忍者ブログ
最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
[1269] [1270] [1271] [1272] [1273] [1274] [1275] [1276] [1277] [1278] [1279]

「戦場のヴァルキュリア」 4→4

 時間帯の関係で何となくだらだら見ていたら何となくだらだら見られたアニメ。「化物語」→「ザムド」と真剣に見なきゃいけないアニメが続くと集中力が切れてしまうので、どうしても深夜遅くのこの作品はあまり注意を向けることが出来なかった。

 でもまぁ、集中する気にならなかったのはそれなりのクオリティだから、と言ってしまえばおしまいだろうか。ストーリーがどうしてもゲーム原作の匂いを消しきれずにいたおかげで、どうしても流れ作業で話が進んでいる感が強い。もちろん終盤のアリシアとセルベリアの覚醒には「アホか」とは思ったが、それだって2期のオープニングでほとんどネタバレしてしまっていたしなぁ。もう少し隠しておけば馬鹿っぽさが助長されて面白さも増したかもしれないのにね。

 この作品の難点は、多分、物語の密度と必要性に比してキャラクターが多すぎた部分だと思う。ゲームにするときにはそれなりのユニット数が必要だろうが、アニメでアリシアとウェルキンの恋愛模様を描くだけなら、第7小隊はもう少し人数を減らすべきだったのではなかろうか。おかげで最後まで誰が誰やら分からない連中が多かったし、敵キャラのキャラ立ちの方がよほど印象的だった。

 また、文化背景的な世界観全体がうまく伝わってこなかったのもマイナス要因。序盤に義勇軍が成立するまでの過程では小さな村なんかが主な舞台だったのでそうした「中世的な」文化背景も少しは興味を引いたものだが、いざ軍が始動し始めると、あとはメインストーリーを追うので手一杯で、必要充分な背景サポートが得られていたとは思えない。一番顕著なのは物語の鍵ともなるダルクス人の存在で、序盤からイサラのおかげで「忌み嫌われている」感は伝わってくるのだが、「何故そこまで忌避されるか」が理屈以上の説明として肉薄せず、さらに致命的なのは、我々は外見からガリアとダルクスの違いがはっきり分からないのだ。一応髪の色や民族工芸のようなショールで特徴付けてはいるが、そんなものだけで1つの民族があそこまで敬遠される理由が分からない。最後に姫様がヅラを外して「私もダルクス人です」って告白して、それでマクシミリアンがショックを受けていたのだが、やっぱり髪の色だけで伝わるものということなのだろうか。よく分からない。

 そんなこんなで残念ながらそこまで求心力のある作品には仕上がらなかったわけだが、私的には、非常に重要な見るべき点が3つあった。

 1つは、1期オープニングを歌っていたHIMEKAの存在。最初に曲を聴いた時には特に印象はなかったのだが、NHKのライブ番組で生の歌声を聞いて、「あぁ、うまい子なんだ」ということを改めて認識できた。流石にグランプリ優勝は伊達ではなかった。

 2つ目は、我らが女王、大原さやか様のヒストリーの1ページとして。セルベリアは特に意外性もない、お堅く高貴な大人の女性。まだまだ巨乳皆勤賞は続きそうだ。そして普段なら確実に下僕として従えていたはずの福山の部下に付いていたというのは新鮮。福山キャラに永遠の忠誠と愛を誓うのは一体どんな気持ちだったのだろうか。

 そして最後の3つ目は、ミス死亡フラグの名をほしいままにする、我らが負の代名詞、桑島法子様の新たな墓碑として。いやぁ、あそこまでメインで食い込んできた、本来なら非戦闘員であるはずの幼女でも死ねるとなると、もう、これはお家芸と言ってもいいかもしれない。いいんです。死んでも。その声が聞けるなら。 

拍手

PR

 関西では2話一挙放映だからまとめて感想書いちゃえばいい最終話。ただ、「どうせ同じ話の1話と2話だからまとめて感想書けるだろ」と思ったら割とはっきりエピソードが分かれてしまったので、ちょっと困ってます。まぁ、簡易レビュー程度で。

 タイトルから分かる通りに、今回の主役は羽川。これまでも幾度となく登場してさりげなく「知っていることだけ」を教えてくれていた羽川だが、4話や6話などでは家に帰らないそぶりを見せたり、どこか憂いのある様子が観察されていた。それが今回解明されたわけだ。

