙船」が等しく、入念に描かれているからこそ、この対比が映える。同じシーンで「なんだ、ただの宇宙船じゃない」という奇妙な台詞が出てくるが、子供達の心情を考えると、こんなにどんぴしゃりの台詞もないだろう。

 こうした日常と非日常の融和が「容易く」行われるための画面作りは、並大抵の苦労ではなかったはずだ。この見事な画作り、脚本作りを成し遂げたスタッフには素直な賛辞を送りたい。

 まぁ、あとは細かいところですかね。超特急乗車中あたりだったと思うが、何故か画面が突然妙な空気に変わる部分がある。言い方は悪いが、「作画が崩れる」シーンだ。「まるでりょーちも画だなっ」とか思ってたら、マジでスタッフにりょーちもが居て吹いた。絶対あのカットを担当しているのは間違いない。地上波作品で個性大爆発させるのは構わないけど、劇場版であそこまで個性を出してくるのもどうかねぇ。面白いからいいけどさ。あと、個人的に好きだったギミックは、インクが操るでっかい手の動きとか、ネッポの不定形なのに何故か芯の通ったアクションなんかかな。インク可愛い。

 そして当然、キャストに触れるのも忘れちゃいけない。まぁ、メイン5人がほとんど素人なので、そのあたりはあまり触れるべきではないのだろうが、覚悟していた「子役だらけの学芸会」よりは幾分マシ。特に夏紀役の子はなかなか頑張っていて、挫折から立ち直った夜の誓いのシーンや、クライマックスの一番大切な台詞あたりの熱演は好感が持てた。どこの誰かは知らないが、今後も頑張って欲しいものである。あとは、倫子役が松元環季ちゃんでした。わーい。やっぱり彼女1人だけちょっとステージが違う感があるね。あ、でもインク役の子も好き。誰だろうと思って調べたら「夢パティ」でキャラメル役をやってる子だ。なるほどなるほど。

 そして、残るは貫禄充分のベテラン声優達。そんな中でもやはり無視できないのは、ポチ役の藤原啓治と、ネッポ役の中尾隆聖だろう。特に中尾隆聖は私が「一番好きな男性声優」と言って憚らない憧れの人で、こういう人外かつ狡猾かつ憎めない役をやらせると右に出るものはいない。痺れましたわぁ。1人だけで空気を作れる役者というのは、本当に素晴らしい。

 他にも銀河万丈は普段とはちょっと違うコミカルなキャラクターで魅せてくれたし、「なのは」でもラスボスを演じてくれた五十嵐麗、素敵なお母さん伊藤美紀など、メインが辛いだけに「いつものあの声」が聞こえてきた時の安心感はかけがえのないものでした。唯一の心残りは、作中で千和の存在に気づけなかったこと。舛成作品なんだからいるに決まってんだよな。

 長くなったが、最後のまとめを一言。この作品は、はっきり言って詰め込みすぎだ。大画面の細部にいたるまで、世界を構築するために必要なファクターを、限界を超えて押し込んである。シナリオに関わる重要な要素ですら、明示的に説明されずに流されたものも少なくないのだ。それ故に、この作品は何度も見るべきものになっているのかもしれない。特に、本当に楽しんで欲しいのは「まっとうな」対象である子供たちだろう。「あの画面に映っていた妙な宇宙人は、どういう生態系なんだろう」とか、「あそこで出てきた食べ物は元々どういう材料で出来ているんだろう」とか、答えがないが、無限に想像出来る楽しみがこの作品には詰まっている。小さい頃に絵本を読んでもらって、どんな小さな絵でも穴が空く程眺めていたような、そんな楽しみ方が出来る作品である。是非、そうした「無駄な贅沢」を大人目線でも楽しんでもらいたい。

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○「殿といっしょ」 ?

