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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 バカは死ななきゃ治らないらしいが、この作品のスタッフは死んでも治らないだろうことは疑いようもない第4話。フライングパンツというかつてない未確認飛行物体を生み出したスタッフは、そんなあまりに捨て鉢なガジェットにすら、きちんと天寿を全うさせたかったらしい。ある意味親心か。

 始めから仕舞いまで、ぶれることなく下着類の話で埋め尽くしたシナリオ展開。冒頭アバンの飛来するパンツの大群は、一瞬であのときの悪夢を思い出させるに充分。しかも今回は密集度合いが半端じゃない上に、智樹の回りに懐いた様子で飛ぶ、声を上げて鳴くなど、さらに「血の通った」描写が増えている。あんな恐ろしいものに愛着を覚える智樹も問題だとは思うが、ここまで作られると、文句を言っていいものかどうか。まぁ、丁寧なモデリングが1話限りの使い切りにならずに良かったと思うのが正しいのか(?)。

 そしてイカロスのカードを使っての、そはらのささやかな復讐が事件を呼ぶ。「智樹の見たパンツは全て爆発する」という、杜王町のサラリーマンが持つスタンドばりのセッティング。こんなとんでもないことを思いつく時点でそはらも充分おかしい人間である。そして、そんなちょっとした茶目っ気にも、智樹は「爆発返し」で意趣返しをしているのがひどい。智樹の計略でそはらの履いていたパンツが爆発するシーンでは、あてつけのように「ゴミ箱をひっくり返して餌を漁るカラス」の映像が流れる。「智樹も悪知恵が働くもんだ」という視聴者の感想を、そのままカラスのメタファーに仕立て上げているわけだ。そはらのチョップ乱れ打ちシーンなんかもそうだけど、この作品は要所要所でカットインする全然関係ない画が無駄に面白いから困る。

 そして今回一番気が狂っとるのは、一晩かかって家中、庭中にパンツを張り巡らせた智樹のぶっとびっぷり。いかに「健全な男子中学生」だと言っても、あれは流石に限度を超えている。そもそも健全な男子ならパンツそのものを飾るより前に目指すものがあるだろうに。廊下のデコレーション、庭のクリスマスツリーときて、トイレのオブジェに至っては何がしたいやら。

 そしてさらには「お宝」防衛のためのパンツロボである。これもわざわざ3Dでモデリングしているのだろうか。とても元がパンツとは思えない滑らかなデザインは、智樹の狂気をはらんだセンスを嫌というほど感じさせてくれる。……やっぱりこの世界おかしいよ。そして、何よりもおかしいのはエンディングで1つ1つ流れていった「智樹のお宝☆コレクション」のラインナップか。全く注意して見ていなかったのだが、エンドロールでわざわざ表示されたので確認してみると……なんじゃこりゃ。やたら無駄な面子が携わっているじゃないか。西田亜沙子が携わったエロコンテンツとか、ものすごく欲しいんですけど。……こういうところで気合いを入れる意味が分かりません。本当にバカです(褒め言葉)。

 一応Cパートでは新キャラが登場して、次第にシナリオもシリアス路線に進んでいくんだろうけど……このまんまでもかまわんのだがなぁ。

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 エンドロールでちゃんと「協力:円谷プロ」の表記があって安心した第3話。きちんとそこにはこだわるんだ……いや、いいと思います。ピカチュウや仮面ライダーよりは人間の男性に近い気はするしね。

 1つのクラスに2組もの百合ップル(候補)がいるというあり得ないパラダイス状態のこの学校。片方の百合がもう片方の百合のキスシーンを目撃するところから、「キス」を題材にしたもやもやが展開する。授業中にまでおのが願望を夢想する汐はちょっとした異常者にも見えるのだが、それに振り回される純夏も充分変な子。お弁当のシーンでやきもきしながらやけ食いする姿や、欲求不満のはけ口を武道に求める不器用さが非常に愛らしい。眼鏡を外した純夏さんもなかなかきれいでした。

