最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
○「懺・さよなら絶望先生」 5
良くも悪くもいつも通り。こんな作品のくせに(褒め言葉)気付けば3期。すっかりシャフトの定番商品みたいになっている。この原作スタイルなら本気を出せばいくらでも続けられるわけだが、果たして何期までいくものだろうか。多分、飽きるまでだろう。 今回も1話は龍輪さんによるコンテで、原作をそのまま持ってきたようなそつの無い仕上がり。一応初回っぽく生徒全員の紹介なんかも入れているが、何か訳の分からないネタが仕込まれているということはない。その分だけ面白味に欠ける部分はあるが、もう既に自分がこの作品に何を求めているのかもよく分からなくなってきているので、不満があるわけでもない。むしろ生徒全員(何故か臼井くんまで)が団結して望を助けにいくシーンなんかは懐かしの東映まんが祭だったら劇場版で使われるようなプロットで、各々が自分の得意技で看守を撃退していくカットは無駄に良い動き。メルの携帯電話はどうやってダメージを与えていたのかよく分からないが……この時点で三珠ちゃんまでがレギュラーとして定着していることは分かった。根津さんと丸内さんは流石にいないか。 とにかく、1話では「まぁ、クオリティは変わらないな」という安心感だけ得られたので、今後はすっかり刺激になれた「絶望ファン」にどんな驚きを見せてくれるか、という勝負になるだろうか。長期を目しているならあまり奇をてらわない普通の演出でも構わないとは思うけどな。 最後はやっぱりキャスト話。こうしてみると各キャストが本当に自分のホームグラウンドで戦っている分かりやすい配役になっているわけだが、改めて麻里奈は電波役が似合うなぁ、と。「スキップ・ビート!」でいい感じにはまってたもんだから、今回久しぶりに千里(句読点付き)を聞いてそう思った。エンディングテーマでは今回も「地味な方」の生徒達がユニットをもっているのがうれしい。アサ姉ぇは最近地味に歌唱の仕事が増えてる気がする。そして最後の絵描き歌。両画伯による見事なコラボ企画であったが、小林画伯の方はもう慣れてしまった(もしくは覚悟していた)ので大丈夫だったが、ゴトゥーザ様が本気出し過ぎてた方が面白かった。 PR
○「NEEDLESS」 5
原作は大体既読で何となく好き。今回アニメ化するにあたってドラマCD版とはキャストががらっと変わってしまったのがちょっと残念だったけど、アニメ版も決して悪いラインナップじゃない。そんな感じ。スタッフは迫井&マッドという非常に難しい連中で、「仮面のメイドガイ」ならミドルヒット、「怪物女王」なら残念無念。今回は「テクニカルディレクター」という謎の名義で沼田誠也氏がクレジットされているので色々と期待はしたいところだが…… で、1話。まず、予想していたよりもアニメとしての落としどころが微妙。今井絵はアニメ向きだろうと思っていたのに、キャラデザも結構変化しているし、何より山田の髪の色が変。もともとあんなもんだっけ? イヴの衣装とかも微妙に色が気になるし、背景とのかみ合わせとかを考えると慣れるまで時間がかかりそうな気もする。そして、展開が早い。確かに1話目でやるべきはあそこまでだとは思うのだが、山田と姉の別れや、頑張ってブレイドを運ぶところなんかがざっくりあっさり。終盤のバトルシーンを見せるためには仕方ないんだけれども。このスピードだと2クールでアークライト戦まで行く気なのかな? ちょっと無理がある気がするが…… とまぁ、不満はちょいちょいあるものの、原作が好みだから出てくる不平なのかもしれない。作中の必殺技名なんかは視聴者に分かりやすいように文字で演出してくれているし、バトルシーンの演出もコテコテながらギャグとのバランスがいい。子安の「判決死刑」を最大の見せ場に構成したらこうなったと思えば、納得も出来るか。 今後の発展性はあまり無い気がするのだが、出来ればバトル偏重よりもギャグのテンポありきでお願いしたい。少女部隊が出てきたら雰囲気も変わるだろうし、山田のスキルである「推理」が絡むとまた演出も難しくなるしね。 で、最後はキャスト話なんだが、イヴ役のキタエリは、まぁ有りか。山田も最近大忙しの綾さんだが、これまた安定した仕事。そして子安にめぐーにきーやん、内海さん。結構コマはそろっているのです。少女部隊はCD版キャストの方が良かったんだけど……まぁ、いいか。梔役がみのりんなのだが、作中で必殺技名以外にしゃべったところは1回しか見た記憶がないんだが。