 エピソードとしては単純明快。物の怪は猫だし、その性質もいわゆる少年漫画で表れる「怪異」の代表のようなもの。そういや、思い返してみると猿、蛇あたりもおよそ力業の怪異だったな。とにかく怪異を巡る事件はさほど目新しい部分は無い。忍野のところの子供(忍?)がなにやらすごいらしいのだが、そんなこと言われたってアニメ専門の視聴者は知らんことだしね。

 メインとなるのが回想ってこともあって、リアルタイムの話は羽川との雑談がほとんど。そして、どっちかっていうと撫子との無駄話の方が面白かったりするのが問題点。いやぁ、リトルスターウォーズはいいですよね。天才ヘルメットって考えてみたらすごいネーミングだ。

 基本的にこの「其ノ壹」については特に書きたい感想も無く。画的には前回までのシャフトのダメージが回復したとはあまり思えないのだが、会話中心の構成のおかげであまり気にならなかったのは良いのか悪いのか。

 どうしても堀江由衣に興味が示せないのが最大の問題だとは思うのだが、せっかくの「にゃはは〜」みたいな猫娘台詞も、堀江由衣ではいまいち盛り上がれない。いっぱしの声優オタクを自称しているのに堀江にだけ全くセンサーが働かないのは何でなんだろうなぁ。

 

 続いて「其ノ貳」。てっきり「其ノ壹」で羽川が抱えていた問題を阿良々木が解決する話になるのかと思ったら、一切関係ないひたぎとの初デートエピソード。これで「つばさキャット」を名乗るのは詐欺なんじゃなかろうか。まぁ、個人的には羽川よりもひたぎの方が見ていたい(聴いていたい)ので無問題ですけどね。

 Aパート、弁当を食べ終わったらあとは延々車の中。これも作画枚数が非常に少なくて「紙芝居」と断じられてもいいはずの部分なのだが、何故か構成次第でそんな文句も出てこなくなる。これは「技術」なのか、それとも視聴者側の「諦観」なのか。……だって会話を聞いてるだけでも別に不満は無いんだもの。ずっと押し黙っている戦場ヶ原父については、口を開くまで「シャフト的に考えれば声は麦人さんか立木さんになるのかなー」と思ってたら案の定で笑った。

 そして、星空を見上げながらのピロートーク(?)。エンディングにうまい具合に絡めた(因果関係が逆か?)星語りや、様々な会話パターンを踏襲させたうれし恥ずかし初デートトークは聴いてるこっちがこっぱずかしくなるような内容なのだが、それでも何故か苦もなく聴けてしまう不思議。ひたぎというキャラクターがうまく立っていることの証左であるが、何よりも阿良々木が良い奴であることが確認できる。この物語が一体いつの時代なのかは定かでないが、どう考えても男子高校生が初代ビックリマンを知っているのは異常。実はものすごく博学勤勉な人間なのかもしれない。

 2話を一気に見たせいでなかなか細かい技術面まで記憶に残せなかったのだが、総じて見ると、このエピソードで物語が閉じるのはアリな展開か。ぶっちゃけ羽川のエピソードが不憫すぎる気もするのだが……だってタイトルに名前が出てきてるのに結局オープニングが付かなかったわけだしね。毎回楽しみにしていただけに、羽川版がなかったのはちょっと残念。でもまぁ、今DVDのリリース情報を見たら「つばさキャット」だけ2巻出るみたいなので、確実にそっちに付くんだね。HPでのweb配信になるのか。じゃぁ、まだ完結コメントは描かない方がいいんだろうなぁ。ほんと、つくづくシャフトは面倒なことをしてくれる。 

拍手

 ○「狼と香辛料Ⅱ」 6→7

 シリーズ1期で私のラノベ観を良い意味で裏切ってくれたこの作品。今回も、非常に安定した完成度でもって、その評価を維持してくれた。近年のアニメの流れ、ラノベ原作の流れをみるにつけ、こういう方向性での特徴付けが成功している作品というのは、非常に希有な存在である。