 そして、夕暮れの教室で起こる、幸せなのか不幸せなのかよく分からないキスイベント。汐のベタベタな誤解からハプニングとして起こったイベントだが、純夏からすると据え膳である。誤解を知った時点ですぐに言い訳をすればいいものを、それをせずにちゃっかりいただくものはいただくあたり、卑怯ではあるのだが誰も責められまい。汐だって別に不愉快になったわけでは無いだろうし、誰も損をしないのだからごっつぁんである。ただ、あのシチュエーションだと、汐の視界からは当然純夏が見えるので、汐にとっての方がよほどファーストキスになる気がする。純夏視点だと目の前にいるのはあくまで光の巨人なわけですから。でも、肩を握って本気で奪いにいったところをみると、練習とは言っても充分「記念碑的」出来事。純夏の複雑な思いはどんどん訳の分からない方向に溜まっていく。

 そして決め技となるのは汐のリップクリーム。あれはもう、核爆弾クラスの破壊力がありますよ。どうやら純夏は律儀にも使えずにいるようだけれど……淫獣の前に餌を放り投げているようなもの。とりあえず「同じ商品を買ってそっちを返す」案を推奨します。あ、ついでにもらってきたお面の方も大切にしないと駄目だね。

 実を言うと、この作品は今期数少ない「ストーリーが普通に面白い」作品。キスシーンの気合いの入った描写もさることながら、朱宮に「あぁ〜、キスしてぇ」とぼやいたり、妄想してチェストしちゃった純夏など、顔に似合わずコロコロ変わる表情が非常に魅力的である。本筋と関係ないところで朱宮君が某ましまろの笹塚のような扱いを受けているのも無駄におかしい。これから少しずつキャラクターも増えていくみたいだが、本筋の面白いところは出来れば逸れないで欲しいもんである。まぁ、百合っ娘千和ってのも珍しいので、そちらが気にならないではないが。 

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 御坂(の中の人)にスープカレーを飲ませるという神をも恐れぬ所業をやってのけた第4話。あ、でもタイカレーは大丈夫って言ってたから、案外スープカレーも平気なのかな。何にせよ、あんなまずそうな飲み物もなかなか無いとは思うけど。

 サブタイトルからすると妖怪「脱げ女」の方がメインのはずだが、早くも4話目にして登場してしまった上条さんの方にどうしても目がいってしまう気がする。なにせ登場から1分と空けずに説教開始ですよ。いい加減にして下さい。しかも久しぶりに登場したせいか微妙に声が変な気もするし、作画が変わったおかげか顔まで何か長い気がするし……お前よりもインデックスが見たいんだよ。インデックス連れてこいよ。あまりにハブられたおかげで他の作品に出演しちゃってるらしいじゃんかよ。時系列的にまだ駄目なのかなぁ。

 というわけで、今回は仲良しグループの活躍は控えめ。気怠い田中敦子ボイスというなかなか貴重な声を聞かせてくれる脱げ女との散歩、および上条さんとのバトルを中心にストーリーが展開する。賑やかしがいなくなり、ようやく御坂が主人公らしい出番をもらい、さらに上条さんが絡んだおかげで照れたり震えたり猛ったりと素晴らしい百面相。全ての技を封じられるという慣れない経験をした後には普通の女子中学生になってしまい、顔を真っ赤にしておびえる御坂は眼福もの。上条さんが出てくるとイライラするのだが、彼が出てこないと御坂のこういう表情は見られないというジレンマ。仕方なし。

 しかし、ストーリーが進むとこの作品の最大の難点である「あまりにおかしなストーリー進行」が浮き彫りになってくるのが気になってくる。1期のアウレオルス戦などは開いた口が膝まで落ちるようなあり得ない展開に呆然としたものだが、今回も脱げ女史の「最近の若い子はそんな考え方をするものなのだな」のくだりとか、本当にサムくて仕方がない。「論理的に考えるのが癖になってしまった」という発言自体が論理的でないし、論理的な人間はどう考えても他人に対してあのような行動はとらないだろう。いかにもラノベ的なキャラクター造形ってのは、これだけアホみたいにこのアニメを楽しんでいても、どうも気になって仕方ない部分である。