○「かなめも」 6
「またまんがタイムきららかよ!」「またひらがな4文字かよ!」「また豊崎かよ!」「また少女ハーレム設定かよ!」などなど、もう本当に現代アニメは原作飽和状態であることを示すうんざり感満点。もう、こんな設定ばかりで何も面白いものなんか出てきやしない! あ、いいね、これ。おじさん気に入ったかも。 こういう「長屋もの」は個人的にツボで、過去の作品でも「ひだまりスケッチ」「狂乱家族日記」、ちょっと前だと「まじぽか」とか「まほらば」なんかも割と好みのタイプだった。そんな典型パターンでも意外に難しいのが1話の導入。一気に住人が登場するおかげで、視聴者にキャラクターを印象づけるのが難しい。そこのところをうまくクリアしてるのが今回はよく分かるポイントで、露骨すぎるくらいのキャラの「属性」が自然な会話の流れから引き出される。コロコロしたキャラクターに全体的な雰囲気もマッチしているし、新聞屋っていう設定自体もなかなか目新しい。「けいおん」でギターが馬鹿売れしたみたいに、この作品を期に不調の新聞産業が盛り返したりするんだろうか。いや、まぁ、無理なのは分かるが。ちょっと気になるのが「こじか」ばりにはっきりした修正の数々だが、別にこんなちまっこいキャラにエロは期待してないので、余計な演出無しで見られるくらいの画面を作ってほしいのだが(あんまり露骨な百合要素もちょっと雰囲気にそぐわない気もする)。 スタッフを見てみると、なんと監督は久しぶりの高柳さん。「姫様ご用心」はかなりの不発で終わってしまったので、今回は「4文字4コマ人気」にあやかってきっちり結果を出してほしいところ。構成の中瀬さんも実績のある人だし、こういうお祭り騒ぎの愛らしい女の子ものは相性がいいのではなかろうか。オープニング原画に細田がクレジットされたりと、割と好きなクリエーターの名前が散見される。やっぱりアニメを見てる時の1つの楽しみは「おー、今回はこんな人達が集まったんやなぁ」っていう奇妙な化学反応みたいな味わいだ。 そういう楽しみはキャストにも言えること。この手の作品は一気にキャラクターが出てくるので、答えを見ずに駄目絶対音感のテストをするには格好の素材。今回は無口眼鏡の子はギリギリまで悩んだが、一応メインキャスト全員認知出来た(まぁ、代理役の水原はオープニングで名前見たから分かったようなもんだけど)。涼さんにヲタエリ、綾さんにヴァ。そして豊崎。なかなか面白い面子が集まったぞ。これに釘も参戦するのか。なんか綺麗どころが多いな—。
○「うみものがたり〜あなたがいてくれたコト〜」 4
沖縄っぽい南国の海を舞台にした「ARIA」の新作。最初はどうしたってそう見えるよね。地上の子はどう見ても藍華だし、マリンは灯里だし。でもなにやらほわほわした雰囲気とは別に妙なシリアス展開もあり、ちらっと情報を見たら「悪との対決」要素もあるらしい。なんじゃいそりゃ。おとなしく常夏の海ででっかい幸せでも探してりゃいいものの。 原案がパチンコっていう時点でちょっと抵抗はあるが、なんと言ってもあのサトジュンの新作。期待するなと言う方が無理な話なのだが、総じて見ると非常に地味で伝わりにくい1話目になっている。所々で愛らしい表情を見せるキャラクターや画面のメリハリがきいたオープニングなんかはいかにもって感じなのに、メインのストーリーの方はギャグればいいのか萌えればいいのか真面目ればいいのかが分からない。さらっと流している設定も実は突拍子も無いものだし、深く考えたら負け。かといって考えずに見るには起伏に欠ける。うーむ、ここからどのように盛り上げていくかってコトになるのだが……ちょいと攻め気に欠ける1話目でした。今回は制作がサトジュンのお膝元であるハルフィルムじゃないんだが、何か関係があるのだろうか。 もう1つ気になるのは、登場人物に共通する琉球方言。当方ネイティブでは無いので正しいのかどうかは分からないが(方言指導がいるのだからある程度は正しいのだろうが)、どうしても独特のイントネーションは違和感が残る。取り立てて「沖縄風味」を押し出す必要があるとも思えないので、いっそ全員標準語でも何の問題もなかったように思うのだが……後から効いてくるのかしら。メインヒロイン役のアスミスとホァだけ標準語でいいのはずるいよな。 あ、ラジオは面白いのでそこは問題無しです。イエス! アスミス!