 実を言うと原作はまだ1巻しか読んでいないので何とも言えないのだが、この作品がうまく言っている理由の1つは、まず原作にあると思われる。ロレンスとホロの二人旅というベースを敷き、その中で商取引という「スパイス」を加えながら、恋愛、経済、文化などを描いていく。経済に関する側面については完全に素人なのでコメントは控えるが、あまりくどくなりすぎず、適度な説明を加え、それを小説的な面白さへ還元させる方向性は間違っていないと思う(これがベストなのかどうかは分からないが)。そして、そうした「商人目線」を同じ性質のままで2人(1人と1匹?)の恋愛観にスライドさせて描くのが、この作品の最大のセールスポイントだ。終始「攻防戦」の様相を持つ2人の掛け合いは、文字で読んでも台詞として聴いても充分面白いものであると思う。

 しかし、このアニメの場合、そうした原作におんぶにだっこというわけにはいかない。アニメは動かさなければ意味がないのだし、いくら会話劇として完成度が高くても、それをアニメに転換した時にいくらでもつまらなくなる可能性はある。

 この作品の打開の仕方は、非常に正々堂々としたものである。ちょうど同時期に放送されている「化物語」と対比してみると面白いが、あちらも会話劇の面白さを主眼に置いた小説原作作品であるが、あまりに会話の比重が重いために、画面作りの方はある意味「放棄」してしまっている。シャフトの新房だからこそ出来る裏技と言ってしまってもいいかもしれない。もし、この「狼と香辛料」をシャフトが作ったらどうなるかを想像してみるのも面白いだろう。

 そして、高橋丈夫監督はそんな奇策を用いずに、真っ向から物語の画作りに挑んでいる。宿屋での2人の会話は文化的背景を色濃く反映した薄暗い中のしっとりとした進行だし、馬車の上での無駄話も延々揺れる馬車を描くことでその全てを表す。ちょっとでも油断すれば、それはただのラジオドラマに堕してしまう危険性をはらんだ無謀な挑戦である。まっとうなだけに、逃げ道は用意されていないのだ。

 しかし、これが成立しているのだ。薄暗い宿も、のどかな田園の一本道も、賑やかな祭りの広場も、そこにあるべきものが明確に描かれ、そこであるべき会話を描くことが、この「狼と香辛料」の世界を描く最大の武器であった。もちろん、その世界の限りない「小ささ」を意識したコンテ演出は見事なもので、会話の緩急、感情の機微、関係性の調整などなど、内面的な要素をあくまで外面的な「日常」に切り出していく。この方向性で一本の作品として成立するためには、骨子のある原作と、それを十全に理解した演出家が必須である。この作品は、全てのスタッフに恵まれていた。

 最後はもちろんキャストの話。上述のような構成のおかげで、この作品は小清水亜美、福山潤コンビを褒める以外にはないのだが、こうして長い間2人の関係を聴いていると、不思議な安心感に苦笑いするしかない。「咲」とこれが終わったら一段落かなぁ。個人的にはあけのんボイスの魔女おねーさんにもうちょっと活躍してほしかったかな。

 何はともあれ、お疲れ様でした。3期も(あるなら)楽しみにしています。

拍手

 商人が求めるべきものとは何かを問われる、原点回帰の最終話。「金だけが人生じゃない」といえば聞こえはいいが、それは金の価値を知らない人間の戯言。求め続けた先に、11人の持つ「価値観」の答えがある。

 暴動渦巻く北の町。エーブとロレンスはそれでも目の前に迫る巨万の富へと確実に歩を進める。前回までにロレンスが察知した「何か」について、ホロも当然うっすら感じ取ってはいた。しかし、それを隠すことにしていたロレンスの本音は、ホロの想像する以上にセンチメンタルなものであった。この商売は、成功しても別れ、失敗しても別れ。それならば、いっそ根底からひっくり返して無かったことにしてしまえないか。連れのそんな情けない思惑に、ホロは激高する。ロレンスも、だからこそ本心を伝えたくなかった。伝えてしまったことで、最後の道も閉ざされてしまった。

 商会にホロを受け渡し、ロレンスとエーブの最終決戦が始まる。「嘘はついていないが真実は何も語っていなかった」エーブと、その思惑を悟りながら、彼女の本心を見極めたいロレンス。この作品にしては珍しく切った張ったの攻防になり、エーブはすれ違う自分の「価値観」でロレンスを組み伏す。稼いで、儲けて、その先に何があるのか。商人の道に限界は見えず、教会への復讐にもリスクはついて回る。危ない橋を渡り続けるエーブの人生を、ロレンスは見透かしながらも問いかける。