 シナリオラインの不安定さは、能力バトルにも直接関わってくる。今回「砂鉄をまとめて謎の鞭縄を構成する」という、とても元の能力から派生できるとは思えない技を披露した御坂だったが、この世界の「能力者」は技の発展に制限は無いんでしょうかね。対価も払わずに電撃と物質変換が同時に行えるなんて、どこぞのBK201もびっくりである。まぁ、それでも無敵の上条さんには通じなかったわけですが……大量の砂鉄を巻き上げてたたきつければ、マジックキャンセラーなんか関係無しに踏みつぶせると思うんだけどね。「魔力が消されて通らないなら『発生した効果』をぶつければええ」って六課の八神隊長も言ってましたよ。しかも上条さんのAMFは空間に展開せずに右手だけですから、なんぼでもつぶせる気がするんですが。主人公補正って強いなー。

 ま、なんやかんやと文句は有りつつも、今作はアニメ的な見栄えとキャラ萌え要素だけでクリア出来てしまうんですけどね。結局御坂にデレ期は訪れず、脱げ女との出会いだけが残って次回へ続く。シリアス展開になっていくんかと不安ではあったが、きちんと最後は黒子の暴走で落としてくれたので一安心。黒子は自分で脱がすのは構わないのに、おねぇ様が人前で脱ぐとなると逆上するのね。それにしても、上条さんとのバトルシーンなんかよりも、初春に迫ったり御坂に襲いかかる黒子のアクションの方が見応えがあるのって、どうよ。 

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 「いちいち別キャスト呼ぶのも面倒なので沢城さん兼ね役お願いしまーす」みたいなやりとりが容易に想像出来る特別編2本目。今回は大家さんに出番がなかったから別にいいんだけど、いくら何でも便利すぎる気がするぞ、沢城みゆき。

 前回はひだまり荘がメインで色々とギミック満載のお話だったが、今回はメインの舞台が学校で、比較的ぶれないスタンダードなお話。コミックス4巻以降のエピソードを消化していくとどんどん3期の内容が想像出来なくなっていくのだけれど、大丈夫なんだろうか。

 冒頭、この作品では珍しいサービスシーン(?)にいきなり目を引かれる。ゆのの見た夢はアニメオリジナルの演出で、「雨の日」を演出する以外あまり意味はない気がするのだが、何故か一糸まとわぬ姿のゆのが微妙にセクシャル。この作品の場合はどこをどう転んでもエロで売るようなことにはならないのだが、普段なかなか見ない画なだけに、なんだか緊張してしまうような危うさがある。考えすぎだとは思うのだが、背中から水中に沈んでいく演出は現在放送中の「夏のあらし 春夏冬中」のオープニングアニメーションとまったく同じ構図になっているのだが、セルフパロディなのか、それともたまたまなのか。まぁ、あんまり関係あるようには見えないけど、今週放送の「夏のあらし」ではリアル版ひだまり荘も登場するなど、相変わらずシャフトは自社作品に対して容赦がないので、色々と邪推しながら見るのも楽しい。

 Aパートの話は、前回出番が少なかった鬱憤を晴らすかのように吉野屋先生が大活躍する。ようやくスポットが当たった益子先生の不憫さは同情するが、それでも珍しく先生らしい振る舞いをしている吉野屋先生の勇姿を思えば我慢してもらうしかないだろうか。コミックでは表現しきれなかった美術準備室の無駄な華やかさや、うまくいかないゆのの裁縫と段違いの吉野屋先生の華麗な手さばきは流石の一言。「悪い先生でないのは分かっているんです……」。校長の苦労も忍ばれますが。

 Bパートはゆのっちの捜し物のお話。本筋とは関係ないところで何故か今回も夏目がラッキーハプニングを満喫していたのだが、3期では夏目の出番がもっと増えたりするのだろうか。ラストシーンでゆのがスケッチブックに描いていた夢のイラストはものすごい精密な描写で感心させられたのだが、思えばゆのがどの程度のスキルを持っているのかってよく分からないんだよね。確か学校の課題ではあまり成績が良くなかった気がするけど……目標を持っているならば是非頑張ってほしいもの。でも、GAのキサラギと違って、ゆのっちはそこまで努力しているような描写はあんまり無いんだけどね……ひだまり荘には宮子、GAにはキョージュやノダ。天才型とつきあう努力型主人公の苦労は絶えないようである。