○「エレメントハンター」 4
「元素と仲良くなる!」というとんでもないテーマを打ち出した謎の教育アニメ。露骨なセッティングはアホらしいを通り越していっそ清々しく、「まぁ、子供が興味を持ってくれりゃなんだっていいや」という気にさせてくれる。実際、導入部分では「ルビジウムが消失したことで地面が数メートル陥没した」なんてとんでもない事件で度肝を抜いてくれたり、頓狂な設定だけでも気にさせる力がある。 とはいえ、どうにも隣国との制作協力体制が見え隠れするおかげか、お世辞にもクオリティが高いとは言い難い。大崩れしているわけではないのに時たま不安になる画面、90年代を臭わせる安易な演出。せっかくのチャレンジなのだから、もう少し確実なところに頼んだ方が良かったような気が…… テーマの見せ方としても課題は残っており、たとえば今回は窒素の回収が主な任務になったわけだが、何となく「窒素とアンモニアは関係があるの?」というくらいの見せ方で終わってしまい、実際に科学反応に興味を持ってもらうにはハードルが高い。せっかく「エレメント」という設定で元素を具現化までさせているのに、やってることはポケモンボールをぶつけてポケモン回収するのと変わらないのだ。まぁ、どこまで本気で「科学アニメ」にしようとしているのかは定かでないが、半端にやるくらいなら「思いっきり科学アドベンチャー・そーなんだ!」くらいのわかりやすさがあってもいいと思うのだが。 結局、この作品の最大の難点は「対象年齢が分かりにくい」という部分かもしれない。「そーなんだ」は明らかに小学生を狙っていたものだったと思うのでポケモンちっくなゲーム設定アニメで良かったわけだが、元素記号にまで突っ込んで勉強するのは最低でも中学生以降なわけで(今の小学生ならやってないとも限らないが)、こんな子供じみた設定のアニメをおもしろがってくれるとは思えないのだ。まぁ、かくいうこんなおっさんがしっかり見てるのもどうかと思うけどさぁ。だって公式ページの周期表、アクチノイド以降の元素まで書いてあるんだぜ。何話構成になるのか知らんけど、イッテルビウムやウンウンビウムでどんな話を作れというのだ。……2クールで鉄くらいまでやればいいのかね。 そうそう、いつも言ってることなんだけど、子供のキャラだからってリアル子供をキャスティングする意味は無いぞ。鬱陶しくてそれだけで視聴意欲が下がるわ。
○「GA 芸術科アートデザインクラス」 5
原作の大ファンなので、期待半分、不安半分でのドキドキ視聴。キャストや制作スタッフが全て分かっていたので、ある程度の予測はしながら見ていた。 総合的な判断でいえば、まぁ、可もなく不可もなくといったレベルだろうか。専門用語の羅列になると画面上で意味が分かりにくくなり、視聴者を置いてけぼりにしてしまう傾向にあるのだが、実際はこれは原作も序盤に抱えていた問題である。出来ればアニメ化にあたってその辺も見直してくれれば良かったのだが……仕方ないか。 掲載誌やジャンルの関係でどうしても「ひだまりスケッチ」との比較で見てしまうのだが、「ひだまり」との大きな違いは、アニメ化するにあたって、もとの「4コマとしてのテンポ」みたいなものを割とそのままの形で提供している点だろうか。「ひだまり」は1話で1日を描くという切り方をしているのでネタとネタの切り目が曖昧になり、流れを見てネタの順番も入れ替えたりしていたので、どちらかというとアニメとしての1話の全体図を意識した作り。対してこの「GA」は原作のネタの切れ目(つまりオチ)をそのままオチとして使い、小ネタを積み上げて構成していく形。一長一短だろうが、個人的には「ひだまり」のようなアニメの構成重視の方が技術的には高いものであると思う。特に初見の視聴者に対して顔見せの意味合いを持つ1話の場合、小ネタのつなぎでは人間関係や雰囲気を伝えるのが難しい(今回もキョージュのあだ名のネタとかは原作見てないと意味が分からないだろうし)。おそらく原作を大事にしようという意思の表れなのだろうが、そのあたりの処理は原作ファンとしては微妙な心情である。とはいえ、オリジナルのエピソードなんかも雰囲気は出ていたと思うので、このままの調子で空気感に気をつけて作ってくれればそれなりのものにはなるのではなかろうか。2話でもうあーさんが出てくるのね。 ほんとにどうでもいいけど、一番気になったのはキョージュの髪の色が明るすぎやしないか、ってとこ。もっと常闇のような黒を期待していたのだが。
