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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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  若手の台頭著しい中に、ベテランの存在感を見せつけられた気がする第3話。ここに来てあのキャラが田村ゆかりとは……いやぁ、素晴らしい。

 第3話は通り魔事件から幕を開けて、ようやく「ジャッジメント」がそれっぽい活動を始めるお話。「流石に2話も3話も脳髄までピンク色のギャグシナリオじゃやってらんないよね〜」と思ったのもつかの間、通り魔は通り魔でも、その目的は限りなくギャグ。御坂さんは、メインヒロインのはずがこの作品では突っ込み役、および呆れ役としてしか機能してない気がしますが、今回も一番盛り上がるべきところでは、話についていけずに呆れ顔でした。

 メインキャラクター4人で話を回すのが基本のこの作品、今回のメインは一応佐天? 初春がどうしてもアホの子に見えてしまうせいで佐天は突っ込み役だと思われがちなのだが、実はこの作品のギャグテイストは彼女の存在も小さくないことが伺える。今回冒頭ですっころんだのは佐天だし、その後も何故か回りに振り回されてお笑い要員になってしまっている。レベル0の能力者っていうのは、どこぞのツンツン頭のおかげでものすごいポテンシャルをもっている人間の超越的称号のようなイメージになってしまっているのだが、佐天さんも何か凄いことが出来たりしないもんだろうか。このままでは能力が無いせいで今回ようやくフルスペックを発揮できた初春よりもアホの子に成り下がってしまうぞ。ノルマのスカートめくりも今回は果たせず、彼女のレゾンデートルが危ないかもしれない。

 とまぁ、今回は正直シナリオラインは見どころが少ない。アニメ的には、御坂がひらめいて犯人に肉薄する推理シーンとか、眉毛ちゃんを追い詰めるサスペンス風味なシーンとかが見どころになるはずなのだが、限定はあまりに恣意的で説得力に乏しく、追いかけっこのシーンも「なぁ、わざわざ初春を使わんでも最初からスコープみたいな電子機器で見ながら追っかければ良くね?」という疑問がつきまとい、いまいち彼女たちの行動に共感が持てない。ゴール地点で御坂が「跪け!」っていって足を狙撃してくれたりすればフィナーレにふさわしいシーンになったのだが。サハロフ上等兵とメニショフ伍長に哀悼の意を込めて。

 ま、別に堅苦しいこといいながら見るような作品でもないので、きちんと画が維持されている間は特に不満もないんだけどね。着替えシーンもあったし、スカートたくし上げる佐天も可愛かったし。何が足りないかと問われれば、黒子の変態成分が致命的に不足している。ゆかりんをレギュラーにして百合風味増し増しにしようぜ。

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 番組改編期にちょっとだけ帰ってきた「ひだまり」。こうしてコンスタントに続編が作られ続けていることが、この作品の安定した人気を裏付けている。そして、特別編と言いながら、いつもと何ら変わらないエピソードが放送されるのも、この作品ならではである。だって、視聴者が見たいのはそこだものね。一応オープニングは「?でわっしょい」の2番が流れ、間違い探しのようにちょこちょこと画面に変化が現れている。ヒロさんの代わりに校長が出てきたのは歌詞の「おんなのこ〜」のところが「おとこのこ〜」になってたからだな。宮子が食べてたのは……ピザ? 速すぎて見えなかったわ。

 1回目のエピソードは、原作の自転車の話がメイン。これにひだまり高校の受験が絡み、きれいに来年放送の「☆☆☆(ほしみっつ)」への連絡が出来ているわけだ。なずなと乃莉がほんのちょっとだけ登場したり、きちんとアニメオリジナルの「203号室の謎」で埋まっていた部屋を空けるのも忘れない。大家さんはいつもスクーターで移動してるわけだけど、徒歩で帰宅出来たってことは案外近くに住んでるみたいね。

 今回、自転車エピソードについてはほぼ原作通りなのでほとんどいうこともないのだが(川面に浮かんだ緑色の生き物は置いとくとして)、Bパートではほぼオリジナル展開で登場キャラクターを総ざらい。大家さんは前述の通りにひだまり荘からの機材の持ち出し、吉野屋先生は試験監督、校長先生はねぎらい役、そして夏目は何故か降って湧いたご褒美エピソード。コミック4巻の「あれ」を読んでいる人間としては、夏目のツンデレっぷりは非常に微笑ましく見える。Aパートで紗英が2人乗りについて必死にしゃべっていたのがさりげない伏線になっていたりするのも気が利いている。