 何事もない普通のエピソードながら、これをもって、「×365」は完全に閉幕。次にお目見えするのはおそらく乃莉となずなが現れる春の話になるのだろう。またみられる日を楽しみに待っております。

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 Aパートが御坂、Bパートがインデックスで構成されてた気がする第3話。さとりなのさとりなによるさとりなの番組。それでいいと思うのだけど、残念ながらこんだけ活躍するのは今回で終わりそう。まぁ、この作品でもインデックス井口の仕事を奪ってはまずいから。

 というわけで、個人的には声のことだけしか頭に入ってこなかったエピソード。佐藤利奈ボイスの性に寛容なおねーさんキャラというのは実にレアで、こんな機会でも無い限り聞けない台詞が盛りだくさん。なんかもう、それだけでいいや。アニメとして見るべき点は……毎回増えていく取り巻きのネコの数かな。今回の依頼ネコの1匹がニャムサスのことを「ニャムねぇさん」と言っていたのが何か面白かった。

 そしてBパートは潤平と水野の出会いのエピソード。ある意味劇的な出会いだったようだが……アレで惚れるのもどうかと思うけど。ドロップキックからマウントの平手打ちが衝撃の出会いって、なかなかマゾヒスティックな展開ではあるが。なんでこういう漫画の設定だと入学したての新入生が式の前に学内をぶらぶらする時間があるんだろうね。絶対にオリエンテーションとかクラス配置とかでびっちり予定が詰まってると思うんだけど。あと、式の途中で校長の話の後に拍手してたのも分からない。普通、校長に拍手はないだろ。

 オチは加奈子に引きずられる潤平と、奇妙な先輩に声をかけられる水野。加奈子はデレ期になるのが早すぎるな。前回は単に誤解が解けただけで、別に彼女になったわけではないと思うんだが。そして、新キャラの先輩は……次回予告を見る限りではこちらも変な人みたい。そして、中の人が画伯なせいで性別が分からない。次回がサービス回っぽいので、先輩も女かね。陸上部で男女混合ってことはないだろうしな。今のところどっかおかしなキャラクターしか登場してないので、小林ゆうがキャストに当てられて、まともなキャラで終わるはずがないと期待したい。でも、学園メインになると女子大生アルバイターの出番は確実に減るジレンマ。ジーザス。 

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 主人公が全裸の幼女を組み伏して後ろ手に縛り、さらに暴力まで振るう第3話。夢の中でも大切な人を全裸に剥いていたし、ヘイはどこまでエロ妄想を回転させれば満足するのだろう。今週も全編通して鬼畜満載でお送りする本作。いつ見てもクライマックスな感が現代アニメでは破格のサービス精神である。

 前回突如現れたロックマンのステージトラップばりのビリビリマシーンは、蘇芳の持つ流星核(?)が作用してなんとか突破。氷の浮かぶ海に身投げするという自殺行為を選択することでからくも窮地を逃れる。隠れ家で紫苑のメッセージを受け取った蘇芳とヘイは、一転して手を取り合っての逃避行。前作で死闘の舞台となった地獄門(ヘルズ・ゲート)へ向かうこととなる。

 そして駅の構内で起こる惨劇の数々。

 惨劇1、ヘイの能力消失。すっかりヘイのストーカーっぽくなっちゃった霧原さんが見た「星の消失」は、ヘイの死ではなく、能力者としての消失を意味していた。電流攻撃を失ったヘイは、単に「ものすごく身体能力が優れて、なんかマシンガンの弾が当たらなくて、ワイヤーをあり得ない距離かっ飛ばせるただの人」になってしまった。なんでこんなに強いんだか。