「宇宙をかける少女」 6→5
こりゃなんじゃいな。いや、面白かったよ。面白かったのだが、最終回の尻切れトンボな感じをどう処理していいのか分からない。一応伏線らしきものはおおよそ回収してはいるのかもしれないが……うーむ、ナミの扱いとか、ネルヴァルの野望に対する埋め合わせとか、神楽の扱いとか、ほのかの命のこととか……やっぱり納得いかないな。あの大量の箱はどう処理するんだろう。 スタッフ面だけを見るとあの「舞-HiME」プロジェクトの流れをくむ作品で、キャストをみれば流れが継続しているのはよく分かる。地上波シリーズとしては前作に当たる「舞-乙HiME」でメインを張った二人が怪奇課の下っ端2人になっていたりと色々笑いどころはあるが、やっぱり一番気になるのは中原麻衣の使いどころ。何でも出来る素晴らしい役者だが、前作、前々作とメイン級の仕事をしていた彼女に「なんだか雰囲気で裏切ってたけどいつの間にか正気に戻って最終的にラスボス候補だったナミをボコボコにして『ごめん、全部あたしの勘違い』という史上まれにみる無責任な発言をする」役である神楽を担当させた辺りに、ラストの投げっぱなしっぷりが象徴されているようだ。ギャグを全面に押し出していたのは分かるし、ラストでネルヴァルに遠慮無くぶっ放すレオパルドなんかは割と笑えたのだが、イモちゃんの死にマジ泣きしそうになり、レオパルドの覚醒にそれなりに手に汗握った身としては、「あのどきどきは何だったんだ」と不平の1つも言いたくなる。最終話はどう見ても駆け足だし、せめてラストエピソードには事件の後の各人の様子を描く後日談くらいは入れてほしかった。とすると、絶対にあの9話が余計なのだ。誰だよ、あんな構成にしたやつ。 とまぁ、最終話と全体の構成についての不満は多いのだが、やはり全編通してサンライズのクオリティは維持されていたし、ネルヴァルやクサンチッペ、そしてベンケイとつつじのでこぼこコンビなど、悪役に味のあるキャラクターが多かったし、スペースコロニーどうしの殴り合いという無茶な設定もそれなりの見せ方できちんと利用できていた。発想と経過だけを見れば充分な出来であろう。まだまだ続編も作れそうな設定だし、今回のシリーズは「まだ物語が終わっていないから中途半端に見えただけ」という風に好意的に解釈してみたい。続編は是非「つつじの反乱」で。 1つだけ疑問なのだが、この企画も、1つ前に同じようにして作られた「アイドルマスターXENOGLOSSIA」も、「舞-HiME」の流れで動いたプロジェクトだと思うのだが、キャストも一緒でせっかくの「スターシステム」なんだから、「舞-HiME」のキャラクターをそのまま流用することは出来なかったんだろうか。今回だって碧ちゃんが獅子堂家の総帥で、上から二三さんや奈緒がそのまま入ってもあまり違和感が無かったと思うのだが……アリカとニナが協力してピザにがっついてる姿が見てみたかった。
○「化物語」 6
ある意味今期最大の注目作。西尾維新作品の初アニメにして、シャフトの新作。一体何が起こるか分からないし、おそらく観た後にも分からない可能性がある。 まず、世間的な風評をフォローしておくと、およそ原作既知の人間の評判は悪い。そもそも新房シャフトは「原作クラッシャー」という悪名高き存在なわけで、西尾維新のような熱狂的な信者を持つ作品でそのバッシングが強いのは当然といえる。あまりにイメージとかけ離れたものが飛び出してくれば文句が出るのは当然で、シャフトが「イメージ通りのもの」を出してくるはずもない。奇怪な演出で腹を立てた原作ファンが多いことだろう。 しかし、残念ながら私は「西尾維新信者」ではなく「新房ファン」である。「夏のあらし!」が新房的には少しおとなしめの作風だったせいもあり、今回の純正っぷりには鼻血が出そうな勢いだ。メインのディレクターに尾石達也を配したことにより画面は混迷を極め、キャラクターデザインは「SOUL TAKER」以来、久しぶりに渡辺明夫が名乗りを上げる。