 エーブの目に映るのは、自分を不幸にした者たちと同じ、商人としての果て無き探求。ロレンスに対しても、「それを求める以外にない」と断言し、最終的には「期待している」という言葉を残して力で金をもぎ取って消えたことになる。彼女の信念に正義があるのかどうかは問題ではなく、あくまで求めること自体に彼女の未来が見える。ロレンスの口を封じず、宿の念書を置いていったところに、彼女に残された懊悩が伺える。

 結局、ロレンスはそんな彼女の姿に反発を覚えながらも、1つの真実を得ることができた。「望んでも手に入らないものがあるが、望まなければ何も手に入らない」。どれだけ危険な目に遭おうとひたすらに自分の目指すものを求め続けるエーブの姿勢を見習い、ロレンスは今できる最大限でホロを求めた。賢狼には我慢ならないその選択も、狡猾な商人の手管で先回りされてしまってはどうしようもない。大馬鹿者の行商人と、それに「惚れるのが怖い」小さな神の旅路は、再びの出発を見たのである。

 エーブという「対立図式」を持ち込むことによって、ロレンスとホロの仲を掘り下げたエピソードの幕。前回の黄鉄鉱編でも一応の答えは出していたと思うのだが、今回の取引では、ロレンスが自分の大望とホロをはかりにかけることになった。こうして書いてみると非常に俗っぽい「金か女か」の選択なのだが、そこに「金を求めることに疑問を抱きつつも、ひたすら突き進む商人」であるエーブを対比させることで、1つのラブストーリーとしての結末をすっきりと見せることに成功している。

 某孤独なグルメサラリーマンばりのアームロックを見せたロレンスの武闘派っぷりは意外だったが、やはりこの作品の場合、そうした立ち回りより、後半のホロとの対峙の方が見どころである。この手のヒロインに叩かれるヘタレ主人公というのはよくある構図だろうが、まさか一撃目が平手でなくてナックルというのはなかなか見られない光景だ。尻尾を逆立て、渾身の一撃を見舞うホロは、本当に怒っていたのだろうし、本当に悲しかったのだろう。しかし、それ以上に、ロレンスの本気に応える必要があったからこその拳だったのだ。2人の関係はもはや金がどうこうとか、旅がどうこういうレベルではなくなっており、新たな旅の中では、2度と今回のような確執は起こらないに違いない。

 ラストシーンでは教会の鐘が高らかに鳴り響く中を、2人が手を取り合いながら商会から出てくるという非常に象徴的な「門出」の演出で幕を閉じている。金色の光に包まれた巨大な船も、2人の新たな「船出」を示す非常に明確なメッセージといえるだろう。

 毎週追いかけていく中で、「どうせ2人して揉めてるけど最後にはよりを戻して旅を続けるエンドだろ」というのは分かっている。それでも、2人の微妙な関係性にやきもきさせられながら引き込まれるのは、ひとえにその描写が真摯だからだ。今回も、ロレンスはこれまでのようにヘタレた考えこそもっているものの、序盤のホロへの告白、エーブとの対峙、そして迷い無いホロ救出の算段にホロとの直接対決と、1度たりとも迷ったり、困ったりしていない。彼は彼なりの成長を経て、今の関係性を見つけ出しているのである。ホロも、そんなロレンスの変化があるからこそ、完全に上に立つことが出来ずに、あんな愛らしい姿を見せてくれるのである。

 原作エピソードは多分12期を通して4本は消化された。しかし、原作はまだまだ残っているはずだ。このままのクオリティで、さらに続きが見られることを期待したい。

拍手

○「グインサーガ」 5→4

 放送中に原作者が急逝するという不思議な縁が付いてしまった作品。未完の大長編が原作ということで完結させることが出来ないのは分かっていたのだが、そんな中での2クールにどういう結末を与えるのか、という部分が焦点となった。