 そして、意外や意外、原作どころかアニメですらほとんどスポットが当たったことのない藤堂さんがひだまり荘を来訪。本誌を読んでない人には「お前誰やねん」クラスの人物なのだが、なんだか不思議と味が出てて良かったね。藤堂さんに語って聞かせたひだまり荘エピソードはちょっとした総集編の趣で、テレビで流れていた「自転車少年シンヤ君」の情報も含め、アニメオリジナルの要素がきちんとまだ「生きている」ことが分かる内容。非常にニッチなニーズだとは思うが、きちんと「ひだまりファン」に向けたことが分かる丁寧な仕上がり。来週ももう1本あるので、そちらも楽しみにしていたいです。

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 アブノーマルな恋愛観を持つ友人にアブノーマルな恋心を抱く主人公がアブノーマルな秘密を持った男の子の一言で元気になった第2話。どれだけ麗しい百合の花が咲き乱れる作品になるのかと思ったら、異常性癖の固まりだったでござる。

 汐は熱しやすい性格なのか、1話ではあれだけ傷つけられて恋に散ったにも関わらず、今度は雑誌の読者モデルにお熱。いつものように「可愛い、可愛い」と連呼される純夏はたまったものではない。男子に揶揄されたこと、一緒に服を選びに行ったことなどとも重なって、「小さくてドジっ子、やわらか〜い」という汐の理想像の真逆の自分にひどく落ち込む。まぁ、確かに女性で175㎝ってのはでかいな。和田アキ子よりでかい。っつうか大体私と同じくらい。目線の高さが同じ女性って、それだけでなんだか違和感がある。冒頭きよりや汐と並んでるカットで、汐は顔が純夏の首元あたり、きよりにいたっては胸元あたりに目線が来るようになっていて、「どんだけでかいねん!」と思ったが、どうやらあのカットもあながち間違いでは無かったらしい。加えて家のタンスを引っかき回しても寒色系の衣類があふれるばかりで、確かに女性としての色気は皆無。「暴刀村雨」は伊達ではない。あぁ、でもスタイルはものすごくいいよね。垢抜けた格好すればモデル体型なのは間違いないんだけど。残念ながらそれでも汐の「好みのタイプ」には合致しなかった。

 しかし、そんな純夏に力を与えたのは、同級生の朱宮君。見るからに内気でひ弱そうな彼は、純夏に押し迫られると地面から両足が浮き上がってしまうほどの体型。そして、それを活かした(?)ご職業にもついている。もう、このクラスにまともな人間はいないらしい。でも、憧れの人を前にして、きちんと「可愛いと思います」って声をかけて上げられるあたり、案外男前だと思うんだ。たとえ男の娘であろうと、やるべきことはやれる人間。でも、お願いだから寝るときのフリルのキャミソールとかは勘弁して。

 そして、再びわき起こる「辺の閉じた」三角関係。汐は朱宮に憧れ、朱宮は純夏に一目惚れ。そして純夏は汐に秘めた想いを打ち明けられずにいる。今後のことを考えれば、カギを握るのはやっぱり純夏。彼女のテンパリがどこへ行くかが、今後の物語の焦点になるのは間違いないだろう。それにしても……なんでこんな連中が集まるかなぁ……

 予想していた展開とは違って斜め上に方に進んでいる気もするのだが、このラブストーリーは確かに気になる。個人的には、今回のエピソードでより純夏の魅力が確認出来たように思える。この手の「男前の女性」キャラは、1つの萌えテンプレートとして存在している。近年の萌え歴史で端を発するとしたら個人的には榊さんあたりだと思うのだが、その後もサンプルには事欠かず、直近のアニメなら「かなめも」のユーキが近いか。こうしたキャラはベースに「黒髪ロング」「何をやっても万能」「基本的に寡黙な質」「不器用なので賢いのに一周回ってアホ」「褒められ慣れていない」などの属性をもっている。しかし、今作の純夏の場合、最後の属性が非常に極端な形で現れる。朱宮に「可愛いと思います」と言われたあとのテンパリぶりは尋常ではなく、あまりのことに半分酩酊状態で浮かされたようにその場を去り、何を思ったか、花束を抱えて汐宅へ直行。おい、何をする気だったんだ。