 知らんがな。杉田楽しそうだよ。

 

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○「ぬらりひょんの孫」 4

 気付けば割と可哀想な時間帯に流されてしまった、深夜枠では久し振りな気がするジャンプ原作漫画。正確なデータがたどれないが、ひょっとして深夜にジャンプアニメって「To LOVEる」以来か。だとしたら2年ぶりくらいってことになるなぁ。

 作品自体はシンプルな「ジャンプのバトルもの」なので、アニメになった形態を評するのは結構難しい。おそらくだいたい原作通りのお話だったと思うが(1話目の話なのかどうか定かじゃないけど)、原作ファンの目にはどのように映るのだろうか。元々そこまで激しいアクションを求めるような作品でもないので動きが緩慢なのは別に構わないと思うのだが、おそらく魅力の1つであろうと思われる墨絵を意識したようなタッチは、当然アニメになるときに捨象されている。そのあたりのデザインの違いで印象も変わるし、ひょっとしたら毛嫌いする原作ファンもいるのではないか。

 個人的にはそこまで原作に思い入れもないので、別に多少デザインが犠牲になっても構わないと思うが、その分、取り立てて誘致要因を見いだせないのも事実。冒頭の牛鬼との対話シーンで一応は見得を切っているが、今回のクライマックスでもリクオの変身は見られなかったし、お目見えの1話なのに見どころが意識できない。他の妖怪たちとの絡みも大して描かれないので、初見の視聴者にはあまり親切に見えない導入である。また、脚本の詰め方がぬるいのか、ところどころにもっさりした間が空いてしまう部分があって、どうしても気になってしまった。高橋ナツコ原作だとこういう意識に上る「間」が出来ている気がするのだが、脚本の演出方針がそういう風になっているのだろうか? それとも単に穿った見方をしているのでそう感じるだけか。

 評価出来るポイントとしては、様々な造形の妖怪たちの姿が、アニメだと個々に引き立つので見ていて面白いという点があげられる。たとえば首無などは、「胴体と首が別にある」ことは漫画原作でも分かるわけだが、アニメではその「違和感」が前面に押し出されて、何とも珍妙な絵面になる。「デュラララ」のセルティも面白かったが、首無の場合は本当に「首がないだけ」なので、アニメでお約束の全身を描く動画のパターンが当てはまらず、どこかちぐはぐな動きに見えるのが興味深い。他にも牛鬼やぬらりひょん、そして雪女などの妖怪がカラーで、愛嬌を振りまきながら動いてくれているのは、妖怪好きにはちょっと嬉しいシチュエーション。次回予告で出てきた朧車とか、「鬼太郎」で感じたあのゾワッとする雰囲気が出てくれば面白いかもしれない。

 あとはまぁ、キャストの話? ぬらりひょんに周夫さん、牛鬼には譲治さんあたりは鉄板。確かこの作品はドラマCDキャストがそのまま持ち上がりなので、このあたりの布陣はありがたい部分。あとは雪女ですかね。今週のジャンプでやたら可愛かったので、ちょっと雪女を応援したくなっております。エンディングで動くのちまっこいキャラも可愛らしくて好きです。

 ま、良くも悪くも少年漫画原作。とりあえず変身も含めたガチンコバトルシーンを1回観て、その後に判断しても遅くはないでしょう。

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 ○「生徒会役員共」 6

 凄い時代になったものである。もし5年前に戻って、「氏家ト全の4コマがアニメになるんだぜ」と言っても、エイプリルフールでも無視されるレベルだったろう。しかし、それが実現した。そして、割とアリな形で実現した。

 「あの」作風から想定されるアニメなどというものは基本的に存在しておらず、「いくら4コマがぼこぼこアニメ化されているとはいえ、流石にこれは……」と思っていたのだが、1話をみる限りでは、むしろ割と普通のアニメに見える。もちろん、最大の持ち味である下ネタの容赦のなさは健在なのだが、あの「毎週どころか毎話だいたい同じ絵で同じ内容をコピペしたみたいなヤな安定感」は、アニメだとあまり感じられない。きちんと流れがあり、タカトシを中心とした「学園生活」を臭わせつつ、その中できちんと下ネタをオチとして持ってきているのだ。まさかあの漫画にストーリー性を感じることになろうとは。