もう、全ての要素が鼻血の原料。 元々、西尾維新の作品は問答無用でアニメ化には向いていない。過去の事例を挙げるならば「×××HOLiC」の1期17話で原作として使われているわけだが、あの時も、水島努監督は原案通りに「画を作る」のを放棄することで解決をみていた。何が問題かといえば、圧倒的に台詞量が多いのだ。原作を読んでいないので予断にしかならないが、おそらく地の文のテキスト量も、実際のタイムテーブルに相当するカット数からはみ出るほどの分量があるだろう。つまり、この「余剰テキスト」こそが、西尾維新の(そして引いては現代ラノベの)「味」になっている。通時的にシーンを動かす必要のあるアニメーションに於いて、この余剰部分である「虚飾」は絶対的に相容れない。 そして面白いことに、シャフトというスタジオの持ち味(の一部)もこの「虚飾」である。実際のストーリー部分とは関係のない飾り立てが、新房組を特徴付ける1要因であることは間違いないだろう。2つの虚飾がぶつかり合ったその先に、この「化物語」が生み出された。それは、アニメーションとしては暴虐とも言えるほどの「画」と「音」の二重構造。 これまでのシャフトの作品を振り返ると、たとえば「さよなら絶望先生」ならば「虚飾」という要素が漫画原作の持つ特徴をそのまま書き出すことが可能となり、奇跡的な調和を見せた。不条理ギャグ作品の「ぱにぽに」も似たようなところがあり、「虚飾」を置くことそのものが、まるで原作にはじめからあったかのような親和性を生み出した。対するのは「ひだまりスケッチ」や「ef」シリーズだろうか。これらの場合、原作の背景は非常に情報量が少ない。その分をシャフトが「虚飾によって書き足す」ことで新たな発展を見せたわけだ。 今回の場合、これらのどちらも通用しない。原作情報量はどだいアニメ化が無理なほど多いし、かといってあふれ出る文字情報をそのまま画面に落とし込んだところで何の発展性も無い。普通の作劇法なら、確実に八方ふさがりだ。 しかし、新房組はここで奇妙な「ステレオ形式」を採用することでこの難問をぶち破る。不可解な台詞回しは極力そのままの「味」として採用し、最低限の作画で脚本部分を伝える。そしてその間のあまりある時間を、独自の画面情報で覆い尽くすことによってカヴァーしている。「虚飾」の「語り」と「虚飾」の「画」は、本来全く違うものであるはずなのに、あまりに突拍子も無いために逆に何がおかしいのかが分かりにくくなっているのだ。 はっきり言って視聴者には無理難題を強いているわけだが、西尾維新作品の持つ「文章」ならば、この画面でも吸引力を維持することが可能であるとの判断だろう。もちろん、万全の信頼を置いたキャスト陣の実力を信頼して、という部分もある。 1話は演出に尾石氏、作監に渡辺氏を招集しての万全の体制。画の嵐、言葉の嵐によるオーバーフローの情報に、飲み込まれるような1本になっている。丁寧に1つ1つ観ていけば、実際は粗も目立ち(たとえば序盤のひたぎの走るシーンなど、お世辞にもうまい動画とは言えない)、単純な「作画」という面から見たら決して飛び抜けたものではない。しかし、過度な陰影で特徴付けられた新房テイストによって、その全ては「ごまかされて」いる。もちろん、こうした「ごまかし」が最大限の計算に裏打ちされた構成力によるものであることは言うまでもない。このクオリティが維持されるならば、また新たな新房組の看板になるかもしれない。 最後はやっぱりキャスト話。文中でも少し触れたが、この作品はキャストの「語り」でもっている。久しぶりのシャフトでメインを張る千和の恐ろしいまでの柔軟性と、安心のコンビネーションを演じる神谷兄ぃさま。唯一の心残りは、寄りにもよって「絶望先生」と同時期に放送しているってことか。流石に……被るなという方が無理だ。
Awakener Druid (2)(G) U