 その後も先週までの悩みなど無かったかのように「告白することは確定」の態度で時期を待つ純夏だったが、実にあっさり、当たる前に砕けるという悲しい結末。それでも「自分では駄目だったから」と叫んで朱宮を追いかけるなど、最後までずっと汐のことを思っていられるのは凄い。どう考えてもこんな素晴らしい嫁はいないと思うぞ。汐もうだうだ言わずにもらっとけばいいのに。

 というわけで、現時点での視聴動機、視点は完全に純夏。適度なギャグも交えつつ描かれる彼女の生真面目さは非常に好感が持てるし、非常に画面の動きの少ないこの作品で、実は最も表情豊かに動いて見せているのが、一見クールビューティーな純夏なのだ。今後とも頑張って欲しいです。もちろん、中の人もね。彩陽は達者だから未だにどのあたりに地声のベースがあるのかが掴みにくいです。

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 「妖怪なら長屋か横丁に帰れ!」っていうネタがどの程度一般的なのかが気になる第2話。相変わらず台詞の掛け合いに独特のテンポがあり、格別際立った特徴があるとも思わないのに、何か気になってしまう作品である。

 2話目には当然ネコからの2つ目の依頼。しかし、依頼自体は非常に簡単なもので、実際のストーリーの焦点は史上初(?)の「ガングロ幼なじみキャラ」とのフラグにある。マンバギャルって言葉は既に死語になっているような気がするのだが、そこがまた、加奈子の本当の姿を裏付けているように見える。普通、ああいう人種って群れてのは初めて意味を成すわけで、回りに普通の学生ばかりのところに1人だけいるのって、現実にはあり得ない状況だ。加奈子自身はクラスメイトから嫌われてたり恐れられてたりする様子もないし、あくまで個性と虚勢を彩るアイテムとして、「ガングロメイク」に拘っているのは興味深い。まぁ、その個性も多分来週からは無くなってるんだろうけど……

 加奈子と主人公の関係性は非常に分かりやすい幼なじみ設定ながら、加奈子の容赦ない性格のおかげで何とか新鮮味は保たれており、オチに来ると分かっている「素顔は美少女」オチも三角関係に絡めるなら適度なアクセント(変身前に見せる鬼のような形相がまた面白い)。少なくとも眼鏡を外すよりは面相に変化があるわけで、ガングロメイクというツールが、ようやく萌えアニメで正しい使い方がなされたわけだ(まぁ、それでも限度はあるが)。筋だけを追えばベタベタな展開なんだけど、目先がちょっと変わるだけでも随分印象が変わるもんだね。まぁ、冷静に見れば、結局加奈子も男の妄想が固まった「普通のいい子」なんだけどさ。

 加奈子に関わる部分以外では……特にない。ネコ連中の方が潤平本人よりも恋愛沙汰を気にしていたりするのは少々気になるけど、ニャムサスは少なくとも潤平達が幼少の頃から飼われているわけで、少なく見積もっても6〜7歳以上。ネコで言ったら壮年以上だ。いくらか達観できててもおかしくない。同じ曜日に「うみねこのなく頃に」が放送されているので田中敦子が嫉妬に駆られる貴婦人からネコに大変身するのはなかなか面白かった。

 キャストで言えば、やはり今回は白石涼子ということになるか。いくらかハスキーなうりょ子の声質は、そこそこ「ヤマンバギャル」っぽい雰囲気にはなっており、「マジキモいんすけどー(発音フラット)」とかはそれなりに臨場感があったか。まぁ、どうしたって声優は発声が良すぎるから、あの独特のダラダラと苛つく感じは出せないけどねぇ。面白い人選ではある。そして来週は巨乳女子大生佐藤利奈が登場。うり姉が「女体に興味があるのか、少年」とか言ってた。YES

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 オープニングで蘇芳が構えてるライフルがめちゃめちゃ長い気がする第2話。水着とか、楽しそうに笑う同級生とか……ここでしか見られなさそうな映像てんこ盛りだなぁ。