 大筋を俯瞰すると、作品としてのクオリティは低くない。サテライトの製作で画面はきれいだったし、見せるべきアクションシーンや、監督自ら「最も気を遣う場面」と語ってた騎馬を含めた合戦シーンなどは、最新技術とのかみ合わせも良く、非常に手堅い印象だ。いかにもファンタジックな筋立てと、非常にリアルで生臭い印象の政戦の切り替えなども、特に違和感を感じることなく1つの筋立てとして描かれている。おそらく「原作に忠実なアニメ」として見るならば、それなりの評価を受けてしかるべきものなのではなかろうか。

 しかし、最終的に2クールという短い尺のアニメ作品である、という評価軸も忘れてはならない。最も勿体ないと思ったのは、鬼神のごとき強さを誇るグインのヒロイック・ファンタジーとしての側面が非常に薄かった部分。ノスフェラス編での大立ち回りは見応えがあったが、その後は、どちらかというと「アルドナリス・サーガ」とか「アムネリス・サーガ」というタイトルの方がふさわしいような美男美女の物語になってしまい、グイン一行の影が完全に薄れてしまった。別にどこに焦点を当てた物語でも面白ければいいのだが、作中でちょいちょいリンダとレムス、そしてイシュトバーンの近況などが挟まれるため、どうしてもグイン一行が物語の中心である、という意識が抜けなかった。悲劇のヒロインアムネリスが個人的には一番のお気に入りなのだが、彼女もグイン一行の視点から見れば完全に戦敵であり、憎むべき対象だ。戦争に正義は無いとはいうものの、出来れば肩入れする視点というものをはっきりしてもらわないことには、のめり込んで見るのも難しい。

 最終的にはレムスが王位につくところで物語は一時閉幕となる。尺の長さを考えればベストのまとめ方だとは思うのだが、パロの双子の前に立ちこめる暗雲や、イシュトヴァーンとグインの関係、そしてなんと言ってもアムネリスの女細腕奮闘記など、まだまだ気になる要素はてんこ盛り。改めて、きちんとした続きを見せて欲しいものである。

 今作は実に贅沢なキャストの使い方をしているのだが、個人的にたまらんかったのはアムネリス殿下の中の人だろうか。渡辺明乃はあまり女性らしい役をやる機会がないのだが、今回は男勝りの戦姫のポジションから、転げに転げてナリスに籠絡されるまでを描かれるので、すっかり乙女な側面ばかりが目立つようになった。なかなかレアな声が聞こえてきて面白かったです。「コードギアス」でヴィレッタを演じていた時には「扇だけはない」と断言していた明乃だが、今作のナリスはアリなのだろうか。そしてシリアスは久しぶりだと語っていた堀内賢雄。やっぱりすごい人なのは間違いない。でも、男性キャラのトップはやっぱりアストリアスだな。誰がどこから見てもヘタレの中のヘタレ。まこっつラブ。

拍手

○「Phantom Requiem for the Phantom」 6→6

 非常に親切かつ分かりやすい、真下作品とは思えないぐらい素直なシナリオのラブストーリー……だったはずなのだが……どうしたらいい? 私は何をどう判断したらいい? まさかのラスト数分。世界は思い切りぶん投げられてしまった。

 個人的には「.hack/Roots」以来となった真下作品。相変わらずの真下演出も健在だったが、今回は原作ゲームありきのシナリオを丁寧に守ってくれたためか、きちんとメリハリの付いたストーリーラインで真下さんの持ち味である余韻と音響による世界観を充分に堪能することが出来た。エレン、キャルといったヒロイン勢も魅力的だったし、何より「撃つこと」の意味がきちんと最後まで与えられ、単なる雰囲気ガンアクションに終わらないのが良かった。「NOIR」にしろ「MADRAX」にしろ、毎週確実に人が死んでいくのでちょっと気を抜くと「人が殺されること」がどんどん記号的に意味をそがれていってしまうのだが、3人の殺し屋の精神性を描いていく物語の中で、きちんと「殺すこと」「殺されること」の意味が強調され、さらに回を重ねるごとに変質していくために、捻りの少ないベタなストーリーラインでも毎週楽しむことが出来た。特にラストのサイスマスターの語りは象徴的で、同じ冷徹な「殺すこと」でも、アインの中ではきちんとその意味が変質して、自分のために人を撃つことが出来るようになったことが明確に示されている。このあたりをきちんと時間を割いて描いてくれたのはあまり真下監督っぽくはないのだが、サイスマスターの複雑怪奇な人となりを説明するのにはベターな選択だったと言えるだろう。