 惨劇2、ニカ君の哀れな末路。完全に組織に手なずけられたターニャに利用され、哀れGの大群3度もおそわれることになった少年ニカ。最後にはGにまみれながら大量の出血をしていたところを見ると、流石にもう生きてはいないだろう。っつうか、あれだけの経験をして生きながらえても、精神は完全に壊れているに違いない。Gはどうやってニカを殺したのかよく分からないのだが、出血が多かったところを見ると、ひょっとして全身を噛みちぎられたのか……史上屈指の嫌な殺され方だ。まぁ、自分のダッシュが速すぎて雨粒に打ち抜かれるのも嫌だけど。

 惨劇3、ターニャの裏切りによる、蘇芳の覚醒。契約者になるのに理由はいらない。ただ、今回の蘇芳は明らかに感情の爆発がトリガーとなっているようで、謎の多かった「契約者になる契機」がいくらかうかがい知れる。胸の流星核も何らかの因果関係があるのだろうか。彼女の能力は「ライフルの召喚」、対価は「折り鶴を折ること」のようだが、何かにとりつかれたような彼女には、正確な狙撃をする能力も備わっていたようにも見える。それとも、あれはジュライのサポートなのか? 色々と分からないことも多くて、彼女の感情はどこへ行くのかも分からない。ただ、かつての親友を殺さずにすんだ部分だけは、ヘイのファインプレーを褒めて上げたいところ。

 惨劇4、マオが……元気。ここで重要なのは、1話で蘇芳と一緒に風呂に入っていた時に憑依していたかどうかである。話の流れからすると、憑依したのはヘイとエイプリルの対決あたりだと思うのだが、あの入浴シーンで既にモモンガの中身がおっさんだったとしたら……色んな意味でアウト。当然、前回のエンドカードでかわいこぶってたのもアウト。文字通りに、この畜生めが。

 とにかく色んな要素がてんこ盛りで一切飽きさせない展開の今回。筋を追うだけでも緊張感が持続されるわけだが、相変わらず突き放したような筋書きの中で1つ1つのカットがシニカルに光る。無感情にターニャに銃を突きつけた蘇芳のほほを伝う一筋の涙、そして引き金を引きかけた手をゆっくりと下げるヘイ。「無感情」という大切なキーポイントを軸にして、きっちりとドラマを見せるだけの演出がある。また、Bパートラストでは、ついに霧原さんの元に騒動が波及する。かつての部下からの忠告を受けつつも、争乱の渦中へ飛び込む決意をする霧原。テーブルの下で切った携帯電話の通話ボタンは、彼女の現世との繋がりの切断をも意味するようだ。

 相変わらず人が死にまくりのこの作品、今回も契約者だらけの抗争が続くわけだが、果たして霧原さんは最終回まで生きていることが出来るのだろうか。

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○「空中ブランコ」 5

 約3週間続いた新番チェックのとりあえずの幕引きとなるであろう作品。そして、常に刺激的なモノを世に送り出してドキドキさせてくれるノイタミナ枠の新作でもある。前作「東京マグニチュード8.0」やその前の「東のエデン」は割とまっとうなアニメーション作品だっただけに、久しぶりに戻ってきたこの異臭はなかなか強烈だ。

 監督はあの「モノノ怪」で物議を醸した中村健治。あの作品も充分イロモノであったが、今回は更にギリギリ感あふれる仕上がりで、思い切り賛否の分かれそうな難物である。錦絵や貼り絵細工をイメージした「モノノ怪」のビジュアルを更に進化させ、今作は従来通りのアニメの作画、CGに加え、実写取り込みを積極的に導入し、アニメという媒体そのもののエッジに挑戦している感がある。実写取り込みという技法自体は近年では少なくなく、シャフトでは尾石達也が得意としているし、今期も「ご姉弟物語」のオープニングなどで効果的に使われている。しかし、今作の場合はそうした際立ちを持った「実写であること」への訴えがメインになっているのではなく、本当に「アニメ」と「実写」の境界を曖昧にしてやろうという意識があるように思われる。例えばメインの舞台である精神科医伊良部の診療室に登場するナイスバディの看護婦は、もう、アニメの登場人物ではなく、完全に実在のグラビアアイドル。流石にそのまま演技させて取り込むわけにもいかないので動き自体はぎこちないものになるのだが、彼女が画面の中心に居座ると、どこからがアニメで、どこまでがアニメなのかが次第に曖昧になっていく。