 双子であるおかげで人違い襲撃される蘇芳。ヘイともあろうものが間違って幼女を襲うのはどうかと思うが、彼女を(正確には紫苑を)巡る争奪戦は、なんやら色んな組織が絡んでいる模様。前回あっけなく死んでしまったエイプリルがいる一期からの「組織」、そしてそれに敵対するのは、今回エイプリルの遺体の脇に無惨に転がっていたハンバーガー食べてた人のグループ。どうやらロシアメインの機関が多分ここ。そして、「黒の死神」に依頼をしていたのはなんとCIA。もう、色んな国が子供を巡って大戦争だ。

 今回の目玉は、やはり入り乱れる能力者同士の壮絶なバトル。序盤のキス魔おねえちゃんとヘイのバトルは、いかにも岡村天斎なワイヤー入り乱れる高速アクション。不可思議な契約者の異能は、見た目に映えると同時に、能力の使用者に感情が無いため、いかにもプロの所業に見えて迫力が増す。まぁ、無感情でバトルしてたのは今回キスねーちゃんくらいだけど。でも口直しで同僚の唇奪うくらいの欲求はあるんだよなぁ。

 第2のバトルは本当か嘘か微妙な「タネ」を明かしつつ迫るマジシャンとヘイ。マジシャンの能力は「マジックに種も仕掛けもない」というかなりチート気味の能力だが、その能力は「マジックらしいこと」に限定されているのだろうか。ヘイの最後の反撃が何故効いたのかがいまいち分からないのだが、まぁ「電流流されても平気です」なんてマジックは見たことないからな。なんだかよく分からない最期ではあったのだが、こちらもヘイのアクションが非常に面白く、能力のおかげで見たこともないような画面がぽんぽん出てきて退屈しない。毎回こんだけ暴れてくれればいいね。

 そして、そんな大人の喧嘩にいいように振り回されるのが、メインヒロインの蘇芳と、同級生のそばかすボーイ、ニカ君。組織の仕事は早くてあっという間にクラスメイトの記憶は消されていたようだが、大量の虫群におそわれるというトラウマ確定の惨劇を味わって病院送りになっていたニカ君だけは何とか無事。契約者になって感情を失った憧れのあの子のために、彼も何か出来ることがあるのだろうか。蘇芳が非常にアクティブな性格で、自分が狙われていることなど毛ほども気にしない様子なので、彼も色々と苦労しそうではある。

 突然歩けるようになった紫苑の謎や、機関が狙う流星核は何を意味するのか、そして、ヘイと銀のその後など、まだまだ謎の伏線がガンガン張られている段階。しばらくは雰囲気だけで楽しませてもらいます。

 今回MVPを獲得するべきは、あるときは放送コードを守るために幼女に張り付き、またあるときは飼い主を守る為に悪漢に襲いかかるモモンガ君。走るよりも飛ぶ方が速いってさ! どうでもいいわ!!

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「涼宮ハルヒの憂鬱」 ー→5

 様々な話題を振りまき、現代アニメに問題提起をするだけしまくって幕を下ろした「新作」ハルヒ。良くも悪くも話題性のつきない作品である。

 今回の全26話をどのように評価するかで、アニメ視聴の姿勢というのがよく分かる。とりあえず、問題を1つ1つ解体して評価する必要があるだろう。

 まず、旧作と新作を混交しての放送という形態について。「時系列順に並べ直して放送する」ことの意味は分かる。1期は話数シャッフルという突拍子も無い企画が話題を呼び、成功したわけだが、制作した人間からすれば、「きちんと時系列順に並べても面白いんだぜ」という部分をアピールし、改めて物語を見てもらいたいという気持ちもあるだろう。新規作成部分だけを抜き出して放送すると物語としての連絡に乏しくなってしまい、観る側に余計な負担を強いるのも事実。新規ユーザーを開拓することを考えるなら、改めて再放送する意味は小さくない。普通、深夜アニメは再放送による新規ユーザーの獲得なんて期待するべくもないのだが、この作品には、それだけの期待が持てるだけの話題性があったのだ。しかし、新規ユーザーを狙った目的が顕著であるだけに、やはり既存の視聴者に対して不親切だったのも事実。放送開始時には新作が挟まれるかどうかも分からなかったし、分かった後も、新作を観るために旧作を見直すか、パスするかを選ぶ必要があった。視聴者に無駄な負担を強いる危険性という意味では、メリットとデメリットが割りにあったかどうかは微妙だ。そして何より、後ろ暗い話題のせいで、どうしても「山本寛の幻影を消すための時系列順放送」という裏側が見えるようで仕方なかった。