クリーチャー・人間、ドルイド 1/1 〜が戦場に出たとき、対象の森1つは〜が戦場にある限り4/5で緑のツリーフォーク・クリーチャーになる。 場に出るだけで1/1とツリーフォークが得られるということは「大使の樫(MOR)」と同じである。ただ、あちらは4マナで3/3と1/1だったが、こちらはなんと3マナで4/5と1/1。森を1枚必要とするとしてもかなりのスペック。過去には「生きている大地(9ED)」というカードもあったが、森の力を借りればそれなりにサイズを満足させることが出来るようである。ただし難点が1つ。それは、このクリーチャーが死ぬとツリーフォークも無かったことになる点。つまりせっかく4/5なのに「紅蓮地獄」で死ぬし「放蕩紅蓮術士」で死ぬし、「コショウ煙(LRW)」でも死ぬ。つまり、相手が悪い場合は全く4/5としての体を成さないということだ。まぁ、このコストなのだからそれくらいのリスクは仕方ないと割り切り、うまいこと適合する相手に合わせて使っていきたいところ。リミテッドだと3マナ4/5で疑似速攻クリーチャーになるので結構洒落にならん気がする。 Borderland Ranger 国境地帯のレインジャー (2)(G) C クリーチャー・人間、斥候 2/2 〜が戦場に出たとき、あなたはライブラリから基本土地カードを1枚探し、それを公開して手札に加えて良い。そうしたなら、あなたのライブラリを切り直す。 「護民官の道探し(10ED)」の種族変更再版。基本的に人間になっていいことは何一つないので、エルフでなくなってしまったのは一応マイナス。でもまぁ、まもなくローウィンも落ちるので、この変更は大した問題ではないだろう。ほんの一瞬だけ、緑黒エルフで「光り葉の宮殿(LRW)」をアンタップインさせにくくなり、「レンの地の克服者(LRW)」を出しにくくなるだけである。こうして見ると、結局最初から最後までローウィンエルフは元気だったなぁ。 Bountiful Harvest (4)(G) C ソーサリー あなたは、あなたのコントロールする土地1つにつき1点のライフを得る。 緑名物の、いらんライフゲインスペルの新作。10版は5マナ8点の「自然の泉(10ED)」だったのでそこそこのスペックだったのに、またもや先祖返りしたかのようなショボ性能。こんな緑に誰がした。 Bramble Creeper (棘茨の忍び寄るもの) (4)(G) C クリーチャー・エレメンタル 0/3 攻撃に参加するたび、〜はターン終了時まで+5/+0の修正を受ける。 「モストドン(ALA)」などを見る限り、緑クリーチャーの5マナの平均スペックは4/4か5/3だ。つまり、このクリーチャーはブロック時に役に立たないことを考えると、ほとんど下位互換と言ってしまっていい。いままでこんな特徴を持つクリーチャーはほとんどいなかったのに、何でこんな形にしてしまったのだろうか。もちろん、この能力が意味を持つ場合もある。一番分かりやすいのは戦闘フェイズが増える場合で、「最高の時」のある状態なら最初のワンパンチが6/4、そして2度目の戦闘ではなんと12/5! なんと夢のあるコンビネーションだろうか。ん? 「ラフィーク」でいいじゃないかって? いやいや、ここは逆に考えるんだ。「ラフィークもいれば2回目のパンチで28点入る」と。 Centaur Courser ケンタウルスの急使 (2)(G) C クリーチャー・ケンタウルス、戦士 3/3 「ネシアンの狩猟者(FUT)」の同型再版。だから同型ならそのまま収録すればいいと思うのだが、「ネシアン」っていう固有名詞が駄目なんだろうか。そもそもネシアンってどこだよ、誰だよ。未だ登場していない次元の言葉をもってこられても困るかもしれないが……とにかく、「訓練されたアーモドン(9ED)」の上位互換なので、リミテッドなら大切なカード。これで未来予知の巨大イラストバニラは2体目の収録ってことになるな。個人的には「第六隊の刃(FUT)」がくればアツかったのだが。 Cudgel Troll (2)(G)(G) U クリーチャー・トロール 4/3 (G):〜を再生する。 「ゴリラの酋長(7ED)」ならびに「スカイシュラウドのトロール(TMP)」の上位互換クリーチャー。パワー4の再生クリーチャーはどんな状況でも非常に強力であり、再生に1マナしかかからないのも有難い。特にリミテッドでは再生を禁止する「火葬」と「恐怖」がそろって退場したので、このクリーチャーの安定感は破格である。