 他にも移動シーンでは現実の背景を採用しているし、1話の主人公である山下の顔も実写取り込みしたものを再合成してアニメーションに落とし込んである。しかも、この顔が声の出演をしている森川智之のものであるから話はややこしい。声が森川、顔も森川だったらそれは純粋に役者「森川智之」なのではないかとも思えるのだが、あくまでそこは「森川の要素がある」だけで、実際に画面に現れるのは「アニメのキャラクター」である。次週のメインになる櫻井孝宏も実写取り込みで登場しているし、見れば見るほど現実と空想の境が曖昧になる、非常に独特な視聴感がある。

 こうした独自の実写取り込みの技法を載せているため、アニメの他のパーツも非常にくせの強いモノになっている。一見してあまりファンが付かないように見えるふざけたデザインのサブキャラ、エキセントリックすぎて訳の分からない背景、ぺらぺらと紙人間で処理されてしまうモブなど。あまりに異質な要素が多すぎてふざけているようにしか見えないのだが、全てが集まることによって、「アニメってどこまでだっけ?」という意識がどんどん鈍化していく。その意識の隙を突いて実写のパートを自然に混ぜ込み、本作のメインプロットである「精神病」というモチーフを描いていくわけだ。この悪ふざけは、とても思いつきだけで出来るものではない。

 実際のところ、この画面は、かなり不快である。一瞥しただけではその演出意図が全く分からないし、放送局のアナウンサーがずけずけと作中に入り込んでくる無神経さとか、気に入らない部分も少なからずあるのは事実。しかし、この一見無駄にしか見えない演出の中に、きちんと作り手の意図が見えてくるとするならば、話は別である。中村監督は、「あやかし」という曰く言い難い対象を描くために、「モノノ怪」では独創的な表現を生み出した。そして、おそらく今作でも、その目的意識は同じであるはずなのだ。それが何かをきちんと確認出来るまで、この作品を見逃すわけにはいかない。

 最後は当然キャストにちょっと触れておく。物語の進行から見て、本作は神経を患った患者を扱うオムニバスだと思うのだが、その進行を牛耳る精神科医、伊良部役の三ツ矢雄二は流石の貫禄。何パターンかある伊良部の変幻自在の容姿に合わせて、ぽんぽん変わる声音は必聴だ(まぁ、時たま朴璐美になるけど)。これはこれで癖になりそう。 

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○「キディ・ガーランドKIDDY GiRL-AND」 5

  前作「キディ・グレイド」の放送がなんと2002年。実に7年もの時を経て帰ってきた、ある意味奇跡の続編。当方前作放送当時はそこまで熱心なアニメ視聴者では無かったため、観てはいたがぼんやりとしか記憶が残っていない。突飛なストーリー進行にアゴがはずれかけ、「録画しておけば良かったか……」と後悔したことが、現在の変質的な録画体勢を作る一要因になったという、ちょっと因縁のある作品でもある。

 冒頭、アバンでは前作で登場したESメンバー6人が登場して、なんだかよく分からない世界の危機を救ったシーンから。懐かしい面々に涙がちょちょ切れるが、当然アールヴ組はいない。そして、何故かデクストラ・シニストラコンビも見あたらない。キャラが逝ってしまったアールヴ組と違い、こちらは中の人が逝ってしまった……7年という時は重いなぁ。

 でもまぁ、懐かしいのは基本的にアバンのみ。今作はエクレールもリュミエールも関わりなどなく、主人公はESメンバー見習いのアスクール(と、その相棒?)。エロスの中に冒険活劇やスパイアクション、サスペンスにドSFが入り交じった前作と異なり、今作の主人公はひたすらパンツとかブルマとか。エクレールだってかなりエロいキャラだったはずなのだが、ここまで露骨に萌え作品にされると隔世の感。ブルマ脱ぐはずがその下まで脱ぐなんてのは王道パターンだが、ここ最近はパンツじゃないから恥ずかしくなかったり、パンツがジェットで空を飛んだりするご時世なので、それだけで盛り上がるようなものでもない。