 次に、実際の新作エピソードである「笹の葉ラプソディ」と「溜息」。これは、やはり素直に「流石の京アニ」と褒めるべき部分。「溜息」の方は55ページ区切りというアニメ作品として全く意味のないこだわりなんかが非難を読んだりもしているわけだが、そんなことに気付くのは原作読者だけで、知らない人間からしたら「そんなもんか」という程度のもの。それよりは、きちんと京アニクオリティを維持して「間をつなぐ」ことに成功していたという部分の方が重要だろう。間に「笹の葉」と「溜息」が挟まることで1期のエピソードでばらまいた伏線がきれいに回収されているし、構成も過不足無い分量を消化している。何の含みも無しに新作としてこれが与えられたのならば、充分に好評だったものと推察できる。

 で、最大の問題点である「エンドレスエイト」だ。アニメ「ハルヒ」の趨勢を決定的なものにしてしまったこの8話のエピソード。個人的には、特に退屈することなく8回とも見られたし、「長門達の味わった絶望的なループの再現」というコンセプトで、この無謀としか思えないチャレンジに踏み切った冒険心は評価したい。様々な意見はあるだろうが、視聴者が「絶望的な」気分に陥ったのは間違いない事実。これ以上無い形で「無限ループって怖くね?」を表現出来たことになる。無限ループを最もよく伝わる形で伝達する方法は、当然無限ループが一番手っ取り早いのだ。そしてこの企画は本当に思いつきだけで出来るものではなく、毎回毎回、バンクなど1度も用いずにきちんと「新作エピソード」として製作、放送している。確かに同じエピソードを何度も見せられる視聴者は苦痛を感じるが、同じエピソードを作り続ける人間の方が、その何倍もの苦痛を味わっているはずだ。「楽したいから」とか「おもしろ半分で」とか、そんな生中な気持ちで出来る企画ではなかった。

 しかし、「前人未踏であること」は、やはり「偉業」とイコールではない。寒風吹きすさぶ「ハルヒ」の跡地を見るまでもなく、世間的にはこの挑戦は評価されなかった。アニメの視聴者なんてものは単なる「消費者」に過ぎないのだから「評価されるか否か」を前提として創作する必要は必ずしも無いとは思うが、現代において、アニメは確実に「商品」である。その視点を意識すれば、この「挑戦」は決して「商品」たり得ないことは、まともな人間ならば想像出来たはずなのだ。「視聴者を楽しませよう」とするならば、自分たちの目指した「表現」はそれに合致していないことに、気付くべきだったのだ。アニメーション自体の完成度の如何を問わず、この企画は、商品として失敗であった。

 でもまぁ、私は個人的にアニメ作品を「商品としての出来」という尺度で評価する必要は無いので、8回続いたあの夏の2週間も、その他の新作も、そして最後を締めくくる旧作の「ライブアライブ」や「サムデイインザレイン」といったヤマカンの魂の咆哮も、全てひっくるめて、やっぱり面白かったとは思う。劇場版も決まっているようなので、次回こそは「汚名返上」といって欲しい。

 今回の出来事は、対岸の火事としてみる分には非常に面白かった。あれだけ熱狂的な「ファン」が着いていたと思っていたのに、これしきのことですっかり評判を落とすあたり、現代のアニメ消費層がどんな視聴をしているのかがよく分かる。作り手側も色々と大変である。 

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○「怪談レストラン」 5

 朝日放送のゴールデンという、ちょっと珍しい時間に突如現れた子供向け怪談番組。ゴールデンタイムで怪談アニメというと「学校の怪談」が凄く懐かしい。あれもなんだかんだで結構根強い人気があったし、いつの時代も、お子様たちは「こわいはなし」に興味津々だ。調べてみると原作本のシリーズは1996年からスタートして既に「〜〜レストラン」シリーズで50冊以上が発表されているロングセラーらしい。私の小さい頃はそれこそ「学校の怪談」シリーズだったけど……あれが姿を変えて再生産されてるってことなんだろうか。