10年前ならひょっとしたら構築に混ざっててもおかしくない位のスペックなのだが、今の世の中ではこのコストだとプロテクションと多相とパワー倍増装置が付いていないと出番がない。無念。 Emerald Oryx (3)(G) C クリーチャー・アンテロープ 2/3 森渡り 突如現れたクリーチャータイプ「アンテロープ」。これまで「優雅なアンテロープ(ODY)」くらいしかいなかったイメージなのだが、いつの間にやら「暴走するヌー(10ED)」と「暴走する氈鹿(SOK)」の2体もオラクルが出てアンテロープになっていた。一体どんな存在なのだ、アンテロープめ。さておき、緑にはお馴染みの森渡りクリーチャーだ。これまで基本セットに収録されていた森渡りをまとめると「シャノディーンのドライアド(6ED)」(1マナ1/1)、「ラッシュウッドのドライアド(10ED)」(2マナ2/1)、「猫族の戦士(6ED)」(3マナ2/2)などがおり、それらと比べるとこのクリーチャーはちょっとコストパフォーマンスが悪い。これをⅠマナ軽くして警戒をつけると「猫族の戦士、ミリー(10ED)」になったりするし、唯一の売りであるタフネス3も、「ショック」が何故か3点与えるようになった世界では何の意味もないだろう。わざわざ出てきたのに、あんまり使えなくて申し訳ないアンテロープ。 Entangling Vines 絡みつく蔦 (3)(G) C エンチャント・オーラ エンチャント(タップ状態のクリーチャー) エンチャントされたクリーチャーは、そのコントローラーのアンタップ・ステップにアンタップしない。 「ちらつき粉のうたた寝(LRW)」の色変更カード。ただし、この仕事は青の方が得意らしく、色が変わった影響で1マナ重たくなっている。確かにカードのイメージは分からなくもないが、何故突然この仕事が緑に回ってきたのかはよく分からない。緑には除去カードが存在しないため、どれだけ重くてもこのカードはそこそこ使い道があるわけだが、よほどどうしようもないカードを出される場合以外は、こうした不得意なことに手を出すよりも長所であるクリーチャーサイズで押し切る戦術をとった方が安全だろう。もしくはちょっとがんばって色を広げて「平和な心」でも使った方がよっぽど強くなるはず。残念ながら、わざわざ使ってやる価値を見いだしにくいカードだ。 Lurking Predetors (隠れ潜む捕食者) (4)(G)(G) R エンチャント いずれかの対戦相手が呪文をキャストするたび、あなたのライブラリの一番上を公開する。それがクリーチャー・カードであった場合、それを戦場に出す。そうでない場合、あなたはそのカードをライブラリの一番下に置いてよい。 「野生の呼び声(6ED)」の亜種と見ればいいだろうか。あちらは(2)(G)(G)で起動するという形になっていたが、これは相手のスペルに反応して全自動でアタックチャンスしてくれるところが新しい。どんなクリーチャーでもただでプレイできるのだから、弱いカードのはずがない。流石にスペルを1つもプレイせずに戦うデッキなどというものは無いだろうし、放っておいても条件は満たしてくれる。クリーチャーの割合の高いデッキならば、何となく置いておくだけでも元は取れてしまいそうだ。さらに積極的に利用するにはやはりなるべく重たいクリーチャーを使う、という方法があると思うが、その場合、手札に来てだぶついた場合のことも考えなければいけない。手っ取り早いのは「劇的な入場」との合わせ技だが、なんにせよこのカードも6マナと重たく、デッキ全体がヘビーに仕上がってしまうのがつらいところか。うまく使いこなすデッキを考えてみたいものだが。 Mist Leopard (霧の豹) (3)(G) C クリーチャー・猫 3/2 被覆 4マナで猫族といえば「キング・チータ(9ED)」や「忍び寄る虎(10ED)」のイメージなのだが、いまいち猫としてのまとまった能力というのは無いようだ。今回は被覆を持って登場したが、入れ替わりで退場した「トロールの苦行者(10ED)」とのあまりの差別っぷりに涙が出てくる。一方通行でなくなり、再生が消え、そして1マナ重たくなる。