 この手の作品では女性キャラの存在感に押されて空気になりがちな怜二も、最後まできちんと人間として、そしてファントムとして機能することが出来たのも見るべき点。人からファントムへ、ファントムからかりそめの人へ。そして最終話では再びのファントムへ。殺すことに悩み、殺されることすら望んだ男の真心の物語も、充分説得力のあるラインに仕上がっていたのではなかろうか。このあたりの地味ながらも含蓄に富んだ画面作りは、やはり真下監督ならではといった貫禄がある。

 で、最終話だ。……どうしよう。「そうしたかった意味」は分からないではない。「ファントムであったこと」の結末として、あのエンディングを持ってきたいという制作陣の気持ちも分からないではない。エレン1人を残し、エレンにだけ「気付かせず」に終わし、その後に残された本物の「惨劇」をイメージの中だけにとどめることで、さらに悲壮さを強調するという演出意図もあるだろう。だが、やはり2クールに渡って2人の来し方を見守ってきた視聴者にとって、あのエンディングは苦しい。最後の最後で、真下耕一は視聴者にこれまで通りの「課題」を突きつけた。「あとはお前らが考えなければいけない」と。うーむ。本当にこの人の作品作りは疲れる。

 でもまぁ、それでも好きなものは好きです。次回作にも期待しています。

 最後は当然キャストの話。今作は皆勤賞の久川綾が割と早めに退場し、メインヒロインである高垣彩陽と沢城の共演が実に素晴らしい。エレンの内に秘めた難解な人間性がきちんと表示されていたのは、ミュージックレインきっての実力はである彩陽の面目躍如であるし、「この数年で何が起こってしまったんだ」でお馴染みのキャルを演じた沢城は言わずもがな。キャルを代表するツールである時計を見ると(聴くと)、どうしても「NOIR」を思い出すのは致し方ないところだ。やっぱり真下さんは音の使い方がうまいんだよな。

拍手

 全ての始まりとなった、因縁の対決が幕を開けた第11話。これが見たいがために続いてきた物語。全ての努力が、ここに結集する。

 とはいえ、序盤はまず、野球をすること自体がなかなかうまくいかない。手に血豆を作るほどに努力をしてきた小梅だったが、その隠れた努力は、今のところ親には伝わっていなかったらしい。視聴者の大半は思ったろうが、こないだの騒動(9話)のあと、親父さんの誤解は解けてなかったのかよ。高原との関係性を否定するだけじゃ親父さんは納得しない気がするんだけどなぁ。とにかく寝耳に水の親父さんは、勘当を言い渡して娘を突き放した。ただ、あの様子だとラストの球場に応援にくるフラグは立ちまくってる気がするけど。

 そして、さらに問題だったのは小笠原家。こちらは娘を軟禁状態にしてしまうという強硬手段に出たわけだが、晶子大好きな運転手松坂さんの努力のおかげで、見知らぬ民家の塀に大穴を開けつつも何とか突破。「この時代から、やっぱり持病と言えば癪なんだなぁ」とか、「柔道有段者の書生はやっぱり九州男児なんだなぁ」とか、ベタベタっぷりに苦笑いしか出てこない。ストーリーに余計な引っかかりを残す必要はないので、このあたりはシンプルイズベストですかね。シーツをつなげて窓から逃走を図るのもお約束中のお約束だなぁ。晶子の部屋は暖炉もあったので煙突ってのもありだとは思うけど。