 そして、そんなシナリオ構成は、素直にうまい。1話ではテンプレート通りながら主要キャラの自己紹介を済ませ、それでも義務的になることなく、冒頭から尻まで徹底してテイストを維持しているし、印鑑によるアイキャッチでネタとネタの間をブツ切りにしてしまっているのに、前後で流れが断たれた感じにならずに、あくまで「1日の学園生活」の繋ぎの中で1ネタ1ネタを展開させている。こういう構成ならば、「同じ流れのコピペのような作品」であっても、それはあくまで「同じ部屋で同じキャラがしゃべっているから同じ流れになるだけなんですよ」という説明が付けられてしまう。目先が変わらないことが、至極当然のものとして理解出来る。いや、根本的な解決になってない気もするのだが、テンポと流れを両立させているのだから現時点では文句も無い。「想像以上に想像と違った」ことを評して、点数は少し高めにさせてもらった。

 まぁ、どこまで行ってもマンネリズムの勝負になる作品なのは間違いないだろうから、2話目以降ですぐに飽きが来る危険性は存分にあるんだけどね。逆にこれが定番として落ち着けば,毎回ダラダラ楽しめることにもなるだろう。うん、ぶっちゃけ「B型H系」と同じくらいの感想になってますよね。エロ4コマって意味では同じだし。ただ、コッチの方が「ループの周期」が短いおかげで構成の難度は高いと思われる。

 で、「B型H系」の名前が出たついでにキャストの話に入ってしまおう。「B型」では田村ゆかりの痴態を見て笑い、「うひゃひゃ、これって根っからのファンはどんな気持ちで見てるのかねぇ!」などと対岸の火事を決め込みながら楽しんでおり、まさか自分の入れ込んでいる役者がすぐにこんな作品でメインを張るとは思わずにいました。ブーメランがものすごい速さで帰ってきた気分。エロネタ全開の台詞を実に微笑ましい声音で読む面々……

 OK。これはこれで。ぴかしゃは既に「クェイサー」でやってるから何の問題もなし。そしてこの手の作品は初登場のしゅが美……もう、ぴかしゃと一緒にしゃべってるだけで楽しそうに聞こえるのは、私の耳がおかしくなったせいでしょうか。もう、このカップリングだけで3クールくらいは聞けそうですわ。いけるぞしゅが美! それにしても、かたや巨乳のおねーさん系キャラを2つ続けて担当し(迷い猫の乙女)、かたやエロで弾けて完全無欠のネタキャラを2つ続けて受け持つことになった(クェイサーの華)。けいおん声優の進路をここまで分けた要因は何だったんだろう。やっぱりぴかしゃの芸人気質か……まぁ、後々まで食いつなぎやすいのは芸人さんな気もするけど。

 なんか2人の話ばっかり長くなったが、もちろん矢作紗友里の持ち味が存分に活かされているのもうれしい限り。やっぱりおはぎはロリっ子狂言回しが一番ですよね。

 あと、意外に重要なのは突っ込み役に回された浅沼晋太郎。「四畳半」でも抜群の安定感を誇る浅沼君だが、この作品でも、あの独特の諦観を含んだ突っ込み台詞が実にきれいに出ている。あのテンションのおかげでどれだけ賑やかにネタ回しをやっても最終的に「氏家テイスト」になってくれるわけだ。最終的に、彼で作品がなりたっているとすら言えますよ。頑張ってんなー。

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 なんで俺はこんなタイトルでエントリーを立てたんだろう……まぁいいや。なんだかそんな噂が飛び込んできたので。

 結局、イカ娘役は金元寿子に決定したらしい。まぁ、冷静に考えれば、別にそれでいいよね。何で世間的に「井口で決まり」っぽい流れがあったのか、今考えると不思議な気がする。水島監督とも特にゆかりはないしなぁ(金元もないけど)。いぐデックスさんのキャラにしちゃぁ、イカ娘はおとなしいからな。あのウザ可愛さを発揮できるキャラじゃないと、きっと満足できないに違いない。井口は国の宝なので、大切に扱っていきましょう。ニコ動見られる人はこの動画で耐性を付けるといいかもしれない。

 ちなみに他のキャストに田中理恵や藤村歩の名前も確認出来た。回りをしっかりした人たちで固めてもらえれば、若手のヒロインも安心だ。めでたしめでたし。まぁ、別に「イカ娘。」をそこまで応援する義理もないんだけどさ。

 

 

 

 でも何故だろう。これでもし花澤香菜とかに決まってたら怒っていた気もする。

 

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