 子供向けで学校をメインの舞台にした怪談話なんてものは大したパターンがあるわけがなくて、全貌が知りたかったら「地獄先生ぬ〜べ〜」を読めば大体カバー出来てしまうくらいだと思うのだが、この作品の場合、純粋に「怖さ」だけを追究して子供を泣かせる怪談シリーズとは一線を画しており、冒頭に登場して司会進行(「世にも奇妙な物語」におけるタモリポジション)を任されるのは、けらえいこの臭いが漂う「幽霊ギャルソン」。古式ゆかしい風体のちょっとおどけた幽霊は、全く恐怖を感じさせずに物語への導入を担っている。

 また、「怖い話が苦手な方も大丈夫ですよ」とギャルソンがお勧めしてくれる通り、怪談の本編もそんなに怖がらせるような仕上がりにはなっていない。もちろん話の筋自体は非常に分かりやすいテンプレートなのだが、無駄に恐怖感を煽る演出を避けて、非常にスピーディーに物語の勘所だけをなぞっていくジェットコースター展開。まず先に「怖がらせよう」という意志のあった既存の「怪談」ものとは、ちょっと仕上がりが違うのだ。

 原作は当然見たことがないので分からないが、ひょっとしたらこの「あまり怖くない怪談」という奇妙なジャンルが、息の長いシリーズ展開につながる新しい形なのかもしれない。当時の私のようなピュア・ナチュラルチキンな心を持った小学生は、たとえ作り話だと分かっていても、この手の話を聞くと夜眠れなくなったり、泣き出したりしてしまうものだが、この「レストラン」シリーズなら安心だ。話の筋を追うことが出来て、なおかつ別に怖くない。小学生が「怪談」に求めるのは「お話としての不思議な情報」が主なわけで、怖がることに焦点を置かず、「物語のテンプレート集」としてこのような媒体が存在してもおかしくはないのかもしれない。

 アニメーションとしても、アフターケアはひょうきんな顔をしたギャルソンが締めてくれるので一安心。子供向けなのでそこまで気合いの入った画があるわけではないのだが、家族で夕食の卓を囲みながら見るアニメとしては、なかなか面白い落としどころかもしれない。少なくとも「フェアリーテイル」よりはこっちが良さそう。「お父さんの小さい頃にもこんな話があったなぁ」とかいう会話が生まれれば完璧である。こういうアニメがあるっていうのは、訳もなくほっとさせられます。

 で、そんなお子様視点を完全無視してキャストの話。メインキャラを務めるのは白石涼子と浅野真澄。なんか、すごく青二が絡んでる臭いがします。こういう仕事でしぶとく残ってるのを見ると、荒鷲先生も事務所移して良かったなぁ、と思わずにいられない。 

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 今期はあんまり感想が書きたくなるような作品もないなー、というよく分からない悩みを、最も嫌な方向から解決してくれた絶望の第2話。すまん「ミラクルトレイン」、お前よりも「もうやだこの国」な作品は存在していた。腐女子のパワーというのもものすごいものがあるが、やはり男性ヲタ向け作品の方が、芸術点は上を行く。やおいやBLがいる場所は、萌えエロが既に三千年前に通過した場所なのかもしれない。

 視聴してからざっと見ただけでも分かるのだが、この第2話、既に各所で話題を呼んでいるようだ。そらそうだよな。これまで様々なアニメが作られ、ギャグもシリアスも実に多種多様な角度から創作が行われているわけだが、ここまで「バカ」の一言が似合う創作物も珍しい。たった1つ「パンツ」というキーアイテムをとことんまで突き詰めることで、ここまで馬鹿馬鹿しいものに仕上げてくるとは。このスタッフ、ほんまもんや。確認すると、コンテ切ってるのは斎藤監督本人。まぁ、これは仕方ない。こんな気の狂ったコンセプトで他人に指示を与えるのは無理だろう。そして、演出には奥野耕太。……奥野さん、何してはるんですか。あんたやっぱりすげぇよ。