 1話目ということで導入となるバトルは非常に単純だし、アクションシーンも1話目にしちゃ単調で見どころは薄い。わざわざGONZOでなくサテライトで制作しているくせに、そのうま味はあまり発揮できているようには見えない。せっかく面白い能力も少なくない作品なのに、その辺でセールスポイントが無いのはちょっと勿体ない。あとはキャラクターの活かし方とか見せ方次第だとは思うけど……どうなるかなぁ。後藤圭二は監督としてはイマイチ成功できないんだよね……

 あとはまぁ、中の人の話題か。前作の当時は駆け出しだった福山潤、桑谷夏子あたりが作中のディーダム姉弟同様、すっかり中堅の位置に(ESメンバーには50年の時なんざ大した年季じゃないけどな)。他にもメルクルディは中の人的には所長まで上り詰めている。Dr.モローのアイキャッチを見る限りでは、ひょっとしてメルクルディが「大出世」?! そして主人公たちは軒並み新人キャストが配されており、何故か主人公コンビの名前がものすごく似たような名前という謎。アスクール役の子はなかなか面白いものが出てきそう。あの平野綾も「キディ・グレイド」を記念碑的作品として残しているわけで、これをステップにして頑張って欲しいもんである。

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 ピラルクはワシントン条約で保護されてるらしいので、ちょっと心配な第3話。先週の狂乱でトピックスを立てておいてなんだが、この作品、真面目になると特に面白い要素は無い。まぁ、分かっちゃいたことなんだが。

 3話のメインストーリーは、英四郎によってイカロスの正体に言及するというもの。前回までで「願いを叶える力を持つ」という部分だけが判明していたが、今回新たに「演算能力に乏しくて買い物もろくに出来ない」「マッハ24で飛ぶ」「ピラルクも捕獲可能」「目的意識が無い」などの側面が明らかになった。超人的な能力をもっている部分は別に構わないのだが、やはり基本的な情報処理構造が欠如しているのは違和感を覚える。この手の「落ちもの」系異世界人との接触の場合、相手がものすごいスペックにも関わらず常識がない場合が多々あり、「スペック高いなら常識くらい処理して事に当たれよ」と思ってしまうこともしばしば。これを説明する都合のいい言葉として、「うん、一周回って基本バカだよ」というのがあるけど(「めだかボックス」の善吉の台詞)。

 そんなこんなで謎が多すぎるイカロスと、それを気にせずに彼女の願い通りに主従の関係で接する智樹とそはら、そしてイレギュラーな存在を看過できない英四郎。疑惑は不信感へと変わるわけだが、イカロスの様子を間近で観察することで、英四郎の不信感も割とあっさり払拭されてしまっているようだ。うーん、こんなにあっさり解決するなら今回のくだりはいらなかったような気もするんだが……まぁ、のちのシリアス展開のためには必要なのかねぇ。パンツが空飛んだアニメのすることではないと思うのだが。

 その他今回気になったのは、やはり智樹が無駄に元気なこと。他のキャラクターと全く合わせる気のないデフォルメ等身はもちろんのこと、1話であれだけ無茶をやっておきながら今更幼なじみのスカート下に興味を示す飽くなき探求心。そして、そんな無闇な情動の最も簡単なはけ口になりうるはずのイカロスに対して見せる、奇妙な親心。そはらに気を遣ってのことなのかもしれないが、彼のイカロスに対する感情はいまいち分からない。主人公だからってメインヒロインに手ぇ出しちゃ駄目っていう暗黙の了解でもあるのだろうか。

 その他、ストーリーと全然関係ないところでちょうちょを追いかけて一人で転んでいるイカロスなんかはやたら可愛かったし、ひよこもさばけるらしい生徒会長に対する謎はますます深まるばかり。そはらは足下に転がる幼なじみに対しても、蹴り技や踏み付けではなくて律儀にチョップで応えているのが凄い。確実に頭骨は割れている。

 シナリオラインはまったく面白くないのだが、作画のクオリティが下がらないおかげで、何となく見られてしまうこの作品。出来ることなら、もう1ランク上のサービスも期待したいところではあるな。 

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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