 そしていよいよ試合が始まる。「スタミナに不安を残したエースピッチャーが試合前に肩も作らず、息を切らせて球場に駆け込んできて大丈夫なのか」とかは気になるけど(前日は夜中にタオルピッチングしてたけど)、細かい演出から、彼女たちの準備が万端であることが伺える。個人的に一番感じ入ったのは、胡蝶が試合前に風向きを確認していたカット。基本基本。さらに乃枝の入れ知恵で審判を味方に付けたり、相手がなめてかかっているところにつけいったりと、出来ることは最大限にやっている。前回試合をしたときに達成できなかった「3つ目のアウト」がとれただけでも、その成長は感じ取ることが出来るだろう。そして初回の3得点。足で稼げる胡蝶はまだしも、雪やタマまで出塁出来たのは出来すぎの感すらある。ただ、あまりにうまく行きすぎてしまったおかげで、朝香中が覚醒するのも早い。「魔球」の存在を見抜かれ、一巡回ったがために配球のパターンだって今まで通りにはいかない。強豪相手に「なめられている」ことを逆手に取ったリードの展開。「おお振り」でいうと桐青戦みたいな展開か。「おお振り」の三橋はストレートを中盤まで封印していたので戦えたが、今のところ晶子に秘策はない。手持ちをほとんど見せてしまった櫻花會には、残りの5回は苦しい展開になりそうだ。

 1つ気になるのは、結局晶子の投げている「魔球」とは何なのかという部分。朝香中のメンバーによると「手元でちょっと沈む」らしいが、モーションからしてカーブのような捻りではない気がする。変化量の少ないスライダーの亜種か、ひょっとしたらサイドスローからのシンカーか。みんなしてサード方向に引っかけてたし、案外シンカーなのかもしれない。だとしたらすげぇな。 

拍手

 「絶望」と「極限」がしのぎを削る第12話。ウーア、ファクトリーといった過去の遺物を1つずつ踏み台にし、最後にアルファルドが目指すのはやはり自分の名前を奪った者、カナン。シャムが、アルファルドが、そしてマリアが、カナンという1人の少女の内実を解体していく。

 前回までの展開で最後にどうもってくるのかと不安だったが、この作品のタイトルは「CANAAN」。同じ名を持つ2人の人物が、最後に「カナン(希望の地)」を巡ってお互いの想いをぶつけ合うクライマックスが待ち構えていた。これまで主人公としてはいまいち存在感を発揮できていなかったカナンだったが、今回のエピソードを通じて、あらゆる角度からその全貌を丸裸にされている。

 アルファルドによって明かされる「絶望」という名前の意味。シャムによって理想の兵士を目指したアルファルドの前に「戦場であってはならないもの」と言われる「絶望」が現れた。シャムの畏敬と、アルファルドの挫折。カナンがもたらしたのは、決意の果てのシャムの死。そして、そこから因果は巡り巡って、ウーアの感染者、ユンユンの村、数々のボナー、そしてサンタナ、ハッコー、みな「カナンが現れたが故に」命を落とした。アルファルドが用意した最後の舞台、「忌殺列車」で過去の亡霊はカナンを責め立てる。シャムが殺されたあの日の情景に「絶望」たるカナンの目は曇り、真実を映さない。その隙を突いて、アルファルドは再びの光であるマリアを、「絶望」のために死地へと送り込む。

 アルファルドが望むのは、歪んだ形の征服欲と、怒りのみに動機づけられた純粋な復讐。怒りを貯め、コントロールして、それを笑うと彼女は語る。対するカナンは、ただそこにある光をただ純粋に求めるだけ。純粋であるが故に、マリアを悩ませ、アルファルドを燃やし続けてきた。「あなたのせい」の一言に、カナンは思い悩む。カナンの想いに答えは出ない。それでも、アルファルドの突きつけた「結末」に抗うために、彼女は戦うしかない。全てを理解したマリアの最後の選択は、それでもなお「カナン」に生きることを選ばせた。全てを理解し、愛する者の存在が、カナンには必要なのだ。

 

 あまりに多面的で、これまでのエピソードで積み重ねてきた様々な感情、想い、意志が重なり合う最終決戦。アルファルドの目的意識は純然たる復讐であり、悪意である。対するカナンの目的は、「護ること」。しかし、この「護る」ものが光であるマリアなのか、それとも不安定な自分自身なのか。まだそこのところに結論が出ていないように思える。「光」の本当の大切さを知ったときに、「絶望」たる彼女は「極限」を乗り越えることが出来るのか。文句なしの大盛り上がりで持ってきた次回。最終回が楽しみで仕方ない。