これがレアリティの差というならば、私は望んでレアリティなど捨ててくれよう。 Mold Adder (G) U クリーチャー・ファンガス、蛇 1/1 いずれかの対戦相手が青か黒の呪文をプレイするたび、〜の上に+1/+1カウンターを1つ置いてよい。 「時のらせん」で復活し、じわじわエキスパンションを浸食していたファンガス軍団だが、ついに新規カードで基本セットに登場だ。現在は「ツカタンのサリッド(CON)」が同じコストで現役だが、あちらは数で、こちらはサイズで勝負。「血の間の軟泥」とかに比べても随分地味だが、基本セットとはそういうものだ。うまいことはまればゆっくりゆっくり大きくなって、僕たちを見下ろしてくれるに違いない。それにしても、今回緑は「Great Sable Stag」とこれで2枚の敵対色ヘイトカードを搭載したことになるのだが、普通に考えるとこちらはいらない子だ。 Prized Unicorn (3)(G) U クリーチャー・ユニコーン 2/2 全てのクリーチャーは、可能ならば〜をブロックする。 こちらも緑のお家芸であるルアー付きクリーチャー。この部門での有名人は最軽量の「嘲るエルフ(ONS)」だろうか。他にも基本セットなら5マナ2/4の「エルフの吟遊詩人(9ED)」もいた。このクリーチャーは「エルフの吟遊詩人」よりも1マナ軽くなった代わりにタフネスが2減った計算になるわけだが、ルアー役に必要なのは、アタック後にレスポンスで殺されない安定感である。どうせ決め技になるのだから1マナくらいのコスト差は大した違いではないわけで、どちらかといえば弱体化したと考えるべきだろう。ありとあらゆる方法で除去が可能なこのクリーチャーでは、これを囮にして突っ込むのにも結構な勇気がいるのだ。まぁ、リミテッドならそこそこに。一応今回のセットから青には神のスペルである「ジャンプ」が収録されているため、これを使うとルアーをかわされたりもする。その場合は「ジャンプ」をデッキに入れていたプレイヤーにスタンディングオーベーション。 Protean Hydra 変幻のハイドラ (X)(G) M クリーチャー・ハイドラ 0/0 〜は+1/+1カウンターをX個乗せた状態で場に出る。 〜にダメージが与えられたとき、代わりにそのダメージを軽減し、その値に等しい数の+1/+1カウンターを〜から取り除く。 〜の上から+1/+1カウンターが取り除かれるたび、そのターンのエンド・ステップの開始時に〜の上に+1/+1カウンターを2つ置く。 ラヴニカあたりの時代を皮切りに、赤から緑にじわじわ浸食しつつあるのがハイドラ軍団。赤の場合は「カウンターを外すことでダメージを飛ばす」という特性を持っていたが、緑の場合には「黙示録のハイドラ」や「残忍なハイドラ」のようにXコストのファッティとしての性格が強い。このクリーチャーもご多分に漏れずなかなかのサイズを誇り、しかも一撃で仕留めないとサイヤ人のごとく強くなってよみがえるという面倒な能力を持っている。こいつをメインで突っ込んで「紅蓮地獄」や「地震」で相手の場を薙ぎ払いながらハイドラを成長させる「ハイドラバーン」が今後の世界を席巻する夢を、一度も見たことはない。 Stampeding Rhino (踏みつぶすサイ) (4)(G) C クリーチャー・サイ 4/4 トランプル シンプルイズベスト。現在4/4クリーチャーは「ロウクスの粗暴者」が4マナコモンで実現させたステータスなのでいささか地味には見えるが、ミラディン世界では同じ能力の「ファングレンの狩人(MRD)」が緑のエースヒッターだったのだ。トランプルというのは実に大切な能力である。もっとも、「踏み荒らし」や「野生語りのガラク」を使うなら最初から付いていようがいまいが大して変わらないわけだが…… |
ブログ内検索
リンク
最新記事
(09/26)
(09/26)
(09/26)
(09/26)
(09/25)
(09/25)
(09/25)
(09/25)
(09/25)
カテゴリー
プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
アーカイブ
|