 具体的に何がバカなのかはエンディングを見れば分かるのでここでグダグダ説明する必要も無いだろうが、野暮とは知りつつ更に余計な掘り下げを行いたい。まず、この作品を支える大事な要因の1つに、前回感想でも取り上げたキャラクターのデフォルメ化がある。ギャルゲー原作などの萌え作品の場合、野郎のキャラにも「愛らしさ」のステータスを損なわないためにデフォルメで描くというのはよくあることなのだが、この作品の主人公は、これが徹底している。最近だと「ケメコデラックス」の三平太なんかが近いイメージだが、極端な場合には他のキャラクターが全員普通の等身なのに、智樹だけが1人でずっとデフォルメを維持している場合もある。そはらが水たまりを渡るシーンからの連続モロ未遂シーンなんかは、デフォルメでやってるからギャグになるが、もう、あり得ないレベルで色々アウト。いや、どう弁護しようがやっぱりアウト。これが世間の選択だというなら、とりあえず「乃木坂」の湯気をとってくれるようにYTVに乗り込むべきだとは思う。

 他にも、非常に爽やかかつ鮮やかな映像を使って真顔で小ネタを連発しているために、息つく暇もない。最初は羽ばたいていただけなのにブルマを境にジェットで飛び出す下着類(正確にはジャージやスパッツも飛んでるから下着じゃないけど)、ご丁寧に包帯だけは何の爆音も出さずにひょろひょろと飛び出す。幼い頃の回想では、智樹が偉そうにそはらにチョップの指導を行っており、幼児の瓦割りという非常に珍しいシーンもみられる。現在あれほど智樹が恐れている殺人チョップだが、実際はお前が伝授したんじゃないかと。ご丁寧にそはらはどんな体制からでも打撃はチョップ限定。チョップを連打で繰り出せるヒロインってのは珍しい(「SOUL EATER」のマカくらいか)。

 そしてエンディングでは大群を成すパンツを、何故か鷲が捕獲して持ち去る。「あぁ、これが弱肉強食の自然の摂理か」……って、鷲は巣に持ち帰った後に途方に暮れたんだろうなぁ。パンツがきれいな群れを成して飛んだり、疲れて樹にとまってみたり、非常に細やかな表現が見事なのが、かえってこの作品の病巣をくっきりと浮かび上がらせる。パンツのみをわざわざCGでモデリングして美麗なグラフィックに仕上げるという手間のかけ方は、「努力」でも「演出」でもなく、単なる「病気」だ。あぁ、褒め言葉ですけどね。そしてバックに流れる歌がちょっと懐かしい感じでまたいい歌なんだ。もう、こんな国に誰がしてしまったんだ。

 とにもかくにも、2話目で一気に話題をさらった超絶バカアニメ。ただ、「ケメコデラックス」も2話がピークであとはトーンダウンした、なんて実績もあるので、来週も同じように感想が書きたくなるかは分からない。今のところトピックス立てたのがこれと「超電磁砲」って……今期のアニメは大丈夫なんだろうか。

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○「FAIRY TAIL」 4

 一応見てみた、マガジン連載原作のアニメ化作品。よりにもよってこれがゴールデンで放送されるっていうのは……いや、まっとうなのかもしれない。でも本家(?)であるワンピースが移動したってのに……図太いな。

 真島センセイについては、毎週マガジンを読んでいるのに読もうと思った機会が1度もなく、原作についてもよく分からない。ただ、1話を見る限りではそのおおよそのイメージを外れるものではない。つまり、これを見るならワンピース見てればいいってことだ。キャラクターの造形だってシナリオラインだって、どこが面白いかと言われると頭を抱えるしかないし、アニメーションとしても特に奇抜な点も、努力がみられる点もない。ま、ひょっとしたら家族団欒の空間でダラダラつけておくテレビとしてはちょうど良いのかもしれないけどね。今のご時世、ゴールデンでアニメやるだけでも貴重かもしれません。この時間はどうしてもジャンプ漫画に偏りがちなので、マガジンにも頑張って欲しいもんである。

 とはいえ、一応見たからには見どころも探さないと。この作品の一番の見どころは、釘宮がやってるネコキャラ。なんかすっとぼけてて良い味出してました。釘はこの番組の前の時間帯にやってる「たまごっち」でもメインを張っているので、釘宮病患者にとってはよい処方箋になるかもしれません(一応「たまごっち」も新番組で、視聴はしたのだが、流石に感想を書くポイントが見いだせなかった)。中の人ネタなら何とでも言えるので楽です。 

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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