 今回も相変わらず素晴らしい演出で全く退屈させない仕上がり。満を持してのアルファルドとの直接対決は型にはまらずにエキサイティングなアクションシーンに仕上がっているし、今回はそれに加えて1人コミカルに動き回るユンユンの動きも見栄えがする。過去の亡霊がフィードバックするカナン視点の使い方や押し引きを重視しためまぐるしいカメラワークのおかげで、本来なら狭苦しいはずの列車の中の風景が、これまでのどのシーンよりも広々と、大きな動きを盛り上げている。前回に負けず劣らず、見事な一本でした。さぁ、このまま次週まで駆け抜けろ。 

拍手

 私の心のずっと奥の方を刺激し続けていた憎いあん畜生の名前が「石見ロボ」だったことが一番の事件な12話。作者自画像だったんかい! 勝手にワイプロボなんて名前で呼んでてごめん! ってことは、ひだまり荘の屋根の上にすんでいる緑色のあいつとか、「まほらば」のオープニングで踊り狂っていたあいつとか、そういうのと同じ類の物の怪だったわけですね! なるほどなぁ。エコポイント集めてるのかぁ。俄然、原作コミックが欲しくなってきました。あのロボットが描いてる漫画だったら面白いにちがいねぇ。

 とまぁ、ワイプとアイキャッチなんて本編に一切関係ないところに衝撃を受けるくらいなので、本編の方は何とも微妙な視聴感。前回までの「何となくローテンションなお話」は今回も引きずっており、フリマ会場で過去話で盛り上がったり、和気藹々と語らう風新の面子を見て疎外感を覚えるカナ。この子はなんでこんなにネガティブ思考なのだろうか。確かに祖母を亡くして間もないのだから精神的に弱くなっていても仕方ない部分はあるが、あんなにお気楽な風新のメンバーを見て、まだ疎外感を覚えるというのはどうにも納得いかない。それとも、世にあふれている他の長屋もののキャラクターが無神経すぎるだけなのだろうか……でも、いまさら「自分は風新の一員になれていない」なんて言ったら、他のメンバーが怒りそうだけどなぁ。

 そしてそんなカナの沈んだ気持ちを吹き飛ばしてくれるのは、名も告げずに野菜を売るだけ売っていったマリモ姉さん。色々と問題のある人だという前情報はあったわけだが、実際には問題があるとかいうレベルじゃない。せっかく運んできた野菜を全て投げ売り、道でたまたまぶつかった幼女をさも当然のように扱き使うという破天荒さ。カナは最終的にその自由な人柄にあこがれすら抱いていたようだが、普通の人間ならば初対面の時点であまり関わりたくないと思うだろう。カナが度の過ぎたお人好しであることが、奇跡的に今回の出会いにつながったわけだ。

 そして、「ヤシの実の歌」を「楽しい旅」と喩える彼女の奇妙な感性のおかげで、カナはようやく何かを吹っ切ることが出来たらしい。シナリオラインは支離滅裂なのでそのあたりの心情は追いにくいが、この期に及んで風新面子や美華ではなく、面識の無かった第三者に意識改革の役割を任せるあたりが、このアニメの不思議なところである。普通のドラマ作りなら、これまで培った友情や家族愛によってカナの悩みが解消するように持って行くと思うのだが……このままカナが吹っ切れてしまったら、風新の面々は彼女が悩んでいたことにすら気付かずに終わってしまう。それでいいのだろうか? そして、カナは「私はまだ旅の途中」と開き直ったわけだが、それってつまり「風新の営業所は自分が落ち着くべきところではない」ってことなんだろうか。それだと色々問題があるよなぁ。

 何とも釈然としないドラマの続くこの作品も、次回が最終回。一体どんな「オチ」を用意してくれるのだろうか。そして、ワイプロボ改め石見ロボは、最後にどんな金言を聞かせてくれるのだろうか。「コノ ダイコンヤクシャ メ」 

拍手



忍者ブログ [PR]
カレンダー
08 2025/09 10
S M T W T F S
27
28 29 30
ブログ内検索
カテゴリー
プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
ーーーーーーーーーー
↑越えられない壁
沢城みゆき 斎藤千和 
中原麻衣  田中理恵  
渡辺明乃 能登麻美子
佐藤利奈  佐藤聡美
高垣彩陽   悠木碧
最新CM
[09/24 NONAME]
[09/24 とみしの]
[09/22 名無し]
[09/22 とみしの]
[09/21 NONAME]
バーコード